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 時刻は13時半をまわった。予約している和菓子屋一力堂さんへ向かう。カラコロ工房から歩いて5分ほど。またもやバスに乗るチャンスを失う。
 暖簾をくぐると、店主らしき白い職人服を着たちいさなおじぃさんが、スーツ姿の人と話をしている。身長150cmの私より明らかに小さい。ちょこっと耳を傾けた話から想像するに、スーツの人は旅行代理店の人。体験和菓子作りをツアーの内容に盛り込ませてもらえぬかってことを、頼みにきているご様子。
「和菓子体験させてくれる店がほかにないわけではないんですがね。モンダイはしゃべりなんですよ。ご主人はお話がおじょうずですからお願いしたいんですよねぇ」
 小さな店であるので、スーツの人が去らねば私たちが腰かけるスペースはない。話は尻切れ気味であったが早々に切り上げて、スーツの人は店をあとにした。

「どうぞどうぞ、お掛けください」
 小柄な店主はニコニコしながら、客が去った後のベンチをすすめる。和菓子体験者は私ひとりである。電話で連れは見学してもいいか?と聞くとこころよくおっけ〜してくださった。

「これが私手作りの道具でしてね、ホンモノは何千円とするもんですから。子供たちにも教えてるんですよ。学校のゆとり教育ってヤツで。一学級となると道具も何十と必要ですが、そんなのに高価な道具を揃えるワケにはいかないですからねぇ」
 旅行代理店から目をつけられるのも納得である。店主のおしゃべりは止まらない。目の前の100均屋プラスティックトレーには、和菓子道具が並べられている。100均屋の柘植の櫛を半分にカットしたものや、割り箸、ピンポン玉、プラモ屋で手に入る工作材料で作った細工道具。言われなければ和菓子を作る道具だとは想像つかぬであろう。



先祖代々の老舗のご主人からマンツーマンで教わる


 短時間で和菓子作りを体験するのに、複雑な作業はできない。あんこ素材の、成形するだけの簡単な和菓子を作らせていただく。ご主人が作るのをまねて形づくればいい。
 ご主人は黒いあんこ玉のほかに、白・桃色・緑色・黄色と、4色の色とりどりのあんこ玉をテーブルの上に並べた。これらを手のひらでこね、まるめ、ひろげ、薔薇・牡丹・椿・鮎とビク・・・と、4種類のお菓子を成形する。写真の花の葉と鮎は羊羹でできている。

 茶をすすり、店の代表菓・和三盆でできた姫小袖を戴き、さらに貴重な和三盆をなめさせて戴き、店の歴史や松江の話をご主人から聞き・・・楽しい約1時間であった♪できあがった菓子は崩れぬようにぴっちり包んでいただき、土産に持ち帰る。形はどうあれ、あんこは老舗の味である。
 授業料は
800円。これだけ楽しめてこの料金はお安い。我が家の茶菓子に干菓子(580円)もひと箱買い求め、店をあとにする。                     To be continued.....


 

図画工作みたいで楽しい〜♪



私の作品(?)左から牡丹・鮎とビク・椿


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