豆知識

豆知識 お顔編

東洋医学の長所

病気とまでは言わないが、何らかの変調を起こしている状態を東洋医学では『未病』と言います
『素因』とは持って生まれた体質のことですが、心身ともに健康な状態を理想としています。これを『陰陽和平な人』と言います。
しかし健康人はいません。身体か心かどちらか、あるいはその両方か、どちらにしても、どこか弱い所を持ったまま、うまくバランスを取りながら生活をしているのです。
現代医学は人体を細分化して観察し、病巣のある部位を中心に診ますが、
東洋医学は病巣だけを診るのではなく、全身を診て全体的・局所的に治療を行います。
身体に問題があれば、局所的な問題か、全身のバランスの乱れが原因かという複眼的な視点により病因を追及します。検査では現れない不定愁訴でも、自己治癒力を高める事で改善させる事が可能になっています。

陰・陽とは

日なたがあれば日陰がある様に、物事には裏と表があると言う考え方『陰陽論』
一見難しくてわかりづらい概念の様ですが。今の感覚で言うと、『バランス』です。
何事も一つが過ぎれば、一つが引っこむと言う具合で、東洋医学の大きな考え方のもとになります。

陰陽図陰虚体質→熱が多くなる体質(虚熱…内に熱が多くなる)→陽性体質
陽虚体質→寒が多くなる体質(虚寒…内に冷えが多くなる)→陰性体質

陰陽・虚実・中庸

陽虚の特徴

東洋医学では、体内を「気(エネルギー)」「血(血液)」「水(体液)」が巡り、「命の火(陽気)」が体全体を温め、はぐくんでいると考えられています。
命の火は臓器「腎」に宿るとされます。「腎」は現代医学ではなかなか説明がつけられないのですが、腎臓、膀胱、生殖器系、神経系、脳の一部だと考えて下さい。
中国では昔から、お臍の裏側にある「命門」という経絡のツボ辺りがそれとされています。
命の火が宿る臓器「腎」のパワーはまさしく生きる源で、体の成長、発育、生殖、老化をコントロールしていると考えられています。
陽虚とは「命の火」が虚す=腎のパワー不足で命の炎の勢いが弱い状態をさします。例えば、かまどに水の入った鍋がかかっているのを思い浮かべて下さい。炎が弱ければ水はなかなか温まりません。陽虚はそれと同じイメージです。

陽虚の図

体全体が冷えて、温めずにはいられない
腰やお腹回りの冷感
腰や膝が重だるい
冷えるとお腹や腰が痛くなる
脚がむくみやすい
汗をかきにくい
便秘がち・下痢で便に未消化物が混じる
ショウガ・唐辛子など辛いものが好き
不安感が強い・驚きやすい
夜中トイレに起きる・尿漏れがある
月経量が少ない・色が薄い

陰虚の特徴
東洋医学で考える「気・血・水」の「水」とは、唾液、汗、尿、粘膜液、胃液などまで、血液以外の正常な水分=体液を指します。体液は、体内を循環して組織に栄養を与え、潤す働きをしています。陰虚とは、この体液が足りなくて、潤い不足状態の事。東洋医学では体液を陰液と呼ぶ為、陰液が不足する=陰虚と呼びます。
「かまどにかかった鍋の水が少ない状態」体という鍋の水が少なくなっている為、半ばから炊き状態になっています。
症状は、のぼせ、ほてり、暑くもないのに寝汗をかく、突然、体が熱くなって顔に大量の汗をかく、いわゆるホットフラッシュになる方も!また、口や喉が渇く、肌が乾燥するなどの症状も!熱が上に上がりやすいので、のぼせているのに、手足や腹部は冷たかったりと、陰虚の冷えはアンバランス。
メンタル面でも、イライラしやすく、怒りっぽくなり、全体的に更年期の症状と良く似ています。

陰虚の図

睡眠時間が短い・夜更かしが多い
顔・手足がほてる
口や喉が渇く
歯茎が痩せてきた
やつれ感
皮膚の乾燥
暑くなくても寝汗をかく
めまい・耳鳴り
お酒を良く飲む
イライラしやすく、怒りっぽい

気滞の特徴

東洋医学で考える「気・血・水」の「気」の流れが妨げられ、巡りが悪くなった状態。気は車に例えると動力なので、エネルギーの流れが滞る事で、つかえや閉塞感、痛みなどが現れます。気滞は特に、頸から上に現れる為、体調面では、肩凝りや頭痛、胸の息苦しさやつかえ、ため息やゲップなどがみられます。このタイプは、頭がのぼせているのに下半身が冷えると言う事が多いです。
メンタル面では、自律神経のコントロールがうまくいかず、イライラやモヤモヤ感、気分の落ち込み、不眠などの症状が現れやすくなります。
婦人科系で特徴的なのはPMS(月経前症候群)。排卵から月経開始までの間に、怒りっぽくなる、理由もないのに悲しくなるなどの精神不安や、下腹部の痛み、乳乳房が張るなどの症状も見られます。

気滞の図

怒りや恐怖感・悲しみの感情
憂うつな気分
ため息・ゲップ・あくびが多い
咽喉がつかえる
胃もたれ
胃部膨満感
便がすっきり出ない
おならが多い
腹部膨満感
腹痛
イライラした気分
緊張性頭痛
眼瞼痙攣・眼の奥が痛い
肩凝り
背部痛
腰痛
みぞおち辺りの詰まり・痛み
月経時下腹部が張って痛む・乳房が張る

気逆の特徴

(気虚)
東洋医学で考える「気・血・水」の「気」が不足した状態。体を車に例えると気はエンジンの動力。目には見えませんが、生命活動を維持する精神的、肉体的エネルギーをさします。全体を巡って動かすエネルギーが不足する事で、栄養や酸素などの巡りが悪化。結果として、手足が冷える、寒がるなどの冷えが見られます。
このタイプの特徴は、特に胃腸が弱い方に多くみられる事です。胃がもたれやすい、お腹をこわしやすく、下痢しやすい。
体調面では、疲れやすく、倦怠感があります。気は体表をバリアの様に覆って、守る働きも担っているので、免疫力の低下から風邪をひきやすくなったり、長期化する傾向がみられます。
婦人科系では、気が足りなくなると臓器を支える力も弱まり、月経周期が早くなりやすくなります。月経は「気」と「血」を消耗する為、だるくなり、月経後に鈍痛が出たりもします。
メンタル面では、ひどくなるとコミュニケーションをとるのも面倒という無気力状態になる事もあります。

気虚

怒り発動
不安発作
パ二ック発作
頭痛発作
顔面紅潮
冷えのぼせ
動悸
血圧上昇
手足の発汗
臍上悸・臍下悸


瘀血の特徴

東洋医学で考える「気・血・水」の「血」=血液の循環が悪くなって、スムーズに流れない状態。そのため。古い血液(瘀血)が体内に溜まる事で血行が悪化、栄養が行き届かず、代謝が低下して老廃物が溜まりやすくなります。(例) 血液がドロドロの状態 瘀血のサインは主に肌と婦人科系に現れます。顔色や唇、爪の色が紫がかっている、目の下のクマ、シミが出来やすい、血行不良の為、頑固な肩こりや月経痛などの痛みの症状が起こりやすいのも特徴です。
血液が滞っている事でしこりが出来やすく、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科疾患は瘀血と深い関わりがあります。主な要因は冷えとストレスです。瘀血は長い時間をかけて作られる体質なので、女性の場合、一定期間無理をしたり、ストレスが続いたりといった方に多く見受けられます。

お血の図

顔面の色素沈着
シミが多い
肝斑
湿疹・蕁麻疹・にきび
目の下のクマ
動脈硬化・コレステロール値が高い
腫瘍・子宮内膜症・子宮筋腫がある
片頭痛
口唇・歯肉が暗紫赤色
月経不順・月経痛・経血がどす黒い・凝血塊が混入
月経時に体調悪化
筋肉の凝りや痛み
痛みのある部分が冷えたり、夜間になると痛みが強くなる
下腹部の圧痛
下半身にみみず状血管(みみずの様に細小血管が蛇行して見える=細絡)ある
舌裏静脈の怒張
痔核


血虚の特徴

東洋医学で考える「気・血・水」の「血」が不足した状態。現代医学でいう血液とほぼ同じものを指し、全身に栄養を与える働きをしています。血虚の原因は、無理なダイエットや偏食、睡眠不足や過労などの血を消耗する生活が続く事で起こります。栄養が行き届かない為、しびれる様なひどい冷えに悩まされる事も多く、立ちくらみ、目の疲れなどの不調が現れたりします。
美容面においては、顔色がすぐれない、肌の乾燥、髪に艶がなく、爪が白く割れやすいなどのトラブルが目立ちます。
婦人科系では、月経量が少ない、月経周期が長い(なかなか月経がこない)などの症状がみられます。
メンタル面では、不安感が強く、夜の寝つきが悪く、不眠に悩まされる方もあります。

血虚の図

唇や爪の色が薄い
皮膚表面の弾力の低下
皮膚のツヤがない・カサカサ
爪が割れやすい
毛髪が抜けやすい
かすみ目・ドライアイ・視力減退
筋肉量減少・体重減少
筋肉の痙攣
こむら返り
顔面蒼白
手足の先が冷える・しびれる
貧血
動悸
耳鳴り・耳が詰まった感じがする
過少月経や無月経
不妊症


湿 水滞の特徴

東洋医学で考える「気・血・水」の「水」とは、唾液、汗、尿、粘膜液、胃液などまで、血液以外の正常な水分=体液を指します。「水」は体内を循環して組織に栄養を与え、潤す働きをしています。「湿」とは新陳代謝が悪く、余分な水分が体内に滞った状態の事。いわゆる水太り体質の方はこのタイプです。
舌が大きくぼってりしていたり、舌の脇に歯型がついている。舌の中央に白い苔状のものが厚くのっている時は「湿」のサインです。
主な症状は、むくみです。顔やまぶたが腫れている事がある、足がむくんで靴がきついなどの日々の些細な事から、ひどくなると、だるさやめまい、下痢なども。
水は下に溜まりやすい為、このタイプの冷えは下半身に多いのも特徴。主な原因は、取った水分が体外に出て行きにくい事、汗をかく量が少ない、トイレにあまり行かないと言う方もこの傾向が見られます。

湿の絵

手足がむくむ・顔が腫れぼったい・体がぽっちゃりしている
胃もたれ
嘔気・嘔吐
胸やけ
消化不良
胃部振水音
腹鳴
軟便・下痢
頭痛
めまい
浮腫
尿量や尿回数の異常(水分を取ってもトイレに行かないほう)
あまり汗をかかない
雨や曇天の時は体がだるい
舌がはれぼったい・舌の回りに歯跡がついている
梅雨時や夏に湿疹が出る
砂糖や甘いものが好きで毎日食べる
おりもりが多く、粘りが強い・生臭い匂いがする
胃腸が思い
手がいつもしっとりと湿っている
気道内の鼻汁・痰

正常な状態と比較した気血の運行図

正常な状態と比較した気血の運行図

気・血・水

東洋医学でよく使われる体を巡り、構成する要素です

気 き
目には見えませんが体の中を巡る「活動エネルギー」と「精神エネルギー」の両方を指します。元気の「気」も、気持ちの「気」もこの事を指します。体を車に例えると、気は動力で気には血や水を動かす作用がある為、気が不足したり、流れが滞ると血や水にも影響が出ます。気が乱れると精神的に不安定な状態になります。

血 けつ
現代医学の血液とほぼ同じ意味です。体を車に例えれば血はガソリンです。体全体の細胞や臓器に栄養を送り、体温や呼吸を一定に保ちます。血が不足したり、流れが滞ったりすると体の不調を招きます。婦人科系の場合はホルモンや月経等にも大きく影響を与える為、子宮力をアップする重要な要素になります。

水 すい
「水」は血液以外の水分を指します。体外に排出される汗、鼻水、尿のほか、体内のリンパ液、組織液、唾液、目や口の粘膜液等を含みます。体を巡って皮膚や関節、内臓まで潤します。老廃物の排出や、免疫の調整も行います。流れが滞ったり過剰になるとむくみが起き、不足すれば肌の乾燥、ドライアイ等不調の原因になります。

肝・脾・腎

肝 かん
現代医学で言う肝臓とほぼ同じ意味ですが、東洋医学では、血液を溜めておく臓器であり、月経周期のある女性にとっては非常に重要で密接です。また「肝」は、ストレスを受け止める等メンタル面と深く関わっていると考えられています。特に怒りの感情とつながっていて、肝にトラブルがあるとイライラ感等が強くなります。


脾 ひ
現代医学で言う胃腸を意味します。東洋医学では「脾」はとても重要です。食べ物は胃で消化され、始めて体に栄養として取り込まれ、「気」「血」「水」となるからです。

腎 じん
現代医学で言うと、腎臓、膀胱系、生殖系、それに伴う神経系や脳の一部も含まれ、ある意味概念的なものです。場所はお臍の裏側、ちょうど腰辺りと考えられています。腎は生育、成熟、老化や生殖のエネルギーを司っているとされています。命や生殖に関わる為、妊娠とも深い関わりがあります。

命の火(命門の火)
「腎」には体を温めるもとになる「命の火」=陽気が宿るとされています。お臍の裏側にある「命門」と言うツボ辺りが「命門の火」とも言われます。この火の勢いが弱いと、体全体を温める力が極端に弱く、頑固な冷えの原因になります。
またこの火の勢いが「腎」のパワーにも繋がる為、妊娠にも大きく関係します、生まれつき命の火が弱くても、食生活を工夫したり、脾(胃腸)からエネルギーを補給する事て゛、炎を大きくする事が出来ます。

身体の中の脈の状態はどうなっているのか?を図で表しますと以下の様になります
☆健康な人の脈…形が丸い円形で、中身が詰まっているもので、流れが伸びやかで、スムーズな脈が良いとされています。

病気の進行と脈状

病気の進行と脈状

陰虚脈…少し疲れがたまってくると、脈は三層構造になっているのですが、外側の輪郭がぼやけ、中が硬くなり、脈が浮いてきて、やや突き上げてくる様な脈になります

陰虚慢性脈…さらにお疲れが慢性化してくると、脈の力も弱くなり、タイヤの空気がもれたような弱弱しい脈になってきます

陰実脈…またさらに一段とひどくなってくると脈がギュ-と求心性に引き締まり、硬くなり、脈も小さく、沈んできます

陽虚脈…これはかなりひどい状態です。脈がほとんどふれず、病が深刻な事を表しています。

※これらの病状段階を脈診で知る事は、治療をして行く上で、病態把握、病状説明、治療経過を知る上ではとても大切になります

※ここで言う、脈の輪郭、脈の硬さ、脈が浮く、脈が沈むと言うのは邪(邪気・邪魔者)と考えます
これを正常な丸見が合って、弾力、伸びやかさ、などの良い脈にするには、脈診経絡治療しかないのです
上手く治療がいくと、右の図の様に、邪が脈の上に乗って、それをさらに治療で取っていくと、正脈・平脈へと正していけるのです
脈を診る事によって患者さんの身体にどの様な負担がかかっているのか、そしてその負担の程度を探る事が出来ます。
脈診治療は実に素晴らしい治療法です

舌色

舌色

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