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銀座
銀座の結界
地図で見ると分かりますが、銀座は四方を高速道路で囲まれています。これが結界として機能しています。近くには新橋の飲み屋街や有楽町のガード下の屋台などがあります。そこでは道路にはみ出して飲んでいたりしますが、そんな雰囲気は銀座にはありません。
飲んでいる人種も微妙に違うような気もします。銀座でへべれけに酔っている人はあまり見かけません。また、酔っ払いの喧嘩は、最近は他でも少ないかもしれませんが、銀座ではめったにありません。銀座の並木通りを、高速道路の下をくぐって新橋に抜けると、何かようすが変わるのが分かると思います。 銀座のビルは高さがそろっており、整然とした感じがします。また、一般のオフィスや銀行が少なく、夜になっても開いている店が多いのも銀座の街が他とは違った印象を持たせるのかもしれません。 高速道路の高架が城壁のように取り囲んでいる銀座は、何か安心感があります。
銀座の地理
銀座の街路は碁盤の目状になっているので、分かりやすくできています。地番も分かりやすくなっています。京橋側(北側)から一丁目、二丁目ときて晴海通りを渡ると五丁目になります。その後は新橋側の八丁目で終わります。時計台のある和光(昔の服部時計店)や銀座三越は四丁目にあります。クラブやバーが多いのは七丁目や八丁目です。
銀座でクラブ活動するには、通りの名前を覚えておくと便利です。銀座中央通りに平行する西側の一本目がすずらん通りです。ただし、八丁目部分だけは金春(こんぱる)通りと呼んでいます。この金春通りには銭湯・金春湯が健在です。次の通りは西五番街です。そして並木通り、ソニー通り、外堀通り(電通通り)となります。それと直角に東西に走る通りは晴海通りのすぐ南がみゆき通り、そして交詢社通り、花椿通りとなります。店の場所を教える場合、通りの名前と何丁目かを言えば大体分かるので便利です。あと、銀座のクラブ街でランドマーク的に覚えておくといいのが、イシイ薬局です。西五番街の七丁目にあります。薬、タバコなどのほかストッキングなども売っており、銀座の夜の商売をしている人なら誰でも知っていると思います。もし、迷子になったら電話でイシイ薬局と言うと、すぐ迎えに来てくれると思います。
銀座の路地
銀座でも一丁目から三丁目あたりには新しいビル多くなっていますが、銀座には古いビルも多く残っています。こうした古いビルの間には狭い路地ができていることがありますが、この路地の中にも店があったりします。また、抜けられる路地も多いので知っていると便利です。人通りが少ないので、普通の歩道より歩き易いように思います。
例えば、五丁目ではすずらん通りから西五番街に抜ける路地があります。さらに、その先の並木通りまで抜けられます。この路地では有名な焼き鳥店が今でも営業しています。六丁目や七丁目でも西五番街から並木通りに抜ける路地があります。年末にこの七丁目の路地を抜けて並木通りに抜けると、資生堂・ロオジェの赤いクリスマスツリーが目前に広がります。 また、路地ではないのですが、通り抜けられるビルもあります。八丁目のポルシェビルやウォータービルは並木通りから西五番街へと抜けられるので便利です。
銀座のクラブ
銀座のクラブやバーは、金春通りとソニー通りの間の七丁目と八丁目に集中しています。ここでは、新橋に抜けられる並木通りがメインストリートになります。元は五丁目にもバーなども多かったのかも知れませんが、今はほとんどなさそうです。ただ、太宰治の写真で有名なルパンは、少し入った路地でひっそりと、今でも営業しています。それに比べる六丁目は、まだバーやクラブが残っていますが、少なくなってきている気がします。最近はビルの立替があると、バーやクラブの入るようなビルにはならずに、レストランや一般の飲み屋が入るビルになってしまいます。
さて、銀座のクラブに行きたいと思ったら、どうしたらよいか。基本的には、誰かに連れていってもらうしかありません。銀座のクラブは広告を出すことはないし、客引きや呼び込みもしません。最近、並木通りで客引きをしているのを見かけますが、おそらくキャバクラのような、あまり銀座らしくない店だと思います。 銀座のクラブは、会員制クラブを称している店が多いのですが、会員証を出してくれることもないし、客の方も入会の申し込みをするわけでもありません。あまり意味のない会員制です。せいぜい、好奇心で入ってきた外国人客を断る言い訳に使う程度だと思います。そんな店に、つてもなく、いきなり入っていったらどうなるか。普通の客だと思われたら、たぶん入れてもらえると思います。ただし、最初は現金かカードでの支払いを要求されると思います。 銀座のママやホステスは、自分の客に手紙や電話で営業活動をします。自分の客が連れてきてくれた新しい客は、自動的に自分の客になります。ですから、銀座のクラブに無粋な指名制度はありません。ホステスの売り上げは、一部を店に納めて残りは自分の収入になります。ただし、売り掛けの回収はホステスの責任となります。ホステスは、場所を借りて営業している個人事業主のような立場です。もちろん、いわゆるヘルプと呼ばれるような時給で働く女の子も大勢います。 銀座のクラブには典型的な店のつくりがあります。入るとバーカウンターがあり、客待ちをしている女の子が座っていたりします。その後ろを通って、奥に入るとテーブルの置いてある広いホールがあります。昔なら、ここにピアノが置いてあって、専属のピアノの先生が演奏していました。唄の伴奏もしてくれます。下手な客にも合わせてくれます。でも、カラオケ全盛になり、ピアノの先生の仕事も、もうないかもしれません。ピアノではなくギターの先生も大勢いました。たいていは2軒くらいかけもちしているので、銀座の街の中を、楽譜を持って行き来するピアノの先生やギターの先生を、昔はよく見かけました。 バーカウンターの奥に広いホールをつくるのは、大きい店でないと無理ですが、銀座にはもっと狭い店も多くあります。たいていは、ホステスが資金を貯めて始めたような店です。ママと数人のホステスで営業しているような店です。銀座では、こっちの方が多いかもしれません。大きなクラブよりは、料金は安く済むと思います。 銀座のママやホステスの服装は、着物やシャネル調のスーツなどが多かったように思いますが、最近、客のお見送りしているホステスを見ると露出の多いロングドレスの人も多くなっています。また、髪型もアップにした小さいつくりやストレートが多かったように思いますが、ロングドレスの場合は典型的な巻き髪が多くなっています。銀座もキャバクラ化しているのかも知れません。
銀座の名物
銀座には花売りおばさんがいます。花を買ってもらう代わりに、客の行きたい店へ道案内をしてくれます。行きたい店が分からなくなったら、利用すると良いかもしれません。銀座で新規開店があると花が並ぶので、それをチェックしたりして銀座中の店を把握しているようです。
昔は、ポーターと呼ばれる人が大勢いたようです。道路にチョークで時間を書いて駐車禁止を取り締まっていた時代に、ママやホステスの車のキーを預かって、時々、車を移動させる商売です。最近、いつも同じ場所で赤いジャケットを着た目立つオジサンがいたので、知り合いに聞いたらポーターとのことでした。たとえば車を駐車場に移動させるような商売は今でもあるのかもしれません。 今は、銀座の路上で屋台はほとんど見かけません。夏場には、風鈴を担いで売っているおじさんはよく見かけます。冬場には、焼き芋売りを見かけます。今では、それくらいかもしれません。昔は、ラーメンの屋台や海苔をまいた餅を売る屋台が多く出ていました。噂では、出してはいけない場所で商売する屋台があり、偉い人の逆鱗に触れたとのことでした。90年代だと思いますが、そのころから屋台は見かけなくなりました。 2011.1.23 野沢 清 kiyoshi_nozawa@yahoo.co.jp |