頑丈な鍵。開けさせない。
その記憶を開けさせない。
少し離れた所にリョウが倒れていた
リョウの周りだけはなんとも無かった
地割れとか無かった
ゆっくり近寄るアツシ
さっきのリョウは一体なんだったのだろう?
まさかさっきのが・・・「闇」だったのか?
リョウの頭を触るアツシ
その瞬間、アツシの頭に色々なものが入ってきた
・・・・・・・リョウの記憶だ
「・・・・た、んだ・・・つらかったんだな・・・っ」
だから俺に助けを求めた。でも俺は助けなかった。
あの時はまだリョウのこと知らなかったから。
「だから・・・・・・・ごめん・・・・・っ」
その声は、届かない。
だって。
「せめての・・・お詫び・・・」
魔法陣を描き始める
吐き出される特殊な呪文
「・・・ラン、オンキャラギ・・・・・・・」
魔法陣が光りだし、リョウを包み込む
「全てを、封じ込め・・・・永遠に溶けることのない氷と成れ・・・・・・」
あれは思い出さなくていい。
ずっと、ずっと・・・・思い出さなくて良い。
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エンドウさんはよくわからない。
「前、会ったよ」と言われても困る。
「唯一のポイント・・・包帯、・・・・・」と言われても・・・・・。
・・・・・・よくわからんが納得してくれたらしい。
「不思議やね、金髪くんは」
「リョウですって・・・」
「金髪くんは金髪くんだよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「ね、ほんとに俺のこと知らんの?」
「・・・・は、はい・・・・」
「包帯見ても?」
「・・・・はい・・・」
「別にえぇんやけどね。・・・金髪くんはアツシの世界の中で生きてたんやねぇ」
「ア、アツシを知ってるんですか?」
「昔からの知り合い。一方的だったけど」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「もうね、その世界には金髪くんはいないと思う。・・・・・俺もだけど」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「でもね・・・・」
リョウのおでこを触るショウゾウ
「あいつの想いは・・・・俺が覚えてるから・・・・」
遠くでチャリチャリ・・・鎖の音らしきのが聞こえてくる
どこかで聞いたことのある音
”何か”を鎖で縛り付けられる
遠くから懐かしい声が聞こえた
「鍵をちゃんとかけないと・・・・・」
ただ、声を聞けたことだけでも、嬉しかった
「鎖が取れそうだったから、術かけなおしたよ」
ショウゾウは小さく呟いた
「でもアツシくん、あんな小難しい術出来るんだね。びっくりしたよ」
でもあれぐらいの術は簡単か。
普段のアツシくんのやる術って、難しそうに見えるけど案外簡単なんだよね。
でもあれはこの俺でも難しい術だった。
「・・・・・・ほんとに、バカだね」
ショウゾウはくすりと笑った
大切なものを護る為なら、なんでもするって。
「・・・・その”代償”は大きかったみたいだけど・・・・」
閉じられた扉を開ける鍵は『この世』に存在しないし、鍵をつくることもできない。
そう、何も出来ない。
088 鍵をかけて
ごめんなさい。
何かを間違えました。
050217up.