− 3210 さんの恋愛話 −

それはXRの納車当日の事だった。

納車した当日に、XRの車高が高いポジションが面白いのと、
慣らしついでに200km程離れた都市にフラフラとツーリングする事となった。
白バイをよく見かける街道を走っていると、ふと大型に無料で乗れる、
ドリームホンダを思い出し納車当日にもかかわらず立ち寄る事にした。
そこでRRの素晴らしさに感動と恐怖を覚えつつも、
XRが自分が求めていた車両である事を再確認したのだった。
試乗場をでるころには日も沈みかけ夕暮れの交通量の多さにうんざりもしつつ、
もう少し足を伸ばしてみることにした。
白バイが二段階右折を取り締まっている交差点より10〜15分程進むと
対向車線を挟んだ店に大手バイク部品を取り扱ってる看板が見える。
とりあえず目的は特になかったのだが寒さでトイレも行きたかったし一年ぶりぐらいに訪れてみたのだった。
そこで・・・

早速、トイレに駆け込もうとしていた。
不意にガレージの方に後ろ姿が綺麗なお姉さんぽい人を見かけた。
その時は「髪が綺麗なおなごだべ、一年も寄らなければ知らない人ばかりだよな」
っと特に気にする事もなく用をたした。
そのご特に買うモノも、もちろんお金もないが
せっかく来たのだからと店内を何周もしてたのだが、
やはり見慣れた店員はいなかった。
先ほどのお姉さんっぽい人が防寒類の所で品物を整理しているようだったが
防寒類などの装備品は持っていたので特に近寄る事もなく、
帰ろうと思ったのだが、せっかく来たのでステッカーを選んでいた。
・・・しかし、男の悪い性で顔が気になるのはしかたないことだよね?

顔を見ようとすると変に意識するのと角度とタイミングが合わず、上手くいかない。
まあ持論で後ろ姿が綺麗な女は90%が(>_<)だから、
想像に任せた方が幸せかとさっさとステッカーを持ちレジの前に立った。
間の悪い事に先ほどまでいたブサボーイ店員がおらず少しまつ事に。
大して急いでないが、1分程まっても誰もこず
それより先ほどいたお姉さん以外の店員の気配がしない。
「ちゃ〜んっす」とばかりに「レジお願いします」と中声で呼んでみた。
何回か呼ぶと気づいて女の店員は駆け寄ってきた。

・・・ビックリした事に俺の想像していた以上の美人且つカワイイ店員がそこにはいたのだった。

その店員は芸能人の誰に似ているとかではなく、
芸能人になれそうなルックスを兼ね備えていたのだった。
小振りな顔と若さを強調するような茶髪のストレートの髪がまた白い綺麗な肌に映える。
彼女いない男が十人いたら10人とも好きになりそうなそんな娘さんだった。
・・・いやそれどころかこんな娘がバイク業界にいるの??
某ツーリング雑誌のでてくるモデルよりも段違いでかわいい。
つうか何で店員しているの?もっと他に仕事探した方が良いじゃん!
と勝手な疑問、妄想をふくらませたまま、レジにつったる俺。
ステッカー(200円)のみを購入した私は見窄らしかった。

「そのままでよいですね?」
と丁寧に聞かれて「はい」と答えるのも忘れて、
俺の中では「接客良し!」=性格良し!
・・・なんて無駄にウカれていたのでした。
まあじろじろ見るのもストークチックでやだしポリシーではない。

早々に店外に出ると、日が落ちかけで青みがかり辺りが一層暗くなっていた。
その様と、店員に二度と会えないだろう事を考えると
口惜しさに似たもの悲しさを感じる。
不意に寒さが襲いに震えながらたまらず
自動販売機にあるコーシーを飲む事にした。
コーヒーを買ってバイクの近くに行きバイクを見ながら
今後のカスタムの事を考える事にした。
しかし、「綺麗だったな〜」っとやはり先ほどの店員の事を考えながら
最後のコーヒーの一口を味わい深く飲んでいた時・・・
「・・・あの、すいません?」と急に声をかけられた。
缶を持っている手を下げると先ほどの店員がそこにいるではないか!!!

「キター!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
と自分の鼓動が高鳴るのと、顔が赤くなるのを抑える事はできなかった。
リアルアイドルが目の前にいるような感覚でウカレたのと緊張しつつも状況的にやはり、
「俺に興味があるのか?俺の連絡先聞きたいのかな?ニヤリ☆」
なんて頭の中では万歳三唱と祭りが開催されていた。
彼女は口を開き何か言っているが
緊張と彼女の口唇はほんのりピンク色で見とれたのがあって、
何を言っているのか語尾ぐらいしか分からなかった。
「・・ましたよ?」
辛うじて聞き取れたんで、
「しましたよ?」
と推測しながら聞き返しながら、
落ち着けコールを自分におくったのだった・・・

彼女は再び口を開き、こう言い返したのだった。

「・・・落としましたよ、鍵。」

みると彼女の指の細い小さな手の中にに「見慣れない」鍵があった。
納車当日なので見慣れないのは仕方ない。
「えあ、俺の?あそうか俺のか?」
なんて微妙なリアクションしている俺を尻目に、
スタコラ店内へ入っていく彼女。

「俺の恋は今始まったばかりなのだ・・・」
ナレーションが頭の片隅で流れた。
俺は彼女を呼び止めた・・・

・・・けど、叶えられる事のない日々の小さな恋でした。



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