− 峠の転び屋◆yfmoIzQWdA さんの恋愛話 −
| 彼女との出会いは今より少し紅葉が進んだ頃だった。 ポカポカとやわらかい日射しの割に突き刺さる様な風が いかにも秋らしい日だった。 職場環境にもなかなか馴染めず、時々学生時代の様に、 自由気ままに走りに行くのが唯一の楽しみだった。 その日も仕事のストレスを発散すべく愛車NSRに跨り出発! カストロール臭を撒き散らしながら軽快に山道を登って行った。 途中S字に差し掛かった辺りでパワーバンドに入れながら華麗にバンク。 切り返してアクセル全か…ふと気付くと顔面に路面が。 ズザザザーとかバキバキという音しか聞こえなかった。 落ち着くと遥か向こうに転がったNSRタンorz 幸い骨折等はしていなかった様だったので、散らばるミラーや破片を拾ってバイクの元へ。 溜め息を吐きながらバイクを路肩へ寄せバイク屋に電話を入れる。 うはw今日水曜日www休みかよorz ツイテね〜と途方に暮れてタバコを吸って誰かが通るのを1時間程待った。 誰も通らneeeeeee踝から出血してる事にスニーカーの色で気づいた。 そこに1台の軽が通過必死で助けを求め両手を降った。 乗っていたのは俺より少し若い位の女性だった。 理由を話し、人気のある所まで乗せて欲しいと頼む。 彼女は快く了解してくれた。天使に見えた。 車内で少し話をしていた。痛くない?大丈夫?と彼女の優しさに涙が出た。 彼女が人気のある所に行く前に治療してくれると言うので甘える事にした。 山道から少し抜けた所に彼女の住むマンションがあった。 時間が経って助けられた安心からか踝がジンジンと痛んでいた。 靴を脱ぐと真っ赤になった靴下を見て彼女は救急箱を持って来た。 テキパキと傷口を消毒してカーゼを当ててくれた。 俺「手慣れてますね?」 彼女「私、これでも看護婦なんですよ、 だからこれ位は簡単ですよ」と言って微笑んだ。白衣の天使ですね。 俺「乗せてもらって治療までしてくれて、本当にありがとうございました あの、もしよかったらお礼したいんで連絡先とか教えてもらえますか?」 彼女「え〜、そんなお礼なんて…当たり前の事しただけですから。」 看護師の鏡ですね、しかし、そこは無理を言って 「いや、俺の気が済まないんです。」と頭を下げると 携帯番号と勤め先の病院を教えて貰った。 彼女「頭打ってたらいけないし、検査ついでにでも寄って下さい」 と控え目な彼女に頭が下がりっぱなしだった。 彼女の車に乗せてもらい目立つバス停まで送って貰った。 何度も何度も彼女に頭を下げた。 彼女は笑顔で「気をつけて」と去って行った。 ひとまず落ち着いた所で片っ端から友人に電話を入れた。 運よくGS勤務の友人が捕まったので、軽トラで迎えに来て貰った。 置き去りになっていたNSRを荷台へ積み一先ずGSに預けさせてもらう事にした。 翌日は朝から出勤したが身体中あちこち痛んで仕事にならない。 何とか一日を乗り越えて、病院に検査に行く事にした。 彼女の働いている病院は割りと大きな病院だった。(名前を知っている位だが) 受付で検査の予約を済ませ待合室でキョロキョロと辺りを見渡した。 小1時間待たされCT室に通され、診察…あっという間に終了。 幸い頭には異常はなく、ムチウチや打撲と踝の怪我程度ですんだようだ。 帰り際に廊下で白衣を着た彼女を見た。とはいえ仕事中だったので 軽く会釈を交して病院を後にした。 自宅に戻って彼女にメールを打ってみた。 「仕事お疲れさまでした。 診察の結果たいした事ないみたいです。 その節は本当にお世話になりました。 白衣似合ってましたね(笑)」みたいな感じだったと思う。 それから晩飯を食って風呂に入って、とりあえず湿布をペタペタ。 修理費の事を考えてセルフ欝になっていると一件のメール。 彼女からだった。 「たいした事なくて本当によかったです。 頭は後から障害が出る事もあるので、気になったらすぐ受診してね。 白衣は…制服ですから、似合ってると言われると嬉しいですね。 お大事にして下さい。」 みたいな事が書いてあった。素直にイイ人だなぁと尊敬すら覚えた。 とそこで俺はお礼をすると言っていた事を思い出した。 俺メール「あの、先日のお礼をと思いまして もしよかったら食事でもご馳走させて頂けませんか? 」 彼女からの返信は 「本当にお礼なんていいですよ。 送っただけでご馳走になるなんて悪いですし。 」 俺orzメール 「そうですか、変に気を使わせてしまってすみません。」 彼女返信 「あ〜でも折角誘って下さってるんだし、お食事ご一緒する位なら 全然構いませんよ。ただしオゴリは無しです(笑)」 俺キターメール 「マジですか?!ありがとうございます。 じゃあ店とかは俺が探しますから! 出来れば都合のいい日を…」 といった感じで彼女とメールをやり取りした。 彼女に都合を聞くついでにくだらない事でメールを打つ機会が増えた。 彼女は以外きも俺より年上の23才、見た目の印象は子供っぽい感じだが、 俺よりも社会人歴も長く、色々と苦労もしてきた立派なお姉さんだった。 今更ながらここで彼女の名前を瞳さんと仮定しておく。 何度か連絡を交して都合の合う日があったので早速食事に誘った。 場所は駅前にある創作料理居酒屋をチョイス、仕事終わりに来る彼女を店内で待った。 待ち合わせの時間から程無くして彼女が席に通された。 俺「お疲れ様です、この間はどうも」 瞳さん「こんばんは、少し遅れちゃったかな?」 そんなありきたりな挨拶をして一先ず乾杯する事にした。 「それじゃお疲れさまで〜す」 瞳さん「はぁ〜終わった〜。仕事中はまだまだ緊張しっぱなしだから…」 とカクテルを飲みながら話していた。 しばらくは彼女の仕事の話を聞いたり、俺の話をしたりと楽しい酒の席だった。 俺はふとお礼の為に誘ったんだったと思い出し、 俺「この前は本当に助かりましたよ!ありがとうございました」 瞳さん「あ〜アレは本当にビックリした。強盗かと思ったもんw」 俺「あんな山道で?wそれじゃあ山賊スよw」 瞳さん「ねぇ、あんまり気を使ってくれなくて平気だよ。言葉遣いとか」 体育会系な俺は少し戸惑ったがぎこちない言葉遣いで彼女と話を続けた。 俺「マジで1時間くらい誰も通らなくてバイクも動かないから孤独死する寸前だったよ」 彼女「アハハハ本当おかしな出会いだよね」 何とか自分のペースを取り戻し面白おかしく話を進めていた。 瞳さん「そういえばあのバイクNNRって言うバイクじゃない??」 俺「おしい、NSRってバイク。瞳さんバイク詳しいの?」 瞳さん「ん〜ちょっとね。知り合いが似てるようなのに乗ってたから…」 そんなこんなであっという間に時間は11時を回ってしまっていた。 時間を気にする俺とまったくお構い無しで喋り続ける彼女…俺は気になったので 「瞳さん時間大丈夫??もうすぐバス最終じゃないかな?」 瞳さん「うわっ本当!こんな時間急がなくちゃ。」 楽しい時間はあっという間と言うが本当にそんな感じだった。ただの自損事故者と助けた恩人と言う関係だが こんなにも和やかに話が盛り上がるとは思っていなかった。 ここは約束通り割り勘でねと瞳さんは言っていたが、急いでるし今万札しかない。 とありきたりな嘘をついてオゴらせて貰った。俺も男の端くれなんで瞳さんをバス停まで送る。 バス停に向かっている途中瞳さんは「今度は私がご馳走するよ!いい店知ってるから。」 その時は何も意識していなかったけど、自動的に次に合う口実ができた訳で(゜∀゜) あの食事から頻繁に瞳さんと連絡を取り合っていた。彼女はお礼奉公というので 田舎から病院に出稼ぎ?に来ているそうで、職場以外で友人も少なく俺の様な暇人は友人としてはうってつけだったようだ。 バイクの方もミラー、ウインカー、カウルに凹み、キズ、スクリーン大破程度で済んだ。 バイク以外に使い道があまりなかったので一括で修理に出した。 瞳さんとは勤め先とウチが近い事もあり、よく仕事あがりに食事をしたりしていた。 ある日いつもの様に食事をしているとバイク屋から電話が入る。修理完了との連絡だった。 テンションうpな俺!!メシを食べながらニヤニヤしていると瞳さんが 「何ニヤニヤしてるの?だらしないなぁ」 俺「いやぁバイクが帰ってくるんだ!楽しみで仕方ないよ〜(・∀・)」 瞳さん「あんな思いしてまでまだ乗るの??まったく理解不能だわ」と飽きれ気味。 俺「そんな事ないよ、なんて言うが中毒みたいなもんだし…そうだ、ちょっとキツイかもしれないけど バイクが帰ってきたら後に乗ってみない?絶〜対楽しいよ!近場でいいから紅葉でも見に行こうよ」 あまり乗り気ではないようだった…今思えばカウルにゴム一枚敷いた上に乗るのを強要するとはw 熱く語る俺に少し飽きれながら、「まぁ近くでとばさなくて、超安全運転なら付き合ってあげるかっ」 俺「おっし、じゃあ近場で綺麗な所下見しておくよ!絶対バイク好きになるよ!」 そんな約束を交してバイクの修理完了を待ちながら、休みの調整をしている自分がいた。 こんなにも胸が踊るのは久々にNSRタンに会えるから…なのだろうか。 瞳さんが俺に気があるかどうかは置いといて、まぁ印象悪くないのは自分でも思っていた。 あの転倒から4週と3日。仕事から文字通り直行でバイク屋へと向かった。 そこには真新しいカウルを纏ったNSRタンの姿があった。 修理費を払って自宅まで軽トラで配送して貰った。まだ時間は夜7時… 慣らしついでにせっかくキレイになったNSRタンを瞳さんに見せに行こう。 一応突然訪ねるのもと思い携帯に電話をする……出ないな。 まぁついでだし留守なら別にいいやと思いバイクを走らせた。 カリカリカリと乾式クラッチが鳴る。甘い匂いを纏った白煙が懐かしい…ウヒョー テンションも最高潮。しかし安全運転を心がけるww 瞳さんの家に着くと俺と同年式、カラーリングも同じNSRが… うは、タイヤドロドロなかなかやるな、と思いながら嫌がらせの様に真横に駐車した。 バイクの事で頭がいっぱいだったのでニヤニヤしながら階段を登った。 瞳さんは「こんなに綺麗に修理してもまたコケるんでしょ」みたいな憎まれ口言うんだろうな。 なんて妄想をしていた。階段を登っていると何やら喧嘩声が聞こえてきた。 おぉおぉみっともない、大声出して、オマイラバイク乗れwとつまらない事を頭で呟いていた。 踊り場を壁伝いに曲がると瞳さんの部y… なんかイケメソが玄関の前に立って瞳さんと口論している。 たぶん俺は訳が分からず間抜けな顔してつっ立っていたんではないか。 瞳さん「もうお願いだから帰ってよ」 イケメソ「おい、待てよ。わざわざ高速飛ばして来たんだぞ!」 と玄関を挟んで何やらマジ喧嘩の様子…瞳さんと一緒目が合った。 俺に気付いたのかイケメソはトーンダウンし「とにかく話そうゼ」と強引に部屋に上がろうとしていた。 瞳さん「太郎くん(俺)!」と瞳さんが俺に向かって手を上げた。 やっと俺も我に還ったがちょ…おま…と声を上げるので必死だった。 玄関に近づくと瞳さんが俺の袖を引っ張り、部屋に引きずり込んだ。 瞳さん「今、私この人と付き合ってるのだからもう付き纏わないで!」 瞳さんはそう言って玄関を閉めた。しかし外の男は「そんな美味い話あるわけ(ry」 と言って玄関を叩いていた、がしばらくすると静かにかりガシャンと言う音と共に カリカリカリブァブァーンと走り去る音が聞こえた。 玄関でうつ向き黙る瞳さん…。 嫌でもこの状況が分かってしまう、たぶん元カレか何かだろう。 俺「瞳さん…大丈夫??」 瞳さん「うん、ゴメンねみっともない所見られちゃったな。 でもどうしたの連絡も無しに急に?」 俺「いや、何度か電話したんだけど…バイクが直ったから見せようかと思って。」 瞳さん「そーなんだ!これで紅葉見に行けるね。」 俺「それどころじゃなくない??」 瞳さんはまた黙ってうつ向いてしまった。 「何か……俺帰ります。落ち着いたらまた連絡して」 と逃げる様に瞳さんの家を後にした、階段を降りると!! 倒れたのか?いや明らかに倒された愛しいNSRタンの姿がorz あの野郎の仕業に違いない!次見つけたらヒキ肉にしてやんよ! と心に誓い被ったプラグのせいで必死にキックを繰り返し、複雑な心境で家路に着いた。 しばらく瞳さんと連絡を取り合わない日が続いた…。 逃げる様に瞳さんの家から帰ってきた日から1週間程経ったろうか。 朝晩の冷え込みは日に日に増していた。冬の訪れ…俺の心にもorz しかし、瞳さんは1言も「彼氏がいる」とは言ってなかった。(いないとも言ってないが) 俺が勝手に舞い上がって恋人気分を感じていたに過ぎないのか…そんな事を考えると欝にならずにいられないorz バイクを倒された時に折れたミラーやウインカー、給料日までお預けかよ… 溜め息をつく事が増えたと同僚に言われた。知るか。俺のせいじゃない…。 じゃあ誰のせいだよ??そんな事を一日中考えて毎日を送っていた。 瞳さんの事、好きだったのかな…出会いはどうあれ、付き合いを続ける事で気持ちは傾いていたのかもしれない。 携帯のアドレス帳を開いたり閉じたり、開いたり閉じたり、開いた(ry そこでスパッと次に行ける様な性格していたらこんな気持ちにはなってないだろう。 しかしまだ始まっているかも分からない恋愛に悩み、苦しむのにも疲れていた。 1日1日を過ごす度に悶々としか気持ちが自分の中に溜まっていった。 2、3週間程経った頃だったか、いつもと同じ様に会社から戻ってネクタイをソファに投げ捨てた。 ふと冷蔵庫を見ると食い物が無かったのでコンビニに夕食を買いに行く事にした。 適当に弁当とビールを買って自宅へとトボトボと歩いて帰った。 その日は昼間から最高気温も13度と低く、白い息に包まれながら歩いていると、携帯に着信が…。 そこには久々に見る差出人名…。瞳さんだ。 メールの内容はとても短く、しかし明確に「会いたい」と打たれていた。 俺も瞳さんに会いたい、話したい事が沢山あるんだ!あるんだけど…。 意地を張ってしまう自分がいてる。「俺は寂しさを紛らわせる2号なんだろぅな」とか 「正直、別に俺じゃなくても(ry」と子供っぽく卑屈になる自分が素直にさせない。 その日はメールの返事を打たず、ビールを一気に飲み干して寝床に就いた。 翌日目を醒まし、少し期待と不安半々で携帯を覗き込む。 着信…ナシ。センター問い合わせ……新着メールナシ。 まぁそんなもんだよなorzとボサボサの髪を直しながら身支度を整えシワシワのスーツを着る。 一気にダラシのない男になったよなと思いながら髪をセットして自宅を後にする。 いつもと変わらない通勤風景を眺めている。後ろ姿が瞳さんに似ている人を目で追ってみたり…。 こりゃ病気だわ、なんて事を考えながら仕事をこなす。 昼休みに食堂でボケっと割箸をしゃぶっていると、同じ課の友人が来て 「お前魚みたいな目してるぞw」と励ましに来てくれた。 丁度よい機会なので友人に話を聞いて貰うようにした。 俺「実は◯◯◯が△△△で◆◆の@@@な訳よ。」 友「ハァ?バカじゃねーの?んなもんとりあえず当たって砕けろよ お前だって別れたらいつか次の女と付き合うだろ。 それが早いか遅いかの問題なんだよ。相手だってお前と同じ気持ちかもしれんのに」 最後に友人は「まぁ凍死しないようになw」と言い残して去って行った。 昨日の瞳さんからのメールを読み直し、ブラインドコーナーを 全開ハングオンで攻める感覚で返事を打った。 「今夜会えますか?」 午後からは返事が気になって仕事にならない… 何度も何度も新着メールを確認する、が4時を回っても返事はなかった。 5時を少し過ぎた頃、無事に仕事を終え退社する、しかしまだ返事はない。 電車を乗り継いで自宅へ戻る。辺りはすっかり夜になってしまっていた。 とりあえず私服に着替えて駐輪場でNSRの暖気をしながら返事を待った。 エンジンもすっかり暖まり、アイドリングも真冬だというのに絶好調だ。 向かう先にどんな結果が在るのか…呆然と照らすヘッドライトの灯りを眺めていた。 ココでただこうしていても何も変わらない!グローブ越しに手の平をパンと叩いてNSRに跨った。 また勝手に瞳さんの家に行ってあのイケメン元カレが居たらどうしよう。 連絡くれなかったけど実は夜勤で家に居なかったら… そんなネガティブな考えを振り払う様にアクセルを開けた。 冬枯れの殺風景な街並みを抜けて一段と気温の下がるいつもの峠へと向かった。 モヤモヤする心の曇りを排気煙が演出している様にも思えた。 ゆっくりと、しかし確実に瞳さん宅へと進路をとる。 寒いはずなのに緊張で変な汗が出ていた、喉がカラカラだ。 瞳さんの家の近くの自販機の前にバイクを停めひとまず休憩する事にした。 あったか〜いミルクティーを飲みながら携帯を開くと1通のメール。 瞳さんだ!! 「返事遅くなってゴメンね。仕事終わるの遅くて。 遅くなっちゃったけど今から逢いに行っていい?」…(´・ω・`) いや、そんな事してる場合じゃない!俺は飲みかけの缶をゴミ箱に捨て、3倍速で山を降りた。 今なら間に合うかもしれないっ!!頭の中はどうすれば速く帰れるか、それだけだった。 今考えれば電話するなり、メールするなりしておけば…テンパってしまった自分にそんな余裕はなかったのかも。 渋滞しそうな道を避けバイクを右へ左へ傾ける。さっき迄の不安は何処へやら…。 自宅マンションに戻り慌てて携帯を取り出した、メットを放り出して携帯片手に自宅付近を探し回った 厚手のライジャケにアンダータイツ+ジーパンで付近を走り回る。 しばらく携帯を繋ぎっぱなしにしていると瞳さんと繋がった。 自宅付近まで来てくれたが、家が判らず近くのコンビニに待機しているとの事だった。 俺は急いでコンビニへ向かった、心臓が裂けそうだったのは緊張か、運転不足か…。 コンビニに付くと出入り口付近にピンクのコートを着た瞳さんが立っていた。 俺「あ…ひ、久しぶり」 瞳さん「うん、久しぶり…元気にしてた?」 俺「あぁ…まぁまぁって感じかな。と、とりあえず歩きますか?俺こんな格好だし」 そう言ってひとまず自宅に向かって並んで歩いた。 いざこうして瞳さんと居ると瞳さん可愛いなぁ(*´Д`)でもあんな事があって、 今まで連絡もしてなかったのに急に会っても何から話していいのやら… 途切れ途切れの会話、ジャケットの中の汗が冷えて少し肌寒い。 自宅に近付いた頃彼女が少しの間をあけて話し始めた。 「この前は本当にゴメンね、たぶん何となくは分かってると思うんだけどあのヒト、元彼。 あんまりにも自分勝手で嫌気が差してて…別れ話も全然聞いてくれなくて」と淡々と話しは続いていく。 ちょうど駐輪場の近くまで来た辺りだった。俺にとって聞きたいけど知りたくない話。 それでも少しでも弱気な自分を変えたいから、彼女の事が好きだから…瞳さんの話に足を止めた。 瞳さん「こんな話○○君には酷い言い方だけど、初めて見た時はまだ彼の事が好きで… ○○君の事も彼と同じバイクに乗ってるんだ位にしか思ってなかった 怪我してるみたいだったし、他の所は職業柄放っておけなくて」 俺('A` )。o○俺浮かれ過ぎ 瞳さん「でも、彼の自分勝手もどんどんエスカレートして、本当に自分でもその我が侭に振り回されてるって思って…」 と自分が元彼にとって都合のイイ女化していくのに耐えられなかった事などを話してくれた。 俺はこういった相談みたいなのは苦手なタイプなうえに、まだ話す言葉が見つからず余計に思考が鈍る。 俺「えと、とりあえずウチ上がってく?外じゃ寒いし、何か飲み物出すから…」 ↑ナンパじゃないかorz 瞳さんはコクンと頷いて俺の後に続く。俺は放置プレイだったメットとグローブを拾い部屋に向かった。 部屋に上がりライジャケをソファに投げ捨てた。 俺「あんま綺麗な部屋じゃないけど、適当に座ってて!」そして俺はキッチンに向かう。 うは、ミルクティーしかナサス。俺コーヒー苦手だからなorz とりあえずHOTを2つちぐはぐのカップに入れて行く。 カウルやウィンカーが散乱する部屋にちょこんと瞳さんが座っている。 ピンクの上着を脱いで白い何かフカフカしてそうなトップスを着た瞳さんハァh(ry 瞳さんはミルクティーを飲み「はぁ、あったかい」と少し表情が緩む。 俺「俺、瞳さんにスゴイ悪い事してるよ…。何も知らないで無視したりして。」 瞳さん「そんな…アレは私のせいだよ。結果的には○○君を使って彼を追い返した訳だし。 私も人の事言えない位自分勝手だったと思う…」 俺「確かにあの時は気分悪かったけど今は…別に…。」 瞳さん「じゃあ今までみたく付き合ってって我が侭言って大丈夫かな?」 俺「もちろん!何か勘違いしてたみたいで恥ずかしいよ。」 心の中でヨッシャーと叫んでいただろう、むしろ小さくガッツポーズしてたかもw。 ・ ・ ・ 緊張も解け、ダムが決壊したかの様に言葉が溢れ出る。 あっという間に時間は過ぎ、夜中になってしまっていた。 たくさん笑って、落ち込んで。時間を忘れる程に話し込んでしまった。 瞳さん「わっ、もぅこんな時間…ゴメンね遅くまで付き合ってもらって。」 俺「いや、こっちこそ!でも瞳さんどうやって帰る?」 瞳さん「ん〜もうバスもないし、近くからタクシーでも拾って帰るから大丈夫だよ!」 俺「寒いけど良かったらバイクで送らせてくれない? もう紅葉は見に行けないから…」 瞳さん「え〜…じゃあ少しだけ甘えようかな!」 そう言った瞳さんの為に小さくなったジャケットと予備の手袋を出して瞳さんに手渡した。 NSRの暖気をしながら瞳さんにメットを被せて顎紐を絞める。 「寒くない?」「うん大丈夫」そんなカポーみたいなやり取りを済ませNSRを走らせた。 俺の腰にしっかりと回された腕。背中に密着する温もりみたいな物をジャケット越しに感じた気がした。 ゆっくりとギアを繋いでいく。車の様に満足に会話もできないし、 フル装備でのるレプリカのリアシートはお世辞にも快適とは言えないだろう。 しかし正に2人の距離が縮まっている。心も、身体も。 この道が延々と続いても苦にならないと思えてしまう程だった。 しかしあっけなく瞳さんの家に到着。瞳さんを降ろして帰り支度をする。 俺「寒かった?」 瞳さん「ん〜少しね、でも楽しかったよ。」 俺「じゃあ帰りますわ!また連絡するから。」 そう言うと瞳さんが「待って、今日のお礼…」と俺の頬に軽くキスをした。 ?????一緒何が起こったのか分からずポカーンとしていた。 寒さからなのか頬を真っ赤にした瞳さんは手を降って自宅へと戻って行った。 その数日後に正式に瞳さんに告白して2人は付き合う事となりました。 実は今現在も瞳さんとは付き合いを続けていまして、 来月の16日NSRの命日に入籍する事が決まっています。 ちなみにNSRはその後にまた別の峠で大転倒して廃車、俺自身骨折他。 ('A` )センスナサス 二人を繋いでくれたNSRには本当に感謝しています。 来年の春には瞳と新婚旅行がてらタンデムツーの計画中! おまいらにも幸せあれ☆☆ |