【アクアの日常あるいは平穏な日々・火星一番!】
レデントーレで鍛えた水先案内人の料理の腕前は、中華特級厨師並み?お手並み、拝見・・・
アリア社長「ぷいにゅーっ!」
晃「あれ社長、何怒ってるんだ?」
アリシア「きのう、みんなと朝まで出かけたでしょ?だけど寝ていたアリア社長にご飯残しとくの忘れて・・・一晩食べられなくておかんむりなのよ」
晃「あーごめんごめん、みんなで急に誘っちゃったからな。代わりに何かうまいもの食わしてやるから、勘弁してくれ」
アリア社長「ぷいにゅー!」
アリシア「じゃあ明日から毎日1人ずつ、大好物を手料理でごちそうするように、だって」
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一同「・・・え」
6人娘にとって、悪夢のような1週間の開幕だったのです・・・
<月曜厨師・アリシア・フローレンス>
晃「初日はアリシアか。期待できそうだな」
灯里「おいしいに決まってますよ。私、朝いつも食べてますもん」
アリシア「おまたせ。みんなできたわよ、特製の半熟目玉焼き」
灯里「わーい」
アリス「えっと・・・それだけですか?」
アリシア「ええ、それだけ」うふふ
灯里「いっただきまーす」
一同(・・・)
晃(あのさ、灯里ちゃん。アリシアってオムライス得意じゃなかった?)
灯里「もぐもぐ・・・いえ、特製とか言ってますけど、あれレトルトでした」
アリス(他に火の通った料理は?)
灯里「もぐもぐ・・・朝はいつも目玉焼きとサラダですし、ランチボックスはハムか野菜のサンドイッチ、夜はレトルトを温めて・・・あれ?」
アリシア「あらあら、どうしたの?みんな、冷めちゃうわよ」
晃「あのさーアリシア。まさかとは思うけど、目玉焼きしか作れないってこと、ないよね?」
ぐさっ。
アテナ「アリシアちゃん、どうしたの?卵にフォークぶっ刺して。黄身が晃ちゃんの顔に飛び散ったわよ」
アリシア「う・ふ・ふ・ふ・ふ・ふ」
(しーーーん)
アリシア「あらあらごめんなさい、一瞬トリップしちゃった。もう、いらない?」
一同「いただきます!」
<火曜厨師・アリス・キャロル>
アリシア「あら、きょうはブイヤベース?なかなか豪勢ね」
アリス「はい、ネオ・ヴェネツィアならではの新鮮な海の幸が、でっかいてんこ盛りです」
アテナ「出汁がよく出ていて、とってもおいしいわ」
アリス「魚はぶつ切りで、簡単に味付けしただけですが。喜んでもらえて光栄です」
晃「たくさん魚介類が入ってるなあ。どうしたんだ?」
アリス「今朝、親戚の漁師さんからもらいました。漁で網に入ってたの、好きなの持っていけって」
灯里「すごいよアリスちゃん!どんな魚を入れたの?」
アリス「ええと・・・タラにイカ、タイ、ヒラメ、ハマグリ、ズワイガニ、イセエビ・・・あとフグです」
一同「・・・」
藍華「・・・後輩ちゃん。空耳と思うけど、今のもう一度、復唱してくれる?」
アリス「はい。タラにイカ、タイ、ヒラメ、ハマグリ、ズワイガニ、イセエビ・・・あとなんだっけ?」
晃「そこ!そこ一番重要なんだよ!最後の何?」
アリス「ああ、思い出した。フグです」
アリシア「ねえ、アリスちゃん・・・私、あなたが免許持ってるって知らなかったわ」
アリス「はい?なんですか、免許って」
晃「フグだよ!フグの調理師免許は持ってるよなって、遠回しに聞いてるんだよ!」
アリス「別に。それが、何か?」
一同「ぎゃあああああ!」
藍華「死ぬ!私死ぬのね!短い人生だった・・・そうだアリシアさん、最後に一度でいいから藍華が好きって言ってください!本当は私、私・・・いけない子だったんだわ!」
灯里「アイちゃんへ、人生最期のメールだから怒らないでね。服にケチャップかけたイタズラは私です。いつか謝るつもりだったの。あと鞄に虫を入れたのと、運動靴を隠したのと、落とし穴を掘って・・・」
アテナ「せんの〜〜かぜに〜〜るるるるる〜〜〜〜!」
アリシア「もしもしグランマ?きのう会社のお金でちょっとバッグを買っちゃったけど、あれお給料の前借りなの!本当よ、お願いだから信じて!」
晃「お母さん、晃は悪い娘でした。反抗してごめんなさい。今度生まれたときにも、お母さんの娘になりたいです。だから最後にママと呼ばせて、ママーーーっ!!」
アリス「あ。フグ入れ忘れた」
一同「・・・」
アリス、半殺し。
<水曜厨師・晃・E・フェラーリ>
灯里「晃さん、これは・・・」
晃「あん?何か文句あるか?」
アリシア「これ・・・何かしら?」うふふ?
晃「アリシアー、カルパッチョ知らないのか?料理本通りに作ったんだぜ」
アリシア「カルパッチョって・・・頭、ついてたっけ?」
灯里「ぬめぬめした黒皮も全部ついてます。バラバラの残骸ですが」
アリス「でっかい目玉が半分飛び出してますね」
藍華「骨と内臓が・・・ぐちゃぐちゃ」
アテナ「ドレッシングかと思ったら、血のりなのね」
藍華「晃さん・・・お魚、さばいたことあります?」
晃「すわっ!生魚ぶった切ってマヨネーズかけりゃあ食えるって書いてあったんだよ!文句あるか!」
一同(・・・どんな料理本だよ)
灯里「ごめんなさい、私ダメ。吐き気がしてきました」
アリシア「さすがに、ちょっとこれは」
アリス「無理です」
晃「ふう。わかった、もういいよ。みんな、すまなかったな。片づけるから」
藍華「・・・」
晃「藍華、どうした?食器、下げるぞ」
藍華「晃さん・・・昨日の夜、徹夜して一生懸命作ってたのに」
一同(・・・徹夜してこれかよ)
藍華「私、食べる。晃さんが作ったんだもの。食べる」
晃「藍華・・・」
アリシア「そうね。生魚にマヨネーズかければカルパッチョよね。味に変わりはないわ」
アテナ「いいわ。みんな、いただきましょう」
晃「みんな・・・すまないな」
一同「いただきまーす」
ぱくっ。
一同「・・・」
藍華「晃さん・・・最初の質問に戻りますが、これ、何の魚ですか?」
晃「オオサンショウウオ。きのう帰ったら夜遅くてさ、魚屋全部閉まってたから姫屋の玄関の水槽にいた奴を使ったんだ。どうだ、うまいか?」
一同「魚じゃねええええええええっ!!!」
<木曜厨師・水無灯里>
晃「お、きょうの鳥丼は結構うまいな」
灯里「えへへー。実は得意料理なんです」
アリシア「鳥肉の味加減が絶妙ね。お醤油と生姜がよく効いている」
アリス「灯里先輩が、こんなに丼が上手とは知りませんでした」
藍華「お肉も新鮮ね。最高の照り焼き丼だわ」
灯里「やだなー藍華ちゃん。照り焼き丼じゃなくて、親子丼だよ」
アテナ「でも、卵が入ってないわよ?」
灯里「そりゃそうです。カルガモの親子ですから」
一同「・・・」
灯里「どうしました、みなさん?急にお箸を置いて」
アリシア「灯里ちゃん。ちょっと聞きにくいんだけど、お肉どこで調達したのかしら」
灯里「けさARIAカンパニーの前の道路を横断してました。引っ越しの途中みたいで、無防備だったので」
アリス「・・・それで?」
灯里「私、声をかけました。『おはようカルガモさん、素敵な朝ね。だから素敵なお料理になってね』といって、沸騰した鍋に・・・」
晃「ストーーーップ!もういい。あー灯里ちゃん。人間は根元的に罪深い存在だ。生きとし生けるものを食してだな、あー、つまり灯里ちゃんは悪くない」
アテナ「鳥獣保護法違反・・・」
藍華「オオサンショウウオの解体・・・」
晃「すわっ!それ禁止!あーとにかくだ。そうだ、祈ろう!きのうときょうの素晴らしい食卓に、神様に感謝しよう!」
灯里「最高です、晃さん!じゃあ素敵な照り焼きとなって胃袋に消化される愛らしいカルガモさんに・・・」
一同「あんたは黙ってろ!!」
灯里「はひ?」
<金曜厨師・藍華・S・グランチェスタ>
灯里「藍華ちゃん、まだあ?みんなお腹すかせてるよー」
藍華「あと5分!灯里、お皿並べるの手伝って!」
灯里「はひ!・・・って、作ってるのはカレー?」
藍華「そうよ。カレーは簡単だけど、ばかにしてはいけないの。アリシアさんに満足してもらうには、最高のカレーを作る必要があるの!もう10時間も厨房に缶詰だわ」
灯里「はへー、すごいなあ。何をしたの?」
藍華「いい?このルーは、牛スジを8時間煮込んだのよ。ジャガイモとニンジンは地球の十勝産を用意したわ。ご飯は魚沼産を、最高級の黒炭と一緒に炊いたの。まあ、灯里と違って私はそのあたりは抜かりがないし、なんたって・・・」
灯里「ねえ藍華ちゃん・・・焦げ臭くない?」
藍華「え?あれ?あ・・・ぎゃぴーーーー!!」
アリシア「おいしい!とってもまろやかな口当たりだわ、藍華ちゃん!」
藍華「・・・」
晃「ああ、ご飯は立ってるしツヤツヤだな。苦心の跡がしのばれるぜ」
アテナ「福神漬も、甘さと辛さのバランスが絶妙ね」
灯里「ほんと、最高のお食事だね!藍華ちゃん」
藍華「・・・」
アリス「・・・でもご飯と福神漬だけって、さみしくないですか?」
一同「空気読めよ!!若年寄っ!!」
アリス「??」
<土曜厨師・アテナ・グローリィ・上>
晃(・・・ついに、この日が来たか)
灯里(死刑執行を待つって、こういう気分でしょうか)
藍華(私、今朝から何ものどを通りません)
アリシア(一睡もできなかったからパス・・・ってダメよね?)
アリス(先輩、妙に張り切ってます。朝から大量に作ってます!)
灯里(何で止めないの、アリスちゃん!)
アテナ「おまたせ。ちょっと作りすぎちゃった」
晃(どこからあんな大量の中華鍋を??)
アリス(オレンジぷらねっと中を探しても、あんなに鍋はありません。今朝、部屋に新品が大量に届きました)
一同(だから、気づいたら止めろよ!)
非の打ち所のない、気配り給仕。食卓に並ぶは中華の至高、満漢全席。
・・・見た目だけは美しい凶器。
アテナ「さ、どうぞ」
一同「・・・いただきます」
もぐもぐ・・・
アリシア「あのう、アテナちゃん。これ、何かしら?」
アテナ「フカヒレのスープよ。前菜にどうぞ」
アリシア「いえ、私が聞きたいのは、なぜこんなに甘ったるいかなんだけど」
アテナ「ごめんなさい・・・ガムシロの分量間違ったかしら」
一同(間違ったのは、調味料の選択だろ?)
灯里「えっと、アテナさん。これ、何でしょう?」
アテナ「餃子よ。お醤油とラー油をつけて召し上がれ」
灯里「いえ、私がお聞きしたいのは、なぜ中の肉あんが小倉あんなのかですが」
アテナ「ごめんなさい・・・ニンニクとニラ混ぜたけど、お口に合わなかった?」
一同(いや、それ事態を悪化させてるから)
晃「あー、アテナ。これは何だ?」
アテナ「栗ごはんよ。秋はやっぱり栗ごはんよね」
晃「いや、私が聞きたいのは、なぜ栗がイガごとご飯に入っているかだが」
アテナ「ごめんなさい・・・晃ちゃんは、むいたほうが好きなのね」
一同(好き嫌いの問題じゃねぇーー!!)
藍華「あのー、アテナ先輩。これ、何ですか?」
アテナ「エビチリよ。エビを奮発しちゃった」
藍華「いえ、私がうかがいたいのは、どうみてもエビでなくカブトムシの幼虫なんですが」
アテナ「ごめんなさい・・・どこで間違ったのかしら」
一同(どう間違ったらカブトムシが入るのかを答えろよ!!!)
・・・火星最凶厨師の降臨に、愛弟子アリスの決断は?
<土曜厨師・アテナ・グローリィ下>
アリス「あのー、アテナ先輩。これ・・・」
アテナ「ごめんなさい・・・がんばったけど、やっぱり不評みたいね」
アリス「いいえ、美味しいです!最高の創作料理です!」
一同「ええっ、正気!?」
アリス「みなさん、お腹いっぱい食べましょう!さあ、アリシアさん!スープのお代わりをたんとお注ぎします!」
アリシア「うッ・・・」
アリス「灯里先輩!餃子はまだまだありますよ!」
灯里「え・・・」
アリス「晃先輩!栗はイガを食べるのが通ですよね!」
晃「おぉ・・・あたしを殺す気か?」
アリス「藍華先輩!エビチリのエビをたんまりと・・・」
藍華「だからエビじゃねえ!あっ!てめえ本当は食いたくないんだな?人に全部食わせる気だな!このやろー」
晃「こら藍華、栗のイガ投げるな!うわあ、アリシアの額に刺さってるぞ!」
アリシア「う・ふ・ふ・ふ・ふ・・・!」
灯里「アリシアさん、笑顔で参戦しないでー!」
晃「アリシア、よくもラー油をぶちまけやがったな!その口をカブトムシでふさいでやる!」
(以下、殴り合い)
アテナ「あー、お茶がおいしい。のどかだわー」
<日曜厨師・アリア・ポコテン>
アリア社長「ぷいぷいぷい、ぷいにゅー!」
包帯アリシア「えー、みなさま1週間ご苦労様でした。本日は社長より、みなさまの努力に感謝の意を表し、特別手料理を用意いたしましたので、心ゆくまでご堪能ください・・・とのことです」うふふ
一同(やっぱり最後はキャットフードか・・・)
・・・後日、全料理を完食したアリア社長が、月刊ウンディーネに「3大妖精+3人娘レデントーレ特別メニュー」として無断で広告を出したことが発覚し、6人が火星の全書店を駆けずり回って、全冊買い上げる羽目になったそうな。
(2008年2月改稿)
●ぷに絵
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アリシア「残業お疲れさま、晃ちゃん。特上すき焼きパーティ、晃ちゃんの分は取っておいたわよ」 晃「悪いな、アリシア・・・ところでさあ、 肉はどこだ、肉は?」 アリシア「・・・あら?うふふ」 |
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