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灰谷健次郎のその他の作品を紹介する。
| 年 | 受賞 | 受賞作 |
|---|---|---|
| 1978 | 小学館文学賞 | 「ひとりぼっちの動物園」 |
| 1979 | 第1回 路傍の石文学賞 | 「太陽の子」 |
『太陽の子』
「太陽の子」は1979年に山本有三記念第1回路傍の石文学賞を受賞した。てだのふあとは沖縄の言葉で太陽の子という意味。これはてだのふあ・おきなわ亭を営むふうちゃんの沖縄出身のお父さんとお母さん、そして店を経営するおじやんや、てだのふあに訪れるキヨシ君を始め、多くの沖縄出身者達の話。ふうちゃんは神戸生まれで、神戸にあるてだのふあに集まるみんなに囲まれて明るく元気に過ごす。彼らは神戸に住んでいながらも沖縄のことをとても誇りに思っている。しかし、ふうちゃんが小学校6年生の時にお父さんが心の病気にかかってしまった。お母さんやふうちゃん、そしてみんなでお父さんを助け、病気を治そうとするが原因が分からない。けれども、沖縄出身のみんなのそれぞれの深い人生を垣間見る機会をきっかけに、次第にふうちゃんは沖縄の戦争に何かその原因が隠されていると気づき、沖縄の戦争に目を向けた。小学校6年生のふうちゃんにとって、戦争はとても残酷で辛いもの。しかしふうちゃんは目を背けなかった。沖縄の戦争を知り、そして人の優しさを学んでいく。戦争や沖縄でのマラリアで想像を絶する辛い目にあった人々。戦争のせいで自分の愛する子供を殺した親、母親がアメリカ兵に乱暴されてバラバラになった家族、家族に捨てられて非行に走った少年。みんなそれぞれ忘れられない思いを心にしまいながらも、心の中の沖縄はゆるぎないものだった。しかしみんなが終わったと思っていた戦争は、ふうちゃんのお父さんの中では終わっていなかった。ふうちゃんは沖縄や沖縄の人の強さ、優しさ、温かさを知りながらみんなと共に成長していく。
『天の瞳』1996年から刊行され始めた「天の瞳」は幼年編1、2、少年編1、2、成長編1、2、あすなろ編1と、計7冊の連続作品である。幼年編では、倫太郎という少年が保育園に入園する所から始まる。園長や保母さん達は彼等に手を焼きながらも共に様々な事を学んでいく。様々な困難にもぶち当たるが、倫太郎に振り回されながらも周りの大人と一緒に乗り越えていくのである。この物語でもまた、灰谷健次郎の教育に対する考えがよく表されている。教師の立場の大人や保護者が、一人ひとりの子供と真剣に向き合って、子供と共に成長していくという姿がとてもよく描かれている。これが本来教師のあるべき姿だと私は考える。そして少年編、成長編、あすなろ編と、倫太郎達が小学生、中学生となり、非行などの様々な問題に直面しながらも成長していく姿を描いている。この作品はテレビ朝日でドラマ化もされている。
そして、その他の作品に『我利馬の船出』『海の図』『はるかニナイ・カライ』『せんせいけらいになれ』『島で暮らす』『砂場の少年』『少女の器』『ワルのぽけっと』『いのちまんだら』『灰谷健次郎の本』(全24巻)等多数の作品がある。