実は「あとがき」のみの感想です。本文は途中で挫折してしまいました。白バラについてのところを読んだだけです。ついでに「新版へのあとがき」ではないほうの「あとがき」です。
私が思考するきっかけとなった文章を引用しました。
『ファシズムに対する抵抗について考えようとするとき、輝かしく果敢な抵抗者の姿を描き出すことよりも、敗北と抵抗の不可能性について想いをこらすことのほうが、はるかに重要であるように思える。』
(P238の第1段落)
(抵抗者を英雄的に見ることは)『疑念とためらいを覚えながらそれを行為に移す道を容易に見いだしえなかった多くの人々や、もっぱら抵抗者たちに対する迫害のコーラスで唱和することによってその時代を生きたもっと多くの人々の姿を蔽い隠してしまうとすれば、ファシズムに対する試みも、そしてファシズムの現実そのものも、われわれとは縁遠い世界の出来事になってしまうにちがいない。』
(P238の6行目〜)
『実践された抵抗を継承することにもまして重要なのは、抵抗が何故に敗北し、あるいはそもそも不可能だったのかを問うことである。』
(P238の11行目〜)
『ナチス治下の抵抗が超人的な英雄行為でなかったことは、抵抗の記録に接すれば接するほど、明らかになってくる。』
(P239の12行目〜)
私がもし第二次世界大戦のときに生きていて日本やドイツにいたとしても、抵抗者にはならなかったでしょう。政府に流されるか、反発しながらも「死にたくない」という思いに駆られ何も行動を起こさなかったに違いありません。だからといって抵抗者たちは「生」や「死」を考えなかったのでしょうか? いいえ、私以上に「生きたい」と望んでいたから自らの「未来」と「生」を掴むために立ち上がったのではないでしょうか。
抵抗運動はことごとく潰されていきました。そこには確かに「敗北と抵抗の不可能性」があるのでしょう。しかし私は抵抗者たちをすごいと思うだけで、なぜ敗北したのかということを考えたことはありませんでした。せいぜい「政府という巨大な権力に勝つことは容易ではない」ぐらいに思っていました。しかしあらためて「なぜ?」と思うと「わからない」としか答えようがありませんでした。当時の時代背景を知らないのはもちろん、抵抗者と非抵抗者が何を思っていたからかが想像できないからです。
また、抵抗者たちを英雄視することはその他多くの人を覆い隠し「彼らは特別だから……」と言い訳してしまうことにもなるでしょう。確かに彼らは「特別」だったのかもしれない。それと同時に「普通」でもあったはずです。苦しんで怖くて悔しくて、それでも守りたかったり貫きたかったことがあったから抵抗者となったかもしれません。白バラのメンバーもそうだったのではないでしょうか。
白バラに興味を持った私ですが本質的なところは全然わかっていません。しかし、わかっていないからこそ調べたり考えたりする意義があるのでしょう。これからは上記のようなことも意識して白バラについて学んでいきたいと思います。
『ヒトラー暗殺計画と抵抗運動』
山下公子,講談社選書メチエ,1997 【Amazon】
ヒトラー暗殺事件をメインに扱っていますが、「白バラ抵抗運動」の章もあります。また、他に有名な抵抗運動についても収められているので、当時どういった組織があったのか知るのに良いです。
これまた白バラについての章しか読んでいません。他のところもパラパラとは読みましたが、真剣に読んだのは第4章「抵抗者たち」の6「若者たち」の部分だけ。ここには白バラ以外にも「スウィングス」や「エーデルヴァイス海賊団」という若者のグループについても触れていました。私ははじめてこれらのグループを知ったんですが、この2つは“抵抗”という見方はされていないみたいですね。“反抗”という見方が強いようです。んーいまいちグループの性質を理解していないので、後日まとめたいですね。
この本はさまざまな“抵抗”についてまとめているので、白バラに関しての文章は少ないです。ですが政府が白バラに対してすぐさま裁判、処刑した過剰な反応に対しての見解を述べているので読んでみて下さい。
ヒトラー暗殺についてページを多く割いています。他には「赤い楽団」「告白教会」などについて書かれています。ああ、何か「赤い楽団」についてわかりやすい本でも読みたいです。
文字通りナチスドイツ下で抵抗、もとい反抗した少年少女のグループについての本です。エーデルヴァイス海賊団を知ったのはつい最近ですけど気になったので本を借りてみました。が、一読しただけでは全然理解できません。
エーデルヴァイス海賊団は目印にエーデルヴァイスのバッチなどをつけたり、ヒトラー・ユーゲントの制服とは違う制服のようなものを決めていたり、ユトラー・ユーゲントのパトロール隊を襲ったりしたようです。ですがヒトラー・ユーゲントを襲うわりには海賊団のメンバーの多くもヒトラー・ユーゲントに所属していたようです。まあ、義務になった後は入らなければあらゆる面で不自由しますから一応所属している人も多かったのでしょうか。他にも反ナチのビラを作ったりしているグループもいたようですが、エーデルヴァイス海賊団と括られるとしても全てがコミュニケーションを図りグループごとで連絡をとっていなかったりする上、かなりの規模でグループ及びメンバーが点在するので個々にやっていることは違うみたいです。よって「〜をした」と一括りにはできないでしょう。
またエーデルヴァイス海賊団がヒトラー・ユーゲントのパトロール隊を襲うことによって、ヒトラー・ユーゲントはダメージを受けました。そしてそのしわ寄せはゲシュタポにまわり、エーデルヴァイス海賊団を取り締まるために苦労したようですね。現在でも「抵抗」と「反抗」で評価が分かれるようですが、それは少年少女が政治的意識からではなく個人の自由を守るために行動したからではないかと私は思います。
『ドイツにおけるナチスへの抵抗1933〜1945』
P.シュタインバッハ 他(編),田村光彰 他(訳),現代書館,1998 【Amazon】
「白バラ抵抗運動」の資料は第6章でまとめられています。ショル兄妹、ヴィリー・グラーフ、ファルク・ハルナック、フーバー教授などの資料が収録されていますが、中でも特に注目するのはアレクサンダー・シュモレルが逮捕された時に書いた「政治的信条」です。ハンス・ショルと同じくリーダー格でありながら日記や手紙がほとんど残っていない人物なので、彼の書いた文章は貴重です。
8つの抵抗運動についての手記、チラシ、手紙、尋問調書といったものがまとめられています。白バラは第6章です。ゾフィーのフリッツへの手紙と尋問調書。ハンスの尋問調書。アレックスが逮捕された時に書いた「政治的信条」。ヴィリーの最期の手紙やファルク・ハルナック、フーバー教授の資料もあります。アレックスの書いたもので残っているのは少ないようで貴重です。
また、尋問調書らしくゾフィーはアレックスや他の人達を庇い、自分とハンスがビラを思いつき2人で書いたと語っています。アレックスはそのことを知ってはいたけど積極的には関わらなかったと。一瞬なに言ってんだと思いましたがすぐにこれが尋問調書だと思い出し、こんな風にゾフィー達は仲間を庇るためにがんばっていたんだなあとなんとも言えない気持ちになりました。『白バラの祈り』と合わせて読むといっそう興味深いです。
他の抵抗運動については読んでいません。読みたいなーとは思っていましたが、基礎知識がないのでわけがわからず挫折。