【☆友理奈と千奈美☆ 〜ふたりはプリキュア〜】
ここはベリーズ学院小等部
放課後の教室
梨沙子は自分の席に座って1人、必死になって何かをしていた。
「どうしたの梨沙子ちゃん?」
バスケ部の練習が終わり、戻って来た友理奈が梨沙子に話し掛ける。
「・・・この箱が開かないんだもん・・・」 梨沙子は少し泣きそうになりながら友理奈を見た。
梨沙子の手には鍵穴の着いた小さな箱があった。
「貸して♪」 そう言って友理奈は梨沙子を箱を受け取ると振ってみる。
中で『カタコト』と音が鳴る。
「中には何が入ってるの?」 友理奈が箱を色々な角度から見ながら言う。
「教室の使われて無いロッカーに入ってた奴だから梨沙子も知らない」
「なるほど・・・何年も誰も使ってない、噂の呪いのロッカーの中かぁ・・・」
(箱を開けようにも鍵穴に鍵を差し込まない限り開ける事なんて出来るのかな?)
そんな事を考えながら友理奈は小さな箱に奮闘していた。
部活が終わり教室に戻ってきた彼女達の目に、必死に何かと奮闘している2人が映っていた。
「あれ?友理奈ちゃん・・・何してるの?」 バトミントン部の練習が終わった千奈美が言う。
「あっ!千奈美ちゃん! 部活お疲れ〜・・・実はね〜・・・」
話を聞き終わって、化学部の佐紀が箱を色々な角度から見ながら言う。
「う〜ん・・・鍵穴がある以上、鍵でしか開けられない気もするけど〜・・・」
佐紀から箱を受け取って、バレー部の茉麻が力まかせに箱を開けようとするけど開かない。
数秒間、箱を見つめてから〜・・・『ニコッ』と笑って茉麻が言う。
「佐紀ちゃん、こうなったら部室から硫酸持ってきて溶かしちゃえば?」
佐紀が焦りながら即効で却下!
5人で10分ほど奮闘してみたが・・・結局開かず・・・
第一発見者の梨沙子は「む〜っ・・・」って箱とにらめっこ状態。
「こうなったら・・・私達の出番じゃない?」
千奈美が友理奈にウインクしながら小さな声で耳打ちした。
「OK! 私もそろそろかな〜って思ってた♪」
友理奈もウインクで千奈美に返す。
2人は3人に気づかないように、そ〜っと教室を出る。
さらに10分くらい経って・・・
「う〜ん・・・これは諦めるしかないかもね〜」
佐紀の言葉に梨沙子が『え〜!!!』と大ブーイング!
その時!!!
『デュアル・オーロラ・ベリーズ!!!』
重なった声と同時に教室の扉が勢い良く開いた!
「光の使者!ベリ・ブラック!」
「光の使者!ベリ・ホワイト!」
『2人はプリキュア!!』
2人の少女がカッコ良く決めポーズをする!
「皆を悩ませる開かずの箱よ!」
「とっとと中身を見せなさい!」
し〜ん・・・と静まり返る教室
佐紀と茉麻は『ポカーン』って感じで2人の使者とか言うのを見た。
梨沙子は『わー!わー!』と目をキラキラ輝かせながら興奮していた。
佐紀が呆気に取られながら言う。
「ゆ、友理奈ちゃん?な・・・何してるの?」
友理奈に似た、腕に黒いバンダナを巻いた少女に言う。
「いいえ。私は友理奈じゃなくて、ベリ・ブラック♪」
(・・・ただ、バンダナ巻いただけじゃん)と突っ込みを入れたかったが、隣で夢中になってる梨沙子を見て茉麻は言葉を飲みこんだ。
「箱が開かなくて困ってるみたいですね♪ 私達に任せて♪」
白いバンダナを腕に巻いたベリ・ホワイトが3人に向かって言った。
「なるほど・・・これは結構、困難かもね!」
ホワイトが箱を色々な角度から見て言う。
(・・・さっき、あれだけ一緒に見てたじゃん)と言う突っ込みを茉麻はしたくて仕方が無かったけど・・・
「そうなの!どうやっても開かないの!何とかして欲しいの!!」 必死の梨沙子を見て・・・やっぱり言葉を飲み込んだ。
「う〜ん、千奈・・・じゃなくて〜ホワイト!例の奴やってみたら?」
(あっ!今、絶対に『千奈美ちゃん』って言いそうになった!!) 佐紀が心の中で『クスクス』と笑っていた。
「OK!任せて!」
そう言ってホワイトは千奈美の部活用バッグからガサゴソと何かを探していた。
(え〜〜〜っ!!!ダメだよ千奈美ちゃん!!梨沙子ちゃんに正体バレちゃうよ!!)
佐紀は今度は『ドキドキ』しながらホワイトの行動を見ていた。
しかし、梨沙子はブラックのナイス時間稼ぎの『あやとり』に夢中でホワイトに見向きもしていなかった。
ホワイトはバトミントン用のラケットを2本用意するとブラックに1本渡した。
(ま・・・まさか・・・) 佐紀は『ありえない!絶対にありえないよ!』と心の中で必死に2人を止めていた。
茉麻は後ろを向いて必死に笑うのを抑えていた。
梨沙子は『何〜!?何するの〜!?』と、もう自分を抑えられない!
ブラックとホワイトは見つめ合って合図をする。
2人の心が1つに重なる!!
ホワイトが持っていたバトミントンの羽を投げる!
「ブラックパルサー!」
「ホワイトパルサー!」
「闇の呪縛に 囚われし箱よ!」
「今 その扉を 断ち切らん!」
そう言って2人は勢い良く落ちてきた羽に向かってジャンプしてスマッシュで打つ!
『ベリキュアレインボーセラピー!』
羽に回転が加わり、風を切りながら机の上の箱に向かって飛んでいく!!!
<カツン>
・・・羽は箱に当たると音を立てて、そのまま跳ね返って地面に落ちた。
し〜ん・・・とした空気が教室中に響く。
『ぽかーん』とした表情で羽を見つめる梨沙子。
(ほら・・・ 絶対にスマッシュなんかじゃ無理だよ・・・ 結果見えてたじゃん・・・)
佐紀は梨沙子の表情を見つめながらため息を付いた。
必死に後ろを向いて机をバンバン叩いて笑いをこらえている茉麻。
「そんな・・・『レインボーセラピー』が聞かないなんて・・・」
ホワイトが崩れ落ちるようにその場にしゃがみ込む。
そんなホワイトの腕を取って立たせると、ブラックがホワイトに向かって言う。
「こうなったら・・・あの技しかないね! 千奈・・・ホワイト!」
(も〜!!!また『千奈美ちゃん』って言いそうになってるし〜!!)
佐紀は、もう笑ってもいられずにミス連発の2人の行動を『ハラハラ』しながらを見つめていた。
「OK!」 ホワイトがウインクをするとブラックはダッシュで教室を出て行った!!
(ま・・・まさか!!! お願い!絶対に私の予想通りにならないで!!!) 佐紀は心の中で祈るようにブラックに言った。
梨沙子は『えっ!?何!?今度は何が起こるの!?』と期待を膨らませている。
5分してもブラックは戻って来ない・・・
(・・・この時間の掛かり方は顧問の先生に鍵を借りて来てるんだろうな)
佐紀の祈りをかき消すように時間が物語っていた。
10分してブラックが息を切らしながらで教室に戻ってきた。
「ハァハァ・・・ただいま♪ これで絶対に大丈夫♪」
ブラックは2つのバスケットボールを抱きしめながら言った。
「ブラック! 私は戻って来るって信じてた♪」
ホワイトの言葉に微笑んでブラックは1つのボールをホワイトに渡した。
『えっ!!1つのバスケのボールをパスして最後にぶつけるとかじゃないの!? 2個って!?!?』
予想外の2つのボールに佐紀も少し『ワクワク』しながら行動を見ていた。
梨沙子は既に『マックスハート』状態である!
茉麻は〜・・・笑いをこらえながら携帯でムービーを取るのに必死になっていた。
箱を床に置くと、2人は箱から5Mくらい離れて目を閉じて深呼吸を1つ・・・
同時に目を『キッ!』と見開くと勢い良く箱に向かって走り出す!
「ブラックサンダー! 」
「ホワイトサンダー! 」
「ベリキュアの 美しき魂が!」
「開かずの箱を 打ち砕く!」
残り2Mで箱に向かって助走付きでジャンプをする!
『ベリキュアマーブルスクリュー! 』
(ま、まさか!! そのままなの〜!?!?!) 佐紀は心の中で、今まで生きて来た中で最高の勢いの突っ込みを2人に入れる!
『マックスー!』
同時に2人の手からボールが放たれて回転が掛かりながら一直線に箱に突っ込んでいく!
<ガツン!>
空中でお互いのボールがぶつかり合って、そのまま『ダムダム・・・』と音を立てて床に転がっていた・・・
再び、し〜ん・・・となる教室
梨沙子は『ポカーン』としながら自分の足元に来たバスケットボールをしゃがんで掴んだ。
(それ以前じゃん! 箱に当たってないよ! マーブルしすぎてマックスどころじゃないよ!!)
佐紀は心の中で3連続突っ込みを入れた後、この状況をどうしたものかと必死になって考えていた。
茉麻は笑いたいのを抑えながら、さっき起こった出来事をムービーで見直す。
バッチリ取れているのを確認すると保存画面で一気にパスワードを掛けて絶対に消さないようにした。
「・・・どうしたらいいの」 ホワイトが再び、その場にしゃがみ込む。
「もう・・・無理なのかなぁ・・・」 ブラックもその場に倒れこむ。
梨沙子は『え〜!!開けられないの〜!?』と少しご立腹!
(どうしよう・・・このままじゃ2人が寒いだけになっちゃう!!)
佐紀は必死になって考えていた。
(えっと〜・・・何か新しい技を考えないと! 魔法使って〜攻撃とか・・・って!佐紀しっかりしろ!魔法が使えたら鍵を魔法で開けるでしょ!)
1人ボケ&突っ込みを入れて、さらに考える!!
(チアのバトンで太鼓みたいに箱をメッタ打ち〜そんな技ありえないよね・・・)
頭を軽く叩いて頭を真っ白にしてから、佐紀はさらに必死になって考える!!
(辞書を持って箱をガンガン叩けば・・・って、辞書を使って戦うヒーローがどこにいるの!)
混乱する中で佐紀の頭に1つの方程式が生まれた。
《敵(ここでは箱)→必殺技が効かない=パワーアップ!?!?》
佐紀は『キッ!』と廊下を睨むとダッシュで教室を出て行った。
突然の佐紀の行動を4人は呆気に取られて、出て行ったドアを見つめていた
つづく