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外交政策
   →現今の對外政策

外國情勢
   →ミグルシア王國
   →ゴルゴニア聯邦共和國
   →緩衝諸國
   →バクテリア
   →メロニア
   →極東共和國
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【現今の對外政策】

舊レミニア共和國は國際非同盟路線を採り1914-18年の今次世界大戰に於いても局外中立であったが、1929-30年戰争の末に北帝國とレミニア共和國との大合同によるレミニア聨合共和國が成立し、舊北帝國の抱えていた諸問題を其の儘引繼ぐに至った。

【極東問題】
舊北帝國は東方帝國併合を始めとして積極的に對外進出を行い、今次世界大戰に於いては聯合國側に参加、樞軸國側の隣國ミグルシアと戰い、更に極東に於いては西比利亜出兵に参加、終戰後も日本軍と共に強力な派遣軍を残置し白衛軍が獨立政權を樹立するのを援助した。舊北帝國極東派遣軍はザバイカル湖を隔てて蘇聯邦赤軍と常に對峙していたが、1929年にレミニア共和國と戰争となり戰線の兵力不足を補う為に派遣軍を引揚げるに至った。其の間隙を日本軍が埋めたが、極東共和國に對する舊北帝國の影響力を保持する為に多額の資金援助を行わざるを得す、戰後成立したレミニア聨合共和國は此れを引繼ぐ事となった。

【西部・北部國境線の防衛、保護國・属領・殖民地の維持】
本土に於いては舊北帝國の北部國境線を引繼ぎ、好戰的な隣國ミグルシア王國、傳統的に南下政策を採るゴルゴニア聯邦、地政上重要な位置にあるバクテリア、メロニアと直接に交渉する立場となり、また舊北帝國の遺産である西南沿岸地方の緩衝諸國、南洋の委任統治領、極東の保護領、舊東方帝國領を保護する仕儀に至り、國際緊張の只中にて平和を維持するに努力を傾注せざるを得なくなった。
いずれ再び交戰を避けられないであろうミグルシア王國との關係を軸としてゴルゴニア聯邦をどの様に扱い、更に其の他の有力諸外國との連携關係を如何に得るかが國運を左右する大きな鍵となっている。(外務省政務局政務課)

【戰争繼續能力と國力分析】

舊レミニア共和國は今次世界大戰に於いて局外中立を保ち、軍需物資の輸出にて財力を蓄え、また貴族寡頭政體による經濟統制主義を實施し、自給自足態勢を目指して外國資本の侵入を防止してきた為、レミニア聯合共和國となっても1929年の米國金融大恐慌の餘波を乗越える事ができた。1929-30年の舊北帝國・舊レミニア共和國戰争による極度の疲弊状態と國内に蔓延した厭戰氣分は徐々に恢復の兆しを見せている。國力分析は始まったばかりであるが、戰争繼續能力の養成に全力を注ぐ必要性は自ら痛感しており、殊にミグルシア王國、ゴルゴニア聯邦の侵入を如何に防ぎ止めるかが目下の緊急課題である。強力な中央集權態勢と經濟統制は自由主義經濟の如く華麗な發展を望めないが、堅實な國力養成に資するものと大方の國民が認めており自ら清貧に甘んずるを許している。


外國情勢


【ミグルシャ王國】reghland de migrusia

西部國境に隣接する舊い王國。西部邊境地帯の宏漠たる荒地を往く事數日にして峻險な大山嶽に逢着し此れを越えるのは至難である。その向こうには高原地帯が廣がり更に降って盆地に至る。一帯に古代より棲む蛮族あって此れをミ族及グルシャ族と稱す。永らく未開原始状態にあったが中世に至り諸公國勃興し遂に合して王國となってミグルシャと國號を定めた。以来農業地帯として穀物酪農製品材木を輸出して國力を蓄えてきた。諸都市に於いては工藝が盛んで其の器械製品は精巧堅牢である為高価に取引されている。また化學も古来の錬金術時代より盛んである。今世紀に入って鐡鋼器械重化學産業のコンツエルンが發展し、聨合共和國から鑛物石炭石油等の原材料を輸入し此れを加工して優秀な器械藥品類を輸出している。
中世より幾つかの騎士團が近隣邊境に遠征して領地を築き版圖を擴大して来たが、海岸を持たない内陸國であった為、大航海時代の植民地獲得競争に参加できず二流國に甘んじざるを得なかった。前世紀に至り數度の戰争の結果漸く海岸線に進出できたが、既に海洋は北帝國海軍、東方帝國海軍、レミニア海軍の跋扈する處となっており辛うじて南洋群島を獲得し護謨、材木、燐鑛石、奴隷等を得たに過ぎなかった。今次世界大戰には樞軸國側に参加して敗戰の憂目を見、この南洋諸島殖民地も聯合國側の北帝國海軍により占領され賠償として割譲を餘儀なくされた。
1914年隣接の舊北帝國軍は聯合國側であったが為、開戰後直ちに國境山嶽地帯の樞軸國側ミグルシア軍防衛線を突破して國内深く侵入、主力は高原地帯に進出、ミグルシア軍は此れを迎撃して辛うじて膠着状態に持込んだが、1918年樞軸國側の主導者たる獨逸帝國が敗戰を認めた為、停戰となった。壓倒的な大艦隊を送込んだ舊北帝國海軍により海岸地帯の大部を占領され、この地は戰後、先住民族自決の名目のもと北帝國の緩衝諸國として分離獨立した。
王は亡命、代りに政權を擔った共和政府は巨額の賠償金の支拂に窮々とし、經濟は未曾有のインフレーションに襲われ、溢れる失業者を扇動してゼネストを繰返す左翼勢力と暴力革命を公然と目指す共産主義勢力の脅威を實力を以て鎮める為軍部と右翼私兵團の力を借りる有様であった。1920年、漸く國内の治安を回復した軍部はクーデターを起こして共和制を廢止し、國王を亡命先から呼戻して王政復古を宣言した。聯合國側から課せられていた軍備制限を無視した兵器近代化準備が密かに進められ、囚人勞働者を使った大規模な地下軍事秘密工場が稼働を始めた。1920年代を通じ北帝國と相互不可侵条約を締結し國力恢復に努めた。
1929年、隣接の舊北帝國は大陸南岸部の舊レミニア共和國に武力侵入を開始し、1年の激戰を經て膠着状態に陥った。此の隙を狙い、ミグルシア王國は舊北帝國との相互不可侵條約を一方的に破棄し、深夜に實驗航空隊の秘匿部隊であった長距離航行飛行船團を北帝國要地に送込み、突如一薺大空襲を敢行、大量の致死性有毒瓦斯爆彈投下を以て北帝國の首都を瞬時に壊滅せしめた。北帝國では為に中央官廰の役人が全て廢疾の身となり其の誇る精密な行政中樞は一挙に機能を停止、首府の住民は有毒瓦斯に依り大量に死亡し生存者の多くは戰後一年餘たった現在も重篤な後遺症に悩んでいる。これを見た舊北帝國の生残りの政治家のうち主戰派は亡命、穏健派が政權を握り交戰中のレミニア共和國と直ちに停戰交渉を始め、舊北帝國は舊レミニア共和國と對等合併するを以て和平を實現せしめた。事實上は舊北帝國が舊レミニア共和國に併合されたのであるが、舊レミニア共和國側が舊北帝國の國民感情を慮って此の様な名譽ある停戰の形をとったのであった。
舊北帝國領内に侵入したミグルシア陸軍及此れに同調したゴルゴニア聯邦軍は北上してきた歴戰の舊レミニア増援軍と決死の抵抗を為す舊北帝國軍に依って短時日の裡に撃退された。ミグルシア陸軍は優れた装備を有していたが國際聯盟により課せられた軍備制限に依り兵力量が十分ではなく、壓倒的な舊レミニア共和國・舊北帝國聯合軍に自國領内に押返されてしまった。ミグルシア空軍による戰術毒瓦斯爆撃は防毒装備を伴った舊レミニア軍には歯が立たず、逆に大量の野戰高射砲の齊射と驅逐飛行機隊により相次いで飛行船團が撃墜され戰術空襲局面ではまともに其の威力を發揮できなかった。
新生レミニア聨合共和國はミグルシア王國及びゴルゴニア聯邦に對し賠償金の多寡を巡って折合いが着かず未だに講和を結んで居ない。多額の賠償金を要求されたミグルシアは此れを拒否し、長期の消耗戰に疲弊し厭戰氣分が充満していたレミニア側もミグルシア國境を越えて占領軍を送込む餘裕がないのが實状である。よって未だに交戰状態を維持しているが、年に數度の砲撃を交わす程度で國境地帯は静謐である。
ミグルシア陸軍は國際聯盟より課せられた軍備制限の為、國防に必要最小限の志願兵部隊10萬しか持たないが、密かに徴兵制施行の準備が出来ており、大規模な準軍事組織に兵器保管と軍事訓練を依託するなどして總動員令が下れば直ちに5倍の兵力を用い得るとされている。空軍は秘密工場に於いて必要な新兵器を開發製造しており實驗航空隊の名の下に訓練を行っている。先の北帝國首都の毒瓦斯爆撃に見られる様に化學兵器の利用に長けており急降下爆撃隊及空挺部隊を使った空中よりの電撃戰術と相俟って隣國の脅威となっている。海軍は僅かな海岸線しか領有せず、また海外殖民地が皆無の為、大艦隊を有せず、15,000の志願兵による沿岸防備隊及有力な渡洋潜水艦隊を有するのみである。最近は小型巡洋航空母艦の建造と強力な海兵隊の編成が噂されている。然しミグルシア國土は工業及燃料資源に乏しく殊に石油を輸入に頼っている為、緒戰では有利であるが短期間しか繼戰能力が無いと看做されている。(外務省政務局隣邦課)

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【ゴルゴニア聯邦共和國】republik uniita de gorgonia

古代より北方にあった蛮族が中世に至り大公國となり近世には専制君主國家として版圖を擴げ略大陸北方の全部を掌中に収めるようになった。傳統的に南下政策をとり東方帝國と數度に渡る戰争を行ってきたが、北帝國が東方帝國を併合した為國策は行詰り今次大戰中には赤色革命が勃發した。周邊諸國が干渉軍を送り此れを鎮壓し、属領であったバクテリア、メロニアが革命騒動の最中に獨立した。鐡礦石・石油が豊富で此れの輸出により國庫は辛うじて均衡を保っており、外國資本の参入による工業化が進められている。1929-30年の舊北帝國・舊レミニア共和國間の戰争ではミグルシアの誘いに應じ舊北帝國領に侵攻したが舊レミニア軍の増援部隊が北上するに及んで早々に撤退し逆侵攻に備え防備を固めた。
陸軍は徴兵により13軍管區31箇軍團207萬、量的には巨大であるが、民度は低く長期現役制で老兵が多く装備は不足がちなので外征には不向きである。然し國土が宏漠としており寒期に於ける軍事行動に著しい制限が生じるので外敵の侵入をよく防ぎ得る。海軍は不凍港を持たないので微々たる沿岸防備力しか有しない。(外務省政務局隣邦課)

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【緩衝諸國】

もとはミグルシア王國が海洋進出を圖る為に占領した大陸西南部の沿岸諸邦であるが、今次大戰に於いてミグルシアが敗退した結果、国際聯盟の主導により民族毎に獨立した。北帝國の實質的な属國であったが1930年の舊北帝國・舊レミニア共和國の大合同により引續きレミニア聨合共和國の保護下となる。
各々が徴兵制による装備充實し士氣旺盛な小軍隊を保有し、レミニア聨合共和國と相互軍事同盟を結び其の援助を受けている。海岸に接する國は小規模な防備隊及巡洋艦戰隊を有している。(外務省政務局緩衝國課)

《ポルキア共和國》republik de porkia

ミグルシア王國と國境を接する沿海地帯にある半漁半農の地。造塩業も盛ん。猪を國の紋章としている。賢い野猪が祖先とされているが塩の輸出により裕福となり、末裔の現状は子供から老人に至るまで悉く肥満しある事から豚天國とのニックネームが付いている。然し此れを現地にて發言するのは禁忌となっている。丸式と稱する巨大重戰車と自働車化歩兵を中核とした師團、沿岸警備及商船護衛の小艦隊、rughporkar fligant なる飛行艇隊を有し侮りがたい戰力を養っている。(外務省政務局緩衝國課、在猪國公使館)

《ルピア王國》reghland de lupia

ミグルシア王國と國境を接する山嶽地帯にあり、鑛山業・林業が盛ん。代々の狼王が統治してきた由緒ある王國にして精悍な騎士團の活躍が諸々の傳説を生んだ。狼を國の紋章としている。強力な山嶽獵兵旅團を維持し一旦事あらば遊撃戰を展開して外敵の侵入を許さない。此の地に侵攻したミグルシア軍も非常に手を焼き多大の犠牲を拂った。ミグルシア統治下に於いては半獨立國として尊厳を保った。隣接のカティア大公國とは古代より國境紛争が絶えなかった。平野部に進出しようとするルピア騎士團がカティア騎士團と土民の執拗な抵抗に翻弄され東奔西走の挙句戰費が續かず休戰となるのが常であった。(外務省政務局緩衝國課。在狼國公使館)

《カティア大公國》arkidukland de katia

ミグルシア王國と國境を接する奥深い山嶽地帯にあり、林業・牧畜業が盛ん。代々の山猫大公爵が統治してきた一帯であるが半獨立状態の地主貴族とそれに従う自營農民の力が強く國家としての結束力は緩い。山猫を國の紋章としている。ルピア王國とは古代より小規模な國境紛争が絶えなかったが、現在は國際聯盟及同盟國たるレミニア聨合共和國の仲介により平和裡に解決を見る事が多い。優秀な森林獵兵旅團を有している。(外務省政務局緩衝國課、在猫國公使館)

《ビルドニア自由國》liberland de birdonia

ミグルシア王國と國境を接する峻險な山嶽地帯にあり、林業が盛ん。獨立自營農民で構成する共和政體をとる。鷲を國の紋章としている。僻地ゆえ此れと云った産業も發達せず最貧國と云われている。飛行機操縦士として稀に見る才能を發揮する者が多く、外國の航空會社や空中部隊で活躍が目立つ。聨合共和國の援助により飛行旅團を有し、緩衝國全域の空中哨戒を請負って外貨を獲得している(外務省政務局緩衝國課、在鳥國公使館)。

《フンディア共和國》republik de hundia

ミグルシア王國と國境を接する丘陵地帯にあり、牧畜業が盛ん。地主貴族の力が強い。貧民は傭兵團を結成して出稼に行く者が多い。優秀な歩兵旅團を有している。殊に regiment de hund furioz(猛犬聯隊)の異名をとる歩兵隊は國境地帯に駐屯して守りを固め幾多の國境紛争に活躍し數々の偉勲を立てている。(外務省政務局緩衝國課、在犬國公使館)

《ベアニア自由國》liberland de beania

丘陵森林地帯にあり、林業が盛ん。中世より自由民が結成する共和政體。立上がった熊を国の紋章としいる。其の獰猛さで有名な歩兵旅團を有している。ベアニア軍の通過した跡は略奪により草木一本さえ残らないと云われている。(外務省政務局緩衝國課、在熊國公使館)

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【バクテリア】bakteria

古代文明の栄えた地であった。舊東方帝國に朝貢して其の保護下に入ったが、ゴルゴニアの南下政策により數度の戰争を經て其の占領地となった。ゴルゴニア赤色革命の際には舊北帝國の干渉軍に占領され、其の保護の下に獨立した。現在はレミニア聨合共和國寄りの友好國とされている。
陸軍は徴兵制を敷き兵力は十分であるが装備が舊式である。内陸國の為海軍は無い。(外務省政務局隣邦課、在貘貂利亜大使館)

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【メロニア】melonia

舊東方帝國の属領であったが、ゴルゴニアに割譲され、ゴルゴニア赤色革命後に獨立を果たした。現在はレミニア聨合共和國寄りの友好國となっている。
陸軍は志願制乃至強制徴募制で装備劣弱の地方軍閥團隊を集成したもの。内陸國の故海軍は無い。(外務省政務局隣邦課、在苺露仁亜大使館)

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【極東共和國】republik de nord ekstrem

露西亜赤色革命の折にザバイカル湖以東、沿海州からカムチャッカにかけて樹立された白色政權。最初は西比利亜共和國と稱しオムスクを首都として暫定西比利亜政府が獨立を宣言、其の後コルチャーク提督の臨時全露西亜政府の指導下に入り沿海州共和國となった。1918年世界大戰終結に伴う聯合軍撤兵と共に白軍はオムスクを放棄しザバイカル湖以西チタ迄撤退を餘儀なくされた。聯合軍のうち残留していた日本軍と舊北帝國軍は劣勢の白軍に代って赤軍の侵攻を喰止め、コルチャーク政權は沿海州共和國を核として在西比利亜白色勢力の聯合による極東共和國を樹立した。舊北帝國及日本帝國と緊密な軍事同盟を結び防共の砦となった。コルチャーク政權は其の後豊富な資金を以て國力を蓄えつゝある。中央銀行には舊露西亜帝國の遺産500噸の金塊を保有し、此れに加えて外國資本を導入、殊にレミニア聨合共和國、米國、日本による鑛工業開發が盛んである。
陸軍は徴兵制を敷き反共各國の援助を受け装備充實している。海軍は志願制で小艦隊を有し浦塩港を根拠地として、レミニア海軍及日本海軍と協力しベーリング海、オホーツク海の制海權を握っている。(外務省政務局緩衝國課、在極東大使館)

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【東洋諸國】

《日本》imperi de japan grand

レミニアが極東に保護すべき極東共和國、自領のベツルシア自治州、支那租界、南洋に委任統治領を有する故、利害密接な日本帝國との友好關係を保つ必要大であるが、日本は米國を假想敵國としており、また満洲に特殊權益を有するが故に中華民國と衝突する虞があって、同盟國としては些か安定を欠く候補である。また國内政情も政黨の腐敗、經濟不況により不安定であるから外務省では日本とは單に相互不可侵條約を結び日本軍部の冒険主義と一線を劃すのが得策との見方が強まりつゝある。
陸軍は平時17箇師團(戰時34箇)、徴兵制にて現役兵力223,000、總動員時100萬。装備は平凡であり殊に未熟な器械工業の為に國産兵器製造は貧弱極まりなく、機械化は遅れている。
海軍は志願制にて現役兵力88,000、多大の豫算を注込んで艦艇は充實しており、1905年知略を以て露西亜バルチック艦隊を撃破した事で有名。サイレント・ネイヴィーを以て自らを任じ強力な抑止力たらんと努力を重ねている。(外務省政務局亜細亜課、在日公使館)

《支那》shutat popol de chin

レミニア聨合共和國は支那にエリシア租借地を持ち各地に租界を設けている。支那大陸は膨大な人口を持ち市場として非常に有望な地である。レミニア聨合共和國を始めとし歐米及日本の資本が注入されているが、政治的安定が保證されていない脆さがあって、清朝瓦解後の國民黨政府及地方軍閥の動向が注目されている。
陸軍は志願制乃至強制徴募制で徴兵制は確立していない。515箇師團4300,000と稱するが、團隊定員は他國軍の半數であり欠員多く傭兵から成る地方軍閥も多く含まれている為實質は五分の一程度とみて良い。士氣軍規装備共に劣る。獨逸陸軍が軍事顧問團を派遣して居る他、日本陸軍への留學生も多く将校の教育は改善されている。海軍は清朝瓦解前に強力な装甲艦隊を有したが1894年の日清戦争にて悉く日本海軍に撃沈されるか押収され現在は有名無実となっている。(外務省政務局亜細亜課、在支公使館)

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【歐米諸國】

《歐州諸國》shutatoy en europ

今次大戰により疲弊した歐州は米國資本の進出が目覚ましく、世界經濟情勢は今や米國を中心に廻轉していると云って差支えない。政情不安定な敗戰國獨逸の動向は今後の歐州情勢を左右する颱風の目となろう。1929年の米國金融恐慌が波及するのは時間の問題との觀測が非公式に囁かれている。現に米國資本の引揚が行われた獨逸では戰後復興計劃が甚だしく遅延している。(外務省政務局歐米課)

《米國》shtatoy uniitay de amerika

政治的には局外中立を保っているが、支那大陸を有望な市場と看做しており門戸開放を唱えて其の保護には神經質となっている點に注目するべきであろう。即ち支那は諸勢力の何れかひとつが此れを獨占する事を許さない情勢なのである。米國は當分の間1929年の金融大恐慌よりの立直りを圖るに専念せざるを得ない為、國際舞臺に於いて其の影響力を行使するに至るのは未だ先の事とみられる。
陸軍は宏漠たる國土を防衛するに必要最小限の兵力しか持たず、經濟再建の為に更なる軍事豫算削減が進められる豫定である。兵力は1929年137,529人、1930年137,645人。今次大戰では歐州派遣の為遠征軍210萬人を動員した實績があり戰時には大膨張する。海軍は大西洋と太平洋に艦隊を保持する必要上、豫算上は優遇されている。豊かな國土を有し軍需物資を自給自足する事ができ工業も發展しているので繼戰能力は非常に高いと看做されている。(外務省政務局歐米課、在米大使館)

《露西亜社会主義聯邦ソビエト共和國》republik sovet socialism uniita de rus

1917年の赤色革命政權樹立後、反革命軍との内戰により舊露西亜帝國の版圖を縮小した形となったが世界唯一の共産主義國家として國力を蓄えつゝある。1924年國家元首のレーニンが死去し複數の後継者による集團指導体制に移った。レーニンの後繼者たらんと欲するスターリンが赤軍創設者で武力革命總指揮者であったトロツキーの世界革命論(永久革命)を否定し此れを軍指導者の職から解任、1929年國外に追放した。獨裁體制を敷いたスターリンは一國社會主義を標榜して國力充實を推進、工業育成を目指して計劃經濟(經濟五カ年計劃)を實行した。穀物輸出に依り外貨を得て此れを産業近代化に投入し、工場、鑛山、水力發電所、道路、鐡道の急速な建設を行った。農業生産の非能率を是正せんが為に從来の自作農方式を廢止し、全農村を集團農場化し一定量の穀物生産を確保しようとした。然し凶作であっても穀物の上納量を減らそうとしない為、農民は生存に最低限必要な食糧まで供出しなければならず、信頼すべき消息筋に依れば百萬を單位とする餓死者を出していると云う。不満を述べる者は全て収容所に監禁し無償強制勞動に従事させており囚人の半數以上は粗悪な待遇の為1年以内に死亡している。
陸軍は當初志願制であったが其の後徴兵制に移り150萬人を數える。工業化の進展に伴い可也の機械化が進んでいる。海軍は小規模な艦隊を有するのみ。全軍に政治委員が配置され其の副署がないと作戰が發動できず、抗命者を射殺する權限も持っているので指揮が混亂する弱點を持つ。
共産主義の滲透を警戒するレミニア聨合共和國は蘇聯邦に隣接する反革命勢力たるシベリアの極東共和國を強力に援助し、東から蘇聯邦の封込戰術をとっているが、情勢觀察と貿易の為に國交を結んでいる。(外務省政務局歐米課、在露大使館)

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