感謝! 


 バス料金は前払い。財布を開いて気がつく。コインがない!しまったよぉ〜バスは両替えできないのである。ドライバーが
「かまわん、乗れ」
 と言ってくれたので、とりあえず乗る。フランス人ふたり組みに両替えを申し出てみよう。ところがふたりのうちのひとりが、私の分を払ってくれちゃった。両替えしてくれと頼むが笑顔で拒否。そんならば・・・ゴソゴソ折り鶴を取り出す。紳士ふたりは大喜び。フランス人はニッポンの繊細な文化に理解あるのか、こういうものへのリアクションが大きい。
「知ってるよ、オリガミだよね?素晴らしい。君が作ったのかい?」
 喜んでいただけて嬉しい。こんなもんで済まぬが、バス代のお礼にさせてくだされ。

 アートミュージアムへ行ってみよう。紳士たちとドライバーに礼を言って、シェルブルック通りで下車する。さて、どっちへ行けばいいんだろ。信号待ちの初老のご婦人に尋ねてみる。
「ここから左へ進むと左右に旗が出てるから、見失わないわよ」
 すんごいしゃがれ声のすんごいフランス語なまり。しゃがれ声のフランス語ってのは、なんだかおしゃれに響くなぁ。

 言われたとおり進むと、旗の手前に大聖堂。聖アンドリュー&聖ポール大聖堂とある。ちょいと寄り道いたそう。サインボードに 『ビジターは右側面後ろの扉からどうぞ』 とある。そっちに回ってみるとドアベルがある扉。押すとすさまじい音が鳴り響く!しばらく待つと、上品そうなマダムが笑顔で現れて扉を開け、
「どうぞどうぞ♪お入りください」
 すすめられるまま中に入ると、教会オフィスまで通された。教会パンフレットを手渡され、
「こちらへいらして♪」
 という彼女のうしろをついてゆく。礼拝堂に続く廊下で、出たところは祭壇横。
「どうぞゆっくり、この歴史ある教会を楽しまれてくださいね。帰りはまた、この廊下を通って戻ってきてください」




シンプルだがとても重厚な造り


 大きな礼拝堂である。天井がとても高い。祭壇に巨大なキリスト像がないし、イギリス国旗が掲げられているところをみると、英国教会なのかも知れぬ。ここで初めて、さっきいただいたパンフレットを開いてみる。1932年建造のゴシック建築で、スコットランド系の教会だった。
 オルガンの練習の真っ最中。何度もつっかえながらではあるが、広い空間に美しい音楽が流れ響く。しばしの間、耳と心を楽しまさせていただく。                  
To be continued.....


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