− ホンダの人◆PQldS6ag9o さんの恋愛話 −

3年くらい前の話。俺はラーメンが好きで、ネットなんかで気になる
店を見つけてはしょっちゅうバイクで食い歩くということをやっていた。
その日も都内のあるラーメン店へ行き、満足して愛車に跨り帰路に着いた。
その途中で、思いがけず事故に遭遇してしまった。

そのラーメン店は私鉄の駅前にあり、大通りに出るにはアーケードの
商店街を抜けるのが早いのでそっちに進んでいたんだが、手前で交差する
細い路地からいきなり原付が俺のバイクの横っ腹にぶつかってきたのだ。
信号はない交差点だったが、明らかに優先なのは俺が走っていた道路の方だし、
一時停止の義務も相手方は守っていない。ただ、リッターバイクだった俺の方は
ぶつかられてもコケもしなかったのに対し、ぶつかった相手は派手にすっこけていた。

瞬間、相手の方を見た。夜だし街灯もない暗い道だったので、すぐに相手が
どんな奴かは判別つかなかったが、とりあえず逃げられちゃかなわんと思い
スタンドを出して自分のバイクを道路の端に止めてそいつの方へ歩み寄った。

その相手は膝を押さえてうずくまっていたが、近くに寄ったら女の子だとわかった。
しかも金髪で、服装も女の子のファッションに疎い俺はなんつう名称かよく
知らなかったりするが、チューブトップってんだっけ?肩の部分とか思い切り
露出してるやつ。そんなの着てるし下もジーンズのミニスカート。まだ10代なのは
確実だろう。高校生くらいかも。正直苦手なタイプだー。
しかし何もしないわけにもいかず、とりあえず声をかけた。

俺「大丈夫?怪我は?」

女「…すみません…。大丈夫です」

あれ?うっせーとか逆ギレされるかと思ったが、外見に似合わず意外と殊勝な物言いだな。
…ん?あっこの子、膝から出血してるじゃんかよ。

俺「大丈夫って、血が出てるじゃん。立てる?救急車とか呼ばなくて平気?」

女「ほんとに大丈夫ですから、あ、あの、警察とか呼ばないでもらえますか?」

俺「んんー。一応ちっちゃい事故でも警察には届けた方がいいと思うんだけど…?」

女「すみません、あの、あの私、無免許でお兄ちゃんのバイク黙って乗っちゃってたので…」

げ。マジかよ無免許か。やっかいな相手に関わっちゃったなあ。しかもこんな原付じゃ
任意保険も入ってなさそうだし、仮に俺のバイクに傷が入っててもまともに賠償して
もらえそうにもないなあ。

でもまあ、こっちはコケてもないし、はっきりとは明るいところで見てみないと
なんともいえないけど、せいぜい多少擦り傷が付いたくらいなんじゃないかとも思うし
しかも相手は見た目はヤンキーっぽいが結構可愛いかんじの女の子だし、あまり
追い込むのも可哀想なんでもういいやという心境になった。

俺「じゃあ警察には連絡しないよ。でも、無免許なんかしちゃダメじゃん。しかも
そんな格好でバイク乗ったら危ないよ。事実怪我しちゃったでしょー」

女「はい…。すみません」

その子はずーっとうなだれてて、少し涙ぐんでいた。そのうち場所が住宅街だったこともあって、
近所の人みたいなのが徐々に外に出てきてなんだなんだと遠巻きに野次馬しだした。
ちょっとこういう状況はよろしくない。俺はまだまともに歩けないその子に変わって
倒れていた原付を起こし、俺のバイクの後ろに止めた。そしてどうしたんだ、事故か?
と聞いてくるオヤジに、いや知り合い同士ですから問題ないですと適当に嘘をつき、
その子の方に再び行って咄嗟に声をかけた。

俺「なんか野次馬増えちゃってるし、すぐそこのアーケードにマックかなんか
あったよね?とりあえずそこ入る?」

女「は、はいお願いします」

そう答えたのですぐさまその子の原付、次に俺のバイクと押してアーケードの入り口に
移動し、最後にその子に肩を貸してあげてファーストフード店へ向かった。
しかし肩を貸してあげていても、足元がおぼつかない様子だったので、まどろっこしく
なった俺はごめんねと断って抱きかかえて移動することにした。

女「なんか恥ずかしい」

俺「そんなこと言ってる場合じゃないだろー。とにかく店に入っちゃわないと」

女「うん…。ごめんなさい」

店に入るなりコーヒーふたつ!と注文して、女の子を席に座らせて
ちょっと待っててと告げ、アーケードの商店街で薬局を探して回った。
もうシャッターが閉まりかけていた薬局に無理矢理押し入り、消毒薬とガーゼ、
包帯、なんだか混乱してよくわからないが、膝の血を止められそうなものを
あれこれ買い込んでまたファーストフード店へ戻った。
とにかくその子の膝の止血をした。幸い出血は徐々に収まってきて、他には
外傷らしい怪我もなくとりあえず一安心だ。
しかし改めて明るいところでまじまじと女の子を見ると、やっぱり見た目は
派手だが顔立ちはまだ幼い。

俺「ところでさー、自分いくつなん?」

女「えーと…ハタチです」

俺「へえ、ハタチかあ。もっと若く見えるけど」

その後も色々と話をしたが、なんで原付無免許なんかで乗ってたかといえば、
親とケンカして家を飛び出してきてしまったらしい。若者の無軌道ぶりは恐ろしい。
ちなみに名前はゆかといった。そして今晩泊まろうとしていた友達が不在で、
泊まるあてがないということ、けど家には絶対帰りたくないなどと言っていた。

ゆか「そういやお兄さんのバイク、修理必要ですよね?高そうだなあ…」

俺「んー、どうせ金なんかあんまないだろ?いいよ別にコケたわけでもないし」

ゆか「あ、バカにしたー。私意外とお金ありますよ。最近キャバでバイトしてるんで(w」

俺「あーキャバ嬢か。言われてみればそんな感じだなー」

ゆか「なんですかー若く見えるって言ったりキャバ嬢っぽいとか言ったりー」

俺「ごめんごめん。でも金あんならしっかり請求しようっと」

ゆか「きゃーボッタクられるー(w」

なんかつい30分前に事故った当事者同士とは思えないほど雰囲気が打ち解けてきてしまった。
俺は俺でゆかがわりとタイプだったし、ゆかも話好きみたいで、怪我の痛みももうそれほど
ないというので、気が付いたら場所変えようぜみたいなノリで居酒屋に向かってしまった。
もはやバイクは置き去り決定。まあここからタクっても家まで3000円くらいで帰れるしなとか
気軽に考えていた。

般若湯(なぜこんな表現するかは後ほど)が入ったらますます雰囲気は砕け、なんか普通に
ナンパして一緒に飲んでるみたいな錯覚さえ覚えた。
やべえ、なんかいいムードだぞおい。こんなチャンスなかなかないぞ。
家帰りたくないって言ってるし、誘っちゃおうかなあ。ゆかも般若湯がきいてきたのか、
目がトロンとしてきた。

ゆか「んーなんか眠くなってきたー」

俺「結構飲んだもんなー。けどこの後どうする?(下心満々)」

ゆか「ねーお兄さん今晩って暇じゃないんですかー?」

甘い声で言うな!しかも肌露出してんのにしなだれかかってくんな!…めっちゃ嬉しいけど。

俺「いやー今日土曜だし、普通に明日休みですけど(下心満載!)」

ゆか「じゃーあー、今晩一緒にいーまーせーんーかあ(w」

俺「おいおい、そんなこと言われちゃうと俺その気になっちゃうよ」

ゆか「んーその気ってえ?あ、ホテル行こうとか考えてた?(w」

俺「…」

ゆか「きゃは、お兄さん照れてるー」

なんかリアルで プニュ( ´∀`)σ)Д`) とかされてるし。
もうダメだ。こんな状態で据え膳食わずにいられるほど俺は人間ができていない。

俺「じ、じゃあマジでホテル行く?」

ゆか「やーやらしいー(w でもいいよ。迷惑かけちゃったしねー。警察も呼ばないで
くれたし、お兄さん優しいからねっ♪」

…神様ありがとう(涙)

その後マッハの動きで会計を済ませ、表でタクを拾いいざラブホに向かった。
部屋なんざどこでもいいぞ!とりあえずパネルで光ってるところをプッシュし、
エレベーターに乗る。ゆかは相変わらず俺の腕に寄り添っている。もはや俺の欲望は
フルチャージです!!波動砲発射準備完了です!!

部屋に入るとゆかはベッドに大の字に寝っ転がった。その時手にしていたバッグから、
化粧品みたいな小物がばらけた。

ゆか「ねーむーいー」

こらこら、ここまで来といて寝るだけなんて許さんよ、あたしゃ。
しかしあからさまにがっついてるのもかっちょわるい。極力冷静を装い、
ゆかにシャワー浴びといでと言うと、うんわかったーと言ってバスルームに向かった。

…この、女のシャワータイム待ってる時がまたドキドキなのだ。興奮冷めやらぬ
思いを鎮めようと、タバコに火をつけ一息入れる。その時、ベッドに置きっぱなしに
なっていたゆかのバッグに目が行った。いや、正確には散らばった小物の方に。
そこには眉毛書くようなやつとかファンデーションとかのと別に、小さい定期入れの
ようなものがあった。悪いとは思ったが、なんだか気になったのでそれを見てみる。

佐々木ゆか(仮名です、念のため)
19○○年○月○日生まれ(1○歳)

上記の者は本校生徒であることを証明する
○○高等学校

みたいな。
こっ、高校の学生証じゃねえかよーーー!!(驚愕)ゆかの奴、年ごまかしてやがった!

折りしも当時、出会い系サイト規制法案だかが成立したとかで、18歳未満との淫行で
全国的に捕まる奴がニュースをにぎわせていた頃だ。つい今の今までのやる気満々
状態は一気に萎え、どうすべきかを考える。

これは淫行か?金銭の授受はないし援助交際ではないはずだ。いや待てしかし
たとえ金が絡まなくても18歳未満とコトに及んだら無条件でアウトだと聞いたことも
あるような。だが待てよ、後日俺だとアシが付く恐れはあるのか?
そういやさっき居酒屋で携番とアドレス交換したな。テスト送信とかもして履歴
残ったな。…アウトだな。orz

その後ゆかはバスタオル一枚というヤバイ格好で出てきたが、チキンな俺は18歳未満と
知りながらコトに及ぶことがどうしてもできず、今夜は疲れてるだろうし、このまま
寝ようとか適当なことを言って、涙を呑みつつ何もしない俺を不思議がるゆかの隣で
フテ寝した。…神様のバカ−!(涙)



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