学校のシックハウス対策
 
学校のシックスハウス対策

学校のシックハウス対策 附属中学校の保健だよりから 県教委の出した文書から 子どもの暮らしと教育


学校のシックスハウス対策

シックハウスとは、新築・改築された建物や新しい家具などから放散する化学物質が原因で生じる健康障害の通称です。直訳すると「病気の学校」=「病人専用の学校」もしくは「病気にかかっている学校」で変な日本語ですが、広く使われるようになっています。( WHOでは「ビル・ホーム関連健康障害」という表現の方が適切といわれているそうです。)シックハウスの場合、ある建物もしくは建物内のある場所に入ると健康障害を起こしますが、建物から出る、もしくは化学物質を放散しているものから離れるとその症状は軽減します。頭痛、めまい、目の痛みや充血、鼻詰まり、皮膚の異常、疲労・脱力感がなどがよく聞かれますが、全身のさまざまなところにいろんな症状が現れます。今島根県でも耐震性の見直しによる学校や体育館の新築・改築が行われていますが、体調を損なった子どもやおかあさんからのSOSがわたしたちに届き、できるところから現状を変えて行くことにしました。(2004 9/30)

目次
  相談を受けるまで
  附属中学校の対応(2004 6/17)
  県教育委員会に問い合わせる(2004 6/18)
  新築の校舎の薬剤被曝について聞いてみる(2004 6/20)
  附属中学校の迅速な対応(2004 6/30)
  松江市の取り組み(2004 7/28)



相談を受けるまで

化学物質の影響には大きな個人差がありますし、化学物質が心身に引き起こす健康障害も多種多様です。今学校の新築改築においては経済的事情が許す限りのシックハウス対策が取られていますので、健康障害を起こす子は少数派です。教職員が化学物質の影響を受け難い多数派に属する場合、十分な知識がなければシックハウスの生じ得る場所を予測できないでしょうし、具合の悪くなった子に適切な対応を取るのも難しいでしょう。シックハウスに関する相談がわたしに届くのは、わたしが化学物質過敏症だからです。わたしは化学物質に敏感で、ほとんどのひとになんの影響も与えない微量の化学物質で体調を崩します。娘の学校は昨年度まで改築工事を行っており、わたしは入学式の日保護者控室の被服室の薬臭に頭痛を起こし、学校にお願いして事務室で待たせていただきました。後で聞いてみると、1クラス40名の保護者でその部屋にいられなかったのはわたしひとりでした。また、薬臭を感じたひとはいましたが、すぐ慣れてしまったそうですし、全く臭いを感じなかったひともいました。5月のPTA総会でアレルギーの子の保護者から校舎の化学物質に関する質問がでたとき、わたしは手を上げて入学式の日の自分の体験を例にあげて個人差の大きさを説明し、教職員だけでなく生徒自身にも周知を求める発言をしました。今回わたしに相談してくださったのはそのときのわたしの発言を聞いておられた保護者の方でした。

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附属中学校の対応

保護者の方から「子どもが先週から頭痛を訴えている」という相談の電話が入り、放課後一緒に学校に行ってみました。わたしが学校見学会や入学式、5月の参観日に行ったとき特別教室以外ではそんなに強い薬臭を感じなかったのですが、その前の週くらいから急に気温が上がったので、新建材などに含まれている薬剤が揮発しているのでしょう。恐る恐る校舎に入ってみると、昇降口に入った途端「嫌な感じ」が始まりました。1階にある娘の教室に入ってみると、窓が開け放してあるのに薬臭がします。階段を上るとどんどん薬臭は強くなり、1階よりは2階、2階よりは3階と薬臭が強くなっていきます。子どもさんが具合が悪くなるというトイレでは芳香剤の臭いが気になりました。教官室に下りていって、教頭先生と子どもさんの担任の先生に話を聞いていただきました。ここで話をと校長室に案内されましたが、この部屋の薬臭が1番強く、わたしの気分もどんどん悪くなるので、中庭で話させていただきましたが、「学校としては、窓を開け、換気扇を回す(各教室に換気扇が付いています)というできるだけの対応をしている」の返事でした。担任の先生は生徒が登校する時間の30分前から教室の窓や戸を開け放っておられるそうです。トイレの芳香剤についても検討してくださることになりました。(6/17)

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県教育委員会に問い合わせる

翌日、県教育委員会保健体育課健康教育班の伊藤道也さんに電話で問い合わせましたが、「新築の校舎の薬剤揮発に苦しんでいる子に学校ができることは換気以外にない」の返事でした。伊藤さんは化学物質過敏症です。昨年度、わたしたちが「子どもの人権オンブズパーソン」として化学物質過敏症の子のための農薬空中散布対策のお願いに行き、症状について説明しているうち、伊藤さんはホームセンターなどに行くと具合が悪くなる自分に気づいたそうです。今、島根県内の県立や市町村立の学校は伊藤さんから養護教諭への研修を通して化学物質過敏症の周知を受けていますが、縦割り行政の弊害で国立の学校への周知はありません。因果関係を認めなかったり、診断書を求めたりして、頑なな態度を取る学校もあるそうで、伊藤さんは附属中学校の対応を褒めておられました。症状を引き起こすものが、例えば新しいロッカーのように取り除いたり、取り換えたりできる物なら対応できますが、現状では校舎を自然住宅に建て直すわけにはいきません。公立の中学校なら転校も勧めるそうですが、国立の中学校への進学は保護者と子どもの選択です。附属中学校は「児童生徒や保護者の訴えをそのまま信じて、できる限りの対応をしている」の評価でした。公立の学校の化学物質過敏症の周知の現状と伊藤さんの附属中学校の対応への見解を相談して来られた保護者さんと学校に知らせました。(6/18)

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新築の校舎の薬剤被曝について聞いてみる

会ったひとたちに新築の校舎の薬剤被曝について聞いてみました。倉塚香織の子が行っている出雲2中の新築の体育館や床を張り替えたばかりの松江市の総合体育館は今「ものすごい臭い」で、具合が悪くなったひともいるそうです。内中原小学校の体育館は、今高3の子どもたちの卒業の直前に完成し、卒業式はそこで行われましたが、そのとき具合が悪くなった子がいたことを覚えている保護者がいました。附属中学校の校舎については、「臭っている」だけでなく、「上の階に行くほど臭いが強くなる」「月曜日の方が臭いが強い(防犯上土日閉切っているため)」と臭いの変化に敏感な子や「なんか気持ち悪い」と不快感を感じている子もいました。化学物質過敏症ではない子にも「嫌な感じ」を我慢している子がたくさんいるのかも知れません。これから先、気温はどんどん上昇して、薬剤の揮発する量が増えていきますし、汗をかくと薬剤が皮膚に付着しやすくなります。頭の痛い子、目が疲れやすい子、皮膚がかゆくなる子、あせもがひどくなる子、お腹の調子が悪くなる子、咳が出る子、鼻が詰まる子、イライラする子、集中できなくなる子、眠くなる子…。音楽関係のクラブには夏休み閉切ってエアコンをかけての室内練習もあります。子どもたちの体調が心配です。(6/20)

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附属中学校の迅速な対応

県教委保健体育課健康教育班の伊藤道也さんからいただいた学校のシックスクールに関する資料をのコピーを附属中学校の副校長先生に資料を渡しに行き、附属中学校の取り組みについて伺って来ました。附属中学校は、学校のシックハウス対策に来週島根大学教育学部人間生活環境教育講座の正岡さち先生を招いて教職員の研修をします。ホームルームの時間にクラス担任から生徒にシックハウスについて話すだけでなく、保健だよりにシックハウスとその対策に関する資料を掲載して、保護者への周知も図ります。島根県の公立の学校では、まだ教職員への周知までしかできていません。附属中学校の迅速な対応が嬉しいかったです。わたしは附属小学校と附属幼稚園にも学校のシックハウス対策に関する資料のコピーを届け、県教委や附属中学校の取り組みについて知らせてきました。届けた資料は文部科学省が平成14年4月に出した「健康的な学習環境を確保するために〜有害な化学物質の室内濃度低減に向けて〜」です。こちらからダウンロードできます。(6/30)

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松江市の取り組み

松江市教育委員会のシックスクール対応の担当課に話を聞きに行きました。担当の中村さんはアイルランドに出張中でしたが、教育総務課施設管理係の山野さんや総務係長の高橋さん、松江市建築課教育施設係の小松さんのお話が伺えました。今工事中の母衣小や来年度から工事が始まる内中原小学校は、県産の木を使い、床は桧、壁は腰の高さまで杉を使うそうです。天井には化学物質を吸着するシートを貼り、24時間換気システムが付いています。ただし、木には塗料を使うなど化学物質がゼロというわけではないのですが、最高レベルの4☆の材料を使うそうです。前向きの取り組みに「ぜひ市の広報に載せてください」とお願いして帰り、帰りに附属幼稚園、小中学校に寄って昨日伊藤さんから貰った文書(県教委の出した文書から参照)のコピーを届けたとき、改築予定の附小の教頭先生に市の取り組みについても話して帰りました。 (7/28)

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