3、地震の被害について                                      

 

                                T 一時被害例

・住宅の倒壊(数値例は宮城県沖地震参照)

  @家具の転倒(67%)負傷率(13%)

  Aガラス破損(29%)負傷率(23%)

  B飲料タンク異常(7%)

 

・施設の被害

 @鉄道(レールの狂い制限大、迂回路少)

 Aトンネル(最も地震に強い建造物。被害は、ほとんどない場合が多い。)

 B橋梁(支承の破損、桁の落下、橋脚の破損)

 C盛り土(不等沈下)

 D道路(途絶、亀裂、沈下、落石等、迂回路が多く障害期間は、比較的短い。利便上、活断層上に作られる場合が多いので被害を受けやすい。山間の道路の多くは活断層上にあると考えられる。阪神大震災時には、阪神高速道路が横倒しになっている。)

 E港湾(埋立地の液化、亀裂、沈下、防波堤の沈下、岸壁のずりだし等、地上交通途絶時の重要度大。 しかし、土を含むために被害甚大になりがち)

 Fダム(決壊による大被害が予想されるが、地震が原因で完全に崩壊した例はない。しかし、何もないのにいきなり崩壊した例があるので危険性が高いことにかわりはない。1968年、十勝沖地震で数十の農水用ため池が決壊し、数名の死者がでた例がある。コンクリートダムは直下型にも耐えうるが、土ダムは被 害 を受けることが多い)

 G地中埋設管(継ぎ手部の被害を抑えることが不可能)

 H地下鉄(実例が僅少。阪神大震災時には高架橋橋脚損傷で不通となった例がある)

 

・ライフライン

 @電力(発電所・変電所は、耐震設計で被害小、立地条件が良いので復旧は速いが送電設備・送電線が発見困難で交通利便が悪い場合、復旧が遅い。なので、復旧期間は送電線の被害により変動する。

 Aガス・水道・電話(主要ケーブルは地中で、地震の影響を直に受けるので、破損率が高い。破損部の発見が困難。                                

 Bライフラインシステム(コンピュータの移動・転倒の防止、漏水の防止、プログラムのバックアップ、コンピュータ室の位置が重要である。)

 

 

 

 

                                     U 二次被害例

 ・火災(市民の気風、消防力、都市計画、建築物による。風の影響が大きく、台風と重なると被害甚大となる。初期消火が最重要で、2.3分以内に消し止められるかが鍵。15分で全焼になる。)

 

 ・津波の発生(1792年、有明海で雲仙噴火の影響で発生した津波は、15000人以上の死者を出した。海岸近くで地震が起こった場合5〜10分以内に高所へ避難する必要がある。)

 

 ・強盗・盗み・詐欺(驚愕反応からの衝動行動が高まる。生活必需品の不足。4日分の食料備蓄家族は全体の50%程度あるが、2日以下の家族が15%存在する。)

 

 ・パニック、ストレスの発生(都市部の昼夜間の人工差による影響大。昼時では、家族との離別による心理不安が高まる。又、旅行者等の被災弱者がパニックの源泉となる可能性が考えられる。)

 

 ・余震被害の発生(建物が本震でダメージを既に受けているために被害が大きくなりやすい。本震とは、別の断層から起こると本震を超える地震になる場合がある。不安・ストレスの原因になる。)

 

 ・少しの雨風で被害発生(山・がけ崩れ、地すべり、洪水等の大規模災害が懸念される。災害後は、雨・風・温度の情報が重要となる。)

 

 ・仕事がなくなる、客がいなくなる(阪神大震災の例、建物等の被害で10兆円、その後の営業不可で生まれた損失が半年で10兆円といわれる。ダイエーは、ヘリコプターを使ってまで集めた商品を定価で販売している。その後、どう復興に結びつけるかが重要である。低迷する神戸市長田区では、厚底ブーツ人気が産業復興の手がかりになった。また、鎮魂と復興の願いをこめたルミナリエも新観光名所となった。)

 

 

 

                                        参考文献

                                饒村 曜 :地震のことがわかる本.新星出版社

                                酒井 良男 他 :地震と災害.研究成果普及版