| The Lord of the Rings とは? ・ J.R.Rトールキンによって、1936〜1954年にかけて書き下ろされた物語(1954〜55年刊)。ホビット族(小さい人族)のフロドが、全てを支配する力を持つ指輪を捨て去る旅に赴く話で、もともと、The Hobbit (1937年刊。邦訳;『ホビットの冒険』)の続編として構想されたものだそうです★1。 長大なため、原書は3冊に分けて出版されました(1冊本もありますが)。この3冊本の各巻のタイトルがThe Fellowship of the Ring(FotR)、The Two Towers(TTT)、The Return of the King(RotK)で、2001年から3部作として公開されているPJ版映画の各部のタイトルも、これに倣っています。 ・以下、3冊本でいうと2冊目までのあらすじをご紹介しましょう(各巻について詳しくは、参考資料の項を御覧ください)。 ☆ ☆ ☆ ・物語はMiddle-Earth(中つ国)の片すみにある、Shire(ホビット庄)のHobbiton(ホビット村)から始まります。The Hobbit(『ホビットの冒険』)で奇怪な生き物Gollum(ゴクリ)から魔法の指輪を得て帰宅したHobbit(ホビット族)のBilbo Baggins(ビルボ・バギンズ)が、111歳の誕生日を機に、屋敷や財産を甥で養子(で、いとこ)のFrodo(フロド)に譲り、また旅に出るところからです。 ・フロドに譲られた指輪は、はめれば姿が消える便利な魔法の指輪だと考えられていました。ところが、Istari(イスタリ;魔法使い)のGandalf(ガンダルフ)によって、この指輪こそ、この世の全てを支配しようとするDark Lord Sauron(冥王サウロン)の魔力が込められたThe One Ring(1つの指輪)であることが明かされます。 ・かつてエルフの細工師によって19個の魔法の指輪が作られました。そのうち3つはエルフ自身が、7つはDwarf(ドワーフ族)の王たちが、9つは人間の王たちが所有していました。サウロンが作った「1つの指輪」とは、これら19の指輪を支配するものだったのです。 ・かつて人間とElf(エルフ族・上古から中つ国に住まう、美しい不死の種族)によって打ち負かされたサウロンは、今ふたたび勢力を盛り返し、失った指輪を取り戻そうとしていました。指輪を滅ぼすためには、それが作られた場所である、Mordor(モルドールの国;ここも中つ国の一部)のOrodruin(オロドルイン火山)にあるCrack of Doom(滅びの罅裂)に投げ込まなければなりません。 ・指輪は、所持者の力に応じて力を与えます。しかし、良いことに使おうとしたところで、結局所持者は暗黒の力に支配されてしまいます。指輪の主が強大な者であれば、いずれその者が代わりに冥王になるだけのことなのです。 ・すでにサウロンはモルドールに拠り、ゴクリから指輪の行方を聞き出していました。追っ手が現れる前に、フロドはいとこのMeriadoc(メリアドク/メリー)とPeregrin(ペレグリン/ピピン)そして忠実な庭師Samwise(サムワイズ/サム)とホビット庄を離れ、まずはガンダルフの忠告通り、いまや中つ国を去りつつあるエルフ族の住まう、最後の憩いの場所Rivendell(イムラドリス、裂け谷)を目指す決意をします。結局自らが指輪を滅ぼす旅を続けることになるとは知らぬまま…。 ・全3巻に及ぶ長大な物語では、この後、裂け谷での会議でフロドが指輪を所持する使命を引き受けたこと、旅の仲間として当初の4人の他に人間族でゴンドール王の末裔Aragorn(アラゴルン)、ゴンドールの執政の息子Boromir(ボロミア)、エルフ族の王子Legolas(レゴラス)、ドワーフ族のGimli(ギムリ)、ガンダルフが同行したこと、イスタリの長Saruman(サルマン)の裏切り、ガンダルフの死、冥王の闇の力が中つ国全体を覆いつつある様が語られてゆきます。 ・古き王国・ゴンドールの執政の息子ボロミアが裂け谷に来たのは、冥王の手から祖国を守りたい気持ちからでした。しかし彼は力の指輪をゴンドールに持ち帰りたいという誘惑に抗しきれず、フロドから指輪を奪おうとします。そしてついに、フロドは仲間から離れ、サムと二人でモルドールを目指すことになります。混乱のさなか、サウロンとサルマンの手下であるOrcs(オーク族)の襲撃によってボロミアは戦死を遂げ、メリーとピピンは連れ去られ、残る3人はオークの後を追ってRohan(ローハン国)に至り、ついに一行は離散してしまいます。 ・その後、物語はアラゴルン、レゴラス、ギムリのパート、メリーとピピンのパート、フロドとサムのパートに分かれて進行します。モルドールの侵攻を食い止めるとともに、サウロンやサルマンの目を指輪所持者から逸らすべく、絶望的な戦いを挑むアラゴルンらは、人間の国ローハンやゴンドールを守りきることができるのでしょうか。 ・一方、指輪所持者たちは、絶えざる指輪の誘惑と、指輪を取り戻そうとするゴクリの執拗な追跡にさらされます。恐怖の国・モルドールへ向かった彼らは、目的を果たすことができるのでしょうか…。 ☆ ☆ ☆ ・本作は、中つ国全体の歴史の一部として構想されています。ホビットが残した記録を、著者が英語に翻訳したもの、という体裁を取っており、その意味では一大歴史物語といえるかもしれません。 ・それぞれの種族の言葉、習俗、地理、暦に至るまで緻密に「考証」された背景のもと、登場人物たちは生き生きと描き出されており、傑作の名に恥じないものと言えましょう。暗い時代を背景にしながら、全体に明るい雰囲気を保っているのは、作者の人柄ゆえかもしれませんし、陽気な種族であるホビットたちが主役だからかもしれません。あるいは「赦し」の精神が根底にある物語だからかもしれません…。  |
作者J. R. R. トールキンについて ・ J.R.R.トールキン(John Ronald Tolkien; 1892-1973)。 南アフリカのブルームフォンテン生まれ。3歳で、母と共にイギリスへ帰国。オックスフォード大エクセターカレッジを卒業。1925年からオックスフォード大学教授となり、中世英語学を中心に講じる。『ホビットの冒険』『指輪物語』『シルマリルの物語』など著作多数★2。 1892年生まれ!日清戦争が1894年ですから、途方もなく昔のことのようです(そういえば、教授111歳の誕生日の催しの記事をどこかで読んだような)。 |
このサイトで読んでいるテキストについて ・ 今回、じっくり原文を読むにあたってHoughton Mifflin(ホートン・ミフリン)版の3冊本(参考資料)をテキストにしました。
確たる理由はありませんが、せっかく今買うのなら表紙が映画バージョンのにしようと思ったのと(しょうもない理由ですね)、最初買ったDel
Rey版は、持ち運びはしやすいのですが余白が少ないし(当然か…)、紙がすぐボロボロになりそうだったので。
原書の読み方としては、わからない単語は飛ばして、知っている単語から類推するという読み方と、辞書を引きながら精読するという方法と両方あると思います。映画を見ていれば、単語を類推するのも比較的容易で、楽しく読めると思います。
このサイトでは、後者の辞書を引きながら精読する方法を取りました。言語学者である著者、トールキンの言葉の選び方、文章の組み立て方などを、じっくり味わいたいと思ったからです。本当は、なぜその言葉を選んだか、どういうニュアンスがあるのかなど背景もわかればもっと面白いはずですが、当方にはそれほどの英語力がなく、誠に残念です…。すでにお読みになった方からのアドバイスを、心よりお待ちしております。 ・ 日本語の翻訳は評論社から瀬田貞二さん、田中明子さんの共訳で出ています。こちらもA5判ハード・カバー全7巻本やB5判箱入りの全3巻本など数種類ありますが、文庫版全9巻本を参照しました。日本語訳からの引用はなるべく避けるようにしましたが、どうしても必要な場合のみ、「青字」で記述しています。なお、文庫版第10巻目は、原書の最後についているAppendix=追補編(今回の原書テキストですと3冊目、the Return of the King の本編の後に収録)です。この物語を読むのに欠かせないエピソードや登場人物の系図など重要資料が含まれているので、揃えることをお勧めいたします。。 ・ The Lord of the Rings は、世界45以上の言語に翻訳されているのだそうです。★3 このサイトでは、折に触れて中国語バージョンでの訳も紹介してみたいと思います。漢字なので、わかるような、わからないような微妙なところが面白いかと…。 |
このページのNotes; ★1 『指輪物語』文庫版 第9巻「著者ことわりがき」参照。 ★2 『指輪物語』追補編著者紹介(一部『J.R.Rトールキン-或る伝記』)を参考にしました。 ★3 Amazon.co.jpの作品紹介から。もっと確実なソースがあったはず。見つけたら取り替えておきます。  |