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建築家にはならないぞ。

 
 私の敬愛する大先輩に吉村康雄という人が居る。その吉村さんが時々こんな事を言う。

「陶芸家という言葉があるから、陶芸をやっている人たちは勘違いをして、みょうちきりんな形や色の役立たずなものを沢山作っている。陶工という言葉で充分だと思う。陶工は使いやすい生活雑器を毎日作り続けている。陶器の裏に自分のサインなどしない。」

 私は今建築の設計を仕事としているが、設計業を強引に吉村さんの言葉に当てはめてみる。
「建築家という言葉があるから、建築の設計をやっている人たちは勘違いをして、みょうちきりんな形や色の使いにくい建物を沢山作っている。」
 多くの設計者は理想の建築家を目指して、ひとつひとつの建物に自分の哲学、デザイン、色を盛り込もうと必死にもがいている。建築家という言葉を大阪の汚い川にポイと捨てて、自分を一人の設計する人だと割り切ってしまうと、途端に肩は軽くなる。

 「建築家」という言葉を背負ってしまうと、素人が目を見張るような建築ができないといけないし、建築の材料にも工事にも精通して現場で大変な問題が起きようともたちどころに決断して解決してしまう、スーパーマンのような凄い人にならなければいけないと思ってしまう。 そこで私はスーパーマン(建築家)になるのは諦めて、ただの、「設計をする人」になろうと思う。

 建主の家族や、工務店の人たちと沢山話をして、素直に、ゆったりと、無理をせずに、問題が起きたら皆で話し合い、完成すれば皆で喜び合えて、5〜10年経っても笑いながらお酒が飲めるような ( 別にお茶でもよいのだが ) 家を作り続けていきたいと願っているのです。

増田 健次(ますだ けんじ) 経歴


1949     福岡県赤池町に生まれる

1967     福岡県立田川工業高校建築科 卒業

          株式会社伊藤工務店
          株式会社三和建設
          大久保建築事務所
          高原建築設計
          南徳設計

1979     増田建築研究所 開設   現在に至る   




所属団体

NPO法人古材文化の会(旧称・古材バンクの会) (理事)

家建想 

・大阪府登録文化財所有者の会 (特別会員)

一般財団法人 日本耐震診断協会 (会員)