1P/2P/登場した人々3P

『どーしてくれんのよぉ〜』
『この暑い中、どっから来たと思ってんのぁ〜』
そのいきり立ったオバサンは髪の毛まで逆立てて怒鳴り込んできた。
こんな人は幼稚園の頃の豆まき以来見たことない
テレビでやってる夏の恐怖体験なんかメじゃないぐらいおそろしい、、、
 鬼は手に真っ赤なガードルを振りかざし、
『ゴムが切れてんのよぉ!!新品なのにぃ〜!!!!!』
と半狂乱でわたしのネクタイを引っ張りあげた。
体重48kgのわたしは100kgはあろうかと思われる鬼に突き上げられ
天井からの絶景遊覧をいただいた、、、
船酔いでゲロを吐くとこだった。
『アンタんとこじゃ、こんな物売り付けんのぉ?通販だからってイイカゲンなことしてんじゃないわヨ、マッタク!』
確かにそれは小錦が脱ぎ捨てたステテコにみえた。
しかし、わたしの記憶ではうちの商品にはXLまでしかない。
このブタとカバの差はいったい、、、
『アンタが責任者でしょ! 1980円と電車賃630円、あと帰りの電車代890円、帰りは孫の
顔見て帰るからね。さぁ、耳をそろえて返して頂戴ィ!!』

なんとかお引き取りいただいたあと、製造元へ確認してみた。
ウエスト120cmまでは保証付きらしい、、、

、、、計3500円はやはり、当然のようにわたしのポケット・マネーで払わされた、、、
もうやめたい、、、、、、
2000-8-2
とんとん、、、とんとん、、、
「いくよさん!あなたの悲しみはバナナの十字架。
あなたの歓びはバナナの積み立て預金。
もう、辛いことは、トイレに流し、この『凛』をでて二人の愛の世界へ
打ち上がりましょう、、、いくよさん!」

『まぁ、出会ったばかりなのに積極的、、、男らしいわ、、、』

「わたしは今日まで、いくよさんの為に生きて来た!
あなたに逢う運命を背負って他の女に目も暮れず、、、  -とんとん、とんとん-
その訳をあなたを一目見た時わかりました。 ビビッと、、、」

とんとん、、、とんとん、、、
『でも、わたし、、、、バツイチ、、、、』

とんとん、とんとん、
「それが何ですか! そんなわたしは周回おくれ!、 顔のバツはハクがつく、
キズのひとつやふたつ、なんのその、、、 疵という字は屁に似てる、、、
いずれなくなる屁のニホイ、、、」

とんとん、とんとん、
『まぁうれしい!  本気にしてよろしいんですね?、、、』

とんとん、とんとん、、、、
  - 部長〜! また、珍さん居眠りしてまぁ〜す -
2000-8-3
『珍くん、大森の倉庫まで洗面器を運ぶから、ちょっとつき合ってくれ、
間違えてこっちに来ちゃったんだよ。』
土屋課長が笑いながらやって来た。
この人が絡むといつもロクな事がない、、、
笑ってる時はさらにロクな事がない、、、
入り口の前にぎっしり積み上げられたダンボール箱があった
『すぐ戻るから先に下のライトバンにのっけててくれ。』

エレベーターは点検中だった
5階から階段で運んだ
汗まみれになって、座り込んだ時、土屋課長は帰って来た
『いやー、悪い、悪い、書類がみつからなくって。』
ニヤニヤ笑っていた

倉庫の手前、100mのコンビニ前にライトバンをとめた土屋課長は、
『のど渇いたなぁ、ちょっとコーラ買って来るわ。』
5分後にソフトクリームとペットボトルを持って戻って来た
『悪いが、そこまで運転してくれ、手がふさがっちゃった。』

「いやぁ、わたくし、10年前に免許取ってから一度も運転したことが
ないものですから、、、」

『何いってるんだ。すぐソコだよキミ、すぐソコ。オートマなんだから
ネコでも運転できるって。』
わたしは洗面器一杯の汗をかいたが何とかドライブは無事に終了した
『キミ、ヘタクソだねぇ。』
土屋課長はニヤニヤ笑いながらペロペロしてた

『ちょっと、挨拶してくるから、先に降ろしててくれ。』
土屋課長はまたどこかへ消え、たわたしはもう一度洗面器一杯の汗をかいた

30分後二階の窓から土屋課長が、
『おーい、キミも上がって来なさい。』
課長はビールを飲んでいた

1時間たっておりてくると、ちょうどライトバンがレッカーされる所だっった
『珍くん、キミもツイてないねぇ。』
土屋課長のニヤニヤは絶好調に達していた、、、
わたしはたった100mで青い紙を頂いた
しかも、10年間でたった100m



        2000-8-4
昨日までは思い出話を織りまぜて、きょうのハナシとして書いてきました。
でもわたし、バナナにはたいした記憶力もなく想像力をふくらませると
いうことも得意ではありません、、、
ふくらむ、、、
夢がふくらむ、、、
愛がふくらむ、、、
×××がふくらむ、、、
やっぱりだめだぁ、、、
わたしの生活なんて、何の変化もありません、、、
もちろんオハナシは実話です、、、
「赤いガードル」は二週間 、「しゃぶしゃぶ」は一月前、「駐車違反」はこの春でした、、、
「ホーム・ページ」と「凛」、「まちがい電話」はリアルタイムです。

だだ、なーんにもナイのがわたしの暮らし、、、
あるのはあんな事ばかり、、、
ここのお客さんも減るばかり、、、
わたしにはやっぱり無理なんですね、スターなんて、、、

励ましのお電話なんていりません、とーぶん電話には出ませんから、、、
お便りは伝書バトかノロシにしてください、、、
短いあいだでは御座居ましたがありがとう、、、
心からありがとう、、、
今夜、バナナは、、、

えぇ?、、、ほんとぉ?
ホントにおもしろかった?
えっ?そ〜ぅ?、、、やっぱしぃ、、、!
でっ、しょ〜ぅ!!

今夜、バナナはラスベガス進出を決意しました!!


    2000-8-5
今日はわたしのお友達を紹介いたします。
学生時代の友達はあまりおりません。
男子校だったのですがその頃の写真といえば、無口なクラスメートと
高2の夏休みに長崎に旅行にいった時、大きな銅像の下で二人で撮った
写真が一枚あるっきりです。
初めてでた同窓会では『あぁ、ひさしぶり、ところで、誰だっけ?』
と聞かれてそれ以来いってません。
長い浪人生活の頃、バイトで知り合った友人が3人ほどいまして
彼らが今でもお友達です。
不思議な事にこの4人はいまだに独身です。
それぞれ周囲の人間は二度目、三度目の結婚をしてるというのに、、、
おんなのコの話は人一倍するんですがそれぞれ、彼女の影すら見た事がないんです。

わたしたちの話題はここ20年間まるで変わっておりません。
さも昨日の事のように話すのですが、もう三千回はくり返してます。
でも、誰もそこには触れません。
なかでもブンちゃんはおおきな身体をゆらしながらカン高い声で
おんなのコの話をします。
ファミレスでまわりにいる他のお客さんは、そんなブンちゃんの話に何だかんだと
嬉しそうな中年4人組をいったい、どんな目でみているのでしょう、、、
20年前の話ともしらず、、、いえ、分かってもらえてれば、怖くはありません。
『だから、あの時、電話番号きいときゃ良かったのに。』
『やっぱり、あのコはこっちのこと気になってたんだよ。』
『もう一回、いったらうまくいくかなぁ』
『で、湘南連れっててもりあがるんだ?』
全員、うだつのあがらない中年男、しかもデブとハゲとチビにキタナイおやじが、、、

20年後もきっと同じ話をしているでしょう。
わたしたちは青春にかじりつき、果たせなかった幸福にしがみついて
今の現実を見たくないだけなんです、、、
生き恥をかいてても、気がつかなければしあわせ、、、
誰かがいってました、、、

な〜んちゃて。
2000-8-6

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