スターリングラード 読者感想ウエブサーフィン
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(余談1)おそらく東西ドイツ統一後初の大作。東ドイツ出身のクレッチマン氏が主役を演ずる。彼はこの出演を足がかりに世界的スターへと駆け上る。
(余談2)原題を直訳すれば「門の敵」。内容を意訳すれば「前門の狙撃兵」か。「スターリングラード」のほうが興行的にはシックリくるか。
(余談3)「・・ライアン」は仏戦線、「シン・レッド・・」は太平洋ガダルカナル戦線が舞台。
(余談4)スターリン政権下のソ連軍描写が辛辣だ。反乱を恐れてか、最前線に着くまで武装させない。兵員輸送の貨車には鍵をかける。銃は2人に1丁しか支給しない。銃を持った兵士が先に突撃し丸腰は後について行き、前が倒れたら銃を拾って突撃を続行。これは中国軍も中越紛争で同じ手法の人海戦術を行っている。
公開時、第二次大戦(ロシアでは「大祖国戦争」)からの赤軍兵士らが「いくらなんでも、あんなヒドイ軍隊ではない。やりすぎだ」と抗議した。
主人公と友情をかわす政治将校ダニロフと女性兵士ターニャ、彼らはソ連では知識階級でユダヤ人という設定。ロシア革命では知識階層の担い手であるユダヤ人が大勢参画している。領袖レーニン自身がユダヤ人である。レーニンの後を引き継いだスターリンの強権政治ではユダヤ人は粛清の対象にされた。作中でもその雰囲気は滲み出ている。
したがって、単純にソ連VSナチスドイツという図式だけでなく、ユダヤVSナチスとスターリンといった入り組んだ背景の上で狙撃兵ワシリーとケーニッヒ少佐のタイマン対決が展開される。
つくづく思うのだが、社会問題をストレートに表現するのも悪くはないが、この作品のようにさり気なく複雑な政治的背景を臭いたたせて、単純構成のドラマを展開させるのが制作難易度の高い「名作」ではないか。
ヨーロッパの戦争映画とハリウッド単独でつくった戦争映画の違いを見比べる意味でもサンプルになる。
(余談5)とはいえ、最前線なのにドイツ将校はヘルメットではなく正帽をかぶっていたのは不自然。
他のレビュアーは戦地に女性がいることを不自然に思っているようだが、赤軍には女性兵士がけっこう従軍している。女性パイロットや狙撃兵もいて、英雄にされていた。
(余談6)実際のワシリー=ザイチェフは建築学校や経理学校を出ているので、作中のような無学の羊飼いではない。終戦時は大尉。
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冒頭の戦闘シーン(ヴォルガ河を渡るソ連兵の船に襲いかかるドイツ空軍と、逃げようとする味方の兵士を撃つソ連兵、半数が銃を持たないソ連兵が突撃し、次々と撃たれ倒れていく)、デパートでの狙撃兵同士の対決(廃墟の中での攻防戦だったことがよく判る)などは授業でも使えるかもしれません。あと、歴史上の人物としては、フルシチョフがスターリンの特命で派遣される司令官として出てきます。スターリングラード放棄を主張して解任された彼の前任者に、冷たくピストルを手渡すシーンはぞっとします。共産党の常套手段だった。
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冒頭のジュード・ロウ死んだフリ作戦が怖かった。
仲間の死体が積み重なった中で死んだフリをしているのだが、
敵側もそういう奴がいる可能性を見越して、死体の群れに機銃乱射を仕掛けてくる。
自分が戦争に行っとしたら、かなりの確率で死んだフリとかやりそうなだけに(笑)
かなりの恐怖でございました。うん、やっぱ戦争はいかん。
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歳はも行かないガキを殺して、ダシに使った非道な男の最後はザマ見ろ!って感じ(鵜飼俊男の感想 同感!!)
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ドイツ版と比較してしまうとハリウッド版には”スターリングラード戦の凄惨な地獄絵図”があまり感じられません。
この原因のひとつは独ソ戦の当事者であるドイツ人が製作した映画と第三者であるハリウッドが製作した映画の”温度差、緊張感の差”であるかもしれません。
しかし最大の原因はドイツ版の”主題は戦争の現実の描写”に対し、ハリウッド版の”主題はあくまでラブロマンス”と言う製作主題の違いにあるのではないでしょうか?
ドイツ版には捕虜にしたソ連軍女性兵士に性的暴行を加えようとするシーンがあります。この時ドイツ兵たちが「順番は階級順だ」と言うセリフがあります。
このセリフは戦争の悲惨な現実を一言で表現しています。ハリウッド版の様な甘いシーンは全く登場しません。
興行的にみればハリウッド版はかなりヒットしましたが、ドイツ版は日本ではほとんど注目されなかったようです。
出演者 ジュード・ロウ
ジョセフ・ファインズ
エド・ハリス
音楽 ジェームズ・ホーナー
撮影 ロベール・フレース
公開 2001年3月16日
2001年4月14日
上映時間 131分
製作国 アメリカ・ドイツ・イギリス・アイルランド
言語 英語・ロシア語・ドイツ語
制作費 $70,000,000
興行収入 $51,400,000 (鵜飼俊男の感想 赤字)
しかしこの2作を比較して見て、どちらがより戦争の現実を表現していかは明白です。



