スズキ・エリオ★RB21Sさん
| ◯投稿者 RB21S ◎スズキエリオ ◎平成13年式、平成13年10月14日納車 ◎4WD X 5MT ◎平均燃費 12km/l(最低8.5km/l、最高15km/l) ◯走行距離 600km ◯色 シルキーシルバーメタリック ◯購入の経緯 これまでKP61スターレット、TE71レビン、ジムニーシエラ、V6エスクー ド等のMT車を経て経済性最重視でディーゼルのATを通勤、買い物メインで、時折 趣味の山岳部のドライブ等にも使用してきました。しかし、ディーゼルATのメンテ ナンス費用(エアフィルター、燃料フィルターの頻繁な交換、高価なバッテリー、A Tフルードの交換等)が思ったより掛かること、ディーゼルに対する風当たりも強く なってきたこと、下取り価格のある内にということで、実用ガソリン車の購入を決意 しました。購入にあたっては市街地、住宅団地の路地の走行や駐車場高さ制限、積載 性を考えてコンパクト(5ナンバー、全長4300mm程度、全高1550mm以下)な 2BOX5ドアの税金、保険費用、燃料費等の維持費の安いレギュラーガソリン仕様 1500cc以下という条件で各社製品の比較を行いました。 結果的に選択したのは、大変レアなスズキエリオという車種になりましたが、この 車の感想を述べたいと思います。 ◯車種選びについて 道路を走る車ということでエンジンの使いやすさでエリオのMT車を選びました。 購入にあたってはMT、AT問わず検討しましたが、試乗した多くのAT車は停止状 態からの発進でアクセルを軽く踏み込んだら唐突にエンジン回転が上昇し飛び出す様 な発進をすること、速度がのってからのアクセルの踏み具合によるエンジン回転数の 調整が思い通りに行えず変速させない状態では緩慢な動きとなること、走行時の負荷 変動に併せて頻繁なATの変速が忙しないこと、アクセルワークとエンジン回転数の 直結感が乏しくアクセルワークによる車速調整に違和感を感じること等により150 0ccのAT車は緩慢な動きしかしないと思い、このクラスでのAT車は見送りまし た。またCVT車も低速からの発進でフロアからこもり音が発生するのが気になり没 にしました。しかし、MT設定のある1500cc2BOXは選択の余地(候補とし ては他にファミリアSワゴン、インプレッサワゴン)が無く、なるべく低速域(30 00rpm以下)での力の強い車種ということでエリオを選びました。 ◯エクステリア 我が家に来たエリオを外からみると、フォルムは今風の鼻の短いミニバン風のフォ ルムですが、同クラス他社に比較するとホイールベースが短く、ウエストラインより 下部の絞り形状等から、やや腰高な印象を受けます。ボディーサイズは5ナンバー一 杯の車幅と切り立ったサイドパネル、前後左右に広いルーフが印象的で、リアビュー は黒いリアガーニッシュにより個性的な印象でしたが、ディーラーのサービスでボ ディーと同色なものとなりシンプルなデザインとなっています。カタログ写真ではリ アフェンダーにブリスター的なプレスラインが見られますが、実はフロントフェン ダーもブリスター的なラインが入れてあります。フロントはあまりに無表情なのでオ プションのヨーロピアンエアロのバンパーグリルを装着しています。特にフロントバ ンパーとリアガーニッシュのボディーとの同色化により塊感のあるデザインになり満 足しています。ただ、長く付き合えるデザインとしては、オリジナルのグリルデザイ ンの方がオーソドックスで良いのではとも思います。 ドアを開けてからの乗り降り等はルーフが高く、ピラーが前方にあることで大変楽 に行えます。また、女性の意見ですが、ウエストラインより下のボディー下部の形状 がやや絞ってあること、サイドシールが低めになっていることで、乗り降り時に足が ボディー下部と当たりにくく乗降時の衣服への汚れが付きにくいようになっており、 非常に実用本位でデザインされていると思います。全体のデザインは実用本位の機能 を損なわずまとめられており、虚飾を廃した、癖が無くシンプルで飽きのこない良い デザインと思います。 欲を言えば、大きなドアパネル面にアクセントとなるようなサイドモールがあれ ば、駐車場でのドアの開閉でも気を遣わなくても良いと思います。輸出仕様リアーナ では、オプションでサイドモールがあるようなので、是非手に入れたいと思います。 細かいことですが、グリップタイプのドアハンドルは扱いやすいもので、サイド マーカーランプもダイオード式でメンテナンスフリーとなっています。また、デ ビュー当時はリアのセンタールーフアンテナは脱着式でしたが、購入したモデルのセ ンタールーフアンテナは可倒式となっており売れてない車ながら細かなモディファイ が行われている様子です。 ◯インテリア、居住性 室内に乗り込みますと、前後シートの大きさが印象的です。シートの座り心地も非 常に良く、シートバックも肩の高さ以上迄あり疲れにくいシートだと思います。最 近、同僚が2LクラスSUVを購入したのですが、これよりシートバックのサイズで 10cmはエリオの方が大きく、頭上空間も拳一つ以上広かったのには、びっくりし ました。シートは本来、乗車したときに乗員を疲れさせず体を支えるもののはずです から、このシートだけでもエリオが良い車だなあと思います。コンパクトボディーで 大型シートですからシートアレンジの多様性は望めませんが、車本来の機能を大切に するという考えの方が好みにあっているのでフルフラット、シートバックテーブル、 センターウォークスルーが無くても問題ありません。 後席のシートバック中央には格納式のセンターアームレストがありますが、他銘柄 の車種のようにラゲッジとの貫通機能などは無く、後席左右の小さな仕切になる程度 のものですが、後席に座って腰の落ち着く位置から左右を見回すと後席の乗員にも十 分な空間が確保されていることが判ります。また、後席の着座位置は前席より一段高 くなっており後席からの前方の視界は大きく開けており開放感を十分感じられる居住 性を確保していると思います。巨大のセンターアームレストで乗員がドア近辺に追い やられるよりは合理的な感じがします。前席、後席共に言えることですが、シートの 着座位置はドア、サイドウィンドから適度な距離が確保してあり肩周りに余裕が生ま れていると思います。これは、4人乗車で初めて実感できました。 賛否両論のあるデジタルメータですが、バイザーレスインパネによるダッシュボー ド近辺の空間的な余裕は、実際の室内の広さと併せて極めて大きな開放感を演出して いると思います。また、センターメータが流行りの時代にセンターコンソール上部に オーディオ系を配置したのも実際に使用するときに最も視線を占有するオーディオ操 作パネルが見やすい位置にあるのも納得構造だと思います。また、デジタルメータの 視認性は結構良いと思います。なお、デジタルメータの照度は日中の視認性確保のた め調整できるようになっています。 外から見た印象であるホイールベースの短さが後席足下空間にどのように影響して いるか心配でしたが、室内での前席ポジションは直立に近い構造で、ペダルをしっか り踏み込める位置に前席をあわせると後席では足が十分組める空間が確保されていま す。リアシートは4段階のリクライニングが可能でチャイルドシートをしっかり固定 するのに役立ちます。実際に各シートに座ったときの空間の感想ですが、乗員の頭か らサイドウィンドー、ルーフ迄はかなりの距離がありワンサイズ大きな車に乗ったか のような錯覚に陥ります。頭からルーフ迄は拳を縦に二つは入ります。 さて、最近の車のカタログに多く紹介されているシートアレンジの多様性、ユー ティリティポケット等の小物関係ですが、シートアレンジはリアシートを畳んでフ ラットな荷室を作る程度の機能しかありません。これは、シート座面、シートバック の大きさから仕方ないものと思います。また、前席周りの収納ではカップホルダーが ある程度で特に充実しているわけではありません。一方で、トランクルームは2重底 となっており十分な容量が確保されていると思います。現在はサブトランクである2 段底の下側には3角表示板、ブースターケーブル、ワックス類を入れて目に触れない ような使い方をしています。リアシートより後ろの空間も長さで80cm弱のスペー スが確保されており少々の荷物は余裕を持って積載可能で、リアシートバックを倒す とハッチゲートからフラットな更に広大な空間が生まれ、ワゴン並の収納も可能で す。 ◯走りの性能 実際の使用感ですが、20km/hからは2速、30km/hからは3速、40k m/hからは4速、50km/hからは5速で十分加速し、平坦路では45km/h からでも5速のまま速度を復元することができ、1500〜3000rpmでも十分 なトルクを発生していると思います。また、低回転域からのじわっとしたアクセル操 作に対してもゆるやかにトルクが立ち上がります。ただ、住宅団地等の勾配の強い場 面では1速と2速がやや離れているような感じも受けます。平坦地等の軽負荷の走行 では、エンジン音も高くならず3000rpm迄では結構静粛性に優れていますが、 4000rpm近辺から活発なエンジン音が室内に入ってきます。エンジン自体は低 速トルクに優れた使いやすいエンジンだと思います。 また、MTということでクラッチ操作もフットレスト、ペダルとの配置も良く、ク ラッチも驚く程軽いため、煩わしいということもありません。1500ccクラスの 車はATよりも扱いやすいMTの方が走り、経済性の両面で優れていると思います。 ◯乗り味 操作性、乗り心地は他銘柄に比較して、かなり重く、硬く感じますが、山岳部のド ライブ、高速域ではステアリングの戻り感が極めて自然であり舵角の修正等は最近の 軽い電動パワステの車より無意識に自然に行え、山岳ドライブも心地よくこなせま す。乗り心地は舗装路のペイントの通過、路面の継ぎ目も判るほど硬いですが、高速 走行ではロードノイズこそ入ってきますが酔ったり疲れたりすることはありません。 逆に40km/h以上の旋回や高速での進路変更ではステアリングを切ったら緩やか にロールが始まりロールの収まりも1発で完了し、ステアリング操作には安心感があ ります。特にロールの発生時はグニャッとした感覚を伴ったロール挙動の遅れは全く 無く、ステアリング操作に併せてジワッと車体全体が傾くといった質のもので、手応 えのある操舵に伴ってダイレクトな挙動を示し、スポーティな気分も味わえます。 ステアリングを切った時の挙動もホイールベースが短いせいか俊敏な身のこなしを みせます。ある意味、このトレッド、ホイールベース等含めたシャーシセッティング でステアリング操舵力が軽すぎると敏感な車になってしまうのではと思います。運動 性能と操舵感をうまい具合にバランスさせた非常に巧い仕上がりに見えます。近所の 団地内を走行しているときに気が付いたのですが、直角に折れ曲がった狭い路地を走 行する際に内輪差が少なく非常に小回り性能が良いことに気が付きました。これは、 最近の小型車に多いロングホイールベースを操舵力軽減、操舵角拡大、舵角速度向上 によって小回りを利かせるものより、路地内での取り回しでは内輪差等に関しても優 れたパッケージだと思います。 かなり主観的な感想になりますが、小型車が小型車らしくその特徴を発揮する、つ まりボディーサイズを活かして、安心感を伴わせながら快活に取り回せる利点を最大 限に活かしたパッケージではないかと思います。小型車に上級車並の居住性を求める なら上級車を選択する方が個人的には自然な感じがします。 乗り心地に関しては、シャーシの硬さ程には悪くないのは、座り心地の良い大型の シートが効いているのではないかと思います。ボディーの剛性等については走行距離 も重ねていないためよく判りませんが、前後ドアの開閉時の内装パネルの振動等は試 乗してきた他車よりは抑えられており、しっかりとした印象があります。 購入後に気がついたのですが、エリオのXグレードは標準でV規格のタイヤが付い ていたのに驚きました。このクラスの一般車両ではS規格、良くてもH規格のものと 思っていたものですから。タイヤの選定からも、乗り味としてはふわふわ、ゆったり ではなく、きびきび、しっかりで車が作られているような気がします。 ◯運転のしやすさ 視界はウィンドーの大きさ、2BOXという車型から十分確保されていると思いま す。ドアミラーの大きさも十分確保されており後方の視界も確保されていると思いま す。ただ、最近の形状であるモノフォルムに近く、先端部が丸まった形状から、車両 先端の位置が把握し辛い点が気になる点です。 ◯騒音 エンジン騒音は3000rpm以下では極めて静粛ですが、それ以上では活発なエ ンジン音が入ってきます。ただ、これはオプションでスズキスポーツのマフラーを装 着しているせいかもしれません。また、走行中のロードノイズは結構入ってきます。 これは、タイヤ、サスペンションの硬さからくるような気がしますが、個人的には気 になりません。なお、高速走行での風切り音は殆ど気にならないレベルで高速走行時 の静粛性に買っていると思います。 ◯総括 今回の車選びは質実剛健、シンプルで、車の本来の機能で満足できるものとしてエ リオを選びました。車をレジャーアイテム、停車時での機能性、多様性では他銘柄に 劣っているようですが、人が乗って移動する、走る、曲がる、操縦する等の基本的な 機能では、むしろ優れた点が多いと思います。 エリオの良さは、本来のコンパクトカーのあるべき姿を追求した割り切り感の感じ られるパッケージで、他銘柄にあるような背伸びしてワンクラス上を指向して本来の クラスの長所を殺していない点が長所ではないかと思います。 |