− 23◆3.73Z9HEak さんの恋愛話 −

五年以上前の話です。

交差点で左折した瞬間、ケツの挙動がおかしかった。
少し後輪を気にしながら走ったが、見る見るゴトゴトとした感触が…
次の信号手前で歩道に止めて後輪の確認をしてみた。
『何だこれ!木ネジ刺さってんじゃん。ありえね〜。』
『しかし、どうやったらこんな風にささるかね?』
そこを一人の女性が通りかかり、声をかけてきた。
女「どうかしましたか?」
俺「パンクです。木ネジ踏んだみたいで…」

指差す俺を見て、すかさずバイクの後輪付近に座り込む女性。
おいおい、タイトスカートだから見えそうだよ?
あっけに取られていると、
女「あー、大きく切れちゃってるから普通の修理は無理ですね。交換ですよ、多分…」
俺「へ?詳しいですね。」
女「あそこ、私の家です。」

と、指差したのは前方数百メートルにあるヤマハの看板。
『やー、俺のバイク、ホンダだからヤマハのショップは入りにくいな〜。できればスタンドのほうが…』
とか思いながら、彼女に促されるままバイクを押して彼女の実家まで移動。
するとそこは所謂、町のモータース。
ヤマハ専門店じゃ無かったことに少し安心する俺。

しかし次の瞬間再び俺は硬直する。
ガレージから出て来て彼女と話しているのは190cmはあろうかというイカツイお兄さん。
怖すぎ。ちょいビビリ気味の俺。
(後で判ったのだが、この人彼女の実の兄。雰囲気違いすぎ…突然変異って奴か?)
兄「パンクだって?どれ…あーこりゃだめだ。交換ですね。」
俺「そうですか…」
兄「在庫あったかなぁ。チョット待っててね。battlax、battlax〜(<=へんな鼻歌w)」
俺「はい。」
お兄さんは話してみると気さくな感じでそれほど怖くはなかった。

『こういう店って量販店より高いんだろーなー、月末だし痛ー。』
とか考えながら待ってると彼女が、
女「どうぞ、事務所のほうでお待ちください。」
俺「はい、ありがとうございます。でも、今在庫調べに行ってくれてるみたいなんで…」
女「いいですよ。内線で聞きますから。」

『何?ナイセン?内戦?ああ、電話の内線か。』
とか、馬鹿なこと考えながら、彼女について事務所に入ろうとした。
すると、事務所の入り口横に信じられないほどきれいなRG250γWalter Wolfが置いてある。
思わずなつかしーとか思いながら見とれていると彼女が、
女「γ知ってます?これ私のです。このカラーリングが好きでw」
俺「え、あなたもバイク乗るんですか?でもこれ新車みたいに綺麗じゃないですか。」
女「ええ、中学の時にこのバイクを見て一目ぼれして、将来絶対これに乗ると父に頼んで取っておいて貰ったの。」
俺「中学校からバイク好きだったんだ…ま、ちっちゃい頃から乗り物に囲まれてる環境ですもんね。」
女「そうなんですよ。でも妹は全く興味ないみたいですけどね。」
「高校時代からバイト続けて免許とこの子の代金貯まったのがつい3年前なんです。」
「父に代金払うまで渡さんとか言われてw」
俺「え〜、でもこれってもう10何年も前のバイクですよね?」
女「女の一念岩をも通すって言うじゃないですか。根性ですよ。根性w」
俺「すっげーなー。俺なんて免許はバイト代で払ったけど、最初のRZ125の頭金は爺ちゃん婆ちゃんに貰った大学の入学祝でしたw」
女「いいお爺ちゃんお婆ちゃんですね。」
俺「孫には甘いですからねw」

そんな話をしていると電話が鳴り、彼女が対応して戻ってきた。
女「すみません。同じサイズが無いみたいなんです。どうしますか?取り寄せだと明日になってしまうし…」
俺「そうですね…あ、駅まで行けば帰れますから、預けて行ってもいいですか?」
女「構いませんが、またご足労願うことになりますよ。ご自宅はどちらですか?」
俺「××です。」
女「結構あるじゃないですか。…そうだ、γ代車に出しましょうか?」
俺「え、それは悪いですよ。あなたの愛車でしょ?」
女「良いんですよ。私普段の行動は車だし、あなたのバイク見て大事に乗ってくれるの判りますし。」
俺「えー、でも…」
女「型は古いですけど、プロが毎週メンテしてる車体です。自信を持ってお勧めしますよw」
俺「毎週お兄さんかお父さんが見てくれるんですか?」
女「私、こう見えても3級整備士です。」
俺「えー?!」

びっくりだった。彼女はどこから見ても普通のOL。
その時もグレーのスーツ姿だった。
なんでもその日は保険関係の手続きだかで出かけた帰りに俺が拾われたということらしい。
俺「でも、もしものことがあったら…」
女「家の車両はどれも代車に出すことを考慮して、保険にはしっかり入ってますから心配しないでください。」

『そう言う問題じゃないんだが…』
そこにお兄さんが登場。
兄「で、どうするって?」
女「私のγ使ってもらう事にした。」
俺「え、ちょっと待って、まだ借りるとは…」
兄「おー、そりゃいい。あれもやっと当たりが出てきたから回しても大丈夫ですよ。」
女「一般道では飛ばさないでくださいね。」

既に話は決まっている模様…
その後、つなぎに着替えた彼女がγの給油に行ってくれて、その間に代車の手続きやら預かり証などを記入して待った。
店にあったスクーターのカタログをめくっていると、
兄「でもなー、あいつがγを代車に出すなんて言ったのははじめてだよ。自分が連れてきた客なんでサービスのつもりかなw」
俺「はあ…」
兄「2stは乗ったことある?4stと比べると下はかぶるし、回すとピーキーだしで扱いにくいかも。」
俺「あ、大丈夫です。最初に乗ったのRZ125だし、今のの前に乗ってたのがNS400でした。」
兄「ほう、NS400乗れりゃ問題ないね。ありゃすぐオイル溜まって一発死んだりしたしw」
俺「良くご存知ですね。」
兄「俺の友達が嘆いてたんだよw俺も何度ばらしてやった事か。しかも御代は一回の飲み代でw」

そんな話で盛り上がってると彼女が戻ってきた。
女「ずいぶん盛り上がってますねw」
兄「お前がγ代車に出すの初めてだって話をしといたw」
女「お、お兄ちゃん、余計なこと言わないでいいから!」
兄「自分が連れてきた客だからサービスなんだろ?何顔赤くしてんだw」
女「赤くなんかなってないよ!何言ってんの。お客さんの車、点検終わらせてきなよ!」
兄「へいへい。邪魔者は退散しますわ。じゃ、君、気を付けて。」
俺「ぽかーん…は、バイクよろしくお願いします。」
女「ごめんなさいね。変な兄で。」
俺「いえ…」

鍵を受け取りいざγへ。
キック一発で始動した。さすが手入れが行き届いてる。
カラカラというチャンバーの音が大きいので彼女が顔を近づけて来た。ちょっとドキドキな俺。
女「書類に家の電話載ってますけど、何かあったときの為に…これ私の携帯番号。」
俺「ありがとうございます。」

俺、女の人から携帯番号渡されたのなんて初めてだよ。
しかも彼女の名前も入ってる。
茜さん…
俺も書類には自宅の番号しか入れてなかったんで、携帯の番号を教えた。
期待しちまうよ。
(まだメールなんて機能ついてない携帯使ってたな。)
で、彼女とお兄さんに見送られそろーりとスタート…やっちまったよ…エンスト。
逆リンクだよ。二速発進しちまった。
先に言ってくれよ…
2回目の始動は3発目くらいでかかった。
恥ずかしさのあまりどうやってその場を離れたか憶えてないw

家に帰り着き、γに俺のバイクのカバーをかけ、部屋にたどり着く。
さっきの情けなさに沈み込んだ。
枕に顔を突っ込みへたり込んでると携帯が鳴り出した。
表示を見ると番号しか出ていない。
ん?だれだっけとは思いつつ、ワンギリではないので出てみると彼女だった。
茜「茜です。わかりますか?無事着きましたか?」
俺「はい。あの後はエンストしませんでしたよ。」
茜「あはは。ごめんなさいね。レプリカだからわかってるもんだと思い込んでました。ごめんなさい。」
俺「いえいえ、おれも125の時は自分でリンク変えてたくせに、すっかり忘れてましたよ。あれとかチャンバーは標準なんですか?」

とかなんとかγの話やバイクの話をひとしきりしたあと、
茜「あ、そうだ。明日昼にはバイクあがります。」
俺「そうですか。じゃ1時くらいに伺えばいいですか?」
茜「できればもう少し早めがいいですね。」
俺「あ、午後はお店忙しいですか?」
茜「いえ、店はいいんですけど…」
俺「?」
茜「あの、よかったらお食事ご一緒していただけませんか?」
俺「え?え?食事…俺とですか?」
茜「はい。できればもう少しお話したいなと思いまして…ご迷惑でしょうか?」
俺「ご迷惑だなんてとんでもない。是非お願いします。」
茜「くすくす。お願いしてるのはこちらです。」
俺「いや、そう言うのは男が誘うもんでしょう。お願いします。」
茜「じゃあわかりました。お待ちしてます。」

うっわーと舞い上がりまくる俺!
その夜はなかなか眠れず、100回くらい寝返り打ってた気がする。
寝不足でも彼女の家までは超慎重運転、すり抜けもしないし車間距離は10m以上とってたかな。
後ろの車はへったくそなバイクだなと思った事だろう。
前日の帰宅にかかった時間の1.5倍くらいかかってやっとたどり着くとそこには皮つなぎの彼女がいた。
おいおい食事って言うから俺下はジーンズにシングルライダースだよ。
でも、昨日のスーツも作業着の布つなぎ+MA-1もかっこよかったけど、皮つなぎの身体のラインが出たのもいいね〜。
やっぱ俺一目惚れ?
俺「こんにちは。気合入った格好ですが…」
茜「せっかくだから少し走ってと思って早めの時間にしていただきました。」
俺「なるほど。じゃあ先にお会計の方を…」
茜「あ、バランスとかも見てからでって事で、帰りでいいです。」
俺「そうですか。じゃあ行きましょうか。どこがいいでしょう?」
茜「△△山の麓の方においしいパスタの店があるんですよ。ご存知ですか?」
俺「いや、俺食い物屋とかには疎くて…」
茜「じゃあ私が先導しますね。○○さんはそのままγで付いて来てください。」
俺「え、バイクそのまま?」
茜「バランスチェックですよ。」
俺「そうですか…」

ちょっと腑に落ちないまま走り出した。
△△山って言うのは地元では結構走り屋が集う峠だ。
まさかとは思ったが、予感は的中した。
彼女が向かったのは完全にその峠だった。しかも強めに攻めてる。
慣れないバイクのせいもあるが、ついて行くのが結構つらい。
型落ちの2st250ccなんかに俺のバイクは負けた事無いが、初乗りの車体なのにかなり乗れてる。
峠に着きメットを外して話し出す。
俺「いきなり峠攻めとは思いませんでしたよ。」
茜「やっぱりあなた相当走りこんでるでしょう。」
「私が一回も適わなかったこのバイクに難なく付いてきてしまうんですもの。」
俺「いえいえ、立ち上がりでかなり置いていかれましたよ。つっこみで挽回するのも慣れてないから怖かった。」
「茜さんこそ相当乗り込んでますね?」
茜「私の高校2輪免許は取れなかったんですけど、自宅の商売の都合と言う事で、特例もらって16で中免取りました。」
「それ以来毎週末のようにココに通ってたんですよw」
俺「なるほど。ある意味「主」みたいなものですねw」
茜「主って、ひっどーい!w」

そんな感じでだいぶ打ち解けたところで、峠を下って飯にする事に。
茜「では、下りはご自分のバイクで。下りの方が挙動が判りやすいからバランスも判りやすいでしょ?」
『さすがプロ。そこまで考えてたのか…』
俺、思ったままを口にする。
茜「ほんとは走ってみたかっただけだったりw」
「マイペースでいいですよ。私は攻めますけどねニヤリ」
俺「おっしゃ!今度は前に出させないぞ!」

で、もと来たコースを逆行。
頭の中で上ってきたコースを逆トレースしながら結構いいペースで下るも、途中コーナーを覚え違えててラインを外した瞬間にあっさり抜き去られるorz
ジモティーにはかなわんがな(´・ω・`)
麓について、ちょっと流すと件のパスタ屋さんに到着。
普段パスタなんて、ママーの早ゆでに、レトルトのミートソースぶっかけて食った事しか無い俺はメニュー見てきょどるw
茜「ここのペペロンチーノ、美味しいんですよ。」
俺「じゃあ、それにしましょう。飲み物は?」
茜「レモンティーで。」
俺「じゃあ俺も。」
茜「くすくす。真似しなくてもいいですよw」
俺「いや、はっきり言ってパスタ屋さんなんて入った事無いし、メニュー見てもさっぱり…」
茜「え、そうなんですか?私は走りに行くとき、あらかじめ情報誌見て美味しい店checkしておいて、よく独りで行ってます。」
俺「俺は一人暮らしで貧乏だからあまり外食する余裕は無いな。食事代けちってガス代に回す為、ソロツーに自分で握ったおにぎり持っていった事もあるorz」
茜「あはは。いいですねおにぎり。普段は自炊なんですか?料理できる男の人ってポイント高いですよ。」
俺「?」

茜「家の男性陣はいっさい台所には立ちません。一度男性の手料理食べてみたいかもw」
「どんな料理が得意なんですか?」
俺「得意って訳じゃないけど、よく作るのは魚料理とか煮物かな?」
「友人に評判が良いのは余った冷や飯で作った炒飯だったかな。」
茜「今度炒飯作ってくださいよ!」
俺「え、今度って…また会っていただけるんですか?」
茜「今度は○○さんから誘ってくださいね。」
俺「いいんですか?」
茜「何のために携帯番号教えたと思ってるんですか!恥書かせないでください…」
俺「すみません。では来週末、お時間ありますか?」
茜「家は自営業です。休みの融通は幾らでも利きますよ?」

ここで次の週末の約束まで取り付けてしまった。
俺にしてはすごい進歩だ。
ここで調子に乗った俺、あろう事かとんでもない一言を。
俺「あの、もし迷惑でなかったら…その…お付き合いして…いただ…け…」
茜「はい!その一言を待ってました!イヤッホー!!!(<=くらいの感じ)」
『しまいまで言ってまへんがな(´・ω・`)』
次の週末、彼女は俺の汚い一人暮らしのアパートの掃除に没頭し、喘息になるのであった(嘘
その時作った炒飯は好評でしたよ。


10回目くらいのデート(っていってもツーリングだがw)の帰り、その時も彼女の自宅に寄った。
一通り車体のチェックを終えて彼女が着替えに二階に上がってるとお兄さんが俺のところに来て、
兄「おう、○○(既に呼び捨てw)ちょっとお客さんの車が側溝に嵌って立ち往生らしい。レッカーに付き合ってくれないかな?」
俺「あ、いいですよ。」
兄「おーい、茜、○○借りてくぞ!」
茜「え〜、何?」

そこで事情説明。
茜「おにいちゃん、○○さんはお客さん!」
兄「何言ってやがる。家で飯食う人間は仕事も手伝う義務がある。」
俺「そうですよね。いつもご馳走になってばっかりだし…こんな事でも役に立つなら喜んで。」
茜「○○さんにご飯作らせてるの誰よ?」
兄「コイツの煮物うめーんだもん。お袋もお気に入りじゃんw」
茜「○○さんも嫌なら嫌って言って良いんだよ?」
俺「俺の作った飯旨いって言ってもらえて結構嬉しい…」

ココの家庭は茜さんとお袋さんが事務とかやってる関係で晩飯の支度が遅くなる。
普段の晩飯は21時頃とかが普通らしい。
で、俺が寄った時には彼女の妹と二人で炊事当番になることが多かった。
ここで妹:桜と仮名つけておきます。
この時桜=高校三年生、推薦で短大行く事が決まってんで気楽な毎日だったようです。

茜「じゃあ、今晩の当番は桜と私か…」
兄「うげ、食えるもの作ってくれよ。」
茜「失礼な。茜さんの中華も棄てたもんじゃないぞ?」
兄「あのスイーティーな麻婆豆腐や酢豚は勘弁だw」
茜「そんなに甘かった?」
兄「蜂蜜とか入ってんのか?ってくらいだったぞ。」
茜「だって桜もお父さんも甘いのが良いって言うんだもん…」
兄「○○、やっぱお前残って晩飯頼むわ。茜、お前が来い。」

こんな感じですっかり家族に溶け込んでしまっていた。
桜「○○(こっちも呼び捨てw)、何作る?」
俺「う〜ん、ジャガイモがいっぱいあるから肉じゃが?あとピーマンと茄子のきんぴら風ぴりから炒めかな?」
桜「うん、いいね。じゃあお肉買ってくるよ。何をどれだけ?」
俺「豚バラの薄切りを2パックくらいかな?あと糸こんにゃくもね。」
桜「え?肉じゃがって牛肉じゃないの?」
俺「俺みたいな貧乏人には牛肉は贅沢品だよ。それに豚肉の方が味に深みが出る。」
桜「貧乏人ってwバイクで遊び歩いてるからお金ないんでしょ。」
俺「…図星orz」
桜「たまには姉貴と普通のデートもしてきなよ?」
俺「…ハイ…」

彼女の妹にけちょんけちょんな俺orz
茜「ただいま〜。ふー、大変だったよ。やっぱ力仕事は無理があるな。」
と、レッカーからお兄さんと茜さん帰宅。
兄「何言ってやがる。お前は車で引っ張っただけじゃん。」
茜「あのワゴン重ステなんだもん。」
レッカーに乗っていったトランポ兼用のハイエースにパワステはついていなかったらしい。
俺「じゃあ、飯にしましょう。桜ちゃん、お父さんお母さん呼んできて。」
桜「はーい。」

父「おう○○(<=ここでも呼びs(ry)、今日も晩飯当番ご苦労さん。」
母「いつも悪いわね。今度私の自慢料理ご馳走するからね(<=何度目の台詞かな?)」
一同「いただきまーす」
父「○○、ビールは?」
俺「いや、バイクなんで…」
母「泊まっていってもいいんだよ?なんなら慶(兄の仮名ね)の部屋に布団敷くから。」
桜「かーさん、○○は姉貴の客なんだから、姉貴の部屋にしてあげなよ。」
父「桜!それはまだ早いだろ。…そのうちな。」
母「お父さんの許可が出たらねw」
俺&茜「…(真っ赤)…」

結局その日はビール飲んでお泊りさせていただく事になった。
もちろん布団はお兄さんの部屋。
ところが22時を過ぎた頃、お兄さんの携帯に着信。
緊急飲み会の呼び出しらしい。
兄「○○、お前も行かね?」
俺「いえ、今日は結構走ったんで寝落ちしそうです。」
兄「そうか、じゃあゆっくり休んでくれ。たぶん朝まで帰ってこないからベッド使ってくれな。」
俺「ありがとうございます。」
兄「それと…これ…」
俺「? 」
兄 つ(ラテックス製品の箱)…!!!
兄「妹が出来ちゃった結婚は好ましくないw」
俺「そんなつもりは…」
兄「オヤジとオフクロもカラオケに出かけたみたいだし、せっかくの機会だ。妹をよろしく頼むな。お前なら弟として申し分ない。」

お兄さんがでかけた後、部屋の中を動物園の熊のごとくうろつく俺。
次の瞬間、部屋をノックする音。
俺「はい。」
茜「起きてた?」
俺「(あるところも)起きてた。」
茜「ちょっとお話しようよ。」
俺「うん。」

茜さん部屋に移動し、ベッドに並んで腰掛けて言葉の出てこない二人。

茜「桜も出かけたみたい。」
俺「そうなんだ。じゃあ、今この家に二人っきり?」
茜「そう言う事みたいね。」
俺&茜「………」
俺「慶さんって飲みに行くと帰ってこないの?」
茜「大体次の日の昼だね。明日は家休みだし。」
俺「茜さんの明日の予定は?」
茜「う〜ん、午前中に買い物行って来たい。午後は未定。」
俺「じゃあ、午前中の買い物付き合うから、午後付き合ってくれない?」
茜「うん、いいよ。どこか行くの?」
俺「もうすぐ桜ちゃんの誕生日でしょ?普段良くしてもらってるからプレゼントなど買おうかなっと。」
茜「え〜桜に?○○さん、桜の事…」
俺「勘違いしないように。桜ちゃんは茜さんの妹だから!」
茜「それって…」
俺「将を射んと欲すれば…ってか俺、茜さんに告ったよね?」
茜「忘れちゃったw」
俺「酷いジャマイカw」

その夜は結局、23時前に桜ちゃん帰宅。
0時前にご両親が帰宅。
男女の関係に踏み込むタイミングを失ったorz
1時過ぎに俺は慶さんのベッドで、茜さんは自分の部屋で寝た。

次の日8時過ぎに桜ちゃんに起こされたが、昨夜俺はもんもんとして眠れず目が真っ赤だった。
洗面所で会った茜さんも目が赤い。
茜「おはよう。目が赤いよ?」
俺「茜さんも…眠れなかった?」
茜「べ、別に。コンタクトがずれただけだよ。」
俺「そうなんだ。」
茜「…部屋に来てくれるかなと思って待ってた…」
俺「いや、それは…皆さんいたし…」

今一踏み込めない環境にうずうずする俺。
俺「そうだ、午後時間余ったら…バイパスのお城見に行かない?(バイパスにはお城風のLHが点在w)」
茜「それって…」
俺「まだ早い?」
茜「う〜ん。早くは無いと思うけど…」
俺「…怖い?」
茜「少し…」

俺「いっそ遠くに旅でもできればいいのにな。」
茜「旅?」
俺「そう、北海道とか九州とか…」
茜「日本を出ないのが○○らしいねw」
俺「日本語さえ不自由な俺が海外とかありえないでしょw」
茜「確かにw」
俺「真面目に暮に二人で旅行しない?」
茜「?、お父さん許してくれるかな?」
俺「う〜ん、だよね…」
茜「そうだ、××(茜さんの友人)をだしに使ってみよう。彼女と旅行なら許してもらえるかも。」
俺「え〜?嘘はイクナイ(>_<)」
茜「嘘も方便って言うでしょ?」
俺「う〜ん…でも正直に言ってみようよ。」
茜「○○、言ってくれる?」
俺「わかった。」

歯磨きを終えてリビングで、
父「おはよう。昨夜は悪かったな、留守番させて。」
俺「いいえ。…あの…」
父「ん?なんだ?」
俺「あの…俺の冬休みに茜さんと旅行に行きたいなと思っているのですが…」
父「お?どこ行くんだ?俺たち(父上と母君)もこの冬は九州行こうかって話してたんだ。一緒に行くか?」
俺&茜「へ?」
母「いいわね。レンタカー借りてあちこち回りましょうよ。私は砂蒸し風呂入りたい〜」
父「よし、じゃあ慶、航空券の予約してくれ。お前らも行くか?」
兄「俺は予定がある。桜も何かイベントがあるって言ってたぞ。」
俺&茜「ぽかーん」

とんでもない方向に話は突き進む。
ご両親の旅行の付き添いに決定してた。
4人分の航空券の予約と2軒の宿の予約、レンタカーの手配までお兄さんの友人(旅行代理店勤務)にお願い完了。
12月28日から2泊3日の南九州の旅が決定w



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