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 ***移築再生日記がビデオになりました。***
『材を継ぐ、技を継ぐ』  詳しくはこちら

 

 「古民家に住みたい、古材を使いたい」という要望をお持ちの方は年々増えているようで本屋さんには関連の雑誌や本が沢山並んでいます。それでも「お金が掛かるんじゃないだろうか、誰に頼めばいいのだろうか、難しいんじゃないだろうか」という不安があって踏み切れない方も多いようです。

 今回ここで紹介する奈良の家は、古民家再生の中でも一番費用が掛かると言われる「移築再生」ですが、施主はごく普通のサラリーマンのご一家です。古材を使った家を、と考えられたNさんが「NPO法人古材文化の会」(旧称:古材バンクの会)に相談して、実際に家が出来上がるまでを写真を交えて紹介していきます

計画編      工事編      竣工


 ※色の変わっている文字をクリックして下さい。詳細が見られます。

01年10月
施主のNさんから NPO法人古材文化の会に相談がある。
  Nさんの最初の相談シートには「古いものが好き、自然素材を出来るだけ多く使いたい」との要望が書かれていました。古材文化の会には「利用相談部会」という会があり、古材の利用・再生などの相談に応じています。Nさんの相談は利用相談部会で話合われる事になりました。

   12月
利用相談部会の話合いの結果 増田がN邸の担当になる。
  利用相談部会のメンバー、松井雅子さんがサポートしてくれることになり、二人でN邸に取り組むことになりました。  

  Nさんとの最初の打合せで「こうゆう家がいいんです」と見せて頂いた写真は どっしりとした古民家再生住宅でした。「Nさん希望の家を造るには古材を2・3本使うくらいではダメだ!移築再生しかない!!」と増田が決心したのはこの時でした。

02年1月
大まかな計画を立てる
  「2004年のお正月は新居で」というNさんのご要望を考慮して
     @ 古材探し 2002・1〜2002・6
     A 実施設計  2002・6〜2002・12
     B 工事  2003・1〜2003・12
と設定。二年を掛けてじっくり家造りに取り組むことになりました。ほぼこの通りに進み、2003・12に引渡しとなりました。


   2月1日
打合せ
  古材文化の会に相談を寄せた時点で土地 (約75坪) は決まっていました。風致地区にあり、建蔽率40%と厳しい条件。これに見合う古民家を探す事になりました。

   2月26日
ご家族四人と、京都府の美山町に古民家を解いた材 二軒分 見に行く
  古材文化の会から古材の情報を教えてもらい、同会会員でもあり、京都府の美山町で多くの古民家再生を手がける鶴ヶ岡建築有限会社の木村光一棟梁を訪ねました。棟梁が100年前の古民家を10年前に解いて保管していた古材を見学。うち一つがNさんの所有する土地の条件にも合うようでしたが、Nさんは「これで本当に家が建つの??」とちょっと心配なご様子。

   3月14日
ご家族四人と、京都府の伊根町に古民家を見に行く
  古材文化の会に寄せられた 取り壊す予定の民家を見学に行きました。この家はとても大きく、土地に合わせて縮小を考えなければならない上に、これから解体せねばならず資金面でも難航しそうな様子。

   4月上旬
美山町の古材でプラン作りを進めることに決定
  Nさんからの申し入れがあり、美山町の古材を使うことに決定。

  
   5月24日 古材を実測
   6月15日 平面図を起こす
   7月1日 打合せ プラン1案目を提出
   7月下旬
構造について古材文化の会会員の井手晃二さんに相談
  美山町の古材を眺めれば眺めるほど、「この材料に今の建築基準法を照らし合わせて筋交や合板を打ち付けていいものだろうか?」という思いが強くなった増田は、他にいい方法はないだろうか、と構造を専門にしている井手さんに相談してみました。そして『限界耐力計算法』という構造計算の方法と、構造設計者の桝田洋子さんを紹介して貰いました。

   8月3・4日 古材の仮組み  
   8月18日 打合せ プラン2案目を提出
   9月1日 奈良町の 「黄花」 見学
   9月10日 打合せ プラン3案目を提出
   10月中旬 プラン決定 実施設計に入る
   11月16日
再度 材の確認で美山町へ
  構造設計者の桝田洋子さんに実際に材を見て頂こう、という事で設計者サイドで木村棟梁を尋ねました。

   11月下旬 模型が出来る
03年2月21日 限界耐力設計法を使った木造建築として国内で二番目に確認申請が降りる


 いよいよ工事が始まります。N邸に使う古材の事を一番よくご存知なのは鶴ヶ岡建築の木村棟梁です。勿論木村棟梁に施工して貰うのが一番なのですが、美山町からN邸の敷地のある奈良まで片道三時間。経費がかかり過ぎてしまう事で予算が厳しくなるのは目に見えていました。「お金持ちの趣味の家ではなく、誰にでも手が届く再生住宅を」と考えていた増田は、「基礎と上棟以降」を地元奈良の大工さんに、上棟を木村棟梁にお願いするというリレー形式をとりました。Nさんのご家族は勿論、古材文化の会(旧称:古材バンクの会)から多くのボランティアも参加してコストを抑えながら いわば手作りで完成したN邸の工事をご覧下さい。
03年2月4日   地盤調査
   4月25日   地鎮祭
   5月3・4日   古材磨き
   5月13日   基礎配筋
   5月21日   刻み
   5月26日   基礎コンクリート
   6月4日   土台
   6月5日   建て方
   6月6日   上棟
   6月9日〜   1F床板 屋根
   7月5日   竹小舞
   7月6日   荒壁
   7月9日   見学会
   8月2日   裏返し
   8月19日   建具選び
   8月30日   建具枠 配線
   9月6日   外壁・焼き杉
   9月20日   古材文化の会(旧称:古材バンクの会)見学会
   10月11日   階段・天井
   10月18日   ロフト 床板
   11月1日   造作家具
   11月8日   建具
   11月19日   中塗仕上げ






 二年の歳月を掛けたN邸が竣工しました。写真をクリックして詳細をご覧下さい。
 

外観 1階 2階 建具 照明器具






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