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大人のJAZZ Vol.41
「ソロ・ピアノ・ブームの立役者、チック・コリア

 日本ではジャズピアノ(pf)の人気がことのほか高い。特にソロ、デュオ、トリオといった小編成のものに人気が集中している。理由はピアノ(pf)が魅力的な楽器であるだけではなく、ことジャズに限って、日本の住宅環境の影響があるといわれている。家が小さく、部屋が狭い。そのために大音量での再生ができないため、小音量でも魅力が堪能できるピアノ(pf)に人気が集中した、という説がある。
 ジャズピアノ(pf)日本で大ブームになったのは1970年代のことだ。ブームの牽引車的役割を果たしたのが、世界的にもブームの兆しが見えてきたソロ・ピアノ(pf)・ブームだった。
 中でも欧州ジャズレーベルECMから発表された一連のソロ・ピアノ(pf)・アルバムはジャズ・ファンのみならず、広く注目を集める作品揃いだった。
 ジャズ・シーンでソロ・ピアノ(pf)は一般的な演奏形式ではないけれども、1930年〜1940年代から録音が残っている。当時はアート・テイタムテディ・ウィルソンなどの一部の演奏家に限られていたが、彼らは持てるテクニックを駆使して魅力的な録音を数多く残した。中でもアート・テイタムの残した大量の録音はジャズ界に留まることなく、広く音楽界から注目され、ホロヴィッツでさえ、そのテクニックと高い音楽性に驚愕した、といわれている。
 モダン・ジャズになってからもセロニアス・モンクバド・パウエルといったビ・パップの創始者たちがこぞってソロを録音。1950年代に入って録音がSPからLP単位のアルバム製作に移ると、ソロ・アルバムという形式でモンクを始め、レイ・ブライアントバリーシ・ハリスデイブ・ブルーベックレッド・ガーランドなど多くの演奏家が数多くの作品を残した。
 しかしながら、ひとつのブームを生むほどの人気には繋がらず、ブームの兆しを作ったんはビル・エヴァンス1967年に録音した「アローン」だろう。
 そしてジャズが多様化し、色々な音楽の要素を取り込み、フュージョンを生む1970年代を迎えて、ソロ・ピアノ(pf)の大ブームに繋がった。そのブームを生み出した立役者が「ECM」の一連のピアノ(pf)作品なわけだ。
 当時、人気が高かったのはキース・ジャレットの「フェイジング・ユー」、チック・コリアの「ソロVol.1」、ダラー・ブランドの「アフリカン・ピアノ」といったところだった。
 これらの人気に乗じてキースは一連のソロ・アルバムを次々に生み出し、ジャズの範疇を超えて、ピアノによる即興演奏の可能性を広げた。チックは「Vol.1」に続き、「Vol.2」を発表。自己のオリジナルで後の「リターン・トゥ・フォー・エバー(Rerurn to forever)」に通じる音楽コンセプトを分かりやすくピアノ(pf)で表現した。ダラー・ブランドも含めて、ECMから生まれたソロ・ピアノ(pf)に共通したコンセプトは従来のジャズの範疇に留まることなく、彼らの考える新しい音楽を表現したところにあった。
 これらECMの諸作に影響され、ジョージ・ウインストンなどの現在でいうヒーリング・ミュージックに通じるピアノ(pf)音楽が生まれ、人気を博すことになった。
 ソロ・ピアノ(pf)発表後のチックは「リターン・トゥ・フォー・エバー(Rerurn to forever)」を率いてフュージョン界で大活躍したわけだが、近年はアコースティック・ピアノによるジャズ色の濃い作品を次々生み出している。
 今年2000年チックは「星影のステラ」の1994年以来、6年振りにソロ・ピアノ(pf)の作品を発表した。
 昨年1999年後半頃からチックはソロ・ピアノ(pf)にも意欲的に取り組んでいて、今回の作品はスタンダード集とオリジナル集の2枚アルバムを同時発売するという極めてアクティブな姿勢で意味深い意欲を見せた。
 「ソロVol.1〜2」はオリジナル作品中心で、「星影のステラ」はスタンダード中心だった。そのことを思うと、今回の作品は過去の集大成、人気盤の焼き直しのように思われがちだが、その意味合いは全く違う。
 「ソロVol.1〜2」はフュージョンを見据えたチックの方向性を分かりやすく暗示した作品ともいえる部分があり、「星影〜」はチックの伝統的でアコースティックなジャズへの回帰と新解釈を示した作品だった。
 それに引き替え今回の作品群は21世紀ジャズの楽曲とアドリブのあり方を暗示した意欲作といえるからだ。
 まずオリジナル集だが、過去のオリジナルを含まれているが、新作はクラシックを思わせる色彩感と構築美の漂う楽曲になっている。一定のリズムを保ちながら美しい主題と変奏を並べたような変奏曲風のものもあれば、ドラマティックで躍動感溢れる複雑な構成の局もある。名アドリブを生むのに最適なように、シンプル且つ幅広く発展できるような構成を持つ曲という従来のジャズ・オリジナルと一味違ったこう性なのだ。それはまさに次世代のオリジナルといった斬新さがある。
 またスタンダード集はバド・パウエルセロニアス・モンクの曲が中心だ。しかしチックはこれらビ・パップの曲を従来の解釈、コードやモードといった束縛から解放している。局から受ける自由な触発と連想によるアドリブが中心で、楽曲は演奏家のイマジネーションの出発点に過ぎず、アドリブをより自由に追求する姿勢に終始しているのだ。
 この二部作はチックの考える21世紀ジャズのあり方を作曲とアドリブの両面から追求した傑作といわれるに違いないだろう。

ジャズライター 藤嶋 要吾


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UPDATE:
http://www.geocities.co.jp/Hollywood/6718/jazz/artist/corea.html


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