新司法試験について

(2004年6月24日更新)

 法科大学院構想が現実化し、法曹向け教育が制度化されたことに伴い、法科大学院修了者向けの新司法試験が2006年度より始まります。
 2010年度までは、法科大学院を修了しなくても受験できる現行の司法試験と併存して実施されることになります。

 また、2011年度以降は、法科大学院を修了しなくても新司法試験を受験できるように、バイパス制度として司法試験予備試験が開始される計画になっています。
 →司法試験予備試験についてはこちら

新司法試験の概要
開始時期 2006年度より開始予定(2006年5月頃の見込み)
目的 裁判官,検察官又は弁護士となろうとする者に必要な学識及びその応用能力を備えているかどうかを判定する試験。
法科大学院課程における教育及び司法修習生の修習との有機的連携の下に行われる。
(改正司法試験法第1条1項、3項)
実施形式 短答式試験と論文式試験
(口述試験は行わない)
短答式試験と論文式試験は5月中旬にまとめて4日間連続で行われ、受験者全員が両方の試験を受験する。
受験資格 ・法科大学院の課程を修了している者
司法試験予備試験(2011年度より実施予定の試験)に合格した者
受験回数の制限 法科大学院課程修了、または予備試験合格から、5年以内・3回まで(修了・合格後の4月1日が基準)
 (修了前2年間の現行司法試験の受験も1回とカウントする)
制限を越えた場合は、再び法科大学院課程修了か予備試験合格することで、受験資格を再取得。
詳しくは、下記の表を参考にしてください。
短答式試験 専門的な法律知識及び法的な推論の能力を有するかどうかを判定する。
マークシート方式
1、公法系科目(憲法および行政法に関する分野の科目) 40〜60問
2、民事系科目(民法、商法および民事訴訟法に関する分野の科目) 60〜80問
3、刑事系科目(刑法および刑事訴訟法に関する分野の科目) 40〜60問
 各1時間半〜2時間半
「〜に関する分野の科目」とは、関連する法律全てが出題対象になるという意味です。
論文式試験 専門的な学識並びに法的な分析,構成及び論述の能力を有するかどうかを判定する。
長文形式の問題を何時間も掛けてじっくり解く方法になる見込み。
1、公法系科目(憲法および行政法に関する分野の科目) 2問・4時間(予定)
2、民事系科目(民法、商法および民事訴訟法に関する分野の科目) 2問・4時間(予定)
3、刑事系科目(刑法および刑事訴訟法に関する分野の科目) 2問・5〜6時間(予定)
4、選択科目(専門的な法律の分野に関する科目として法務省令で定める科目のうち受験者のあらかじめ選択する1科目)
 選択科目は、知的財産法・倒産法・消費者保護法・環境法などが予定されている。
 具体的な事例の解析や論理的思考能力に加え、理論的、実践的能力も試す。
現行司法試験との併願 併願はできません(いずれか一方しか出願できません)。
合否判定 短答式試験の成績が合格水準に達していることを前提として、短答式試験と論文式試験の成績を総合的に判断。
(短答式試験の成績が合格水準に達していない場合、論文式試験の採点を行う必要はない)
合格者数 未定
(スタート時は、現行司法試験と合わせて1600名くらいか?)
2010年(平成22年)には、3000名にする予定。
 当初は法科大学院修了者の7〜8割が合格するような試験にする予定であったが、たくさんの法科大学院が乱立する(全国で定員約6000人?)ようなので、合格率はかなり下がる見込み。法科大学院下位校はかなり苦しいのではないか?
公式情報 法務省のサイトにある「資格試験・採用試験」の新司法試験
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/index.html
法務省のサイトにある「新司法試験の概要(中間報告)」<PDF形式>
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/IKEN/refer01.pdf
法務省のサイトにある「新司法試験Q&A」
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/shinqa01.html
合格者数に関する司法試験委員会のヒアリング<PDF形式>
http://www.moj.go.jp/SHINGI/SHIHOU/050118-2.pdf

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 法科大学院から全員が卒業できた場合、毎年約6000名の人が受験資格を得ることになります。
 1回で合格できない場合、数百万円払って法科大学院を修了したのだから、受験生の多くが回数制限限界の3回まで受験することが考えられます。
 とすると、最大1万8000人で、3000人の合格枠を争うことになります(約6倍)。

 さらに、自民党の一部などには、司法試験予備試験ルートでの受験者数を、法科大学院ルートと同じくらいにしたいという動きもあるそうです(未確認情報)。
 これが、実現した場合、予備試験からも毎年6000人が受験資格を得ることになります(本当か?)。
 そうなった場合、法科大学院修了者とあわせて、最大3万6000人で3000人の合格者を争うことになるのでしょうか?
 競争率12倍ということになります。
 法科大学院入学試験や司法試験予備試験の競争もあると考えると、今の試験より本当に簡単に合格できるようになるのか不安が残ります。

(注)受験者数の最大値について
 3000人の合格者数全員が必ず1回目の受験者からでるのであれば、3000人+3000人+6000人=12000人です。
 しかし、3000人の合格者数全員が必ず3回目の受験者からでるのであれば、3回目まで6000人が受けつづけることになるので、6000人+6000人+6000人=18000人になります。
 実際は、このようなことは起こりえないとは思いますが、あくまで理論上の最大値ということで、18000人としてあります。

併行実施期間中の新旧司法試験合格者数について(司法試験委員会)(法務省のサイト)

<新司法試験の受験回数の制限について>
 新司法試験は、法科大学院修了後(または司法試験予備試験合格後)の最初の4月1日を基準として、5年以内3回までの受験制限があります。
 また、法科大学院修了前の最後の2年以内の現行司法試験の受験も、この回数制限の1回にカウントされます。
 法科大学院3年コースに2004年4月入学した人を例にまとめると、以下のようになります。
(○のうち、3回まで。◎は回数に入らない)。

2002年
大学3年生
2003年
大学4年生
2004年
大学院1年目
2005年
大学院2年目
2006年
大学院3年目
2007年
修了後1年目
2008年
修了後2年目
2009年
修了後3年目
2010年
修了後4年目
2011年
修了後5年目
2012年
修了後6年目
現行司法試験
カウントなし

カウントなし

カウントなし

カウントあり

カウントあり
どちらか一方

カウントあり
どちらか一方

カウントあり
どちらか一方

カウントあり
どちらか一方

カウントあり

カウントあり
×
新司法試験 法科大学院修了前なので受験できない 実施されない
(口述除く)
実施されない

法科大学院生の現行司法試験と受験回数制限について(法務省のサイト)

司法試験予備試験についてはこちら

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