− るる◆sFLGhvR3jk さんの恋愛話 −

バイクに乗りたい気持ちがあったわけではなく,
ほんの気まぐれから普自二輪の免許を取得しました。
忙しい合間を縫っての教習には,適正もないから苦労し通しで,
せっかく取得してからも,半年は全くバイクに触れず,
このままペーパー決定かな...というところで隣県に住む友人が免許を取得し,
練習用の1台を共同購入しました。

バイクは友人宅に置いてあり, 遊びに行ったときに
車1台&バイク1台で友人と交替しながら走ります。
下手くそ&ビビリな私は, 友人に心配されながらも少しずつ走るようになりました。
4回ぐらい乗ったかな?というところで,
練習のために乗ったら〜と, 友人が私の家まで乗ってきてくれました。
初夏で良い季節だったとは思うのですが,
仕事が相変わらず忙しく, 殆ど乗る機会もないままに数週間後,
友人の都合により,私が友人宅までバイクに乗って届けることになりました。
普通に下道を走って3時間ぐらいの距離です。
途中で大きな地方都市を通過しなければならないのですが,
それが怖くて市街地を迂回するルート...山をまわって1日かけて行くことに決めました。

“車と一緒に走るのが怖いので,片側1車線ずつのルートなら大丈夫かも...?車も少ないし”
という考えで選んだルートでしたが,
早く行きたい車には恐怖の追い越しをかけられるわけで(おばちゃんカブ状態)
ひたすら道の左端を, とにかく一生懸命に走ってました。
考えてみるとワインディングも楽しめる,渓流沿いの気持ち良い国道...バイクも沢山走る道。
音に気付いてミラーを見ると,1台の大きなバイクが近づいていたので,左に避けました。
スルリと前に出てゆくバイクの人は追い越しざま左手を上げていて,
その先は直線だったのですがあっという間に見えなくなってしまいました。

しばらく谷に沿って走り, 山間の小さな町を抜け, ある清流沿いの道に入ったところで
前方から1台のバイクが近づいてきました。
先ほど追い越していった人でした。すれ違いざまに小さく手を上げてくれて,
私は手を上げる余裕がなくて(笑), 頭をペコリと下げました。
300mぐらい先に道の駅があり, そこで私は最初の休憩を取りました。
先ほどの人もおそらくここで休んで,道を引き返したのものと思われます。
...ということは, もう会う機会はないんだなぁ〜とぼんやり思っていると,
女でバイクに乗ってるのが珍しいと,車のおじさんに話し掛けられながら水分補給。
次の道の駅をめざしてまたヨロヨロと走り出しました。

道の駅から先は, 国道なのにセンターラインのないクネクネ道です。
道の先には滝が連なる美しい渓谷があり, 結構車の量もあります。
片側は崖だし, 顔は引きつりっぱなしでしたが,本当にやっとの思いで
県境の峠を越え, 高原の中を気持ちよく走れる道に出ました。
緩やかな道をのびやかに,
バイクって楽しい乗り物かもしれないなぁ〜とニコニコしていたら,
後ろから1台。
...なんとすれ違ったはずのあのバイクでした。

追い越しざま, その人のヘルメットがこちらを向いて, 私も相手を見ていて
でもスモークシールド(?)だったため, その人の顔は見えない。
チョコっと手を上げて行ってしまうその人に一瞬, 驚いたのですが,
何故か“置いていかないで〜!”という気持ちが湧き,
必死で走りました。...が, もちろん追いつけません。
ところが, 道の途中で何箇所か工事の為に片側交互通行になっていて,
先を行くその人は信号に何度も引っかかっていて, 私が少し追いついて...
という繰り返しがあり,
あまり引き離されずにその先の大きな国道に出ました。

国道に入ったところに道の駅があり,
そこで昼の休憩を取る予定にしていた私は,
少し先を行くバイクの人もそこに入るのでは...?と思ったのですが,
そのとおりに彼は左ウィンカーを上げて駐車場へ。
遅れて私も左折したのですが,
気持ちよいドライブ日和&お昼時とあって,
狭い駐車場は車がいっぱいで駐輪場は見当たりません。
不慣れな私は, こういう車と人がいっぱいの場所でどうしてよいものかヨロヨロ。
1台だけあいていた車の駐車スペースにバイクを止め, 下りようとしている先ほどの彼の横に
もう何も考える余裕もなく, 滑り込みました。
“はぁ...?”という感じで立つ彼に,
“すみません。ここ止めさせていただいてよいですか?”と必死のお願いをする私。
シールドが上がって覗くのは, 明らかに困惑&迷惑そうな彼の渋い目つき。
今考えると, 本当に失礼なことしてしまったと思うのですが,
当時は(今もか...)1つひとつの動きに余裕がなくて必死だったのです。
しかも, 止まったもののニュートラルに入んない。グローブとメットを取る彼に,
“すみません, ニュートラルに入らないんですけど教えてもらえますか(涙)?”
暑さと焦りと恥ずかしさで真っ赤に汗びっしょりになってました。

一旦クラッチをわずかにつないではニュートラルに入れるよう何度も試みたのですが,
いつもならそれで入るのに入らない...。
もう仕方なく〜って言う感じで彼にお願いしました。
彼に促されてもう一度つないでから入れなおしたのですが, やっぱり入らない。
結局教えてもらいながら, エンジンを止めて再度やり直してやっとのことでニュートラル。
バイクから降りることができました。

“すみません。おかげさまで助かりました。ありがとうございました。”と私。
“いや......別に何もしてないし。慣れてないみたいだけどお気をつけて。”と彼。
さぞやいらついていらっしゃるのでは...?とビクビクしながら表情を伺うと
とても鋭い目をした,引き締まった顔つきの方でした。無表情。
このままお話することもなくて, 別々に休んで出発して〜となるのかなと思うと寂しくなって,
“あの...今日, 何度か会ってますよね。”と思わず口に出してました。
メットをバイクにかけていた彼は
“あぁ...須○のあたり(←最初に抜かれたとこ)を走ってたね。でも●●の人?
県外ナンバー(●●)が, もの凄くゆっくり走ってるから変だなと思ってた。”

“あ...いえ ●●ナンバーなのは 友だちとの共用バイクで, 今日はそこに届けに行く予定で...”
と話を続ける中で, ゆっくりと必死に走ってきた状況をご理解いただいたようです。
なんとも心許ない無謀な一人ツーを憐れんでくれてか,
結局,私のこの先のルートを地図で確認していただいたりして,
お昼ごはんを, この道の駅でご一緒することになりました。

食事をするのに向き合う...なかなか素敵な人でした。
同じ県内に住む人で, 通勤時にすれ違っていること
バイクを複数所有していること 
今日はバイクの調子を見るために一人で走っていたことなどがわかりました。

私はあまり自分のプライベートは話しませんでした。
バイク初心者でおそるべき下手...話さなくてもわかるよね...という感じ。

バイクについてちっとも詳しくない私でしたが, 興味も持ち始めていた頃だったので
色々と教えてもらいました。
彼のは昔, 映画に出てきたバイク...カワサキ乗りかと思っていたら実は(自称)変態さんでした。
私の職場から彼の自宅は近いので, “今度, バイク見せてください”となり
アドを交換して出発することにしました。

彼はこのまま北上して, 海側に抜ける予定にしていたのですが
コースを変更して途中の町まで先導してくれることになりました。

はじめてバイクの後ろについて走りました。
合わせてもらえるので, 30分くらいの距離がとても快適で楽しくて仕方なかった。
無事迷わずに大きな道に出たところで彼がUターンして, お別れしました。
その後もドキドキな思いをしながら, なんとか友人宅まで辿り着き,
安心と疲れから眠ってしまいました。
夜,彼からメールが届き,お礼&名前を教えあって
“機会があれば...次回はタンデムでも”というお誘い。
素敵な人だなぁ〜と思っていたので, とても嬉しかった。



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