1月2日

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●朝日新聞HPより

@犯罪被害者 安易な匿名化は避けよ
 政府の犯罪被害者等基本計画が決まった。

 最後まで争点になったのは、事件や事故の発表の際、被害者の実名・匿名をだれが判断するかだった。これは「警察がプライバシー、公益性を勘案し個別に適切に判断する」という原案通りに決着した。「発表は実名で」と求めていたメディアの要望は認められなかった。

 とはいえ、基本計画の文言は抽象的だ。匿名を原則とする、とうたっているわけではない。どう運用するかがきわめて重要になる。警察は安易に匿名にしないよう心してもらいたい。

 事件や事故は私的な出来事にとどまらず、社会の大きな関心事である。その情報は多くの場合、警察の発表とそれを受けたメディアの報道という二つの段階を通って、人々に伝えられる。

 今回の基本計画づくりで問題になったのは警察の発表の段階だ。「警察が実名か匿名かを判断する」という原案に対し、メディアは「実名で発表すべきだ。そうでないと、被害者に会うのもむずかしくなり、公平な報道や捜査の検証をしにくくなる」と反対した。

 実名発表を受けて取材し、被害者の意向も踏まえた上で、報道の際に実名にするか匿名とするかをメディアに判断させてほしい。それがメディアの主張だ。

 警察とメディアの対立に対し、犯罪被害者からは「実名か匿名かは被害者が決めることだ」という主張が出ている。これも十分に耳を傾けるべき意見だ。

 しかし、被害者の意に沿わなくても、社会に実名を伝えなければならない場合があると思う。とりわけ、公職にある人や著名な人の場合はそうだろう。

 ことはゼロか百かではあるまい。

 一部の県警では、記者に対する発表では実名を明らかにしつつ、被害者が匿名を希望している場合には、その希望を付け加える工夫をしている。最終的にはメディアが実名・匿名を判断するが、実名にした場合にはメディアが被害者に対して責任を負うことになる。

 これはバランスのとれた方法だ。今後、基本計画を運用するにあたって、各県警で採り入れるよう考えてほしい。

 メディアも取材の方法を改めなければならない。集団的な過熱取材を避けるため、新聞やテレビの話し合いは定着してきたが、まだ十分とはいえない。事件が発生したときの集中的な取材から、被害者が落ち着いてから話を聞くような取材へと変えていく姿勢も大切だ。

 朝日新聞は実名・匿名の基準など事件報道の指針を公表している。メディアが被害者や読者、視聴者に説明責任を果たすことも欠かせない。

 犯罪被害者、警察、メディアを対立的にばかりとらえることは誤りだ。

 被害者と記者が報道のあり方を話し合う集まりができはじめている。警察の担当者や読者、視聴者も交えて、互いに理解を深め合う場が各地にもっとできたらいいと思う。

鵜飼俊男の感想

 一部の県警では、記者に対する発表では実名を明らかにしつつ、被害者が匿名を希望している場合には、その希望を付け加える工夫をしている。最終的にはメディアが実名・匿名を判断するが、実名にした場合にはメディアが被害者に対して責任を負うことになる。 犯罪加害者のうちの、未成年者、そして被害者のうちの「暴行された、今生きている女性」の氏名を、警察等の役所は匿名にする。世の馬鹿者どもが心無い冷やかしをするからである。

蛇足

私は匿名を目にするたびに「会議の私語、および会議で発言しないでおいて、あるいは肯定しておいて「陰で批判する」節操のない日本人を沢山見聞きしてきた。」ことを思い出す。そこで直接この記事とは関係なく、別に、匿名発言に付いて言いたい


A追悼施設 世論は賛成なのに

 小泉首相の約束は結局、口先だけだったのか。自分の在任中はもう検討しないと表明した、新たな国立戦没者追悼施設の建設のことである。

 安倍官房長官は、ふたつの理由を挙げた。一つは「世論が割れている」というものだ。だが、それは公平な見方とはとても言えない。

 ことし10月、首相が5度目の靖国神社参拝をした後の世論調査の結果を見てみよう。毎日新聞では新施設の建設に賛成が66%、反対が29%、共同通信では賛成が63・7%、反対が26・4%、朝日新聞の調査でも賛成が51%、反対は28%。いずれも賛成が反対を大きく上回った。

 東京で発行している新聞では読売、毎日、東京、朝日の各紙が賛成の立場だ。

 首相の宿願だった郵政民営化は、当初は世論の支持が少なかった。それを突き動かし、実現させたのは首相の説得であり、気迫ではなかったか。新施設の問題ではまったくの受け身に終始した。

 「世論の分裂」を言うなら、首相の靖国参拝の方ではないか。多くの世論調査で賛否が拮抗(きっこう)している。全国紙の論調で言えば、参拝支持は産経新聞だけだ。

 もう一つの理由は「外国に言われてつくるものではない」というものだ。

 だが、首相は忘れたのだろうか。4年前、最初に新施設の構想を打ち上げたのは、首相自身だったことを。

 01年8月、就任後初めて靖国神社を参拝した後、首相はこう述べている。「内外の方が戦没者に対して追悼の誠を捧(ささ)げる。批判が起きないような、何かいい方法がないか。今後議論していきたい」

 その秋、首相は韓国の金大中大統領に直接、新施設の検討を伝え、ことし6月の盧武鉉大統領との会談の際にも、「国民世論など諸般の事情を考慮し、検討していく」ことで合意した。

 検討するとは約束したが、つくるとは言っていないということだろうか。なんとも不誠実な対応というほかない。

 日本には戦没者を悼み、平和を祈るための公式な施設がない。これをつくろうというのが首相の初心だったとすれば、私たちも大いに共感する。こじれにこじれた韓国や中国との関係をなんとか好転させたいという外交的なメッセージ、という効果も期待できたに違いない。

 せっかくの構想だったのに、首相が投げ出してしまったのは残念である。その理由には納得がいかない。期待をもたせて裏切った首相の言動は、日本に対する信頼を損なうものと言わねばならない。

 先月、山崎拓氏らベテラン議員たちが新施設を求める超党派の議員連盟を旗揚げした。だが彼らも含め、首相に面と向かって意見する動きはない。聞こえてくるのは「反小泉と見られても……」「首相はどうせ人の言うことは聞かない」といった嘆きばかりだ。

 靖国参拝が深刻な外交問題になってしまったことへの心配は広く共有されている。なのに、打開のためにだれも動こうとしない。この不作為の責任は重い。

鵜飼俊男の感想

小泉氏の心の中で何が起こっているか?

@脅されている。

A郵政民営化を決めて、ともかくも一本ホームランを打った。あとは日暮れ腹減り。

もう後は波風立てぬよう、エラーをしないで試合場を去りたいのである。

B郵政民営化で、自民党の大半が、小泉氏に腹を立て、または ねたんでいる。それが静まるのを待っている。消極的なガス抜きをしている。(時が薬)