咄嗟に”誰か”の右手を握った。
――自分の手が血に染まっていることは知らなかった。
ほぼ無意識に”誰か”の右手を握ったのだから。
”誰か”が自分を抱き寄せようとした。
しかし・・・・。
「・・・あっちゃん、ごめん・・・」
「え?・・・どーした・・」
「あっちゃん、『ずっと居てくれ』って・・・」
「言ったよ。それが?」
「・・・・居れないかも、しれん・・・っ」
「何言ってるの、お前。何処にも行かせないから」
「・・・・・・ごめんね」
「・・・なんで謝るの?」
「あっちゃんとおれへんから・・・」
「なんでそういうの、お前」
「やって・・・」
俯く亮
=<<なんか見たのか・・・こいつ>>=
「・・・・見てへんよ」
=<<失いたくないのに・・・>>=
「・・・ごめん・・・」
「なに『ごめん』って言ってるの」
「きっ、気のせいやで・・・」
「そう」
願いは叶わないと、一瞬思ってしまった
お願いだから、「ごめんね」って言わないで。
089 ごめんね。
よーくわからんねぇ、これ
願いって・・・何?