■掲示板に戻る■


【学校の怪談】

1 名前:名無しさん 投稿日:2005/03/27(日) 02:49:40

「…でさ〜。昨日みちゃったんだよね…。あれ絶対幽霊だよぉ」
クラスの女子が怪談話で盛り上がっている。
「ったく怖い話なんかして何が楽しいんだか…」
「そんな君は幽霊とか信じてますか??」
学年でも成績優秀でクラスでは2番目の学力を誇る矢部がオレに話しかけてきた。
「う〜ん…やっぱりいるんじゃねぇの?ほら!心霊写真とかだってあるし…。オマエは?信じてんの?」
「…信じてるというかボクの理論上では存在していないと思います。この世には科学では証明できないモノが存在しているとは思えませんし…」
また難しいことをペラペラと…。堅そうなメガネなんか掛けちゃって。
放課後、授業が終わり、帰る準備をしていると矢部に女子2人が何やら頼みごとをしていた。…友理奈と清水か?
「ねぇ?面白いと思わない!?」
「矢部君お願い。入って!」
「う〜ん。非常に興味深い試みだと思いますが、さすがに男子がボク一人じゃあ…。あ!そうだ!お〜い〇〇!」

矢部が何やらオレを呼んでいる。
「なんだよ」
「清水さんと熊井さんが発案した怪奇倶楽部に一緒に入りませんか??」
「か…怪奇倶楽部?」
「そう!話によると全校生徒に呼び掛けて幽霊にまつわる困り事、悩み事を募集して解決してあげようっていう活動内容らしいですよ」
…ぷっ。
「ちょ、ちょっとぉ!?なに吹き出してんのよ〇〇!」
友理奈が謝れと言わんばかりに突っ掛かってくる。
「わ…悪ぃ。いやオマエ達もヒマ人なんだなぁって…。笑」
「…お願い。矢部君と〇〇君の力が必要なの。。2人共入って…」
クラスで1番の成績を誇る清水にココまで言われたら入らない訳にもいかないな…。
「…わかったよ。入ればいいんだろ?」
「〇〇が入るのならボクも入らせて頂きます。幽霊など存在しないことを証明できる絶好の機会ですし」
「本当に?良かった…ありがとう。」
「おっしぃ!それじゃあ明日から放課後は怪奇倶楽部の活動ね!2人共ちゃんと残っててよ」
友理奈はそう言い残すと清水と帰っていった。

次の日、教室へ向かう途中の渡り廊下の掲示板にカラフルな色彩のポスターが貼られていた。
『幽霊による心配事!悩み事!解決してみせます!!依頼は放課後に受け付けます。怪奇倶楽部are熊井、清水、矢部、〇〇』
うわ…アイツら本気だよ。しっかりオレの名前も入ってるし…
そして放課後…


「なかなか来ませんねぇ…」
「ちょっとぉ!黙っててよ矢部!」
「あのポスターのせいじゃねぇの?」
「そんなぁ…友理奈と一生懸命書いたのに…」
やがて教室内はオレ達4人だけになり校内にいる生徒も少なくなっていた。
「…こりゃダメだな。今日のところは帰ろうぜ」
「〇〇君まって!5時までまってみよ?」
清水がオレを立ち止める。みんなの熱も冷めかかってきたとき、
ガラッ…
教室内の静寂を打ち破る音がした。教室のドアを開けたのは隣のクラスの石村だった。

「舞波ちゃん!!こんな時間に学校残って…どうしたの?」
友理奈が驚いたように問い掛ける。
「あ…えっと…い…依頼お願いしたいんだけど。」
「…依頼…?」
「あ…え、と…ダメかな?」
「よ…喜んで!!!!!」

石村の依頼の内容は「学校の旧校舎について」だった。
前に石村が塾帰り夜遅く学校の脇を歩いていると旧校舎の2階の窓から白い着物を着た女性が石村を見つめていたと言う。
つーか…旧校舎ったら普通にヤバい噂で持ちきりの場所じゃん!
なんか昔ある出来事があったらしく、それ以来何度も取り壊そうとしたけど、その度に取り壊そうとした業者の人達が呪われ事故死するとのコト。
今はバリケードをして放置という形になっている。

時刻は夜8時、オレと矢部と清水、そして石村は学校近くの公園で友理奈を待っている。
「友理奈のヤロー遅せぇなぁ」
「なんか…家から持ってくるモノがあるって言ってたよ?」
「…ん?熊井さん来たようですよ」

矢部が指で指す方向を見るとカバンを肩に担いで走ってくる友理奈がいた。
「みんな!遅れてゴメン!!」
「ったく遅ぇんだよ!オマエは」
「まぁまぁ〇〇君。…あれ?友理奈、そのカバンに何入ってるの??」
「えへへ…知りたい??ジャジャーン♪♪」
友理奈が得意気にカバンのチャックを開けると中からはホコリにまみれたカメラが出てきた。
「…カメラ?いえ違いますね。射影機のような…」
「さっすがクラスで2番目に頭が良い矢部ねぇ!そう…これはただのカメラじゃないの!我が熊井家に先祖代々伝わる由緒ある射影機なの」
「…2番は余計ですよ」
「え…友理奈、この射影機どうスゴいの??」
清水が小さい体で射影機を覗きこんでいる。
「これはね〜。レンズに写った幽霊をシャッターで切って成仏してあげるスゴいアイテムなんだよぉ。まぁ言うなれば霊射機ってトコかな?
お婆ちゃんに黙って物置小屋から引っ張ってきちゃった♪」

そういや友理奈の母さんってアイツが小さい頃に亡くなっちゃって友理奈は婆ちゃん家に引き取られたって聞いたな。
「射影機で幽霊を成仏させる?そんな非科学的な…」矢部が得意の持論で友理奈に文句をつけている。
「なによー?文句でもあんの??メガネのくせに」
「メ、メガネは関係ないでしょう!」
「ちょっと2人共ケンカはやめてよ…。」
清水が仲裁に入ってるけど、こりゃ収まりそうにねぇな…
「石村。先に行こうぜ」
「あ…うん」
…数分歩いただろうか、学校に近づいてきた。隣の旧校舎が視界に入る。
「………」
「お…おい?大丈夫かよ石村…」
石村がしきりに震えている。旧校舎で見た幽霊がよほどの衝撃だったんだろう…。と、後ろから声が飛んできた。
「ちょっとぉ?先に行くなんて最低!」
「悪ぃ悪ぃ。まぁいーじゃん。さっさと旧校舎いって成仏させてやろうぜ」
なんとか友理奈をなだめたオレ達一行は旧校舎へと歩きだした。

しかし…こうして近くで見るとボロボロでヒドいな。ガラスも所々割れていて…校舎内の清掃もしばらくしていないんだろう。
ヤバい…入りたくねぇ。誰か帰ろうって言わねぇかなぁ…
「あ、あの…今日は時間も遅いことですし…また日を改めて来ません??」
おっし!!メガネよく言った!!
「なに言ってるのよ矢部…ここまで来て帰れるわけないでしょ!」
やっぱり入るのね…orz

木製のドアをこじ開け中へと入る。ギイイイィィィという音がひどく生めかしい。
「こ…怖えぇ…」
「ちょ、男子なんだからしっかりしなさいよ!」
「友理奈声でかいよ…。舞波ちゃん、2階で見たんだよね?女の人の幽霊」
「うん…」
「は…早く見つけて帰りましょう…」
歩く度にギシギシと床のキシむ音が校舎内に響く。その時、
「きゃっ!!」
みんなが一斉に友理奈の方を振り向く。
「おい!どーした!?幽霊いたのか!?」
「違うの…。髪にクモの巣が引っ掛かっちゃって…。〇〇…取ってくれる??」

「驚かせやがって…。どれ」
友理奈の髪に手を伸ばそうとしたとき、何か変な気持ちになった。黒くて長くてサラサラな友理奈の髪…なんか触ったらいけないような…
「…??どうしたの?早く取ってよ」
「あ…あぁ」
友理奈にせがまれるとオレは手でほろってやった。 …
何でだろう…一瞬だったとしても友理奈にドキドキしちゃってた…。。そんなことを考えながら歩いていると携帯電灯の光がチカチカと消えかかり、ある教室の前を通ると完全に消えてしまった。
「おいおい…。矢部!電池くらい取り替えてこいよ」
「…おかしいですね。。家を出る前に新品の電池に入れ替えてきたはずですが…」
すると無言で会話を聞いていた清水が口を開いた。
「…いや。これは電池云々の問題じゃない。きっと幽霊の仕業だと思う。。多分この教室に舞波ちゃんが見た女の人の幽霊がいるんだわ…」
清水の言葉を聞いた瞬間、他の四人の顔がギョッと恐怖に満ちた表情になる。

「…射影機の準備OKか?友理奈」
「だ…大丈夫!」
「よし…!そんじゃ矢部。ドアを開けてくれ」
「な…なんでボクが開けなきゃいけないんですか!?」
「ビビるな!オマエ幽霊なんて信じちゃいないんだろ!?」
「…。まぁいい…分かりましたよ」
渋々と矢部はドアノブに手をかける。
ガラガラ…
オレ達は忍び足で教室へと入る…が、中には誰もいなかった。…当たり前か。だけど何かやたら空気が冷たい気が…。
「…ふ。バカらしい…やっぱり幽霊なんて存在するわけがないんですよ」
矢部のヤロー…さっきまでビビりまくってたくせに。「ちょ、ちょっと!それじゃあ舞波ちゃんが見た着物を着た幽霊は!?」
友理奈が矢部に問い掛ける。
「きっと石村さんの見間違いでしょう」
「違う!!私はっきり見たの!!悲しそうな目をして私を見つめる女の人を…」
今までおとなしかった石村が涙まじりに矢部に叫ぶ。…するとカツ、カツと黒板から音がしている。目を移すと、そこには信じられない光景があった。

空中に浮かんだチョークが黒板になにやら文字を書きなぐりしていた。
「チ…チョークが浮かんでる…」
そのありえない光景に矢部はただ呆然と黒板を見つめ、普段は冷静沈着な清水でさえ驚きに満ちた表情をしている。石村にいたっては半ベソ状態だ。
「ちょっと待って!このチョーク…字を書いてる。私達に何かを伝えようとしてるのよ…」
友理奈に言われて気がついた。…なんだ?カタカナか…?
ワ…タ…シ…ワ…
やがて文字列を書き終えたチョークはコツンと床へ落ちた。
『ワタシワウシロ二イルヨ』
…私は後ろにいるよ。


…静寂。誰1人として後ろを振り向こうとしない。
オレは横にいるみんなに横目で合図する。
…いいか?カウント3で後ろ向くぞ?
…3
…2
…1

みんなが一斉に後ろを振り向くと白い着物を着た女性がそこにいた。…女性と言うよりは女の子か?長い髪を垂らしながらジッとこっちを見つめている…

「あ…あわわ…」
矢部が後退りしながらドアノブに手をかける。
「…!あ、開かない!!」「おそらく幽霊による霊力で封じ込められているのね…」
清水が淡々とした口調で矢部に答えている。…どこまで冷静なんだコイツは…
「石村…オマエが塾帰りに見た幽霊って…」
「…間違いない。この人…」
やっぱり幽霊はいたのか…。
幽霊がジリジリと近づいてきた…成仏させるチャンスだ!
「友理奈!!今だ!シャッターを…って…おい!!どうしたんだよ!?」
友理奈は床に座り込んでいた。…腰をぬかしたのか?「だ…だめ…。立てない…」
「ば、ばか!しっかりしろ!」
幽霊が目の前まで近づいてきた。…まずい!
…モウヤメテ
え?
…イジメナイデ
風のような声が耳に入ってくる。…幽霊の声なのか?
「おい!別にオレ達はアンタに危害をもたらしにきたんじゃねぇ!安らかに成仏してもらいたくて…」
…ユルサナイ
やべぇ…余計怒らせちゃったか…?

くそ!このままじゃ死んじまうじゃねぇかよ!!
…しかたねぇ…いちかばちかだ!
オレは友理奈の後ろに回りこむと手で射影機を支えてあげた。
「おい!コレやり方どーすんだよ!?」
「レ…レンズに幽霊が写った瞬間にシャッターを切るの。だけど…タイミングがあって…」
「あ〜ゴチャゴチャしてて意味わかんねぇ!…よし!オレが射影機を動かしてレンズに幽霊が写るよう調節するからオマエがシャッター切れ!」
「え…?で、でも失敗したら…」
「そん時はそん時だ!ホラ行くぞ!!」
幽霊が目と鼻の先にまで近づいてきた。
オレは急いでピントを合わせる。射影機のレンズに幽霊が写った。
「友理奈!今だ!!」
友理奈がシャッターを切った。カシャ!!というシャッター音と共に射影機が明るく照らされ、気がつくと幽霊の姿はドコにも無くなっていた。
…どうやら成功したようだな。。
オレと友理奈は一気に崩れ落ちる。
「成仏…できたようだね」友理奈の声でオレは起き上がる。

「そのようだな…。ふぅ…助かったぁ…」
「…〇〇が支えてくれなかったら今頃みんな生きてなかったかも。。ありがとね…」
友理奈はそう呟くとオレに飛びっきりの笑顔を見せた。
ドキッ!!…またこの気持ちだよ…orz
「本当に幽霊は存在していたんだ…」
「…矢部君。この世には科学では証明できないモノも存在してるってコトだよ」「清水の言う通りだよ。…あぁ…何か疲れたなぁ。明日学校サボらねぇ?」
「あ!それ賛成♪」
「そんじゃ今からみんなで矢部ん家だな」
「あ!ちょ待ってくださいよ!」
…こうしてオレ達、怪奇倶楽部の一回目の依頼は無事に大成功という形で幕を閉じた。
あとで先生方に聞いた話によると昔、旧校舎でイジメにあっていた女子が自殺した事件があったらしい。
それ以来、旧校舎は封鎖された。…その自殺した女子と旧校舎にいた幽霊が同一人物であったかどうかは定かではない。。。

おわり