ホーム>オオクワガタ大型個体作出計画
| 75ミリオーバーの大型個体をコンスタントに作出したい80ミリのオオクワガタを自分で羽化させたいオオクワガタの累代飼育を始めてから、ずっと思っていました。当初、菌糸ビンは大変高価なものだったので、醗酵マット飼育がメインでした。しかし、結果は64ミリが最高でどうしても70ミリの壁を越えることは出来ませんでした。菌糸ビンも価格が下がりだした頃から徐々にマット飼育から菌糸ビン飼育へと切り替えていきました。エサ交換の度に、17gだ!19gだ!と驚きの連続でしたが菌糸ビン飼育の初年度は69ミリどまりで、またしても70ミリに届かず。それからは、菌糸ビン飼育に関する本を買い込んでは読み漁り自分なりに解釈、アレンジ、などして挑戦・実験を繰り返しました。しかし、どうしても75ミリオーバーが出ない、そんな時、ある雑誌に「確かに大型になる血統というのはありますね」という記事を見つけ、なるほどと思いました。いろんな産地の特徴を比べ、大型の個体が多い事や大顎の太さとどっしりとした体型が気に入り、佐賀県産オオクワガタを早速購入しました。筑後川流域で採集されたWILDのF1幼虫を5頭菌糸ビンで飼育し(当時、WF1幼虫はべらぼうに高かったです)羽化した成虫のサイズは♂75ミリ、74ミリ♀51ミリ、49ミリ、48ミリで、とうとう75ミリオーバーを作出できました。それにしても、♀の51ミリには驚きました。その後、♂75×♀51(A系統)・♂74×♀49(B系統)の2系統で累代繁殖をはじめそして、2001年とうとう79ミリ(B系統)を羽化させることが出来ました。 |
| 採卵の時期 | |||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
種親が決定したら、次は採卵です。その前に、幼虫を産卵木から割り出して1本目の菌糸ビンに投入する時期についてですが、7月に1本目の菌糸ビンに投入すると、室温で28℃という温度になります。これから逆算して、ペアリング開始を4月にし、5月に産卵木をセット、6月から♀を取り出し保管し1ヶ月後の7月割り出すとちょうど良いです。 | ||||||||||
| 4月ペアリング開始 | |
|---|---|
![]() |
ペアリング前に、♀を充分成熟させます。前年羽化し、一冬冬眠越冬させたもの、2年目の♀なら高タンパクゼリーか蛹を与え[エネルギー充填120%]にしておきます。最初は♂のみ単独飼育し、♂が環境に慣れてから♂の飼育ケース(写真は小ケース)に♀を入れ、2週間〜1ヶ月同居させます。交尾が確認できなくても、エサ皿の下で仲良くしていればたぶんOKです。エサは樹液ゼリーと高タンパクゼリーを与えます。温度は室温でかまいませんが、活性が低くエサを食べてないようなら、加温して25〜28℃にします。 |
| 5月産卵木のセット | |
|---|---|
![]() |
産卵木はカワラ材がベストですが、しいたけのホダ木をカットした市販のものでもかまいません。ホダ木を使用する場合はコナラよりクヌギの方が若干良いようです。多少芯があっても固めで雑菌の混入していない肉質の良いものを選んでください。カワラ材はそのまま加水しますが、ホダ木を使用するときは少し栄養を添加します。 |
![]() |
衣装ケースに産卵木を入れ、その上にもう一つ乗せます。上のケースに水を入れます(産卵木が浮いてこない様に、重しにする) |
![]() |
バケツに水、味の素、麦芽を入れよく混ぜます(添加物は10%くらい) |
![]() |
産卵木の入っているケース(下のほう)にバケツの水を入れいっぱいになるまで水を足します。産卵木が水を吸うと水位が下がるので、そのつど水だけを足してやります。 |
![]() |
5時間後取り出し、6時間ほど陰干しします。使用した添加物入りの水は捨てずにとっておきましょう。 |
![]() |
皮を剥き、直径2cmほどの穴をあけます。 |
![]() |
飼育ケースにマットを2〜3センチ敷き、2本並べて入れます。埋め込みマットが乾燥している場合は、産卵木を加水した時に使った添加物入りの水で加湿すると良いです。 |
![]() |
横向きに並べた産卵木の一方に立てかけるようにして、3本目を置きます。 |
![]() |
産卵木をマットで埋め込んで出来上がり。3本目の端は少し出しておきます(♀の産卵の手がかりになります) |
![]() |
交尾済みの♀を入れます。エサは樹液ゼリーと高タンパクゼリーを入れます。あれば、カブトムシ等の蛹を入れておくと良いでしょう。 |
![]() |
新聞紙を挟んで蓋をします。 |
| 採卵の期間と温度 |
|---|
| ♀を入れてから約1ヶ月間、25〜28度で産卵させます。1ヶ月たったら♀を取り出し、乾燥させないようにして、あと1ヶ月ほど保管しておきます。1ヶ月後(♀を入れてから2ヶ月)幼虫の割出しです。 |
| 2度目の採卵 |
| 取り出したメスは一週間ほど栄養補給させ、(高タンパクゼリー、かぶと虫の蛹等を与える)新しい産卵セットケースにいれます。2回のセットで40〜50の幼虫がとれれば成功です。 |
| 注意する事 |
| 必要以上に、動かさない、覗かない、乾燥させない、蒸らさない、音をたてないetc... |
| その他 |
| 産卵終了後の♀はたっぷりと栄養補給させ休養させます。来年もまた頑張ってもらいましょう・・・ |
| 7月中旬割り出し・幼虫の回収 | |
|---|---|
![]() |
さあいよいよ幼虫の割り出しです。前に「なるべく初令で投入した方が大きくなる」と書きましたが、ここ2年くらいのデータをみてみると2令で割り出して菌糸ビンに投入した方が良いようです。 |
![]() |
割り出しの2週間くらい前に特製菌糸ビンを作っておきます。28℃で保管し、菌糸を充分回らせておいてください。ビンの大きさはいろいろありますが、ウチでは600cc(写真手前)のものを使っています。これは、幼虫がビンの中をあまり動き回らないようにして、強制的に居食いさせるためです。成功すれば80〜90日で25gオーバーの幼虫が出てきます。失敗の場合は60日くらいで菌糸を食い荒らして交換しないといけません。 |
| 9月下旬2本目に交換・・・(1本目投入から2ヶ月半経過) | |
|---|---|
| 1本目に2令幼虫を投入してから、80日。飼育温度は28〜30℃。2本目に交換します。♂で22gオーバーなら成功です。写真は佐賀産F3。 | |
![]() |
2本目の菌糸ビンも特製菌糸ビンを使います。この場合死亡率が高くなります。♂は2L、♀は1Lのビンに入れ換えます。飼育温度は23℃、この期間に25℃以上の温度が続くと蛹化してしまう事があるので注意してください。 |
| 12月下旬3本目に交換・・・(1本目投入から5ヶ月半経過) | |
|---|---|
![]() |
2本目に幼虫を投入してから約3ヶ月、3本目に交換します。1本目であまり大きくなっていなくても2本目で伸びる個体もあります。28〜30gオーバーが出れば成功。この時点で20g前半以下の個体で、体色が黄色く皮が堅くなっているものは、3本目で蛹化してしまう可能性大。稀に3本目で伸びる個体もある。写真は31g |
![]() |
3本目は普通の菌糸ビンを使います。自分で手詰めしたものよりも、堅詰めの機械詰めのポリ容器のものがいいです。菌糸は同じものにしてください。♂は2L、♀は1Lに入れ換え。飼育温度は23℃。 |
| 2月下旬4本目に交換・・・(1本目から7ヶ月半経過) | |
|---|---|
![]() |
4本目も普通の菌糸ビンを使います。この頃には♀と小型(70ミリ以下)の♂は前蛹、蛹化または羽化しているものもあるので交換前に良く観察して、交換するかそのままにしておくか考えて、交換するのなら慎重に行ってください。 |
![]() |
♂は2L、♀は1Lに入れ換え。♂25g、♀13g未満の幼虫は25〜28℃に温度をあげて蛹化を促してやります。♂25g、♀13g以上の大型幼虫は23℃。 |
| 3月下旬低温飼育・・・(1本目から8ヶ月半経過) | |
|---|---|
![]() |
4本目に交換してから1ヶ月し、幼虫が落ち着いてきたら温度を下げて一度冬を体感させてやります。この時期に冬というのも変な感じですが、室温で13〜20℃くらいにはなってきているはずですので温室からだして風通しの良い暗くて静かな所に置いておきます。心配ならサーモを18℃にセットしてそのまま温室の中でもかまいません。この時幼虫がすでに前蛹、蛹化の状態なら温度は23〜25℃で飼育してください。 |
| 4月下旬・・・(1本目から9ヶ月半経過) | |
|---|---|
![]() |
4本目に交換してから2ヶ月、低温体感飼育をしてから1ヶ月、温度を少しずつ上げていきます。そのまま室温で置いておいてもいいですが、菌糸の劣化前に羽化させたいので温度を調整した方がいいでしょう。まずは20℃にして、1週間後23℃、その1週間後に25℃にします。 |
| 5月下旬・・・(1本目から10ヶ月半経過) | |
|---|---|
![]() |
4本目に交換してから3ヶ月、♀はほとんどこの時点で蛹化、羽化していると思います。♂も前蛹、蛹化していると思いますがその気配の無い幼虫もいます。蛹化の気配の無い幼虫は5本目に交換して、交換の刺激で蛹化を促します。 |
| 6月中旬・・・(1本目から11ヶ月経過) | |
|---|---|
![]() |
ほとんどの幼虫が蛹化、羽化しているはずですが、菌糸ビンの側面に蛹室が見えていない場合幼虫が菌糸ビンの中でどういう状態でいるのかわからないので、慎重に掘っていきます。5本目に交換したら温度を25〜28℃にして蛹化を促します。この時期から室温が上がってきますから、今度はガラスビンが良いでしょう。 |
| 7月・・・あれから1年 | |
|---|---|
![]() |
それでも蛹化しない幼虫は温度を23℃にしてじっくり育てましょう。菌糸ビンは3ヶ月くらいで劣化してきますので、様子を見ながら羽化まで順次交換します。 |
| 幼虫飼育について |
|---|
| ここに書いた菌糸ビンの交換時期等はあくまでも一つの目安です。幼虫の成長や菌糸の食べ具合などで交換時期は様々です。ウチの場合、平均♀8ヶ月、♂10ヶ月で羽化するようです。 |
― ページトップへ ―