【ゴールデンルーキー】
「タイム!」
この空気を追い払うかのようにキャッチャーの亀井が主審に告げた
内野手全員が俺の周りに集合してくる
1アウト二三塁…ヒット1本で逆転される大ピンチだ
「いいか、俺の方に打たせろよ。そしたらゲッツーでチェンジだ」
遊撃手の藤本がそう言った
確かに、藤本の肩と守備には定評がある
また、セカンドの田中も藤本と引けず劣らずだ
アウトを取るならこのゴールデンコンビに任せる方が一番確率が高い
「頑張ってみるよ、じゃあ任せた」
「プレイ!」
このバッターは前の2打席どちらもライトに流して打っている
というよりも、俺の速球に振り遅れていると言った方が正しいが
ここはスローボールで引っ張らせて内野ゴロを打たすのが一番だ
…藤本‥任せたぞ
ショートを見ると、屈伸運動までして準備満々だ
その隣の………だめだ、サードは真っ青で今にも泣きそうな顔になってやがる
今のサードに打たれたらまず確実にエラーするだろう
トンネルならまだしも、暴投を投げられたらおしまいだ
どうする…ここは藤本に任せるか、三振を取りに行くか…
悩んだ挙句、俺の答えは決まった
相手は速球に負けてるんだし三振を取りに行くしかない
つづく