司法試験に関係ありそうな新法・改正法情報

(2004.10.30更新)

最新情報は、「最新法律情報室」に掲載するようにしましたので、そちらをご覧ください。
http://lawinfo.exblog.jp/

憲法関連の新法・改正法 民事法関連の新法・改正法 刑事法関連の新法・改正法

<憲法関連の新法・改正法>

戸籍法施行規則(法務省令)の改正
 2004年11月1日改正
・非嫡出子(婚外子)についての戸籍の続柄欄の表記を、従来の「男」「女」から嫡出子と同じ「長男」「長女」などに改める。
 新たに戸籍を作り直すことも可能。
 当面は、本人からの希望があった場合のみ。

行政訴訟法の改正
 2004年6月2日成立
1、裁判所が判決前でも行政処分の執行を停止できる要件を緩和。
 「回復困難な損害を避けるため緊急の必要があるとき」という条件を緩和。
2、原告適格の拡大。
 行政側の処分が違法だった場合に、害される恐れのある利益の内容や性質、被害の態様や程度を考慮するなどして原告適格を広く認める。
3、行政決定の違法・無効確認訴訟をできることを明確に。

国民の祝日に関する法律の改正
 2003.7.11衆議院通過、2003.10.10衆議院の解散のため廃案。2004年通常国会での提出見送り。
・4月29日のみどりの日を昭和の日とし、5月4日の国民の休日をみどりの日とする。

人権擁護法案
 2002年3月8日内閣提出(参議院先議)、2003.10.10衆議院の解散のため廃案、修正して再提出の予定。
1、人権委員会・人権擁護委員の新設。
2、人権救済手続の新設。

永住外国人地方選挙権付与法案
 2002年臨時国会に公明党・保守党案、民主党案提出、2003年の衆院解散で廃案。2004.2.19公明党単独で再提出。
・永住資格を持つ20歳以上の外国人に地方自治体首長・議院の選挙権などを付与する。
(特別永住者(サンフランシスコ講和条約で日本国籍を失った者とその子孫)に限り認めるという案や、各自治体の判断により付与できるとする案も浮かんでいる。)

<民事法関連の新法・改正法>

民法の改正案
 2004年10月12日提出、年内成立・2005年春施行予定
1、民法第1編〜第3編を口語化する。
 民法第1編(総則)・第2編(物権)・第3編(債権)について、片仮名・文語体の表記を平仮名・口語体とする。
 現代では用いられていない用語を他の適当なものに置き換えることにより、国民一般に分かりやすいものに改める。
 確立された判例・通説の解釈で、条文の文言に明示されていないものについて規定に盛り込む。
 現在では実効性を喪失し、存在意義が失われている規定・文言の削除・整理。
 全体を通じて最近の法制執務に則して表記・形式等を整備。
 第4編・第5編にも、見出しと項番号を付し、最近の法制執務に則した必要最小限の表記・形式等を整備。
 http://www.moj.go.jp/PUBLIC/MINJI50/pub_minji50.html
2、包括根保証契約を無効にする。
 中小企業経営者が、融資の際に過大な保証債務を負わされ、倒産した場合に再起できない事態を防ぐため。
 根保証契約は書面を交わし、限度額を定めない限り無効。
 保証期限は契約の締結から5年以内。期限を定めない場合は契約日から3年。
 すでにある契約については、数年間の経過措置。
 http://www.moj.go.jp/SHINGI/040908-5-1.html
詳しくはこちらへ

債権譲渡特例法の改正案
 2004年10月12日提出、年内成立・2005年春施行予定
・動産登記制度の創設
 http://www.moj.go.jp/SHINGI/040908-4-1.html

境界確定手続制度の新設
 2005年通常国会に提出予定(2004年6月4日要綱案公表)
・民事訴訟による紛争解決方法を廃止し、登記官が行政処分として境界を確定する仕組みを導入。
 土地所有者の申請で手続開始。
 土地家屋調査士など専門家で構成する「境界確定委員会」の意見を聞いた上で、登記官が処分を決定。
 処分結果は、登記簿と地図で公示。 
 紛争解決期間を、現在の2年以上から半年以内に短縮。

新法「会社法」の新設(商法の平成17年改正)
 2005年通常国会に提出予定(法制審議会で審議中)
1、商法第3編、有限会社法、監査特例法を新法として統合。
2、条文を現代語化。
3、会社設立に関する規制緩和。
 非公開会社は、取締役1人・監査役なしも可能に。
 最低資本金を廃止するか、100万円程度への大幅引き下げ(最低資本金についての記事)。
 出資割合にかかわらない経営権を認める日本版LLC(組合形態有限責任会社)制度の創設。
4、株主総会の手続に関する規制緩和。
 株主総会の開催地に関する規制撤廃。
 株主提案権の期間制限を柔軟にする。
5、取締役の責任を緩和し、経営意欲を高める。
 株主代表訴訟において、社外取締役を構成員に含む訴訟委員会の不適切判断を、裁判所が尊重しなければならない制度の創設。
 株主代表訴訟の原告適格を、違法行為時の株主に限定する。
6、企業統治のための規制強化。
 会計監査人(監査法人)に対する株主代表訴訟を認める。
 委員会等設置会社の取締役の資格に、工場長などの兼務禁止を加える。
7、資金調達手段の規制緩和
 社債発行権限を代表取締役に移し、機動的な資金調達を可能にする。
8、企業再編のための法制度を整備。
 外国会社が、日本の子会社を使って合併する場合に、外国親会社の株式や金銭の交付による方法を認める。
 子会社の吸収合併については、親会社のみならず子会社の株主総会も不要にする。
9、簡易合併・分割の基準緩和
 簡易合併の基準を、存続会社の発行済み株式総数の5%以下から20%以下に緩和。
 簡易分割の基準を、存続会社の総資産の5%以下から20%以下に緩和。
10、計算規定の規制緩和
 配当可能利益の範囲であれば、利益配当の回数規制撤廃。
11、合名会社・合資会社
 制度上、どちらか一方のみにする。
 株式会社への組織変更を認める。

商法の改正案(平成16年改正予定・その2)
(株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律案)
 2004年3月22日国会提出。
1、株式等の取引に係る決済の合理化を図るため、株式を振替制度の対象に加える。
 「社債等の振替に関する法律」は、「社債、株式等の振替に関する法律」に題名変更。
 株券不発行会社の株式で振替機関が取り扱うものの権利帰属は、振替口座簿の記載・記録による。
 「株券等の保管及び振替に関する法律」は廃止。
(公布の日から起算して5年を超えない範囲内において政令で定める日から施行)
2、投資法人が発行する投資口やSPCの優先出資等についても、振替制度を導入。
(公布の日から起算して5年を超えない範囲内において政令で定める日から施行)
3、株券の不発行制度(ペーパーレス化)を整備。
 定款で株券を発行しない旨の定めをすることができる。不発行会社の株式移転は、株主名簿に記載・記録しなければ第三者に対抗できない。
 株式の譲渡制限会社は、株主の請求がない限り株券を発行は不要。
 株主名簿の閉鎖期間を廃止する。
(公布の日から1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行)

電子公告制度のための商法の改正(平成16年改正・その1)
 2004年6月3日成立。
・官報や新聞以外にインターネットの自社ホームページでも公告できる「電子公告制度」を導入。
 公告費用の節減と、株主の利便性向上が目的。
 決算や合併などすべての公告が対象。
 制度を利用する場合、専門の調査機関に対し、電子公告の確認を依頼。調査機関は電子公告が株主らに不便がない形で出ているか定期的に確認し、証明書を発行。会社は証明書を法務局へ届け、合併などの登記をする。
 法務省は株主らが簡単に各社の電子公告にリンクできる専門サイトを設ける。
 官報の公告と電子公告を行えば、債権者への個別通知は不要。

民事訴訟法の改正案(平成16年改正)
 2004年通常国会に提出、継続審議の見込み。
1、民事関係手続の迅速化・効率化等を図るため、民事訴訟手続等における申立て等を電子情報処理組織を用いて行うことを可能とする。
2、簡易裁判所における少額訴訟に関する債権執行制度の創設。
3、民事執行手続における裁判官と裁判所書記官との職務分担の合理化。
4、不動産競売における最低売却価額の売却基準価額への変更。
5、扶養義務等に基づく金銭債務についての間接強制制度の創設。
6、公示催告手続の迅速化等。

破産法の制定(従来の破産法は廃止)
 2004.5.25成立
1、簡易破産制度を導入。
2、個人破産者の自由財産を3か月分の生活費に拡大。
3、債権者1000人以上の大型倒産の場合、東京地裁・大阪地裁(破産の専門の部がある)への申し立てを可能にする。
4、破産者に重要財産の開示義務。
 違反した場合、免責が認められない罰則。
5、知的財産権所有者が破産した場合のライセンス契約の保護。
http://www.moj.go.jp/HOUAN/HASAN/refer02.html

法例の改正案
(法制審議会に諮問)
・国際商取引等の増大に伴い、国際紛争の準拠法を明確にするため、法例の全34条すべてを見直す。
 不法行為の原因発生地の判断が困難な場合、インターネット取引など契約の行為地が不明確な場合、外国企業との関係のため日本人の消費者や労働者の保護が図れない場合などに対処するため。

民法の改正
(担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律案)
 2003年7月25日成立、2004.4.1施行
 強制執行妨害行為に対応するため、短期賃貸借制度・滌除の廃止など。
条文などの詳しい改正内容についてはこちら

貸金業規正法の改正
 2003.7.25成立、2004.1施行(一部2003.8施行)
・年利109.5%を超える超高利契約は無効。
・無登録営業と高金利貸し付けに対する罰則強化。

民事訴訟法の改正(平成15年改正)
 2003.7.9成立、2003.7.16公布、2004.4.1施行
1、裁判の長期化防止に、計画審理の義務付け
2、提訴前の証拠収集手続
3、専門家の意見を聞ける専門委員制度を新設

人事訴訟法
 2003.7.9成立、2003.7.16公布
1、人事訴訟の管轄を、地裁から家裁に移す。
2、極めてプライバシーにかかわる尋問は非公開にできることを、明記する。
3、離婚に伴う損害賠償請求訴訟を家裁の管轄にする。
(人事訴訟手続法は廃止する)

商法の改正(平成15年改正)
 2003.7.23成立、2003.9.25施行
1、定款で定めていれば、取締役会決議で自己株式の取得ができるようにする。
 中間配当可能利益を上限とする。
 取得理由や株式数などを、営業報告書で公表することを義務付け。
 定時総会時に予想できなかった事態に対処できるように、自己株式取得の要件を緩和。
2、中間配当限度額の計算方法を見直す。

今後可能性のある商法の改正点については、ここをクリック

<刑事法関連の新法・改正法>

情報窃盗罪の新設
 経済産業省・総務省がそれぞれ検討中
<経済産業省>
 2004年5月11日、経済産業大臣の諮問機関・産業構造審議会情報セキュリティ部会の提言
 企業が持つ顧客データなどの個人情報を、従業員等が持ち出す行為を処罰する「情報窃盗罪」を刑法に新設。
 http://it.nikkei.co.jp/it/sp/privacy.cfm?i=2004051109282vl
<総務省>
 情報通信会社の従業員が、社内の顧客情報を盗み出した場合に罰則を科す。
 電気通信事業法の改正、個人情報保護法の関連法の創設、不正アクセス禁止法の改正のいずれかで対応。
 http://it.nikkei.co.jp/it/sp/privacy.cfm?i=2004041609781vl

人身売買罪の新設
 法務省方針。2004年秋、法制審議会に諮問予定。
 性的搾取や臓器などを目的とする人身取引を禁止する「国際組織犯罪防止条約人身取引補足議定書」を批准するため。
 アジアや南米から女性を連れて来て、売春や労働を強制する暴力団やブローカーによる組織的な人身売買行為を処罰する。
 現行法(刑法の拐取罪、入管法、職業安定法、売春防止法、児童福祉法、児童買春・ポルノ処罰法)では、人身売買のみを処罰する規定がないため、対応できない場合がある。
 刑法に人身売買罪を新設するか、特別法を創設する。
 http://www.moj.go.jp/SHINGI/040908-2.html

刑法・刑事訴訟法の改正案
 2004.10.12国会提出、年内成立予定
1、重大犯罪の法定刑の引き上げ
 刑法制定以来100年近く見直されず、財産罪と比較して軽いのではないかなどとの批判がある重大犯罪について、法定刑を引き上げる。
 殺人罪、傷害罪、強盗罪、強姦罪などが対象。
 被害者が植物人間になった場合などを考えると殺人罪(死刑・無期もしくは3年以上の懲役)に比べて傷害罪の法定刑(10年以下の懲役、30万円以下の罰金)は低い、強盗罪(5年以上の有期懲役)に比べて強姦罪の法定刑(2年以上の有期懲役)は低い、強姦罪(2年以上の有期懲役)と比べて強制わいせつ罪の法定刑(6月〜7年の懲役)は低い、といった問題に対応するため。
2、強盗致傷罪の法定刑の下限引き下げ
 初犯で情状酌量の余地があっても、執行猶予の余地がないことから、引き下げることを検討。
3、有期懲役刑・禁固刑の上限の延長
 明治時代と比べて平均寿命が延びたことから、現在の20年を延長する。
 併合罪に限り30年を上限とする方向で検討。
4、公訴時効の延長
 刑事訴訟法で死刑にあたる罪は15年、無期懲役にあたる罪は10年などとしているのを延長する。
5、集団強姦罪の新設
 早稲田大学スーパーフリー事件に対応して、新設を検討。
 http://www.moj.go.jp/SHINGI/040908-7-1.html

刑法・刑事訴訟法の改正案
(犯罪の国際化及び組織化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案)
 2003.3.11国会提出、2003.10.10衆議院解散のため廃案、2004年10月12日国会再提出
1、強制執行妨害行為に対する罰則の拡充。
 強制執行妨害目的財産損壊罪(96条の2)、強制執行行為妨害罪(96条の3)、強制執行関係売却妨害罪(96条の4)、加重封印等破棄罪(96条の5)。
2、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約締結に伴い、組織的犯罪に対応するための組織的犯罪処罰法の拡充
 組織的犯罪共謀罪、証人等買収罪など
http://www.moj.go.jp/HOUAN/KEIHO5/refer05.html

刑法・刑事訴訟法の改正案
 2003.8法制審議会刑事法部会の要綱案、2004年通常国会提出予定。
1、コンピューターウイルスの作成・提供罪、所持罪の新設
2、令状なしにプロバイダーにメールの通信履歴を最大90日間保存するよう要請できる手続きの新設
3、記録命令付き差押制度の新設
 違法なデータを記録媒体に複写して差し押さえることができる。

刑事訴訟法の改正
 2004年5月20日成立
1、容疑者の勾留決定段階から、本人の請求がある場合に公的費用での弁護士をつける制度の新設。
 当初は、法定刑の下限が懲役・禁錮1年以上の刑が対象。
 施行後3年経過したら、法定刑の上限が懲役・禁錮3年以上の刑に対象拡大。
2、資力のある人には、後半段階での私選弁護人の選任を義務付ける。
3、裁判迅速化のため、公判前の争点整理などの公判前整理手続を当事者に義務づける。

裁判員法(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律)
 2004年5月20日成立
 20歳以上の有権者から無作為に選ぶ国民に裁判員への参加を義務づけ、死刑や無期懲役に相当する重大事件の審理を裁判官とともに行う。

ちょっと前の司法試験に関係ありそうな新法

トップページへ戻る http://barexam.at.infoseek.co.jp/
「司法試験受験生の部屋」 Copyright(c)2000-2005 JB. All rights reserved.