紫外線とその防護
小麦色に日焼けした肌は健康的で精悍に見えます。日焼けは若さと健康の象徴でもありました。しかし、研究が進むにつれて、日焼が人の身体にとってプラスになることはほとんどないことが明らかになってきました。環境省をはじめとする行政の啓発活動や化粧品会社の広告もあって、紫外線障害についての知識は一般にかなり普及してきました。とくに、18歳までの曝露量を抑えることの重要性が指摘され、最近は教育機関も紫外線防止策をとるようになり、幼稚園児や小学生が屋外の体育では日よけのついた帽子を揃って着用しているのも見かけます。
しかし、黒の長手袋をつけて黒いカーディガンをはおり、黒いサンバイザーを目深にかぶった異様な出で立ちのオバサン達が自転車で街を駆け抜ける一方、男子学生諸君の中には紫外線障害に全く無頓着な人も少なくないようです。以前、私が教養の化学を担当していた時には紫外線障害についての講義を5月に行っていたのですが、今は恐らく本学の中では紫外線防護に関する教育は全く行われていないと思われます。そこで、紫外線とその防護について、簡単にまとめてみました。
解説を始めておいていきなりなんですが、環境省が紫外線防護についての非常によくできたマニュアルを作っていますので、まずは、それを読んでいただくのがよいと思います。そのうえで、少し踏み込んだ解説をすすめましょう。
紫外線環境保健マニュアル
http://www.env.go.jp/chemi/uv/uv_manual.html
紫外線についての知識
以下は紫外線についての解説です。ごく大雑把な暫定版ですので、順に改編していきます。
文系学部学科の諸君に概要を理解してもらうために書いたものです。
項目をクリックすると説明文にジャンプします。
光(電磁波)の種類
光と物質の相互作用
分子の中の光エネルギーの受け皿
分子に対する可視光・紫外線の作用
生体分子の紫外線損傷
学生生活と紫外線
・日焼けは百害あって一利無し!
健康的というイメージが根強いのですが、誤解です。子供や若い人ほど注意して防護しなければなりません。
・冬でも日焼けする!!
11月の快晴の日の正午のUV-A強度は400μW/cm^2、UV-B強度は40μW/cm^2でした。
薄曇りの日に測定したところ、UV-A強度は360μW/cm^2、UV-B強度は30μW/cm^2でした。
初夏に比べれば確かに弱いですが、それでも十分日焼けを起こす強度です。
・サンスクリーン剤
スライドガラスに塗布して吸収スペクトルを測定してみますと、銘柄によって性能はまちまちです。
SPFが同じ数値でも「乗り」と「伸び」によって効果が変わってきますから注意しましょう。
SPFが15以上あれば通常は十分な防護効果があると考えられますから、自分の肌にあったものを選びましょう。
屋外スポーツではSPFの大きなものを選びましょう。肌が弱い人は、「紫外線吸収剤を含まない散乱体のみ」のものがお勧めです。
代表的な紫外線吸収剤は「メトキシ桂皮酸オクチル(オクチルメトキシシンナメート)」で、成分表示を見ればすぐわかります。
・体育会系の人や実習でフィールドに出る人
直射日光を浴びるテニス部やタッチフット部の皆さんは練習中、出来るだけ日焼け止めをこまめにつけるようにしましょう。汗をかくので、15分おきに塗るのが目安です。
唇も専用のリップで。待ち時間は必ず帽子をかぶりましょう。実習でフィールドに出る人はつばの広い帽子をかぶりましょう。首にはもちろんタオル。
・日傘と帽子
通学時にはこの2つが効果的です。日傘は黒いほうが効果があります。帽子はつばのあるものでないと効果がありません。
・キャンパス内のUV-A強度(5月の薄曇りの午前10時の測定値)
北山駅から正門前の道600μW/cm^2(数分で日焼けします)
農場700μW/cm^2
合同講義棟前の日陰180μW/cm^2
大学会館前の大木の下のベンチ90μW/cm^2
4号館前の木の下のベンチ110μW/cm^2 (こういった場所では昼休みや放課後など長時間座って居ることが多いので注意しましょう)
非常に危険なUV-Bは北山駅からの道や農場で50μW/cm^2にもなりました。グランドも同じ位だと思われます。