− SRV さんの恋愛話 −
| 聞いてください、バイクと関係ねぇですが、お願いします。 わたくしいつも謙遜してますが、自分では結構女にモテると思っていました。 謙虚なそぶりをしつつも、内心では、女性関係についてかなり散漫だったのだと思います。 女なんてとっかえひっかえ。とゆーか、天気が良いと彼女よりもバイクを優先するので どの女ともあまり長く続きませんでした。例外的に3年続いたのがいたけど、あとはすべて 何週間というレベル。 そんなわたくしもいつのまにやら三十路を過ぎ、出会いのない職場に移り、 がっつきもしないでいたら、彼女いない歴5年。そう、いま35歳です。 今年の頭、父の弟の奥さんから、「私のお姉さんのダンナさんの弟さんの 娘さんが結婚するのよ。その友達で、結婚したいけどイイ相手がいない って言っている娘(こ)が沢山いるんだって」 「へぇ」と、おれは生返事。 「SRVは結婚まだなの?」 「まだみたいですね」と、他人事みたいな返事。 「彼女は?」 「いないみたいですよ」はっきり言って、この手の会話は飽きた。 「だったら、その娘の結婚式に呼んでもらってあげるから、出席しなさいよ」 「はぁ?」 「あのね、SRVは、お父さんがお金持ちだし、次男だし、理想的なのよね。 その娘のお友達たちは、そういう人を探しているんだって」 「えぇ、何ですかそれ。おれ自身は金持ちじゃないし、遺産なんか当てにしたくないし、 だいたい、その結婚するって人とおれに何の関係が。というか、おれに どんな理屈でその結婚式に出席しろっていうんですか? とおい親戚とか? じょーだん」 「何いってるの、本気よ。だって、結婚する相手がいないんでしょ」 「まぁ、そうですけど」 「彼女いないんでしょ」 「ええ」 「じゃぁ、出席しなさいよ。実は、もう呼ぶようにお願いしてあるんだから」 「そんな勝手な。そもそも何の権利でそんな・・・」 「SRVがはやく結婚しないと、わたしはあなたのお母さんに申し訳ないのよ」 「そんな。母のことを持ち出しても、そんなの関係ないでしょ」 「あるわよ。あなたのお母さんは、あなたのことを本当に愛してたのよ」 「んなこといってもやっぱりそれは関係ない。それにおれは、女に 不自由なんか・・・。していなかった。以前は。今はいないけど、 今だって特に求めていないから不自由じゃぁない」 「文句言わないで出席しなさいよ。命令よ」 で、激しいやりとりのすえ、結局その結婚式に出席することになった。 それが、おれに出席を命じたおばさんも出席しないんだよ。 そこにおれの知り合いは1人もいない。おれも誰のことをも知らない。 知らない人たちの結婚式。おれはそのに何のために存在するのか。 「新婦の家族にはハナシを通してあるから。あなたは早くいって 受付を手伝いなさい」と、おばさんは言う。 どんなふうにハナシが通っているのだろうか。 おばさんによるおれへの厚意に基づく手配なんだろうけど、おれは そこまで落ちぶれてねえよという自尊心もあるし、そもそも見知らぬ 人たちの結婚式に、女をあてがってもらいに行くだなんて、そんな 提案を平気でお受けできるほど厚かましくなんかない。 そもそもおれは、結婚式などという儀式が嫌いだ。ああ、大嫌いだ。 どうしても断れない義理から何度か出席したけど、苦痛で苦痛で仕方がなかった。 それが今回はまったく見知らぬ人たちの結婚式。 たぶんその男を捜してるとかいう新婦のお友達らに、「新婦側の受付の人は 独身で彼女がいなくて、でも血統はそこそこよ。本人は間抜けだけど、 やがて手にする遺産はかなりのものらしいよ。それで次男なのよ。 妥協して付き合ってあげてもいいと思ったら、その人の連絡先を教えるから、 受付のとき、その人をちゃんと観察してね」とかいうおふれが回ってるのだろう。 そう思うと、頭が重くなった。胃がキリキリ痛んでもおかしくないのに、 健康な我が身が恨めしかった。やっぱりそんなのにおれが出席するのは 変で理屈が通らないから、出席を撤回したいとおばさんに何度か申し出たけれど、 そんなこと言ってわたしの顔をつぶさないでよと即座に却下された。 胃潰瘍になるとか事故に遭うとか北朝鮮に拉致されるとか、この身に危険が及んでも よいので、何かしら逃げる方向での解決がほしかった。 しかし何処にも逃げ道がないまま結婚式の日が近づく。 いい歳して独身で、しかも彼女がいないと、まるで犯罪者扱いだと思った。 おれはホントに、今の生活に満足してるんだ。休みの日はバイクに乗って、 それで毎日楽しく生きているんだ。おれのことなんかほおっておいてくれ。 そんなふうに考えては、気が狂いそうなほどの重圧と闘い、狂ってしまわない 自分の健康な脳みそを恨めしく思った。 知ってるだろ 人生は長い だからキミは強くならなきゃいけない でも世間は厳しく たまにボクは もう十分だと思ってしまう バイクに乗っていても、そんな詩を口ずさんでしまう。 見知らぬ人の結婚式。そんなワケの解らぬハナシが出ていらい、 おれの精神は何をやっているときでも自由でなんかいられなかった。 結婚式の日取りがどんどん近づく。日に日に憂鬱の度が増していく。 おれは世界一不幸なんじゃないかと本気で思った。 食欲も目減りしていき、昼休みに喫茶店でコーヒー啜りながらタバコを吸っていると、 同じ職場のY美が入ってきて、ここいい?と向かいに座った。 「何かあったんですか。最近元気ないじゃないですか」 「ん、そう? いつもこんなもんだよ。働いてるときのおれは単なる奴隷だし」 「また意味不明なこという。何か変ですよ」 「はは、そんなことないよ。あ、でも有難う。心配してくれたのね」 それから結婚式までの3週間、おれとY美はいつもその喫茶店で向かい合って座った。 彼女は、脂肪をつけたくないので昼はコーヒーだけでいいんだと言っていた。 職場のコーヒーより、喫茶店の方が美味しいとも。 おれは、そんな彼女を初めはウザイと思った。独りでぼけぇっと、出口のない 悩みに浸って苦しんでいたかった。彼女とどーでもいい世間話をしていても 脳の一定部分はその屈辱的で居場所のない多くの人からその存在をいぶかしがられる であろう結婚式への出席というのに占拠されていたので、会話を楽しむどころじゃない。 しかしいつの間にか、おれは喫茶店でY美を待つようになっていた。 (いつもオレが先で、数分遅れて彼女がやってくる) 彼女と話していると気が紛れる、なんていう都合のいいハナシはなくて やっぱり結婚式のことを思うと滅入ったし、それを完全に頭からふりはらう ことはできなかったけど、それでも昼はY美と一緒にいるのが自然だと 感じるようになっていた。だから、たまに食欲があったときも、コーヒーで我慢した。 で、2日に1回は「本当にどうしちゃったんですか」と聞かれた。 「ん、なんでもないって」 「SRVさんって、秘密主義なんですね」 「いや、秘密なんてそんな大袈裟なもんじゃない。それにその言い方、 なんかおれが悪者というか腹黒いというか、とにかく悪いイメージだ」 「でも、何で元気ないのかは秘密なんですよね」 「そんなんじゃないって。この職場に来て2年になるんだっけ。もう 分かってんでしょ。おれは別に秘密主義とかそんなんじゃなくて、 間抜けな体験とかはいくらでもしゃべるし」 「じゃぁ、SRVさんの性格的には、話すのが気恥ずかしいような 自慢的なハナシなんですか」 「いや、自慢っぽくはないな。うーん、恥ずかしいっていうんじゃなくて滅入るハナシかな」 そんな感じに問い詰められて、Y美にすべて話してしまったのは先週の火曜日。 それを期におれたちは少し仲良くなったようで、仕事のことでおれが熱心に 考え事をしているようなとき、職場で彼女はこっそり「がんばれ!」って感じの めぐばせとか身振りとかをするようになった。 結婚式のことを考えると仕事なんか手に着かない、彼女にはそんなふうに見えたのかもしれない。 おれは、こちらからはY実に近づかないようにしていた。 なぜって、彼女がおれの好みのタイプだったし、しかも夫がいたので、 自意識過剰と言われたらそれまでの醜い防衛だけど、変な風な間柄になる 可能性が皆無とは断言できないことを必要以上に警戒して自戒していたからだ。 過去にそういう過ちの経験がないでもなかったってことで。 Y美は、よき相談相手になってくれ、いろいろな情報を教えてくれた。 おれがその結婚式に出席するというのは、常識的に考えて著しく場違いであるとか、 おれは身内の卓に着くことになるんだろうけど、そこに相手の身内がビールを 持って挨拶に来たときどうするのかとか、普通身内の人は受付をやらないものだとか、 そーいった一般常識を教えてくれた。 それらすべてはおれの気分をより重くする事実だったようだけど、何も知らないまま 拷問部屋へ連れて行かれるよりは、ある程度の心構えができていた方がいいに 違いないし、こーした話題で、彼女の発言のひとつひとつに大袈裟に嘆き悲しんで 彼女と一緒に笑っていると、そのときだけは暗い想像の檻から解放された。 で、その結婚式があったのは先週の土曜日だった。 「いままで有難う。ちょっとは気が楽になったと思う」とY美に言った。「でも、 来週会って、おれがげんなりしていたら、式がどんなだったかは聞かないで」 「うん、いいですよ。なるようにしかならないから、気楽にね」 披露宴は15時からだけど、式は14時。おれは受付なので13時に 新婦の控え室にいくよう、おばさんに言われていた。 その日は早起きして黒服に着替え、10時には式場そばの喫茶店にいた。 勇気がくじけるのをふせぐため、心の落ち着け場のない結婚式というのが 自分のなかで確固たる現実味を持つ前に式場のそばまで行ってしまい、 もう後戻りはできない、そこで刑の執行を待つだけという状況に自分を 追い込んでから、コーヒーを啜りつつゆっくりと覚悟を決めるつもりだったからだ。 時間はなかなか過ぎなかったが、いつになっても覚悟が決まらないので、 ふと気付いたときはもう喫茶店をあとにすべき時刻になっていた。 遺書も書いていないのに電気椅子へと引っ立てられる、そんな心境だった。 ホテルにはいると、ロビーに何人か礼服を着ているのがいたけど、 誰とも目を合わせず、逃げるようにエレベーターホールへ行き、 上階ヘあがる。新婦控え室は、その旨を記した行燈が出ていたのですぐ分かった。 中を覗くと、ドレスを着た新婦とそのお母さんらしき人がいる。 そのふたりと目があった。もちろん、そのどちらもおれとは初対面の赤の他人。 「あの、SRVです。本日はおめでとうございます」 「あら、SRVさんね」と母親らしきひと。「ぜんぶ聞いてるわ。じゃぁ、 受付をお願いしますね。ちょっとそこで待っていてくださる?」 そういわれても狭い部屋で身の置き場がない。とりあえず新婦に軽く目礼し、 向こうも同じように目礼を返し、それでもうやることがなくなったので 新婦の母親らしき人に、ちょっと一服してきますと言おうかと思ったら 親類らしき婦人が入ってきたので、おばさんに声を掛ける機会を逸してしまった。 「ぜんぶ聞いてるわ」というおばさんの言葉。 これはもうゴング直後にガッツ石松が放ったかのようなKOパンチで、 おれの脈拍は鈴鹿でコースアウトしたアイルトンセナの脈拍計さながら ピコーンピコーンピコーンとレッドゾーンへ突入した。 なにをどう聞いているんですか、とおばさんを問い詰め、その答えを 聞いてから憮然とした態度でその場を立ち去り、ボロアパートへ帰って しまおうかと瞬間的に妄想し、その後立ちつくしている間、何度も ぜんぶ聞いてるわという発言を反芻せずにはいられなかった。何度も目眩がした。 親類らしきおばさんは新婦の母親らしき人に「今日は本当におめでたい」とかなんとか 挨拶してから新婦にも祝福の言葉をかけ、それから母親らしき人と新婚旅行先についての ハナシとか親戚らしき人についての誰がどーしただこーしただという話しを まったく間をあけずに騒がしく喋りあい続けた。 何も始まる前からおれは将に場違いで、手元に刃物があったら衝動的に自分の 頸動脈を切っていたんじゃないかと思う。目線を泳がせるとこれまた手持ちぶさたな 本日の主人公であるべき新婦と目があい、とりあえず目礼しなきゃならない。 彼女から見たおれは、自分の結婚式にかこつけて女友達を紹介してもらいにきた あわれで、且つ礼儀知らずな赤の他人というところなんだろう。 しばらくして、やぼったい大学生風の角刈りが入ってきた。 彼は新婦とおばさまたちに挨拶し、新婦の母親とアイコンタクトののち こっちに向いた。「一緒に受け付けやらせてもらう浩です、宜しくお願いします」 このスムースな対応。たぶんこの浩くんも、おれについて事前に 何かしらを聞いているのだろう。 受付にいって座席表を見て知ったんだけど、この浩くんは、新婦の本当のいとこ。 なんと、おれも新婦のいとこということで、披露宴下座の新婦親類卓に座を占めていた。 で、受付。 そう。浩くんのすぐあとに新婦の父親が入ってきて、 「お、浩、ここにいたか。あ、そっちはSR家のお兄ちゃんね。よし、受付いくよ」 と窒息しそうな気詰まりの部屋から救い出してくれた。 3人で1階に降りると、新郎側の受付がスタンバっていた。 ホテルのおじさんから簡単な説明を聞き終えると、「じゃ、よろしく」と新婦の父親は エレベーターホールへと消え、入れ替わりにおれと同い年くらいの男がやってきて 頭を下げながら右手を差し出した。 「新郎の兄の**です、本日は有難うございます。宜しくお願いいたします」 「あ、はい。どうも」と答えるのが精一杯で、おれは握手の手を出せなかった。 名を名乗ることもできなかった。新婦と自分の関係を言葉にできなかったからだ。 おれの尊大な態度に相手は唖然としたようだった。 「ぼく、いとこの浩です。本日は宜しくお願いします」と浩くんがにこやかに挨拶したが、 こんどは新婦の兄が「ええ、宜しく」とぶっきらぼうに受け流した。 おれが悪いんだろうけど、ホテルの1階においても、ともかく最悪なスタートだ。 しかし、やることがあるってのはイイ。だんだんと人が来始めると、 受付に精を出すことでなんとか自分の存在理由を見いだすこともできそうだった。 式の10分ほど前になると、若い女性の一団が入ってきた。8人。 お友達は披露宴からだと思ってたんだけど、どうやら式から参加するようだ。 こっちに近づいてくる。間違いない。新婦の女友達ご一行だ。 ひとりがおれにご祝儀を渡して記帳している間、残りの7人は5メートルくらい 離れたところで輪になって何ごとかをかしましく話し合っている。 何人かがちらちらとこっちを見る。記帳を終えた女の子がその輪に戻ると、 彼女たちの話し声はさらに大きくなり、身振り手振りも大きくなった。 値踏みされている。そうに違いない。 もうこの場を逃げ出したかった。 で、式があって、も一度受け付けに性を出して披露宴。 酒なんかさっぱり飲めないし、しかもバイクで来ていたんだけど、 この日は合計でコップ5杯分くらいのビールを飲まされた。 普段だったら「済みません、ぜんぜん飲めないんですよ」って断る とこなんだけど、この日はどうも後ろめたさが邪魔をして断り切れなかった。 新郎の親類から勧められた酒を、新婦親類席にいるおれが断るわけにいかんじゃない。 おれは新婦の赤の他人なんだから、そんなおれが両家の間に水を差すかもしれない ようなことをするわけにはいかんのです。 出てくる料理を食おう。ゆっくり時間をかけて、とにかく料理を全部食おう。 そうしているうちに式も終わるさ。当初はそんなふうに思っていた。 だけど、最初にビールを一口飲まされた時点で、食欲は消え失せた。 代わりに後頭部がじんじんする。 せめてタバコを吸いたかったけど、同じテーブルで喫煙してる人がいないので、 それも我慢せざるを得なかった。場違いなおれはじっと座っているしかなかった。 おれの隣の席をあてがわれていた浩くんは、何をやっているんだか、ほとんど席にいなかった。 その隣の新婦母親と、さらに隣の新婦父親もほとんど席にいない。この2人は、 ビール瓶を持って新郎側の親類達に酒をついで回っていた。 で、この空いた席に新婦の女友達がやってくる。かわるがわるに。 おれはというと酔っぱらってクビをがっくり折り、頭の重さを発見していた。 「すごい真っ赤ですね。かなり飲んだんですか」とか 「大丈夫ですか」とか、友達らは何かしら話しかけてきた。 おれはたぶんそのすべてに「ああ」とか「うん」とか、病人のような生返事。 はやくこの苦痛な時間が過ぎ去ること、それだけを願っていた。 で、式の終わり際、どこからか戻ってきた浩君が紙を折った奴を2枚おれにわたした。 「これ、電話番号らしいです」と。 無言で頷いてそれを受け取ると、妙に気恥ずかしくなって、足下の引き出物で 満載の紙袋に放り込んだ。 式が終わったとき、酔いは少し良くなったようだったけど、まだコメカミの 血管が脈動する音がよく聞こえていた。 それでも、解放された喜びの方が大きく、みんなが余韻に浸っているウチに さっさと式場を出て、新郎新婦とその両親たちにカタチばかりの挨拶をして エレベーターにかけ込み、誰も入ってくる前に「閉」ボタンを押した。 ホテルを出て、そのブロックの角に大きな灰皿兼ゴミ箱があったので、 引き出物の詰まった紙袋をそこに入れ、急いでバイクに戻ってエンジンを 掛けた。引き出物を捨てるってのは無礼な厚意に違いないけど、この屈辱的な 一日の記憶をぱっと捨て去りたかったし、浩君から渡された紙に、2度と 手を触れたくないと思ったんだ。なぜだかわからないけども。 帰り道、こけた。単独スリップダウン。酔いのせいだろう。どんな操作のせいで こけたのか分からなかった。ミラーとハンドルが曲がり、クラッチレバーが折れた。 しかし、コケたことに興奮したのか、体に力がもどった。バイクを起こし、 ギアをがんがん踏んで一速にいれ、セルを回して無理矢理エンジンを掛けて 走り出し、アクセルを戻すタイミングに合わせてギアを操作した。 信号で止まるわけに行かないのでスピードを調整しつつ、赤信号を避けられない ときは左折(信号無視)した。そうやって、かなりな苦労の末にボロアパートが 近づいてきて、「ああ、やっともうすぐ眠れるな」と気が緩んできた頃、 何度目かの信号無視の現場を白バイに止められた。 うまく止まれず、またもコケた。 「おっ、おい、どーした」と、白バイのポリスは慌てた。 それがおかしかったけど、笑い出すのも面倒で、おれはそのまま アスファルトに転がっていた。 ポリスが白バイを降りてこっちにくる。 「なんだ、どーしたんだ、おい。ラリってるのか」 おきあがるくらいの元気はあったと思う。 だけど面倒だったんだ。 SRVからはまだエンジン音が聞こえる。 でも、ポリスがエンジンを切ってくれるだろう。だから一安心だ。 ごめん、確かに恋愛話じゃないですね。 それと何が言いたかったのか自分でも不明瞭。 結婚式等々のつらさを、書くことで紛らせたかったってのは自覚してるけど。 |