我が後悔の日々---壊した物たちの記録
海外に生活していると、慣れないものの使い方にとまどい、うっかり壊してしまった
という経験をお持ちではないだろうか。
そして、そんな自分に落ち込むあなた、落ち込むことはありません。
ここに記するは渡欧数ケ月にして、妻が壊した物たちの記録。
これを超えて壊す人はなかなかいないでしょう。
そして これから渡欧するあなた、これを他山の石として、しっかり生きていきましょう。
ヨーロッパに来て壊した物、そのもっとも高いものはプリンター。
話せば長いことながら、プリンターとパソコンのマックを同じ差込口で使っていました。
パソコンは、アダプタープラグだけつければ世界どこでも使えるお利口者。
そして、プリンターは変圧器へ。
それがあるとき、何を考えたかうっかりプリンターのコンセントをアダプタープラグへ差し込んでそのまま差込口へ、
そしてスイッチオン!
あっ、という間もなく焦げくさい臭いが漂い、プリンターはお亡くなりになりました。
その状況判断もつかぬまま、あせってプリンターのコンセントを今度は変圧器へ、
すると あっ、という間もなくまたもや焦げくさい臭いが・・・
そして変圧器は仲良くプリンターの後を追い、この世を去りました。
ああ、一瞬の間に数万円が屑と化した。
この後、しばらく妻は落ち込んでいましたが、立ち直った後にはもはや怖いものなしで、
何を壊しても落ち込まなくなりました。(これでいいのか?)
ヨーロッパに来て初めて壊したのはインスタントコーヒーの瓶。
手からすべり落ちると、タイルの床にガッシャン!
日本なら、木の上にビニルシートを張ってあるのでそのくらいなら壊れないでしょう。
しかし、ベルギーでは見事に壊れ、足に怪我までしてしまった。
ちなみに、夫も一度コーヒーカップを落として割ったという。
これが唯一夫から、壊した、と聞いたもの。
ほんとはもっとあるでしょ、ね、怒らないから本当のこと教えてー。
食器洗い機にも慣れません。
食器をのせる籠を引き出した後、うまく機械におさまらない。
何で入らないの? おかしいな、スライドさせるだけのはず、えい!
と力まかせにすれば、ガシャ! と音がして、コーヒーカップの取手がとれた。
あ、取手がスライドレーンに引っかかっていたのね。これ、元に? 戻らないのね・・・覆水盆に帰らずか・・・
食器洗いでもうひとつ。
ナイフを横にして籠に入れたら、水圧に下まで落ちてしまい、それに気づかず
蓋を開けると、高温で柄の部分が解けて機械の底に張り付き、温度の低下により
そこにこびりついてしまった無残なナイフの姿があった。
仕方がないので次回に食器洗い機を回したとき、洗う途中の過程の高温の瞬間に蓋を開け、
熱風に辟易しながら、再び柄の部分が溶解しているナイフをはがしました。
ナイフの柄、解けたときのまま崩れています。
高温といえばこれ、電気調理器。
ガスではなくて、電気で調理するレンジ、今でもまだ慣れません。
なかなか温度が高くならないわりに、スイッチを切ってもなかなか冷めない。
高温も、ガス式と比べてどちらが高くなるのやら。
で、ある時、鍋の温度が上がりすぎたのに気づき、調理器からおろし、鍋敷きへ。
後片付け時、レンジの脇においた鍋敷を動かそうとも、おっ、動かない。
他の、その鍋敷と同じ形の鍋敷の裏を見ると、プラスチックのような足がついているではないか。
これが高温に負けて溶解して張り付いたなー。
またやってしまったか。
しかし しかし、こればかりはちょっとね・・・
鍋敷は部屋に備え付けだったが、いくら少々高温だったとはいえ、鍋をのせて張り付く
ような鍋敷はあなたが悪いでしょ。
溶解鍋敷は、その後、あえて高温にさらした鍋をのせ、その熱いうちに、プラスチック足が
再び溶解したタイミングでこそげとりました。
キッチンにはその時の焦げ跡がぽっちり残り、だめ鍋敷はゴミ箱行きとなりました。
あなたが悪い、といえば、乗物の回数券、あなたもなかなか悪いでしょ。
1000円くらいの高級有価証券もどきなのに、どうしてプライドもなくそんなにぺらぺらなの。
あなたがそんなにぺらぺらだから、ポケットに入れておくだけで折り目がついて
改札機が読み取ってくれなくなるのよ。
別に折ったわけではない! ちょっと皺がよっただけである。
それなのに、読み取り機に入れると、Bad Card と出て刻印してくれない・・・
きみは元々Badなのだ。もっとしっかりしておくれ。
アイロンかけたら読み取ってくれるかなあ。今でも未練がましくとってある。
(注:オランダの回数券ではありません)
パソコンのマウスは日記でも触れたけど、1年ほどの寿命でした。
使い方が荒かったのだろう、なかなか立ち上がらないときに、いらいらして
ピッピッピッピ!
これならベルギーではなく日本にいても壊れただろう。
ごめんね マウス。
電気スタンドの件は話がまた別。
仮住まいの家、(本当の本当に「仮住まい」の短さだった)あまり物を増やしても、
と、コンセント口からコードがぎりぎりなのに、延長コードを買わずに電気スタンドを
使っていた。
そして、案の定やった。足をひっかけスタンド倒し、電球がパー。
しょっちゅう電球を壊しているなら、まだ延長コード買った方が安上がりだわねー
というわけで延長コードを買いました。
電子レンジの件は今もわけがわからない。
備え付けの食器はすべてレンジもオーブンもOKといわれた。
そして、電子レンジに皿を入れ・・・
何故皿にヒビが入ったのだろう? 2〜3枚はやってしまった。
だってOKと言ったではないか、ないか、ないか。
それはレンジを使い始めた初期の頃だけ。
使い方を変えたわけではない。
今でもわけのわからない、落ち込む暇もないミステリーの壊れ物である。
壊れ物というわけではないが、使い物にならなくなったのがお気に入りのエスプリのサンダル。
ベランダ用に使っていたが、ある風の強い日、突風にのって、どこかに消えてしまった。
普段は全くお付き合いのない、同じ階の別の部屋まで、飛んできてないかと聞きに行ったのに
姿は見えず。
それが、マンションの庭に片方だけ落ちていた時の悲しさよ。
あんなにはるか上から、庭にまで落ちるものなのか・・・
妙な感慨にふけりつつ、悲しみをこらえながらも、もう片方を、庭中を探し回ろうと決意したその時、
管理人の声が。
「あ、そのサンダルあなたのだったの? もう片方、庭に落ちてるの見つけたから
捨てておいたわよ」
が-----ん。
その時以来、しゃれたビーチサンダルを探し続けているが、如何せん、季節がら、
ビーチサンダルにはお目にかからない。
しかも、飛ばされたのは男性用だけだったのだ。女性用なら売っているのに。
ここまで書いて終わりにしようと思ったが、夫に横槍を入れられた。「靴下のことは書かないの?」
えっ、それも書くの? あれはベルギーとは関係がない・・・はいはい、わかりましたとも、
そうね、人の失敗には寛容になれないものなのね、とぶつぶつ。
妻の足の親指の爪は変。
上にそり気味にはえている。
どんなに短く切ってもだめ。で、靴下の親指部分をひどく摩擦し、穴を開ける。
日本では、ストッキングをはいていてあまり気にしなかったが、こちらでは靴下の日々、
すぐに穴があくことに嫌でも気がついた。
数回履くとすぐ駄目に。
で、仕方なしと、つぎはぎをして履いている。
なんか貧乏っぽいと最初は捨てていたけれど、ひどいのでは3回履いて穴、
というのでは、経済観念が悲鳴をあげる。
今では穴をふさいであることがわからないようにつぎはぎできるようになりました。
そこまでしても、毎月1足は駄目にしてるか。
こちらに来る前、日本で靴下を買い込んだが(こちらではなかなか気にいったものが
手に入らない)あっという間になくなった。
先日、夫が日本に帰る際、条件をつけて靴下購入を依頼、買い込んできてもらったが、いつまでもつか。
妻がまた 破いた靴下 夫買い
夫の悲哀が伝わるだろうか。
夫よ、これで許してくれるか?
以上、どうしてこんなに壊すのか。
壊した物たちの記録のこの頁、ここだけは更新したくないものだ。
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