− 鈍感野郎 さんの恋愛話(その3) −

その後、段々と加奈ちゃんとの接点は段々と増えていった。
もちろん、デートなんてモンじゃない。
ただ、買い物に付き合ったり付き合ってもらったり、その帰りに食事に行く程度。
俺にとっては、妹と買い物に行く感覚かな?
でも、その度に加奈ちゃんは極上の笑顔で対応してくれた。
そして用事が済んだ後は、必ず顔文字一杯のメールをくれた。

正直当時は、俺が美樹のことを考えていることを隠すので精一杯で
どうしても、加奈ちゃんと美樹をダブらせてしまう・・・・
最低なのは分かっていたんだけど、どうしようもなかったんだ。
ある日俺は、レジを打ちながらカップル達の対応をしていた。
昔の楽しい時期を、思い出しながら・・・。この後加奈ちゃんと
食事に行くって言うのに、サイテーだ>>俺

その食事の席で、「付き合おう。」

って言うつもりだったんだ。
何時までも過去を引きずってても仕方ないしね。

その時のことは、はっきりと覚えてる。

でも俺はリラックスしすぎて無意識に、普段加奈ちゃんに言わない話し方を
してしまったんだ。
加奈ちゃんの事を ”お前” って

そしたら、今までニコニコしていた加奈ちゃんの顔が急に曇ったね。
で、泣きながら
「鈍感野郎さんの目に、私は映っているだけ?私を通して貴方は、
前の彼女さんを見ているの?
私は前の彼女さんの代わりなの?こんなんじゃ、悲しすぎるよ・・・・。」
こう言われた訳だ・・・。

その夜は罪悪感で一杯で、翌日のバイトに行くのが怖かった。
「どうやって謝ろうか?」「顔をあわせたらどんな態度を取ろうか?」
そんなんで一杯だった。

いくら悩んでも結局朝は来る。仕方なくバイトに行くと、加奈ちゃんは普段と変わらない態度で
と接してくれた。
「休憩時間に謝ろう」
なんて思っていたんだが、言い出せないまま加奈ちゃんのバイトが終わってしまい
加奈ちゃんは帰ってしまった。
「これで終わりかな?」
なんて思っていると、携帯にメールが・・・。

「昨日はごめんなさい。私は子供なので、自分の感情が抑えられませんでした。
本当は直接謝りたかったのですが、どうしても言えなくて。
また、バイト仲間としてでもいいので、今まで通り遊んでください。」
みたいな内容。

本当は自分が悪いのに、加奈ちゃんの優しさに付込んだ返事を打つ俺。
内容は、
「気にしないで。俺も悪いんだから。」

俺も悪いんだけど、お前も悪いんだぞって言うのを含ませてる。
最低。

その日友人の、モテる奴に連絡を取ってどう仲直りをしようか相談をしたのだが、
奴のアドバイスは、
「自分で思ったとおりの行動をしな。振られたら一緒に飲もう!」
というわけの分からないものだった・・・。

翌日バイトに行くが、昨日の件があったせいで顔を合わせずらい。
普段加奈ちゃんに頼んでいるようなことも、他人に頼んでしまう。
面と向かって謝る事が出来ないでいるうちに、バイト終了の時間になったため
そのまま帰ろうと、バイクにキーを差し込むと遠くの方から、加奈ちゃんが
息を切らせながら、走ってくる。
「あの・・・。昨日はゴメンナサイ。ホントはすぐに謝りたかったのですが、
なかなかタイミングが合わなくて・・・・。」

タイミングが合わないのは、当たり前。俺が加奈ちゃんを避けてたんだから・・。

「ああ・・いいよ。俺も悪いんだから。」

その日は、そのまま帰宅した。
帰宅後携帯を見ると、例のごとくの絵文字のメール。
そこで、俺は思い切って返信メールで、食事に誘ってみた。

OKをもらえ、翌日のバイトも普段どおりに振舞うことが出来た。
そのラーメン屋で何かと話していると、いつの間にか話はバイクの話題に。

加奈ちゃん「オートバイカッコイイですよねぇ。私、日本のハーレーみたいのが好きです。」
(彼女の中ではアメリカン=ハーレー)

自分の好きなものの話に、知ったかぶった話が出てきた時点で
少し俺はテンションダウン。

そして話は、俺のバイクの傷の話しに・・。

加奈ちゃん「何で直さないんですか?折角のカッコイイオートバイが
傷のせいで、みすぼらしくなってますよ。」

腹が立ったが、怒りを抑えながら、

俺「いや・・・。友達に貸したら、コカされちゃって・・。

追い討ちをかけるが如く、話はつづく。


加奈ちゃん「そーなんですかぁ。なんかとんでもない友人ですね。
いくら友達とはいえ、他人のもの壊しておいてそのままなんて。」

俺「!!!!」

怒りを堪え切れそうになくなった、俺はトイレの中で携帯をイジリ
5分後にベルが鳴るように設定。
(これは、前述のモテ友人が、好きじゃない女の子のデートから角を立てずに帰る
テクニックとして教えてくれた技。)

バイク話のさなか、ベルが予定通りになり、
ワザとらしく、携帯に向かって話しかける。
俺「うん。マジ!すぐ行くよ」
俺「ゴメン、ちと急用が出来た。また今度遊ぼうね。」

精一杯笑顔を作ったつもりだったのだが、多分顔に出てたんじゃないかなぁ・・。



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