− 電気屋 さんの恋愛話 −
| 5年前の出会い… その年の盆は仕事がたんまり入ってツーリング計画は全てパーになりふてくされてた。 ぼやいていても仕方ないから漏れ専用のバイク関係のステッカーだらけのバンで現場に向かった。 そこは国道に面した場所で仕事は屋外炎天下で盆休みのツーリングバイクや車が行き交う所。 バイクが通過するたびに「あれは○○の新型だなーいーなー!慣らしか?」なんて脳内ツーリングをしていた。 仕事も順調に終りそうな午後3時になり休憩してた時に後ろから「すみません」と男の声。 振り返るとライディングウェアに身を包んでいる。 「なに?」 「あの…電気関係の仕事ですよね?」 「はい。」 「バイク乗ります?」 「はい。それが?」 「実はこの先にバイクが故障していてどうやら電気関係の故障みたいなんですよ。」 「ほう。」 「で、僕らは工具もなにも無いので手伝ってくれたらと思いまして…」 「あ〜、そう。バイク屋は?」 「盆休みらしくて電話に出てくれなくて…」 (中略) 「じゃあもうちょっと待ってくれる?もうちょっとで終るから」と言い、仕事を終らせ(その間、男はどこかに電話し「来てくれるって」とか言ってた。)片付けをして工具をバンに積み込み案内してもらった。 そこには2名(男女)がいた。 「先に言っておくけど直る保証は無いしご覧の通り仕事車だから(工具一杯で)積載もしてあげられないからね。」と伝えると「お忙しい所をすみません」と女性 「故障車はあんたの?」 「はい」 「あ、そう。で、症状は?」 「走ってたらいきなりプスンと…」 「ちょいやっかいかもよ…やるだけやってみるけど」 「そうですか…」と心配そうな女の子を尻目に「じゃ、僕らは先があるから…」と男2人は逃げるように女の子に挨拶して行ってしまった。 「あれ?仲間とちゃう」 「いえ、故障したときに通りすがりの人で…」 「そーなんだ…」 とりあえず社長に仕事完了の報告して直帰の旨を伝えて 「さて、始めるよ」 「お願いします」 とりあえず各ランプ類やらセルやらバッテリーのチェックをしようとキーをまわす… ん?Nランプが付かない… 「バッテリー、死んでる?」 「今朝はちゃんと動きました。」 ふむ… ランプもつかないのは断線か… 外装をバラしバッテリーから順番にテスターで当たる。 キーシリンダー近くに来て原因がわかった。 「このバイク、誰か配線いじったでしょ?」(車種はセローね) 「え?はい。」 「そいつ、ブン殴れ」 「え?え?」 「ほれ。(指を差す)」 「…。」 話しを聞いたら何かの競技に出るため電装品を一度、はずしたらしい。 「なんでこんな所を切ったかわかんないけど修理がかなり適当だよ」 「そうなんですか…」(電線の皮を剥いて手で捻って繋ぎ、ガムテで絶縁) 「きっと他も同じだろうから修理しとくよ」 「お願いします」(ライトやテールも同じだった) 作業終了後、キーをまわすとランプも光りエンジンも掛った。 「ありがとうございます!」 「直って良かった。」 「あの…これ…少ないですけど…」(ティッシュに包んだお金らしき物) 「そんなもん出されちゃ困る」 「でも御迷惑掛けたし、お礼がこれしか思いつかなくて…」 「いや、いらないよ。じゃ気を付けてツーリング行ってねバイバイ」 と、有無を言わさず片付け、車に乗り帰宅した。 次の日、会社近くの現場で仕事をしていたら社長から「大至急戻って来い!」と電話があった 「でも、まだ終わって無いんスけど?」 「代わりに○○を行かせてるから。」 「へいへい」と、返事をして仕事内容を代わりの奴に電話説明しながら帰社。 見知らぬ赤い車があり「事務のねーちゃんか?」と思い事務所に入り「社長もどったよー」 「おーい、こっち(応接室)来いやー。」 「へーい、失礼しまーす」(応接室に入る) 「あ…あれ、あんた!!!」 「昨日はどうもありがとうございました」 「わざわざ来なくて…っつーかなんでここが?」 「ごめんなさい、車に大きく社名と電話番号が書いてあったから勝手に見て社長さんに事情を話して場所を教えていただいたんです」 (社長)「おめぇもたまには世間様の役に立つ事するんだな。けど社名入ってるバンだと忘れるなんて馬鹿だ!ま、今日はあがって(終り)茶でもして来い」 と、言いながら万札を出す(社長、たまには良いとこあんじゃん!) 「じゃ、行こうか。」 「え、仕事の邪魔に…」 「社長命令であがりなんだぜ?」 「余計邪魔しちゃったみたいで申し訳ありません」(と、社長に) 「良いって事よ、こんな奴でも(おいおい)役に立ててもらっただけで嬉しいんだよ」 「っつー訳だから」 「じゃあ…」 と、会社を後にして喫茶店に行った 彼女は漏れより3つ上で、ツーリングは一人が多いらしく理由は過去にクラブで付き合う、付き合わないで他のメンバーがモメているのを見て嫌になったらしい。 先日の男性2名は助けに止まってくれたのは良いけど、原因がわからず困ってバイクを調べてくれたけど休みらしく3人で途方にくれていた時、「途中でバイク乗りらしきバンが止まってたよな?なんとか電気って書いてあって…」 で、代表者が漏れの所に来たそうだ。 お互いのバイク暦やら趣味など雑談しているうちに日も暮れてきたので飯に誘った 「じゃ、今度こそお礼させて下さい!」 その喫茶店から居酒屋に行く事に決定し移動した。 綺麗じゃないが安いし、かなり美味い!魚は大将自ら釣って来るから珍しいものもたまにある。 そんな話しをしながら楽しく飲んだ。 そして、ある程度たって「あんまり休みが合わないかもしれないけど今度、ツーリングをご一緒しません?」と、切り出した。 「はい!よろこんで!」と、返事をもらったのでアドレスの交換をし、その日は終わった。 日に2〜3通ぐらいのメールをし、2週間ぐらい過ぎて彼女から「また、あの店に行きたいね」とメールが来た。 居酒屋の大将にお勧めがあるか確認したら「おう!今日はキスが大漁だ、天ぷらがうまいぜ!」と返事。 そのまま彼女に「キスが天ぷらで美味しいらしいから今夜どう?」と送る 「わー!楽しみー!」と、かなりハイテンション。 仕事もそこそこに待ち合わせ場所に行き合流して居酒屋に直行。 ほろ酔い気分で楽しく過ごした後、車を置いて近くの山に散歩に出かけた。 「今日のキス美味しかったわねー。」 「だねー、大将が釣ってきたらしいよー。」 「話し変わるけと、ここは狼が出るんだよー」 「えー!うそだー、絶滅したんでしょー?」 「ホントだって!じゃ、目をつむってごらん?」 「怖いよー!」 「大丈夫だって!」 「出たら助けてよ?」 「うん。」 「こう?(目を閉じる)」 〜〜〜キス〜〜〜 「ね?」 「???」 「狼男が出たでしょ?」 「やだー!」 「でも、遊びじゃないよ。ちゃんと好きだから付き合って欲しい」 「キスの前に言うもんだぞ!」 「う…うん」 「私で良いの?」 「貴女【が】良いの。」 「よろしくお願いします」 「よろしくお願いされます。」 「もう!」 「そうそう、さっきの大将からキスもらったんだけど食べる?」 「今あるの?」 「うん」 「なんでここまで持って来てるのよ?」 「まぁ…ね」 (抱き締めてKISS) 「美味しかったでしょ?」 「ビール臭かったわ」 そんな会話で始まった恋の物語ですた。 |