厳冬期 北アルプス 穂高の姿

1月、朝陽に輝く涸沢岳(3110m)から望む、槍ケ岳(3180m)、北穂高岳(3106m)。

雪煙舞う北尾根を望む。遙遠くに富士山も見える

1995年2月、新穂高ロープウェイを利用し、西穂高岳(2909m)を目指した。
天候は快晴、風もない最高の条件だった。
西穂山荘を遅くに発ち、稜線を進んだ。この山荘も想い出が多い。中学の頃、訪れたことがあり、また子ども
が幼い頃つれて夏に来たことがあった。それは、今の山荘ではなく火災で焼失する前の建物だった。
西穂独標(2701m)で休んでいると、上高地の大正池の先から白い噴煙が噴出した。何だろう?
噴煙は激しさを増していった。噴火だろうか、と夢中でシャッターを切った。
夕方、ニュースでそれが安房トンネルの工事での事故だと知った。
2月11日、午後2時25分頃、多量の水蒸気が噴出、6000㎥もの土砂が4人の作業員の命を奪い、梓川を
せき止め、作業中の重機などを埋め尽くしたという。
遺体は立ったままの状態で、一瞬の事故だったということだ。
2ヶ月後、本坑が貫通、10月には喚起立坑が貫通した。
調査開始から33年、着工から17年、860億円を投じた安房トンネルは、1997年(平成9年)12月6日完成。
遠く乗鞍岳(3026m)を望む、安房峠は今から約700年前、立正大師日蓮上人が峠越えをし、
郷里安房(あわ)の国にちなんで安房峠と名づけたといわれる。
また、戦国時代には甲斐の武田軍が峠を越えてたびたび飛騨へ侵入したという。


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