植物が有機物を吸収する/収量が2-3倍に高まる炭素肥料、17種全元素施肥栽培という考え方

第12章 生物学からの生態系の見方


西暦2014年01月04日

第12章 生物学からの生態系の見方(キャンベル生物学を参照して)

この第12章では、生物学的な見地から生態系を概観します。

特に、日本では、「キャンベル生物学」(平成19年3月30日丸善発行)として広く知られている文献に示された図を参照して、新しい見方を紹介します。

この書籍の原著は、Neil A. Campbell, Jane B. Reece 著「BIOLOGY」です。今日の日本では、日本語に翻訳されていることから身近な文献となっています。そして、この書籍は多数の研究者が査読に参加し、また、多数の研究者から生物学の理解を深めるための多数の写真や図表などが提供されており、この分野の数多くの人々の成果が集約されているものと言えます。それに、何よりも、見ていて興味な尽きないきれいな頁が続いています。

この文献に記述されている内容が、今日の一般的な理解として考えられるために、敢て、引用文献として示しました。


1.第1304頁:図54.2 生態系におけるエネルギーと栄養素の動態のあらまし

この文献の「54生態系」の項目の「図54.2」には、生態系におけるエネルギーと栄養素の動態のあらましが示されています。

次の図は、その図の主旨をほぼ忠実に書きなぞったものです。作図上の得手不得手から、このようになっていますが、正しくは上記の文献を参照してください。

この図には、次のような解説が付されています。

―引用始まり―

「エネルギーは生態系に入ってその中を流れ、系外に出ていくが、栄養素は生態系の中で循環する。ここに示す一般的な図式では、エネルギー(オレンジ色の矢印)は太陽からの放射として入り化学エネルギーとして植物網を移行し、熱として空間へ出ていく。栄養段階を通って移行する栄養素(青色の矢印)の大部分は最終的にデトリタス(有機堆積物)に行き着き、そこからまた一次生産者に戻る。」

―引用終わり―

なお、上図の赤文字(一般的な認識)とは、当ホームページの管理人が付しました。なお、上図の青線に対して「化学循環」とあるのは、「物質循環」とか「元素循環」と同じような意味合いと思われます。

生態系のエネルギーと栄養素の動態に関するこのような理解は一般的です。エネルギーと物質とを明瞭に色分けして示しているために、大変判り易くなっています。

このホームページで参考にした最大の理由は、エネルギーと物質の流れが最も明瞭に示されていたからです。


2.耕地の存在

食物連鎖のピラミッドで示したように、耕地を加えます。

耕地からは、一次生産者(植物)の収穫物である農産物が直接三次消費者(ヒト)へ移送されます。生態系でヒトが一番重要な存在であるため、ヒトのための食糧の確保は最も重要視される事柄の一つです。

上記の文献の「図54.2」を農業の理解のためにこのように書き加えても誤りはないと思われます。


3.炭素肥料による有機物のリサイクルの位置付け

このホームページでは、「有機物を植物へリサイクルする=炭素肥料」という新しい考え方を提案しています。

この炭素肥料を更に書き加えたものが次の図です。

 

一次生産者である植物が繁茂する耕地に対して、炭素肥料によってエネルギーが流入していることが目新しい点です。

一次生産者に対して物質が循環することは一般的です。しかし、エネルギーが循環する現象はいままで想定されていません。

なお、炭素肥料から耕地へ流入するエネルギーは有機物に付随しているエネルギーです。即ち、この循環過程での物質流は「有機物の流れ」であり、COHの有機3元素を含む流れです。生態系では光合成によって無機炭素(CO2)が有機炭素に固定されることを常としていました。従って、光合成以外の経路でCOHの有機3元素を植物が獲得することも想定外の現象です。

従って、炭素肥料化から耕地へ向かうエネルギー流と有機物の物質流は、いままでの生態系では想定されていない現象です。

即ち、第3番目の図で橙色の線で丸く囲った部分は今までの生態系の認識では存在しなかったものといえます。

このホームページで紹介する炭素肥料は、今までの認識の想定外のことであるために、やや難解な面があります。

ただ、この炭素肥料化から耕地へ向かう矢印は、人為的な操作による経路です。いままでの植物による食糧生産は、太陽光、空気の炭酸ガスという人為的には調節できない要素に支配されていました。それが、人為的に助勢できることになったといえます。

そして、この炭素肥料化から耕地への新しい経路の入り口は「デトリタス(有機堆積物)バイオマス」になっています。朽ち果てるだけの有機物が原料と言えます。このデトリタスには、生態系全体から不要になった有機物が導かれています。即ち、炭素肥料化の原料は「ゴミ・不用物・廃棄物」と言われるものと同じです。そのエネルギーとCOHの有機3元素が耕地の作物に付加されます。勿論、この炭素肥料の流れに、原料に含まれていた無機養分が同伴することもあります。



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