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2012.11.21〜22美研OB会 平成24年度秋特別例会 ー東海地区の古美術を巡るー (1/3ページ)

円空仏を訪ねて


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9時、バスでJR名古屋駅を出発。まず近くの中区大須にある「七寺(ナナツテラ)」。平安後期の観音・勢至菩薩坐像を拝観。本尊阿弥陀如来は戦災で焼失。境内の露座「大日如来坐像」。 ktn_1.jpg
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勢至菩薩座像(寺の案内書から転写)。平安末期の定朝様式の姿だがこの時代には珍しい玉眼嵌入仏。康慶作と言われている。ここには円空仏はない。

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バスで東に向かい千種区の「鉈薬師堂(医王寺)」へ。小高い丘の上、タイの寺院前で車を降り21日弘法で賑わう道を歩く。紅葉の林の中に中国風石人の立つ山門。明の遺臣張振甫の菩提寺。 ktn_3.jpg
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中国風の本堂。本尊の薬師如来坐像(鎌倉時代の作)は別の寺に安置されていたが張振甫がここに移し、新たに脇侍(観音・阿弥陀、日光・月光)、十二神将、聖徳太子像など17体を円空に造らせた。

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阿弥陀如来と観音菩薩。薬師如来の脇侍としては珍しい。柔らかくどこか飛鳥仏を思わせる。第一期の円空仏の特徴である。 ktn_5.jpg
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日光菩薩。衣文に本尊薬師如来や観音・阿弥陀像には見られない巻雲文が彫られている。日輪・月輪に懸かる雲か?張家の家紋か?北海道滞在中の接触したアイヌの模様を参考にしたのか?諸説ある。昭和区の善昌寺に巻雲文付の薬師如来があり像高から鉈薬師の本尊だったのではないかとの説もある。 

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十二神将の「辰」と「巳」。前衛的な作品。 「辰」には巻雲文が見られる。寛文7年(1669)、円空38才、蝦夷、伊吹山などでの修行を終えて故郷に帰ったときの作品である。 ktn_7.jpg
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バスで東北に向かい守山区の「龍泉寺」に着く。 開基は最澄、空海の時代。熱田神宮との神仏混淆の説話あり。本尊は馬頭観音。山門、多宝塔、鐘楼は慶長年間の再建。

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本堂(明治以降の再建)。円空は鉈薬師の諸像を造った後、法隆寺や大峰山で修行をし延宝4年(1676)45歳の時ここに来て本尊馬頭観音他を造った。 ktn_9.jpg
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多宝塔。拝観予定時間がくるまで境内で昼食の「ひまつぶし」(うな重)を食べる。

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展望台からの眺め。ここは庄内川を望む高台にあり濃尾平野を一望できる要害の地。信長、家康らもここに築城した。   ktn_11.jpg
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天守閣の形をした宝物館、本尊はここに安置されている。

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馬頭観音像、熱田大明神像、天照皇大御神の三尊像。馬頭観音像は、彫りは深く、強く、細部に拘泥せず、単純化・抽象化が進み、表面は鉈彫り特有の荒い面の構成で成り立っており、全身にエネルギーを秘めた異形の仏像で円空第二期の特徴を示す。 ktn_13.jpg
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バスに乗り西に向かい名古屋市を横断、木曽川を渡り岐阜県羽島市の「中観音堂」(羽島円空資料館)に着く。円空は年寛永9年(1632)美濃国のこの付近で生まれた。幼時に洪水のため亡くした母の供養のために観音堂を建て、十一面観音以下14体の神仏像と五輪塔一基を造った。

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十一面観音像。寛文11年(1671)円空40歳、「鉈薬師」のすぐ後に造られたはずで、柔和な微笑を浮かべ慈愛あふれる表情は第一期の代表的な姿である。 ktn_15.jpg
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鬼子母神像。ざくろを抱き柔和な微笑を浮かべ十一面観音とともに母の面影を投影しているのではないかと言われる。

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不動明王像。前出の二像と異なり護法神らしい荒々しい表情で、第二期の特徴が見える。 ktn_17.jpg
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境内の「讃円空」碑文。この地は木曽川と長良川に挟まれた「輪中」地帯でしばしば洪水に見舞われたところである。

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バスに乗り少し北に移動し「長間(ながま)薬師寺」に着く。創建は不詳。「中観音堂」に似た薬師三尊や護法神が9体の円空仏が安置されている。  ktn_19.jpg
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本尊薬師如来立像と両脇寺坐像。延宝7年(1679)円空48歳の作。穏やかな表情である。一方、同時期の護法神像は大胆で自由奔放となり、デフォルメされた作品が多くなる。「名鉄犬山ホテル」で一泊。