| 17年程前のある夏の夜。友人の部屋で、夕方から2人で曲作りをしていました。
深夜1時を過ぎたころ、さすがに家人から「うるさいっ!」と怒られ、仕方なく近くの公園に行きました。 私はブランコに乗り、友人はブランコの周りの低い柵に座りながら話をしていました。 暫く他愛も無い事を話していたその時、突然背中に大量の冷水を浴びせられた様な寒気が走り、動けなくなりました。 私は「うっっー!」と唸り、えびぞりの様な体勢で、顔が勝手に右へ向きました。 その視線の先、自転車置き場の壁から「ヌッ」と男が出て来ました。 本当に自然で、壁など何も無い様に。 10代後半〜20代始め位。小柄で小太り、髪は坊っちゃん刈。俯き加減で黒のウィンドブレーカーらしき物を着ていました。男は5歩くらい歩いてから徐々に消えてゆきました。 私は更に「うぅっーっ!!」状態でした。 次の瞬間、背後から「びっくりした?」の声。 後ろを振り返ると一緒に居た友人がニヤニヤしています。 「急に鈴を鳴らしたので驚いたでしょ!」。何言ってんだこいつ!?と想い、 「はっ?」と聞き返すと、鍵に付けている鈴で、私を驚かそうとして鳴らしたとの事。 しかし、私には全くそんな音は聞こえませんでした。 私が鈴の音で驚いたのに強がりを言っていると思っていた友達も、今見た事をしどろもどろながら説明すると、急に怖くなったらしく二人共腰が抜けた状態で逃げました。 傍から見たら、若い者が夜中にフラッフラで真剣な顔をして歩いているのを見たほうが余程怖ったでしょう。 それから、壁から出て来た奴、誰かに似ているなぁーと常々思っていたのですが、誰に似ているか判りました。 鳳啓介・・・・。 |
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