| シーン# |
概要 |
内容、脚本と本編の違い、コメント等 |
| 1 |
オープニング |
暗いスクリーンに昭和のラジオの音。東宝スコープマークが現れ、ラジオの飾りにオーバーラップ。 |
| 2 |
鈴木オート・居間から夕日町・大通りまで |
鈴木家主婦トモエ(35)と、長男一平(10)とその友達がテレビの配達で一揉め。表に出た一平が、脚本「眼鏡をかけた(本編は無し)」淳之介(10)にぶつかる。脚本「フランス座(本編、ゴールデン座)」とかかれたハッピを来た支配人に促され淳之介は行く。その後、脚本「一平達の脇を何羽かのツバメが低空飛行でかすめ、子供らは大空へ舞ったツバメを追って大通りへと向かう(本編、模型飛行機)。」大通りの俯瞰。彼方には、建設中の東京タワー。(ここまでワンカット)
この長いワンカットだけで、VFX作業に3ヶ月もかかったそうです。エキストラおばあさん登場1。ステディカム使用 |
| ○タイトル 「三丁目の夕日」 |
脚本「ALWAYSが付かない」 |
| 3 |
蒸気機関車・内(正しくは客車の中) |
本編ではカット。脚本「少女が真剣な面持ちで窓の外を眺めている。」 |
| 4 |
鉄橋 |
蒸気機関車が鉄橋を渡る。脚本「風景が次第に都会的になっていく。」
福岡県中間市遠賀川鉄橋のロケ実写と、ライブスチームという蒸気で走る小型機関車と、CGの合成によるが、ちょっとおかしいなあもある。
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| 5 |
蒸気機関車・内(正しくは客車の中) |
集団就職の少年少女達が、ガヤガヤと騒いでいる。その中の星野六子(15)も友人達と就職先について語り合っている。
彼等はもっと不安だったんじゃないかと、監督が後悔しているシーン。 |
| 6 |
一杯飲み屋「やまふじ」・表 |
飲み屋街の一軒。石崎ヒロミ(27)が脚本「ドアをぞうきんで磨いている」(本編では暖簾をかける)。振り返ると支配人と淳之介がいる。 |
| 7 |
同・店内 |
手紙を読みながら顔が曇っていくヒロミ。事情を説明し子供の預かりを依頼する支配人。 |
| 8 |
茶川商店・居間 |
天井のヤモリ。小汚い部屋で小説を書く茶川龍之介(32)。アイディアがひらめきペンを走らせ始めると、子供達の「くださいな」の声。いらいらしながら店に出る。
ヤモリのカットでマイロ使用か |
| 9 |
同・表 |
忌々しそうに子供達の相手をする茶川。一平がくじを引くがスカ。雑誌を配達に来た郵便屋と一緒に、文学賞発表を探すがまた落選。子供達の「スカばっか」の声に、当り散らす。
エキストラおばあさん登場2。 |
| 10 |
同・居間 |
いらいらしながら居間に戻る。八つ当たりで、筆を取り出しスカくじを水増ししする茶川。 |
| 無し |
上野駅・概観から中央改札までのコンコース |
脚本ではこのシーンは無いが、本編ではVFXによるミニチュア製の上野駅正面口、続いて300人といわれるデジタルエキストラを配した中央改札までの雑踏のコンコースのシーンがある。 |
| 11 |
上野駅・ホーム(脚本では夕方) |
蒸気機関車が上野駅に到着し、六子が迎えに来た鈴木則文(40)と対面する。別れる友達から、脚本では「がんばってなー(本編では、けっぱってなー)」と見送られる。本編では、職業安定所引率係からも「けっぱれしゃー(?)」と励まされる。カメラ、クレーンでアップし雑踏の駅構内を捉える。
マイロ使用 |
| 12 |
同・正面(脚本では夕方) |
駅前を駐車場に向かう則文と六子。高級外車に乗り込むのは、阿部エグゼクティブプロデューサー。過ぎ去った高級外車の向こうで待っている、則文とオンボロの「脚本、オート三輪(本編、ミゼット)」をみて唖然とする六子。 |
| 13 |
芝付近(脚本では夕方) |
走行中のオート三輪の中から、建設中の東京タワーを見上げる六子。元気が無い。
本編では夕日町モデルは芝西久保巴町(現虎ノ門三丁目、愛宕二丁目)付近と言われていますが、上野駅からでは東京タワーの手前となります。脚本では芝と明記されており、東京タワー左手に見ながら通り過ぎた道は桜田通り(国道1号線)と説明がつきます。 |
| 14 |
夕日町・大通り(脚本では夕方) |
大通りをやってきたオート三輪は、都電線路をまたぎ三丁目商店街路地へ曲がっていく。
大通りの町並みは、VFX作業には大変だそうです。 |
| 15 |
三丁目商店街(脚本では夕方) |
にぎやかな商店街を進むオート三輪。 |
| 16 |
鈴木オート・表と店内(脚本では夕方) |
到着し、小さくみすぼらしい店舗をみて落ち込む六子。鈴木家家族と会う。「はずめまして」のギャグあり。
× ×
則文が作業場の説明をする。「脚本では、ここだ・油だ×2」のギャグなし。コロッケの夕食に向かう一同。「脚本、ガラスに映った作業着姿を見て(本編ではガラスは無し)」ため息をつく六子。「脚本、その姿を心配そうに見ているトモエ(本編では、このカット無し)」
六子到着のカットで、確か作業場の時計は3時半〜4時頃を指していたような気がします。到着時は、夕方にはまだ少し早いと思います。 |
| 17 |
同・居間(夜) |
六子を心配するトモエ。誤解から、はっきりさせようとすごむ則文。それを必死でとめるトモエ。
本編で流れるラジオ「尋ね人の時間」は、脚本では特に指定なし。短気な則文は、往年の人気テレビ番組「寺内貫太郎」をイメージしたらしい。 |
| 18 |
同・二階(夜) |
元気の無い六子を心配する一平。テレビの話を聞かされてやっと微笑みが戻る。 |
| 19 |
一杯飲み屋「やまふじ」・表(夜) |
脚本、何も無し。本編では、呼び込みの女が「ねえ、お兄さん」と通りがかりの男に呼びかけ、「いや、いいわ」と通り過ぎるも追いすがる。 |
| 20 |
同・内(夜) |
茶川がヒロミにくだを巻いていると、そこへ則文もやってくる。機嫌の悪い茶川をおだてて、淳之介を預からせるヒロミ。 |
| 21 |
三丁目商店街(夜) |
月が出ている。 |
| 22 |
一杯飲み屋「やまふじ」・内(夜) |
則文、自転車屋、肉屋が、茶川を肴に語り大笑いする。ヒロミ、愛想笑いするが少々心配げな様子。 |
| 23 |
三丁目商店街(翌朝) |
自転車の牛乳配達の子、納豆売りの子、その向こうに建設中の東京タワー。「脚本にはないが、本編では鍼灸屋の割烹着の主婦がひとつちょうだいと納豆を買いにいく」。 |
| 24 |
鈴木オート・表 |
寝坊して急いで起きてきた六子。蕎麦屋の出前を跳ね飛ばした大田キン(70)の自転車を修理する。ラビットジュニアで白衣姿の宅間医師(45)が通り過ぎる。注射のこわさを説明する一平を笑う六子。
作業場の時計は、8時頃だったはず。そんな時間に出前や往診があるか? |
| 25 |
茶川商店・表 |
指定特に無し。ステディカムで、店頭から居間まで入っていく。 |
| 26 |
同・居間 |
二日酔いの茶川が目覚め、淳之介がいること驚き、頭をかきむしる。
ステディカム使用 |
| 27 |
一杯飲み屋「やまふじ」・表 |
店の戸をたたき、ヒロミを呼ぶ茶川。反応無し。 |
| 28 |
鈴木オート・表の道 |
あきらめ戻ってくる茶川。その後をついてくる淳之介。ついてくるな、といいきかせるが、ついてくる淳之介。二階から面白がって見物し、約束を守れとたきつける則文。 |
| 29 |
茶川商店・居間 |
小説を書く茶川。そばにいる淳之介「脚本、ひざを抱えてうつむいている(本編、正座している)」が気になり、10円を渡し外出させる。
× ×
集中して執筆する茶川。ふと気付くと戻っている淳之介に驚き、外へ追い出す。百連発で遊ぶ淳之介に、うるさいと月刊少年冒険ブックを投げつけるが、それで淳之介には茶川が少年冒険団の作者であることがわかる。「脚本、ウルウルした目で茶川を見つめる(本編、はあはあと興奮する)」 |
| 30 |
同・表(夕方) |
ヒロミが買い物籠を持ってやってきて、小さな店を仰ぎ見る。
(エキストラおばあさん登場3) |
| 31 |
同・店内から居間(夕方) |
ヒロミが居間に入ると、茶川の肩をたたく淳之介を見つけ驚く。茶川、淳之介が少年冒険団のファンであることを伝える。茶川の小説を読みながら笑う淳之介。ヒロミ、ほっとしてライスカレーを作る準備にかかる。 |
| 32 |
鈴木オート・表(夕方) |
ランドセルを下ろしながら、一平が帰ってくる。 |
| 33 |
同・店内(夕方) |
ランドセルを放り投げるやいないや、すぐ遊びに出かけようとする。(エキストラおばあさん登場4)すると則文の剣幕に驚いて振り向く。六子とお互いにうそつきだ、とののしりあう。則文、道具箱をひっくり返して、怒る。トモエの逃げての言葉に、六子、引き戸の隙間から表に飛び出す。 |
| 34 |
茶川商店・表の道(夕方) |
茶川商店に駆け込んでいく六子。鈴木オートのガラスの引き戸が吹っ飛ばして則文が出てくる。
戸が飛ぶのはワイヤーアクション、ガラスが割れるのはCGだそうです。 |
| 35 |
同・店内(夕方) |
六子、茶川に「脚本、かくまってください(本編多分、かくまってけろ)」。則文が追いかけてくる。止めに入る茶川に、殴りつけようと腕を振り上げる。 |
| 36 |
同・表の道(夕方) |
道に吹っ飛ぶ、茶川。トモエと一平が追いつく。状況を把握し、駄菓子屋に駆け込む。
茶川さんはきりもみで回転しながら吹っ飛びますが、ジュブナイルの神崎さんが宇宙人に吹っ飛ばされるときも同じ。岬ちゃんが、宇宙人の長い触手につかまるときもそうでした。山崎監督はこれがお気に入りのようですね。 |
| 37 |
同・店内(夕方) |
押入れに逃げる六子。則文に追いついたトモエと一平、必死に抑える。ふすま越しにののしりあう六子と則文。「クニに帰っちまえ」という言葉に六子はっとし「帰る場所なんてねえ」と大声で怒鳴り返す。則文、何か思いついて鈴木オートに戻る。
このとき一平君は則文の腕につかまって振り回されるカットを、宙吊りのワイヤーアクションでがんばったそうです。またこのセットは本物の家そっくりの構造で天井と二階があるため、宙吊りにするワイヤーの取り回しが大変だったそうです。 |
| 38 |
同・表の道(夕方) |
則文、鈴木オートの二階六子の部屋に上がり、窓から荷物を放り投げ始める。三丁目の住人達も驚いて集まってくる。一平、散乱した荷物の中に履歴書を見つけ、それを読むと同時に「これ違うよ」と叫ぶ。
(エキストラおばあさん登場4) |
| 39 |
鈴木オート・店内(夕方) |
則文、履歴書見直すと「自転車修理」の文字。「転」の字が浮かんでくる。トモエ、一平にも責められ、店を飛び出す。 |
| 40 |
茶川商店・表の道(夕方) |
則文、やっと立ち上がった茶川を突き飛ばすが、路上に散乱した六子も荷物を見て、トモエをすがるような目で見る。目で「まかせとけ」と答え、荷物を大急ぎでかき集めるトモエ。 |
| 41 |
同・店内(夕方) |
則文、押入れの前に正座。しかしどう切り出したらいいかわからない。一平ににらまれ、結局頭を下げる。すると六子も自分の言動に許しを請い、そしてお互いに和解する。一転の仲直りに、茶川、ヒロミ、淳之介はあっけに取られて見送る。
(エキストラおばあさん登場5) |
| 42 |
三丁目商店街(夜) |
家々の窓の明かり。家路を急ぐ人々。 |
| 43 |
鈴木オート・居間(夜) |
脚本は「焼き魚などの夕食をにぎやかにとっている則文、トモエ、一平、六子」のみ。
本編の「六子のほっぺが赤い話。りんごみていだ。俺は酔っ払ってんだ。」という会話は脚本には何もありません。 |
| 44 |
茶川商店・居間(夜) |
ちゃぶ台で、ヒロミ手製のライスカレーを食べる、茶川、淳之介ら三人。
本編の「あの人いつもああなの、教養が無いんだな。」という会話は脚本にはありません。 |
| 45 |
星空 |
満点の星
本編には、建設中の東京タワーのシルエットがあったような気もしますが...。 |
| 46 |
三丁目商店街 |
夏の風景。その向こうには建設中の東京タワー
本編の、氷水で冷やされるラムネが倒れるカット、水をかけあう女の子、風鈴売りなどは、脚本では記述無し。 |
| 47 |
鈴木オート・居間 |
昼寝を言いつけられながら扇風機で遊んでいる、一平。トモエの一喝で、あわてて寝たふり |
| 48 |
鈴木オート・店内 |
車修理中の則文と六子。六子の勤勉さに微笑む則文。盆には帰らなくてもいいのかと聞くも、あまりにもきっぱりと断られたので、怪訝な則文。氷屋が配達にくる。
(エキストラおばあさん登場5)。シーン53(同じ日)で、教室の黒板に8月20日と明記されている。 |
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同・台所 |
氷を入れた冷蔵庫をみたトモエが悲鳴を上げる。シュークリームを食べ忘れていたことがわかり、六子あきらめきれない。一平寝ぼけているが、トモエ、今日は登校日であることを思い出す。 |
| 50 |
茶川商店・表 |
ヒロミ、駄菓子を買った女の子を見送る。 |
| 三丁目の脚本研究2 に続く |