− 30◆Jjwm73ISi2 さんの恋愛話 −

あれはもう6年前のことだった
うちの会社は男女比率が9.5:0.5という非常に女性の少ない会社だった
そんな会社に勤めている俺の丁度そのころ配属されていた部署に一人の女性(Yさんとする)が転勤してきた
「よろしくおねがいします」
彼女の転勤時の挨拶は男社員どものいい清涼剤になったことだろう

しかしYさんにはすでに彼氏がいた
同じ会社であったが、俺のいた部署とは正反対違う仕事をしているところの人間で
多少危険な仕事をしてた分手当ても多く車はランクル100、バイクにも乗っていた(車種覚えてないです)
俺も当時バイクには乗っていたがそれは上司から中古で購入したボルティーでした
彼氏が乗っていた限定解除系のバイクになぞかなう訳が…(ry
それに当時まがいナリにも彼女のいた俺にはYさんは恋愛対象ではなかった。

同じ部署といっても係の違う俺達はたまに挨拶する程度の仲だった…筈だった。

そしてそんな状態のまま月日は流れて行き…

オレはちょっとした考え方の違いから彼女と別れていた
別れた彼女と同じ性別の数少ない知り合いとしてYさんにそのことを相談などしていたこともあった
また、独身の当年代の友達が社内にいない彼女をちょくちょく社食にさそって食事などを一緒にしていた
こともあった(オレのほかの毒男は異性に声も掛けれないチキンが多かった)



そんなこともありオレはYさんのことを友達以上の何かに見るようになっていったのかもしれない。


そんなときに部署内のYさんがいた係り主催の北海道スキー旅行が開催されると聞き
当時出始めたばかりのスキーボードにはまっていたオレはYさんに誘われるがままにそのツアーに
参加することにした。
Yさん以外の参加者はオレ的にあまり話したことのない人が多かったこともあったが、
そのころにはYさんに友達以上の感情を見出していたオレは違う意味で緊張した旅になった

そんなスキー旅行でその事件は起きた

3泊4日で行ったスキー旅行のうち旅行1日目、2日目は無難に過ぎ去ったが…
事件が起きたのは3日目のことだった

同じリフトで上がり同じコースを滑ってきたはずのYさんがいつまで経っても集合場所に来なかった
一緒に滑っていた2人も心配になり
「先にもっと下まで降りたんじゃねぇ?」
「様子見に行ってこようか?」
などと言い始めたころ……一台のスノーモービルが俺達がさっきまで滑っていた斜面の駆け上って行った
なんだか胸騒ぎがした
「……一応あれが降りてきて様子を見てから下に探しに行こうか?」
オレ達3人がそう話していたときにそのスノーモービルは斜面を蛇行するように降りてきた
……一台のソリを牽いて

そのスノーモービルが座席に乗せていたスノーボードを見たときオレ達は愕然とした
そう、Yさんが使っていたボードだった。Yさんは女性ながらにアルペンボードに乗っていたので見間違う
筈がなかった。
急いでスノーモービルに駆け寄り牽いていたソリのシートをめくって見ると、そこにいたのはYさんだった。
レスキューの人の話しを聞くとターンの途中でコブに弾き飛ばされ立ち木に臀部を強打したらしい
尾骨、骨盤、大腿骨いずれかの骨折の疑いが強かったためYさんは救急車で病院に搬送されることになった
「誰か付き添いしますか?」
救急車の隊員に聞かれたとき丁度携帯を持って滑っていたこともあり(自信過剰のため転ばないと思っていた)
オレが付き添うことになった。
このとき冬の北海道の救急隊員の運転技術にビビッタ俺がいたのは余談(イニシャル●並みの運転だった)

検査の結果Yさんは尾?骨骨折、全治1カ月とのことだった
入院も勧められたが遠く離れた北海道ということもあり地元に帰ってから地元の病院に入院することにした
Yさんによく分からない感情を抱いていたオレは最終日のスキーをキャンセルし、宿でずっとに付き添うことに
した。
そしてその日の飛行機で痛みに耐えながら俺達とYさんは地元に帰り着くことができた。

地元に帰った後Yさんはすぐに地元の病院に入院した
丁度自宅と会社の中間にその病院があったためバイクで通勤していたオレは毎日のように会社帰りに
病院へお見舞いに行っていた
生まれてから今まで骨折などしたことのないオレは何がよいのか分からず、毎日のように飲むヨーグルトとか
いりことかカルシウムウエハースとか今思えば嫌がらせとしか思えないようなお見舞いいの品を
もって行っていた気がする。

ちなみに当時Yさんの彼氏は長期出張で一度もお見舞いには訪れていなかった。

「毎日ありがとう、ここって1日中寝てるだけで寂しいから毎日この時間が楽しみです」
「いゃ〜帰り道だから…早くよくなってまた滑りに行こうね♪」

などというオレ的にはちょっとドキドキなお見舞いを毎日していたのだが、Yさんにとっては毎日
きてくれるやさしい同僚だったらしい orz(後日談)

「そういえばYさんってバイク乗るんだよね、元気になったらどこかツーリング行かない?」
「私免許は持ってないんです、いつの他人の後ろに乗るだけで…ヘルメットは持ってますけど」
そうなんだ…、オレ250ccボルティーだよ、タンデムつらいよ(ry

お見舞いに行くたびにこんな話しをしていた
そしてYさんは退院した、骨折は治っていたが違う病気がYさんを蝕んでいたが…

尾骨骨折で地元の病院に再入院する際に撮ったレントゲンに違う病気が写っていたそうな

病名 「卵巣膿腫」

平常時はピンポン玉大の卵巣がゆで卵ぐらいまで肥大していたらしい
別に命に係わる病気でもないし日常生活に影響を及ぼす病気でもない、主な症状は生理不順と生理痛が普通より
激しくなるらしい
Yさんの場合は少し状況が違い、数年前に手術したが再発したということだった。

このころには彼女は骨折の痛みも大分よくなり、病院を退院し仕事をしながら週に一度通院するといったところまで
回復していた。
当時携帯電話のメール機能などはなかった時代なのでオレとYさんはパソコン上でのEメールで1日に1回ほど連絡を
取り合うだけになっていた。

そんなメールの中で彼女は書いてきた
「今付き合っている彼氏と一緒に住むことになりました」

Yさんに好意を抱いていたオレは愕然とした。

Yさんと彼氏の同棲はオレ達と一緒にスキー行った時にはもう決まっていた話しらしい
オレは今抱いているこの複雑な感情とももう決別しなければならないなと自分で踏ん切りをつけようとしていた

その矢先
「彼氏の両親に私達のことを反対された、私の病気が原因のよう、私どうしよう…」
なるメールが彼女から送られてきた。

今付き合っている彼氏はどうやら昔の名家の一人息子らしい、(今は一般市民、プライドのみ相続されてきてるらしい)
今Yさんが抱えている病気のことで跡継ぎがもしかしたら生まれなくなり、家が断絶するのが怖いらしい。
まぁ一人息子がうちのような3流企業?に就職し、30数年彼女なしということ時点で名家ではなく迷家のような気もしたが…

とりあえず2十数年間彼女のいなかったオレにそんな疑問に答えられるボキャビィリティもなく
「こんなオレでもよかったら相談に乗るよ、君に好意のある男の一人として…」
と答えた。
すると
「じゃあ今度バイクでどっか連れて行ってください」
と、返信が来た。
オレに断る理由などなかった。

それから数日後Yさんは当初の予定通り彼氏と一緒に住むための賃貸マンションに引越しをした
大分よくなったとはいえまだ骨折が完治していないYさんの身には大変な引越しであったらしい
そんな中でもYさんの身をたいして気遣うでもなく、自分の荷物のみさっさと運び休憩する彼氏にさらに心が離れて行ったそうだ
いまだ続いているメールの中でYさんはオレにそんな愚痴ばかりこぼすようになってきた。

そうこうしている内にYさんの卵巣脳腫摘出手術の日が近づいてきた
「手術が終わってYさんが元気になったらバイクでどこか行こうか?」
なんとなくオレはこんなメールを送った。すると彼女から
「手術や入院する前のいい思い出にしたいから手術前に行きたいです」
と返信が来た。

しかし彼女の入院まで後数日、土日はもう無理なので平日に決行するしかない。つまり夜間タンデムツーリング…それこそやったこと
がない、不安になるオレにひとつの案が浮かんだ。
当時オレは家賃を浮かすため同僚と同居生活を送っていた。この同僚を使わない手がない!

「ようK(同僚)、今晩暇か?」
「何だよS(オレ)気持ち悪い、どうした」
「いや、ちょっとK崎まで夜風にあたりにいこうと思うんだが…どうだ?」
「「To ○eart」やってるから無理」
「まぁそういわずに…ビール一本つける」(当然オレは飲まないが)
「……のった、ちょっと待て今セーブする」

という訳で同僚のKを人柱に夜間タンデムの練習を行い、ついにYさんとミニツーリングに行く日が来た。
手術まであと2日であった。

当日オレはYさんを社食に誘うついでにツーリングの段取りをつけようと話しかけた。
「Yさん今日は何時ごろ迎えに行こうか?なるべく定時で上がって早めのほうがいいよね」
「そうですね、では6時半ごろ東○駅近くのコンビニ「F」で待ってます」
「そういえば彼氏とかは大丈夫なの?」
「先週からまた2ヶ月ぐらい出張なんですよ」
「ふーん」
このときオレの中に邪な考えが浮かんだのは否定できなかった

そしてYさんとの待ち合わせの時間がやってきた
当時バイク通勤していたオレはそのまま職場から彼女との待ち合わせ場所に向う
待ち合わせ場所に到着しあたりを見渡すと、そこには赤いフルフェを抱えたYさんがいた
「持ってるメットってフルフェだったんだね」
「彼氏からのクリスマスプレゼントに貰ったんです、なんかおかしいですよね、プレゼントにヘルメットって」
「ふーん、なんだかね。 じゃあ後ろ乗って、タンデムシート小さいけど大丈夫?」
若干赤いフルフェに嫉妬しつつオレはYさんに後部座席に乗ってもらった

「大丈夫みたいです、手はどうしましょう?」
「シートにあるタンデムベルト持ってもらうか、恥ずかしくなければオレの肩か腰に掴まってよ」
「じゃあSさんに掴まることにします」
おぉ〜理想のタンデムではないか、願ったりかなったりじゃわい
「OK、じゃあ行こうか? 行き先は予定通りJ崎でいい?」
「お任せします」
……ギュ……
Yさんはオレの腰に手を廻して掴まってきた、先日Kとタンデムしたときに試してみたが…こうも感触が違うとは…

うはうはしながらオレはある意味勝負のかかったミニツーリングに出かけようとウインカーを出しアクセルをひねった
イモォォォォォォ〜ンσ('A`)σ
……Nだった。orz

とりあえず前途多難なYさんとのツーリングが始まった。



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