病院にかかる
1. 2000年9月・10月
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●病院にかかることを軸に、自分の気持ちを書き留めます。 ●ここの文章には、書き表されている表現以上の意味はありません。 ●お医者さんの言葉は、おっしゃったそのままの言葉ではありません。私の解釈で、要約しています。 ●日記をもとに掲載しています。一人称の使い方などは今と変わっていますが、そのまま掲載します。 |
2000年9月 2000年10月 初めての診察 2000年10月23日 2回目の診察 ページジャンプ 1 2
が、通じない。聞いたことのない言葉なのかなと思った。総合案内へ回されるが、ここでも伝わらない。「精神科だと思う」と告げると、そこへ回された。「あ、ジェンダー外来ですね」と、(たぶん)看護婦さんの声。何だか明るい声でほっとしたが、結局ここへは行かず、違う病院をたずねることにした。
遡れば、病院にかかろうかと思ってから1年は経つが、頭の片隅にはいつも、看護婦さんにどう思われるのだろうかというおそれがあった。「男が女になるなんて気持ち悪い」と思う人が世の中にはいることを、僕は知っている。だから、笑顔の向こうに何があるのか、僕はこわい。
問診票は、結構項目が多い。かなり立ち入った質問である。が、僕はそれ以上に書き込んだ。書きたいことがあった。いまどのようにつらいかを書いた。この作業のおかげで、だいぶ緊張がほぐれた。少なくとも、診察室で面と向かっていきなり説明を求められなくてすむわけだ。
ここに来る前に僕はいろんなことを想像していた。泣いてしまわないかとか、何も言えなくて黙ってしまわないかとか。でも、本当に普通にしゃべることができた。お医者さんが丁寧に、極めて謙虚な話し言葉で対応してくれたからかもしれない。問診票に一度書いたからかもしれない。受付から1時間以上の時間が落ち着かせてくれたのかもしれない。
中・高校の制服をどう思っていたか、子どものころ化粧品や女の子の服を着けたことはなかったか、同性に惹かれたことはなかったか、死のうと思ったことはあるか……。
僕は、できるだけ学会のガイドラインに沿って治療を受けたいと思っている。アフターケアのことが心配だからだ。公に認められた医療を受けていれば、治療後の異常についても気兼ねなく受診できる。僕の気持ちの問題にしかすぎないかもしれないけれど。
でも、あまり時間がかかると待ちきれないとも思っている。ぎりぎりせっぱつまって、この病院を訪れているのだ。しかし、お医者さんがこう言ってくれ、次回の診察も早めてくれたから、今は待てる気がしている。
先生からの話
「あなたは、長い期間で見ると、女になりたいという思いが大きく変化してきている。特にこの間は思いが強くなっている。ということは、今後も変わる可能性がある。もっと気持ちが強くなるかもしれないし、弱くなるかもしれない」
「つらいだろうということはよくわかる。今がつらい時期だろうと思う。変更を望んでから長い時間を経ている人が積み重ねているようなある種の慣れというものが、まだないのだから」
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