【スカーレット】
「てめえ、ぶっ殺すぞ!」
目の前の男は俺の胸倉を掴んだ。
男のピアスがチャラチャラ音を立てて揺れて、なんだかそれが無性に腹が立った。
「聞いてんのか、ああ?」
俺は目を瞑って深呼吸した後、目を開けてこう言った。
「───好きにしろよ」
「っだあ、あのやろう、小学生相手に・・・・あー鼻がヒリヒリするぜ」
鼻をつまみながら上を向く俺に隣の席に座っている加藤が怒鳴る。
「あほ!小学生が中学生相手に勝てるかっつーの!」
「だーうっせえ。頭に響くからやめろ」
「俺はまさかお前がここまでアホだとは思わなかったよ」
お前には失望したよ、とボソッと加藤が呟く。
「うるせえ」
俺はぷいっと横を向いた。
その瞬間、嗣永桃子と目が合った。
桃子は友達と談笑していたが、俺と目が合うと顔を険しくして友達の輪から抜けて俺のほうに向かってきた。
「このバカ」
「っ痛!」
桃子のでこぴんが俺のおでこにクリティカルヒットする。
あーどいつもこいつも。
そう言い返そうと俺は桃子を睨んだがすぐにやめた。
桃子が心配そうに俺の顔を覗き込んでいたからだ。
「まーたケンカして。暴力はんたーい」
「暴力なんて・・・俺はそんなもんふるってねえよ」
ぷいっと横を向くと隣に座っている加藤と目が合った。
加藤も心配そうに俺を見つめている。
「だーっ、お前までそんな目で見るな!気持ち悪い!」
「気持ち悪いだって〜ひど〜い。心配してあげてるのに、ねえ?」
桃子が首を傾けながら加藤にそう言うと、加藤も桃子の真似をして甲高い声をあげて「ねえ?」と首を傾けた。
そして加藤はニヤニヤしながら俺のほうを見る。
・・・もう、勝手にしろ。
「それよりお前、席つかなくていいの?」
「え?」
「もうすぐ授業はじまるぜ」
「あ、ホントだ。じゃ!」
桃子は教室の時計を見たあと、慌てて自分の席に戻った。
桃子はその途中で振り返って、もうケンカしちゃだめだよ、と俺に注意した。
俺は守る気なんてさらさらなかったが、面倒なのでわかったわかった、と何度も頷いといた。
桃子は安心したように頷いて席についた。
はあ、とため息をつくと、加藤がニヤニヤと俺のほうを見ている。
「な、なんだよ」
「いやあ、みんなのアイドル嗣永桃子に心配されてる君がうらやましいなあ」
「アホか」
俺は加藤を無視して、ランドセルから教科書や筆箱を取り出した。
そしてまだニヤニヤしている加藤に注意する。
「あのさ、加藤」
「ん?」
「そこの席、お前の席じゃねえだろ。梨沙子が困ってんじゃん、どけよ」
加藤は振り返って困っている梨沙子の姿を確認すると、
「あ、ごめん」
と慌てて席を立った。
梨沙子は戸惑いながらも加藤に礼をして俺の隣の席に着いた。
呆然とする加藤に俺は言う。
「それより加藤君よ」
「なんだよ」
「お前、今の状況わかってる?」
加藤ははっとしたような顔で周りを見渡した。
今、席を立っているのは間抜け面をした加藤と今日の日直でこのクラスの委員長の清水佐紀と担任の中澤先生だけだった。
俺は我慢できなくてクック、と声を漏らして笑った。
それが伝染して教室から小さな笑い声があちこちから聞こえてくる。
佐紀は困ったように加藤と中澤先生を交互に見ている。
加藤は初めはきょろきょろとしているだけだったが、その後恥ずかしそうに俯いて自分の席についた。
中澤先生は加藤を見つめた後、大声で言う。
「じゃ、加藤君はあとで先生のところへ来てください」
その瞬間、教室は大爆笑の渦に包まれた。
俺もみんなも大声で笑った。
恥ずかしそうに俯いていた加藤は皆の笑顔を見ると、おどけたように笑った。
「加藤、おいしいな」
俺が加藤にそう言うと加藤は笑って俺にブイサインを送った。
そんな俺と加藤を見てまた皆が笑った。
調子に乗っておどける加藤を見た後、前を見ると先ほど困った顔をしていた佐紀も笑っていた。
俺と加藤はいつもこういうくだらないことをしては皆を笑わせた。
今日も皆笑っている。
俺は満足したが、隣を見るといつもその満足感は跡形もなく消えていった。
二週間前に転校してきた菅谷梨沙子だけは教室のみんながどんなに楽しそうにしていても一回も笑おうとしなかった。
ただ何かを考えこんでいるように俯いて、机のしみを見つめていた。
別に笑わないからって梨沙子が気に入らないわけじゃない。
ただ、梨沙子の寂しそうな顔を見るとなんだかもやもやした。
「はい、みんな国語の教科書出して」
中澤先生の声に我に返った俺は教科書を開く。
中澤先生は「ノート早く書かないとどんどん黒板消していきますからねえ」と言いながら黒板に文字を書いていく。
「マジかよ・・・」
「先生なるべくゆっくりね」
みんなのため息まじりの言葉があちらこちらで響く。
俺はおかしくて少し噴き出した。
なんとなく隣の梨沙子が気になって、俺はなるべく自然に梨沙子のほうを見た。
梨沙子は慌てた様子でランドセルの中身をあさっていた。
ふと見ると、梨沙子の机の上には筆箱だけが置かれていた。
「なんだ、教科書忘れたのか?」
俺の言葉に梨沙子は驚いたように俺の顔を見た後、すぐに目を逸らして顔を少し赤らめて頷いた。
「俺の教科書見ていいよ。俺、どうせ寝るから」
俺は自分の教科書を梨沙子にも見える位置に置いた。
梨沙子は小さく「ありがとう」と言った。
どういたしまして、と俺も返す。
「ほら、急がないともうすぐ黒板消すから」
中澤先生の声の後にみんなの不満げな声が響く。
梨沙子は慌てて黒板の文字をノートに書き写した。
ノートなんかとる気もさらさらない俺は、ただノートをとるのに一生懸命な梨沙子の横顔を見つめていた。
梨沙子の顔は日本人離れしていて、とても綺麗だ。
噂によると母親がハーフで梨沙子にも外人の血が流れているんだとか。
でもそんなことどうでもよかった。
ただこれで笑ったらもっと可愛いのにな、と思った。
しばらくして梨沙子がちらちらっと俺のほうを見てきた。
俺が何、と言うと梨沙子は顔を真っ赤にして首を振った。
「梨沙子さあ」
俺が声を掛けると梨沙子はピタッとシャーペンを動かすのをやめた。
梨沙子のシャーペンは今流行ってるキャラクターの絵が入っていた。
そのキャラクターがなんて名前か俺は知らない。
「学校つまんない?」
梨沙子は少し考え込むようにしてノートを見つめた後、二、三回首を横に振った。
変な質問をしてしまったと思ったが、梨沙子は俺の言葉を待っているのか手の動きを止めたままだったので、俺は遠慮なく話しかけることにした。
「そっか。でもさ、笑わなきゃ損だぜ。しかもいつまでもそんな顔してたら・・・」
俺は顔に力を入れて精一杯変顔をして自分の顔を指差した。
「こんな顔になるぞ?いいのか?」
「あはっ」
梨沙子がシャーペンを放り出して口を押さえて笑う。
俺は梨沙子が笑ってくれたのが嬉しくて、調子に乗ってついでかい声で言ってしまった。
「あと中澤先生みたいなこわーい顔になるぞ、いいのか?」
梨沙子はしばらく笑っていたが、やがて顔を強張らせた。
そして俺に後ろを向くように促す。
俺が顔を上げると、クラスのみんなが俺のほうを見てニヤニヤしている。
まさか・・・。
俺はゆっくりと後ろを振り向くと、中澤先生が仁王立ちで立っていた。
やばい。
逃げる間もなく俺は頭にげんこつをくらう。
「いってえ!」
「はい、君も後で加藤君と一緒に先生のところに来てください」
「えぇ!俺も!?」
「マジかよ・・・」
俺と加藤の情けない声が重なって、その後教室のみんなが爆笑する。
俺と加藤は顔を見合わせた後、同時にため息をついた。
そんな俺を見て、隣で梨沙子が腹を抱えて笑う。
みんな笑っている梨沙子に気づいて、教室はしーんとなった。
俺は気にせず梨沙子に話しかける。
「なあ梨沙子」
「え、何?」
笑いすぎて出た涙をぬぐいながら、梨沙子が俺のほうを見る。
「お前やっぱ笑ったほうが可愛いな」
梨沙子は笑うのをやめてニッと笑った俺の顔を見て固まった後、顔を赤らめて俯いた。
あれ、こいつ照れてんのか?
なんか可愛いな。
しばらくしてしんとした教室から拍手やヒューヒュー、といったような声が沸きあがり、授業中だというのに大騒ぎになった。
いまいち状況を理解していない俺に、加藤が大声で言う。
「ヒューヒュー、お前手出すの早えーのな」
「あ?何言って・・・」
加藤の横の席のあたりから視線を感じて俺はちらっとそっちを見た。
見ると桃子が複雑そうな顔で俺を見ていた。
でも俺と目が合うと慌てて教科書へ視線を落としてしまった。
なんだんだ、いったい。
授業が終わった後、俺と梨沙子の周りにどっとみんなが集まってきた。
男子は加藤が中心となって俺をからかった。
梨沙子は初めこそはいつものように顔を赤くして俯いていたが、俺と加藤がからかったりちょっかいを出すと
だんだんリラックスしてきたようで、放課後までにはクラスのみんなと笑って話せるようになっていた。
そんな梨沙子の様子を見て、俺は安心した。
帰りの会が終わって俺と加藤が教室を出て行くとき、梨沙子が俺の名を呼んだ。
「あの・・・今日、ありがとう。加藤君もありがとう」
梨沙子は少し照れくさそうにしていたけど、しっかり俺と加藤の目を見てそういった。
「ああ、おう。じゃあ梨沙子、また明日な」
「じゃあな、梨沙子ちゃん」
ありがとうなんて久しぶりに言われたな。
なんだか恥ずかしくて俺と加藤は梨沙子に手を振ってさっさと教室を出て行った。
梨沙子は仲良くなったクラスの女子たちと一緒に帰るんだそうだ。
きっかけさえあれば人は変われるんだな。
「あいつも今日で変わったな、よかったよかった」
俺の言葉に加藤が噴き出す。
「なんだよ、気持ちわりぃ」
「お前、梨沙子ちゃんに気があるのか?」
次は俺が噴き出す番だった。
加藤は、どうなんだよ、なあ、と肘で俺のわきばらのあたりをつついた。
「そんなわけねえだろ、今日まともにしゃべったばっかだもん」
「まったまたあ」
「あーしつけえなあ」
加藤はしばらく俺をからかっていたが、店の手伝いがあるから、と途中で先に帰った。
俺は加藤の背中を見送った後、そのまま家に向かって歩いた。
しばらく考え事をしながら歩いていると、誰かの怒鳴り声が聞こえた。
「おい、これどうしてくれんだよ?」
見ると三人の男が5、6歳くらいの男の子を囲んでいる。
制服を見る限り中学生だ。
しかもあの不良が多い中学校の。
男の子は目に涙を溜めて震えている。
よく見るとボス猿らしき中学生の制服にアイスがべったりとついていた。
下にはアイスのコーンが落ちている。
俺はそれを見た瞬間、状況を理解した。
ああ、そういうことね。
「そんくらい、許してあげたらどうですか」
一応親に「年上の人には敬語で話すように」と教わっているので敬語を使っておいた。
思い立ったらすぐ行動。
これが俺のいいところでもあり、悪いところでもある。
中学生三人が振り返って俺を睨んだ。
「は?誰に口聞いてんだ、お前」
弱いものイジメなんてくそくらえだ。
威張って道歩いてるこいつも数年前までは小学生だったんだ。
俺はそう言い聞かせて、だんだん膨らんでいく恐怖心をなんとか縮めようと努力した。
「ティッシュならありますよ。僕が拭いてあげましょうか?」
俺はポケットからポケットティッシュを取り出して、ボス猿のズボンについたアイスをふき取ろうとした。
しかし、ボス猿は俺の手を払った。
その衝撃で手からティッシュが離れて飛んでった。
もう片方に握っていたポケットティッシュも奪われてぐしゃぐしゃにされた。
「あーあ、それで拭いてやろうと思ったのに・・・」
「結構だよ」
ボス猿が顔を怒りで真っ赤にさせて、俺を睨んだ。
あーあ、ボッコボコにされるなあ。
俺は泣きそうな顔をした男の子に
「ほら、早く行けよ。今度は変な奴にからまれんなよ」
と言って、今のうち早く逃げるように促した。
男の子は俺を置いて逃げるのに戸惑ったようだったが、俺が胸を張って自信ありげに
「大丈夫だ、俺ケンカが強いって有名なんだぜ」
と言うと、やっと安心したように頷いて逃げていった。
俺はその背中を見送った後、ため息をついて中学生三人と向き合う。
「お前、これからどうなるかわかってる?」
ボス猿がニヤけながら骨を鳴らした。
俺は目を閉じて深呼吸する。
そして、ゆっくり目を開けた。
「ああ、好きにしろよ」
その後すぐ、腹に拳が入って俺は身体をくの字に曲げる。
呼吸を整える暇もなく、背中に蹴りを入れられ、俺はそのまま地面に突っ伏した。
その後髪の毛を引っ張られ、顔を殴られた。
「なんだ、こいつ弱ぇじゃん。やりかえしてもこねえ」
ボス猿がそう言いながら俺のわき腹を蹴り上げた。
鼻で笑った。
そんな選択肢、俺の頭には最初からねえよ。
俺はただ、精一杯呻き声が口から漏れないようにずっと唇を噛み締めていた。
俺がやり返さないと知ると、ボス猿の後ろに金魚の糞みたくくっついていた二人が
ボス猿の真似をして俺のわき腹を何度も蹴り上げた。
くそったれ、何度でもやれよ。
だんだん遠のく意識の中、俺の耳に聞き覚えのある声が届いた。
「助けて!あそこで中学生がケンカしてます!!」
誰だっけ、この声。
俺がぼんやりとそう考えていると、
「げ、人来たらやべえよ。逃げるか」
と中学生三人は慌てて逃げ出した。
あいつらの足音がだんだん小さくなってやがて聞こえなくなったとき、俺はやっと苦しみから解放された気がした。
でもそのあとすぐに足音が近づいてきた。
奴らが戻ってきたのではないかと俺は身を強張らせた。
だけど、それは無駄な心配だったようだ。
「ねえ、大丈夫?」
ぶっ倒れてる俺の横にちょこんと座って俺の顔を覗き込んでいるのは佐紀だった。
「・・・大丈夫なわけ、ないよね?」
佐紀は泣きそうな顔で俺を見ている。
佐紀のその表情をみると、俺はなんだか申し訳ない気がして、なんとか佐紀を笑わそうとおどけてみせた。
「こんなのうちの母親のビンタに比べたら痛くも痒くもねえよ」
「・・・お家でも暴力ふるわれてるの?・・・かわいそう」
佐紀はもっと泣きそうな顔をして俺の目を見つめてきた。
だめだ、佐紀には冗談が通じない。失敗だ。
俺のバカやろう。何泣かせてるんだよ。
俺が一人で反省会を開いていると、佐紀がポケットからハンカチを取り出して俺の顔についた血を拭ってくれた。
「あ、さんきゅ」
「ねえ、なんでやりかえさなかったの?」
「え?」
「君、ケンカ強いんでしょ?君なら絶対・・・」
勝てたのに、と言いかけて佐紀は止めて、俯いてじっと地面を見ていた。
どうやら俺はケンカが強いという噂が学校では流れてるらしい。
まったく笑える。
たぶんいろんなケンカに首突っ込んでやめさせてるからかな。
「夢壊して悪いけど」
俺は切れた唇から出た血を拭って立ち上がろうとした。
地面に足がついてるはずなのになんだか立っている感じがしなくて、足に力が入らなくて少しよろけた。
すかさず佐紀が駆け寄ってきて俺の身体を支えてくれた。
「ケンカには巻き込まれても人を殴ったことなんて一回もねえんだ、俺は」
はっとしたような顔をして佐紀は俺を見た。
俺はヒリヒリするのを堪えてニッと笑顔をつくった。
「大事な人との約束があるからな」
案の定、唇の端がこのまま千切れると思うくらいヒリヒリした。
それにしても身体に力がはいんない。
あーかっこわりぃ。なんかまるで俺の身体じゃねえみたいだ。
それなのに佐紀の体温だけはしっかりと伝わってくるんだ。
なんだかくすぐったい。
そのくすぐったさを誤魔化そうと俺の脳みそが命令を下したらしく、俺の擦り切れた唇からは自然と言葉が滑り落ちてきた。
「でも俺、逃げ足ははえーんだ。鍛えればきっともっと速くなるよ。今回はだめだったけど次こそはぜってえ逃げ切ってやるぜ」
俺の言葉に佐紀がぷっと噴き出す。
ずっと心配そうな顔をしていた佐紀がやっと笑ってくれたので俺は心底安心し、佐紀に支えてもらいながらもゆっくり歩き出す。
調子に乗った俺は足りない頭をフル回転させながらどうやってまた佐紀を笑わそうと考えていた。
しかし、その回転も佐紀の一言で阻止された。
「でも次ケンカしてたらたとえ人殴ってなくても委員長として先生に言いつけますからね」
「げ、マジかよ!マジ勘弁してよ・・・」
情けない俺の声に佐紀が肩を震わせて笑う。
なんか、からかわれている気がしないでもないが、佐紀が笑ってくれるならいっか。
そう思った直後、俺はさっきの佐紀の言葉を思い出してギョっとした。
「まさか今回のことも・・・」
「言わないよ」
佐紀はきっぱりとそう言った。
ホッとする間もなく、佐紀が続ける。
「だって私、今は委員長じゃないもの」
「は?なんだ、それ」
「・・・だからこんなこともできるんだよ」
佐紀は立ち止まって俺の顔をじっと見つめてきた。
「ん、なに?どうしたんだよ?」
俺が聞き返そうと佐紀に顔を近づけると、佐紀は背伸びしてそのまま俺の頬に柔らかい唇を押し付けてきた。
それは突然のことで俺は頭が悪い所為か上手く理解できなかった。
「さ、行くよ」
佐紀が俺の背中をポンと叩いて歩きだす。
「え?・・・ああ、うん」
俺はただそうやって返事をするだけで精一杯だった。
あの後、佐紀とどんな話をしたのか、どうやって家まで来たのかあまりよく覚えていない。
ただ確かに覚えているのは佐紀が家まで俺を支えてくれたことと
俺の頬にキスをした後の佐紀の顔が夕陽のように真っ赤だったこと。
つづく