■■■どうでも、え〜話、びぃ〜話■■■
◆青春18きっぷ◆
紀伊半島一周鈍行列車の日帰り旅
草津→大阪→和歌山→(紀勢本線反時計まわり)→新宮→亀山→柘植→草津
2002年8月
夏の帰省時、車の渋滞にウンザリしながら、ここ3、4年間、出張を含め、じっくりした列車の旅を
していないことが頭をよぎった。列車の旅は、長時間、列車内の狭い座席に座り放しになるものの、
車窓から移りゆく景色をながめ、思いをはせ、読書をすると不思議と集中でき、好きだった。
夏のある日、私用が予定変更となり、すっかりフリーな一日を取ることができた。
そこで、以前から気にかかっていた青春18きっぷを使い、一日のんびりとした列車旅しようと思い立った。
うわさの青春18きっぷ(5回分)を使ったことがないものの、
幸い、近くのディスカウント・チケット・ショップで1回分でも購入できることを聞いていたので
早速買いに行った。残念ながら、その日は3回分用きっぷしか置いていなかったが、
残り2回分でも買い戻してくれることを確認して購入した。
★青春18きっぷの広告のコピー文★
自分の部屋で、人生なんて考えられるか?
さて、行き先は?といっても、どうしてもどこかに行きたいという訳ではないので
とりあえず、海をいっぱい見れて、できれば、ぐるりと回れるコースを目標に
時刻表で、今まで行ったことのない中国、四国、紀伊半島方面をながめた。
新快速を含む列車で、ずいぶん遠くまで行けることがわかり、
今まで知らない土地にも青春18きっぷで安くいけるじゃないかと楽しみが広がった。
そこで、今回は、朝5時44分の草津駅出発になるものの、反時計回りで紀伊半島を回り、
21時34分に草津駅にもどるコースとした。
ただし、列車の乗り継ぎが、ちょうど中ほど、紀伊半島のほぼ南端の新宮駅で
1時間半ほど空くものの、日帰りでは、他の駅で下車して次の列車に
乗り継ぐ時間的余裕がないことがわかり、気まぐれ下車ができず、ちょっと残念ではあったが、
その分、わずかばかりの時間を、新宮の街で楽しむことにした。

朝5時30分の草津駅(橋上駅)
快晴の夏の日、旅行ガイドブックと数冊の本、そして500mlペットボトルをデイパックに詰め、いざ出発。
平日のため、草津駅ですでに7割ほどの乗車(座席)となる。私の近くでは、女性2人の
海外旅行組?を除くとサラリーマンばかりである。こんな早朝より、本当にご苦労さまである。
まもなく満員の通勤列車状態となり、6時54分大阪駅で乗り換え、JR阪和線に乗り、
紀ノ川を越え、8時15分和歌山駅に着いた。私にとって初めての和歌山県入りである。
ローカルな列車に乗り換え、ここからがのんびり旅かなと思ったところ、
数珠を持った高校生がぎっしり乗り込んできた。じっくり見ると、智弁和歌山高校生であり、
今日の高校野球決勝戦応援のため、登校のようである。3駅先で彼らが下車して、
ゆったりとした車内となった。そしてまもなく、海が見え始め、手前に和歌山マリーナシティ、
はるかに四国の山並みが遠望された。琵琶湖周辺に住む者にとって、やはり輝く海は魅力的である。
しかしその後は、10時10分頃、切目駅付近で再び海が見えた以外、しばらくあまり見えず残念であった。
10時23分紀伊田辺駅到着。乗り継ぎに23分間あったので、下車して駅前に立った。
知らなかったが武蔵坊弁慶がここの出身とあって、まさに薙刀?を振ろうとする立派な大きな像があった。


弁慶像(紀伊田辺駅前)とワンマン2両列車の旅の始まり
乗り継いだ列車は、ワンマンの2両編成。後ろの車両に乗ったが、レジャー風の若者が多い。
しばらくして、後ろの車両は、小さな駅ではドアが開かないことに気付く。まわりはのんびり客である。
駅員がアロハシャツを着た白浜駅で、ほとんどのレジャー客が降りた。やはり人気のスポットのようだ。
残った乗客をみると、地元の高校生と買い物と思われる年配の方を除くと、
なんとなく鈍行列車旅を楽しんでいると思われる若者や年配連れである。やはり旅好きが多い。
周参見駅付近より、手前に自然美の岩場の海岸、そしてど〜んと太平洋が広がり、しばらくの間、
移り行く、素晴らしい海の景色に見とれる。すでに四国は見えず、見渡す限りの大海原である。
遠くに数隻の大型船が見えるのは、紀伊半島先端をかすめ、大阪、東京を行き交う貨物船だろう。
残念ながら串本、紀伊勝浦という南紀の景勝地は素通りし、13時40分新宮駅に着いた。
新宮市は、熊野川の河口に開かれた和歌山県と三重県の県境の都市。
古くは熊野三山の一つ熊野速玉(はやたま)大社の参拝者でにぎわったという。
駅前は、平日の地方都市ののどかな様相であったが、とりあえず、空腹だったので、
駅内の店で、めはり寿司(駅弁)を食べた。魚や寿司類がおいしいと言われる土地なので、
じっくり店をさがして食べれたら良かったが、食い気が先を急いだ。
中国情緒ある徐福公園、池に島が浮かんだ天然記念物の浮島の森、熊野速玉大社を
早足でめぐってみた。しかし、町中はのどかで逆にゆったりとした静かな時間をいただけた気がした。
熊野速玉大社境内では、偶然にも、以前にテレビで見た日本サッカーチームのマークで
有名な3本足の八咫烏(やたがらす)を奉る神社を見つけることができたのはラッキーだった。



新宮駅(左)、めはり寿司(中)、熊野速玉神社境内にあった八咫烏神社(右)
新宮駅にもどり、列車を待つと朝から引き続き鈍行列車旅を楽しむ人たち数人と
新たに同じように(宿泊して?)楽しんでいるのだろうと思われる若者数人がいた。
2両編成のワンマン列車は15時06分出発。熊野、尾鷲、紀伊長島と海岸線を縫い走る。
せっかくだから海を撮影しようとカメラを向けるがトンネルなどで遮られる。
前の座席にすわった地元のおばあちゃんが「また残念やね。」と苦笑する。
時に数分から20分程度、海辺の町で列車待ち合わせがあった。
外に出て背伸びするとすでに顔なじみになった人たちも同様なことをしている。


入り組んだ海岸線より熊野灘をのぞむ(新鹿駅前後)
和気駅で夜7時となり、すっかり夕闇となってしまった。ここで名古屋方面に行く人は
快速へ乗り換えとなり、顔なじみの乗客が少なくなってしまったが、
引き続き乗り続ける顔なじみも結構いた。
20時17分亀山駅で関西本線に乗り換え。しかし、『本線』なのに列車はまた2両編成?!。
3駅目の柘植駅で草津線に乗り換えた。乗り換え客はかなりいたが、
ついに鈍行列車旅の顔なじみは1人だけだった。時刻表をみるとそのまま大阪方面に
向かっても10時20分過ぎには大阪環状線内に入るようで十分日帰り可能である。
乗り継いだ草津線は6両?もあり、日頃ローカル線と思っていたのに意外だった。
進みゆくと仕事帰りの乗客が増え、また反対車線の列車は京都・草津からの
仕事帰りの乗客が車両数に見合うだけ多かった。
21時34分、ついにマンションやビルが多い、にぎやかな草津駅にもどってきた。
鈍行列車旅の顔なじみ若者1人はさらに東海道線乗り継ぎに急いだようだったが、
これにて私の日帰り列車旅は終わった。
朝の出発から約17時間。車の旅と違い、不思議と旅の疲れもなく、
本も久しぶりにじっくり4冊も読めた。今の時代、列車はスピードを競い、運賃もずいぶんと
割高となったが、ちょっと自分に時間的余裕があれば、このようなゆとりの旅を得られると思った。
うわさ通り、青春18きっぷを使っていると思われる年配者も随分多かった。皆さん旅上手である。
青春18きっぷは、販売時期が限定であるが、次回の気晴らし鈍行列車旅を思い、
過ごすのもぜいたくな楽しみのひとつかもしれない。
また紀伊半島には、海岸沿いにも内陸にも、名だたる景勝地・温泉が多い。
今回はそれらの入り口を知ったので、またの機会に訪れることを楽しみにしたい。
列車の走行距離:約575km
止まった駅数:約120駅
駅前への下車:和歌山、紀伊田辺、新宮、熊野、紀伊長島
費用(青春18きっぷ1回分):2800円(本来5回分の1回は2300円)
(紀勢本線で特急を使った場合、約15000円の旅となるようである)