
主訴…にきび、35歳女性
付随症状…顔のむくみ、舌が痛い、尿が出にくい
脈…やや沈、やや数、虚、求心性の脈
証…脾虚肝実症
選穴…商丘穴(金穴)
☆病態説明
お身体のお疲れが慢性的になって、胃腸機能が低下しています。
身体の中の津液が不足し、胃に熱を持っています。脈は熱が多いと早くなりますし、硬くなります。
この熱が胃の経絡に入るとむくみもでますし、便秘などの症状も出てきたりしますし、ニキビも出来やすくなります。
本来熱は汗や尿として排出されるべきなのですが、出すだけの体力も低下している為、胃の熱が下にある膀胱にまで波及して尿が出にくい感じになっています。
そして、ストレスがあると心にまで熱がこもり、舌が痛いなどの症状も出てきます。
☆脈診
脈…沈んで・硬い・タオルを絞った様な脈→気、血、津液の循環が悪くなるので、直径は細くなる→中に熱がこもりやすく、その熱を発散出来ていない状態を表します。
冬に悪化しやすい→冬はさらに細く、硬くなる、さらに熱量が増え症状が悪化します。
☆経絡治療とは?
何かに例えるならば、溝(みぞ)掃除→根詰まりになっている所を綺麗にしてあげます。
→元をしっかりと掃除すると綺麗な水が流れます。
ほとんどの方がこの方の様にいくつもの症状が絡みあっている状態になっていますが、根本的な身体の幹を強化して行くことにより治癒力が高まり、体質改善へと導く事が出来ます。
☆治療方法
本治法…木(根っこに栄養を与える)→病の根本を叩き、五臓六腑のバランスの乱れを取ります。
この方の状態では、太衝穴、商丘穴、間使穴、豊隆穴、光明穴を使用し、身体のバランスを整えていきます。
脈で診断した脾虚(胃腸機能の低下)を強化し、ニキビの原因となっている根本を元気にしていきます。
標治法…葉っぱに栄養を与える、症状が出ている所を取ります。
◇ニキビ治療の標治法◇
・顔→赤み、熱→円鍼を強く当てて流します。
・ニキビ=血熱→肝実のおけつ(太衝穴で治療)をしっかりと処理、陽気を漏らさない様に治療を行いました。
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おけつが強いと下半身が冷えるので、冷やさないようにアドバイスさせて頂きました。
・ニキビ=おけつと考え、天枢、大巨、腹哀辺りの胃経ラインの硬結へ地熱灸
◇むくみ治療の標治法◇⇒陽気不足→冷えないようにする、身体を温める事が大切です。
・足三里、陽池、大椎、身柱、神門など冷えてないか見て、冷えている場所にほんわりのお灸を行いました。
【水毒】=重だるい、鈍痛、などが特徴
☆深潟浅補…深部で硬くなっている硬結を潟して、表面を補う手技
頚、肩、腰など硬くなっている深部を緩め、身体全体の滞りを改善し、免疫力を強化し、回復力を高め、胃腸を強化し、肌のターンオーバー促進へと導きます。
☆治療ポイント
(1) 全体の脈が良くなる様に治療していきます。
治療後
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タオルを絞った様な脈が緩み、流れが感じられて、脈幅も以前より出て、硬さもましになっていました。
(2)脾の脈が良くなるか確認しながら治療をしていきます。
治療後
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当初、浮いて空虚で少したよりない脈状でしたが、脾の正脈の緩脈(かんみゃく)に近づいてきました。
☆脈の変化
当初、脈=やや沈、やや数、虚、求心性の脈
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現在、脈=中脈に近づいて、脈幅も出てきて、数脈が落ち着き、硬さが緩み、輪郭(陽分)も感じられる様になってきています。
☆治療後のアドバイス
初診時よりずっと週一回の治療、二カ月後ぐらいからニキビが枯れる状態へと変化が出てきました。
しかしながら、冷えたり、睡眠を取らなかったりされる事が多かったり、夜遅い食事や早食いなど不規則な部分が多い方なので、その様な生活を続けていると症状がまた出やすいので生活習慣の見直しの改善をお伝えしております。