GPSは効果絶大、鱧はあくまで絶品な"沼島の夏よ、もう一度"の巻
航海日 2005年7月30日(土)〜31日(日) by バーバー この日のアルバムはこちら
2005年7月30日(土) 曇り W 8m
午前9時前、8人分の2日間の食料の買出しを済ませ、ハーバーへ到着すると、艇はゲストバースに回航され、今次航海の参加メンバーの殆どが集合して、出艇準備は既に整っていました。食料の積み込み後暫くすると最後のクルーが到着して、出艇となりました。天候は曇りなれど雨の心配はまず無しといったコンディションの中、何度かタッキングして港外に出ると目的地"沼島"に向けて磁針方位240度に艇首を向けます。暫く走っていると左手に関西空港島が見えてきたのですが、時間が経過してもなかなか位置関係が変化せず、耐水速力はあるものの、対地速度は上がっていない模様。どうやら逆潮の影響をもろに受けているようです。ひたすら耐えながら走っているうち、段々視界が悪くなり、ついに陸岸が確認できなくなりました。最初の内は絶海の様相に「太平洋を走っているみたい。」などと暢気な事を言っていたものの、ハンドベアリングコンパスを持ち出しても、陸上の物標を定められず、クロスベアリングが出来無いので船位を出しあぐねていたところで、オージー君持参のハンディーGPSが威力を発揮したのでありました。直ちに、表示される緯度、軽度をチャートにプロットして自艇の位置を把握したところ、大阪湾のど真ん中に居る事を認識。その後も文明の利器により船位を確認しながら、視界の利かない洋上?(そんなに大層なものではなく"湾内"と呼ぶべきなんでしょうが)をひたすら南下。

この間、暇つぶしもあって船尾からケンケンを流し、釣れるのは鰹かヨコワか等とまたまた気楽なことを言いながら航海を楽しむうちにも視界は良くならず、見えてくるべき「友が島」の代わりに反対側のスターボードサイドに姿を現したのは淡路島の東海岸線で、知らず知らずのうちに、やや西に偏向していた事を知るのでありました。この時点で予定時刻に入港できないことがほぼ確定的になったので、コバンさんが携帯電話で、今夜予約を入れている"料亭しらさき"に連絡を入れ、機帆走で残りの航程を詰めて、太陽が西の海に沈む直前に沼島に到着。漁港の岸壁に舫いを取るとすぐに、今回の航海最大の楽しみ「鱧料理」を喰らうべく、いざ出陣となったのでありました。
港から少しだけ離れた小高い所に建つその"料亭"は、料亭と呼ぶにはあまりにシンプルで、その実態は、島の社交場的居酒屋といった風情ですが、この日の客は我々一行ともう一組の観光客グループです。ところで、鱧といえば関西の夏になくてはならない食材として有名ですが、中でも淡路島の由良と、ここ沼島の間の海から揚がるものが最上とされていて、淡路島特産のたまねぎと併せた「鱧すき」は格別な味で、その他にも湯引きなど数々の鱧料理に堪能したのでありました。
十分飲み食いした後、島の小さな雑貨屋でビールを買い込んで艇に引き上げると、何と港の中であるにも拘わらず、「夜光虫」が青白い光を放っていて(実は以前、ベルポート芦屋で注意を受けたことなどとうに忘れて、またまた海に放尿してのトホホな発見なのですが、)、これには正直感激したのでありましたが、驚くべき自然の豊富さはこれだけではなく、翌朝にも驚きの体験をすることなど知る由もなく、この時点ではただただ無心に感激するばかり。翌朝、起床後、各々洗面などを済ませる為に、連絡船発着場まで朝の散歩をしたのですが、その道すがら、何と、カブト虫(但し全て雌)が路傍にゴロゴロ転がっているではありませんか。これには皆大喜びで、(この日の乗艇者の年齢特性から)孫達への土産として捕獲に勤しんだのでありましたが、そんな自然の豊かさを楽しんでいる間にアクシデントが発生していることなど誰一人知らないのでありました。
2005年7月31日(日) 晴れ
フレンチトーストと菓子パンの朝食を済ませて、いざ出艇準備に取り掛かっときにそのアクシデントは明るみに出たのですが、エンジンのスタータボタンを押してもセルモーターが回らない。すわ一大事と2系統あるバッテリーの配線を交換してみても、うんともすんとも言わず、プロの救援を求めることにしたのですが、日曜日ということで少し不安が脳裏をよぎったものの、地元島民からの情報を元に依頼することが出来たヤンマーのキャップをかぶったヤマハのメカニックがミニバイクに跨って現れ、あっという間にエンジンを始動させ、且つ請求料金が僅かに2,000円だったことに一同拍手喝采したのでありました。こんなアクシデントがあり、出艇時刻が予定よりずれ込んだのと風向きが良くないのとで、機帆走で帰路についたところ、天候よろしく、パワーボートも何隻か疾走する中、前日は見えなかった友が島もはっきり見えていたのですが、島に接近してこれをかわしたあたりで、天候が急変し、厚い雲が垂れこめ、風速が上がり、しまいには激しい雨が降り、正にストーム状態の中、荒天航海の実習を余儀なくされる海峡になりました。その後、幸いなことに天候は持ち直し、「冷やしそうめん」の昼食をコクピットで食べられる位にまで回復しました。その後も雨は上がったとはいえ、雲が直射日光を遮っているので、熱さに悩ませられることなく、長閑な航海を楽しみ、夕刻には無事ホームポートに着艇したのでありました。因みに、帰りもケンケンを流したところ、なんの当りも無かったのですが、どこに問題があったのかお心当たりのある方がいらっしゃいましたら是非ご教示ください。
艇長 こばん クルー ばーばー、下KC、サット、S村、ひーは、おーじー、 ゲスト 川口