障害者自立支援法とは何か?
 
2005/7/01改訂 再・再度/施設利用者の自己負担について
2005/3/30 ver1
23回社会保障審議会において、施設利用者の自己負担が一部変更されましたので、それを含め、以下に前号で判りづらかった部分を考慮しながら、施設利用者の自己負担について全面的に書き改めてみました。

考え方の基礎。
0.定められた生活費として使える額がある
1.食費と施設利用費は全員自己負担となる
2.定率負担について
 生活費と食費と施設利用料を合わせた額より基礎年金などの収入が少ない場合・・・赤字の時・・・は赤字分が補足給付され、定率負担は発生しない。黒字の場合にはその額に応じた定率負担を徴収される


(A)生活費(手元残金

 24回会議で低所得者には経過措置が盛り込まれ、障害基礎年金2級程度で手元に残る額(生活費)が18年以降で25,000円(21年以降で21,000円)、障害基礎年金1級程度か60才以上で28,000円(21年以降24,000円)と設定された

※ 生活費とは、被服・履物、家具・家事用品、保健医療、交通・通信、教育、教育娯楽費、その他支出である(23回審議会資料より)
低所得について(23回審議会資料より)
低所得1:市町村民税非課税世帯であって世帯主及び世帯員のいずれも各所得がゼロであり、かつ、世帯主及び世帯員のいずれも収入が80万円(障害者基礎年金2級相当)未満である世帯に属する者

低所得2 :世帯主及び世帯員の全員が市町村民税の均等割非課税である世帯に属する者
→ 税制上の障害者控除や障害年金が非課税所得であること等から、通常の市町村民税非課税世帯よりは実収入水準は高くなる。障害者を含む3人世帯で障害基礎年金1級を受給している場合、概ね300万円以下の収入に相当。
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(B)3つの自己負担

「定率負担」と「食費」と「施設利用費」の合計金額を自己負担する事になります。
1.施設利用費(光熱水費)・・・全員一律の負担
施設利用費は将来(時期は不明)、施設毎の実費となりますが、当初は10,000円を負担する事になっています。

B2.食費・・・全員一律の負担
食費も将来(時期は不明)、施設毎の実費となりますが、当初は48,000円を負担する事になっています。

B3.定率負担・・・収入などにより変動
これまで「応益負担」と言っていましたが24回会議から「定率負担」と改められました。ここでもこれからは定率負担と呼びます。
この定率負担額は利用料の10%ですが、上限額が決まっていて一般で40,200円となっています。更に低所得者(ただし、一定の預貯金等(注1)を有している者は対象外)にも上限の減免制度があり、収入が生活保護で0円、基礎年金2級程度で15,000円、1級程度で24,600円となっています。
重要! (C)補足給付の欄

(C)補足給付

 収入が支出より少ない場合(基礎年金<(A)+(B1)+(B2))、その赤字分が補足給付されます。と共に定率負担は発生しません。


以上(A)〜(C)を考慮して前号で示した表を修正すると以下のようになります。

項     目

生活保護

低所得1

基礎年2級

低所得2

基礎年1級

一般

収  入

基礎年金(a)

66,000

83,000

-

補足給付(b)

58,000

17,000 3,000

0

支  出
(負担金)

定率負担(c)

0

0

0

Max40,200

食費(d)

48,000

48,000

 48,000

48,000

施設利用費(e)

10,000

10,000

10,000

10,000

残  金
生活費

18年〜(f)
21年〜

  -

25,000
21,000

28,000
24,000

-

    d+e+f>a なら b=d+e+f-a  c=0 ・・・・・低所得1,2
    d+e+f<a なら b=0 0<c<40,200 ・・・・・一般

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どれほど負担することになるのか(表の説明)

<注意>年金収入(a)が食費と施設利用費と残金の合計(d+e+f)より少ない、赤字の場合はその差額が補足給付されるとともに定率負担が発生しません

1. 一般の方
黒字でしょうから、定率負担が発生し、その額は収入に応じて違ってきます。当面の自己負担は最大で98,200円です。
但し、食費と施設利用費が実費になった時点で、増減し、施設毎に違った額になります。

2. 低所得2(基礎年金1級)の方
赤字【83,000-(28,000+48,000+10,000)=-3,000】ですので、赤字分の3,000円が補足給付されます。ただし、21年からは生活費が24,000円となるよう補足給付も連動します。また、食費が実費となっても、生活費には影響しないよう補足給付の額が連動して調整され食費が上下しても生活費は28,000(21年→24,000円が残る仕組みです。(ただし、一定の預貯金等を有している者、収入のある者を除く)

3. 低所得1(基礎年金2級)の方

2.と考えは同様で、赤字分の17,000円が補足給付され定率負担は発生しません。生活費として25,000円(21年からはは21,000円)がのこります。
(ただし、一定の預貯金等を有している者、収入のある者を除く)

4. 生活保護の方
食費と施設利用費を合わせた58,000円が赤字となりますが、同額が補足給付されますので実際の支出は無いものと考えられます。食費等が実費になってもその分が補足給付され、支出はありません。

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収入・預貯金の問題点(注1、注2)

1. 前述の「収入」については別の項目で説明があり「授産施設・作業所で得た工賃、仕送りも含まれる」とあります。
工賃のうち基礎控除になるのは3000円で、それ以上の額は定率負担の減免に影響を及ぼすことになります、さらに収入によっては食費の自己負担も増えることにもつながります。

2. 仕送りについても収入と見なされることになりますが、では「仕送り」とは何を言うのでしょうか?「小遣い」、「差し入れ」、「お見舞い」、「寄付」「差し入れ」ならかまわないのでしょうか。

3. 収入についても同じことが言えます。グループ活動作品の売り上げ、本の出版、講演謝礼、預貯金の利子や株の配当も収入と見なされるのでしょうか。

4. 預貯金について。これまでは預貯金の額を施設や市町村に報告する必要はありませんでした。もし、報告を求められたとしても自治体や施設では預貯金の総額を確認する手だてはありません。「預貯金」にしても「仕送り」にしても「収入」にしても、言葉は悪いが、利用者が黙っていたらわからないことなのです。

5. さらに、工賃や収入は月によって異なるが月ごとに定率負担の減免を算定するのでしょうか。

6. 療護施設で生活するような重度の障害者が、働いたとしても、今のような出来高方式では、得られる収入は微々たるものでしかありません。そんな些細な点をほじくり回すより、働こうという積極的な意欲が、地域へ戻る意欲にもつながるし、健康増進にもなる。そう評価する事のほうが利用者にとっても、施設にとっても、ひいては国にとっても有意義なことではないだろうか。

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他の制度はどうなる?

1.医療費
私を含めたぶん皆さんの医療費は「医療証」のおかげで無料になっていると想像しています。この「医療証」は「重度障害者医療費助成」という自治体独自制度によるもので、今回、障害者自立支援法で自己負担が取りざたされている「公費負担医療(旧更生医療、旧育成医療及び旧精神通院公費)」という国の制度とはちがうものですから、負担増の心配は当面はないと考えられます。

 ただし、「重度障害者医療費助成」は市町村独自の制度ですから、自治体によっては制度が無かったり、内容が違っていて「更生医療」を使っている方がいるかも知れません。各自でご確認ください。
 また、「重度障害者医療費助成」についても、これから先も自己負担しなくて良いという保障はありません。この点についても注意が必要です。

2.補装具
車いすなどの補装具を給付して貰うのに定率1割を負担することになっています。ただし、前述の定率負担の上限(表の(c))を、この補装具の自己負担分も含めた上限と考えて良いのか(実質的には負担しなくて済むことになる)。それとも補装具の1割は別に負担しなくてはならないのか、については、具体的にはこれから検討するようですとのことでした。

3.授産・作業所の利用
日中活動として授産施設や作業所のサービスを利用する施設利用者はそこの利用料の定率を負担しなければなりません。が、前述の定率負担の上限(表の(c))が適用されますから、新たな自己負担は発生しないと考えています。

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                            ※ この文は抜粋したものです。