我がBCL発足から、最早「十年」という歳月が流れた。真に、月日の流れは早いものである。否が応にも、過ぎ去りし日々の連綿たる蓄積を顧みずにはいられない。幾度、夏が繰り返されたのだろう。幾度、冬が繰り返されたのだろう。そして、我々BCLが活動するこの世界は、どのような変貌を遂げたのだろうか。
この、「十年」というあまりにも永い歳月の間に、日本情勢は元より、世界情勢も、そして「世界の枠組み」という動かしがたい概念すらも、歴史に無かったほどの大幅な変節を迎えた。それを端的に示すのが、昨今叫ばれている「暗殺」という事例である。これは太古から秘密裡に行われ、常に、歴史の裏側を跳梁跋扈してきた。その古の闇の伝統が、今まさに蘇りつつあるのだ。そして、その一翼を担っているのが、我々BCLという団体であることを忘れてはいけない。
BCL発足十周年という、所謂「輝かしい大事件」「栄光の一大事業」「新世紀を照らす太陽的活動」「我が惑星における、余りにも傑出した英雄的・伝説的仕事」を世間に認知させるべく、何らかの行動を起こすべきである、と我々BCL構成員は一念発起した。
まず、その行動は、須らく一般大衆に向けられていなければならない。なぜなら、我々BCLの活動は深く一般大衆に向けられ、かつ一般大衆に依存しているからだ。この深長な方向性と依存性は、BCLという団体存在の核たる証拠であり、かつ、BCLという団体の活動理由でもある。そして、我々BCLは発足当時から、一般大衆の力によってのみ、その活動が支えられてきたのだ。「一般大衆への啓蒙」という信条や理念は、何事に代えても絶対に譲れない案件なのである。
また、その行動は一般大衆への宣伝や広告を旨としなければならない。一般大衆に最も必要なのは、「単純な宣伝文句の繰り返し」である。これこそが、宣伝や広告を成功へと導く、一番の条件である。もしもこの最大重要要素が欠ければ、我々BCLの生産的・知的活動は無に帰すと言っても過言ではない。
そう、無知蒙昧な一般大衆は、生物的生存に絶対不可欠な「情報受容能力」が無に等しい。「複雑」で「高尚」で「長い」宣伝では、いくら「真実や真理や事実」という純粋無垢を謳っていても、一般大衆には全く効果が無いのである! そのため、BCLは如何なる宣伝手段を用いてでも、この「BCL発足十周年」という広告を、一般大衆に飽くることなく送信し続けなければならないのだ。一見単純に見えてしまう「絶対反復宣伝」という作業的方法こそが、最も成功に近い、一般大衆へ宣伝手段なのである。
この単調な作業を、如何にして合理化・集団化するか。それこそが、我々BCLの急務であった。そして遂に、我々BCL構成員は、合理主義の先鋭とも言える、鮮やかで華麗な問題解決手段と「遭遇」したのである。
我々構成員は、BCL設立十周年を記念して、「財団呆人 日本財政局」を設立した。我々は、確固たる意思と決意を以って、この「財団呆人 日本財政局」を設立した。その意思と決意とは、「既存人類への最終通達」を包含する。ここで言う「通達」とは、我々BCL構成員並びに一般大衆が生存する「清く美しい我らの国土の成長」を指し、かつ、それを内包する「規律正しく正義のある社会」を迎合するための宣言である。
なぜなら、我々BCL構成員並びに一般大衆は、社会に発生する全ての事項について、何らかの反応を起こす動物だからである。このような行動は、我々人類がまだ狩猟採集を行っていた時代から確実に紡がれている、れっきとした事実だからである。すなわち「財団呆人 日本財政局」設立とは、我々人類の崇高で輝ける未来を、より確実にその手に掴む為の、史上初めての大きな一歩である。
また、我々人類は、未曾有の情報拡散を体験していない。それが発生すれば、世界はたちまち暗黒の大王によって占拠されてしまうだろう。それを未然に防ぐ為にも、「財団呆人 日本財政局」という崇高な団体が必要なのである。この「財団呆人 日本財政局」の存在によって、我々BCL構成員と一般大衆は、情報汚染という悪しき現象から免れ、かつ、健全で明るい一般生活を享受することが可能となるのである。これは、一部の特権的な立場にある人間にしか認知できない事実である。その認知を曇らせているのが、先に述べた情報拡散であることは間違いない。小規模ではあるが、二〇〇六年現在の人類社会においても、巨大な悪意を持った情報拡散は確かに存在するのである。
さらに、これが一番重要なことであるが、前述した「絶対反復宣伝」の達成が、この「財団呆人 日本財政局」によって、人類史上初めて可能となるのである。それには、深遠とした哲学が含まれる。すなわち、「財団呆人 日本財政局」は一般大衆に様々な手段を用いて、その存在性を誇示するだけではなく、ありとあらゆる情報媒体を通じて、「人間の存在価値」を喧伝する団体であるからだ。
「財団呆人 日本財政局」の記念すべき活動として、我々はまず、「第六十四回 日本財務学会」を開催する。期日は二〇〇七年十月十三日(土曜日)、および十四日(日曜日)であり、開催大学は「私立 国際近畿大学」である。この学会においては、次に挙げるような緊急懸案事項を発表、及び検討する事を予定している。
この「第六十四回 日本財務学会」は、設立間もない「財団呆人 日本財政局」の主要部署であり基幹部署、すなわち「財団呆人 日本財政局 総務管理部」が手掛ける事業である。この事業は、日本で緊急時のみに発令される乙種特殊法令、すなわち「総合消費者民法特例法」を遵守して実行される。この乙種特殊法令を遵守することにより、我々BCL構成員は元より、一般大衆の利益を損ねる事無く、かつ生み出される富を一般大衆に遍く分配することが可能となり、あくまで円滑に「財団呆人 日本財政局 総務管理部」の業務が遂行できる、という特色を持つ。また、この「第六十四回 日本財務学会」に出席しなかった場合、「民事訴訟裁判強制執行最終通書」という法的文書が送達されるので注意願いたい。
以上で、「財団呆人 日本財政局」の設立の辞を終えたいと思う。書き残したことは山ほどあるが、それを伝えるだけの時間が我々BCL構成員には残されていない。時間が無いため、この端書のような形態の文章を衆目に晒すこととなった。これはこれで異論の出る部分であるが、やはり時間という制約がある以上、ある程度の善意の省略からは免れない。以上の言葉をもって、我々BCL構成員の活動とその誠意ある対応を、一先ず休める次第である。