![]() 2009年8月11日に駿河湾を震源とするM6.3の地震が発生しました。静岡県中部でこの規模の地震はおよそ40年ぶりのことでした。 東海地震との関連が注目されましたが、今回の地震は東海地震が起きるプレートではなく、その下にもぐりこむフィリピン海プレート(深さ23km)が震源だったため、東海地震に直ちに結びつくものではないとされました。 この地震はこの地域に周期的に起きている地震であり、東海地震との関連は薄いと考えられます。 実は、静岡県中部には比較的に地震が多く、小さな地震が活発に起きています。今回の震源付近では約30〜40年周期でM6前後の地震が発生し、それ以下の規模の地震ではかなり頻繁に起きています。
![]() 駿豆断層を地震後の地殻変動が実証!?大崩海岸の記事にも書きました駿豆断層ですが、物的証拠が少ないため立証に至っていません。しかし、地震の発生により、その存在が確かなものになりつつあります。下の図左は2009年8月11日の地震直後の地殻変動を示したものです。 そして、下図右は駿豆断層を図にしたものですが、比べると震源地やそれに伴う横ズレの位置や方向が一致していることが分かります。この事から断層は実在していると考えられます。 ですが、この駿豆断層は断層名こそ表記しないものの既に多くの研究者が利用しています。 ![]() 8月11日以降の地殻変動 地震が起きた後の地殻変動を見ると焼津市以西、高草山を境に動き方が静岡市周辺と食い違います。この動きは現在固着していると見られる糸魚川〜静岡構造線と高草山、大崩が境になっています。この地震により焼津市が西へ移動し、富士山周辺を含む伊豆衝突帯が北西へ移動しています。そして、富士山南部の富士宮〜静岡にかけて南南西に移動しています。 地図に浮かぶ駿豆断層と群発する地震2001年に頻発した川根付近の地震は「不審な地震」として東海地震との関連が疑われましたが、ここも比較的短い周期で地震が起きています。このエリアでの地震は正断層成分を持つ横ズレ断層型であり、深さは33km.で潜り込むプレート内 で発生したスラブ内地震です。 駿豆断層の走向をそのまま延ばすと地図上(航空写真)に連続する山や谷の筋状に見えます。この筋は川根の下泉付近で急に西に向きを変えています。 駿豆断層は伊豆半島では石廊崎断層としてはっきり確認できますが、湾を隔てた西側は陸の下に潜り込んでいるため確認できません。しかし、プレートの下の断層がずれる事により地表にもゆがみが現れているととらえられます。 駿豆断層と断層付近の地震をアニメーションにして見ました。この地点は地震が集中して起きています。 ![]() 伊豆マイクロプレートと地震発生メカニズム近年まで伊豆はフィリピン海プレートに乗っていると考えられてきました。しかし伊豆半島の運動がフィリピン海プレートの運動と食い違うことと、地震の分布により伊豆半島はフィリピン海プレートと別の小さなプレートが存在が近年発表されました。これは1993年以降に急速に発展したGPS観測システムにより、地殻変動の詳細を捕らえる事ができたからです。
それにより、伊豆周辺とフィリピン海プレートの地殻変動の食い違い等、今まで説明ができない疑問点が「伊豆マイクロプレート」を仮定した場合、おおむね解決するという事がわかってきました。伊豆半島を含むフィリピン海プレートはプレート運動により北進し、北アメリカプレートの下に潜り込んでいます。一方、駿河湾ではほぼ西の方向に進み駿河トラフに潜りこんでいます。同じプレート上で 明らかに異なった方向に運動していることがGPS等の計測で明らかになっています。また伊豆西方沖の地震活動も伊豆マイクロプレートの存在を証明するものと考え、その存在はほぼ確かなものだとされています。 実は駿河湾地震、静岡駿河湾沖地震はどのようなメカニズムで起きるかは公式な発表がなされていません。この近辺で地震が30〜40年周期で起きていることから、プレート運動に関連していると思われます。 フィリピン海プレートと伊豆マイクロプレートは、継続的に太平洋プレートに西に押されており、駿河トラフへ沈み込んでいます。 これは、伊豆マイクロプレートはフィリピン海プレート運動により北上したいが、本土に阻まれ北進できません。しかし、駿河トラフでの西へ沈み込みが続いているので、西に振られていることになります。しかしプレート滑り込み量は富士宮付近と御前崎沖合いでは滑り込み量の差が大きく、それより南西にいくほど大きくなります。現象としては伊豆半島は時計回りに回転する方向に力が掛かっています。しかし伊豆マイクロプレート自体が回転することができないので、歪が蓄積して耐えなくなったところで座屈し破壊が起こると考えられます。 つまり、フィリピン海プレートと太平洋プレートのど真ん中にある伊豆マイクロプレートは両方向からの圧迫によってプレートが変形、そして駿豆断層が座屈したものが駿河湾沖地震を起こしたのではないのでしょうか。 伊豆マイクロプレートが新しいプレート境界線に?近年、GPSでの地殻変動の結果を見ると、伊豆半島と県中部西部の地殻変動の向きや量がほぼ同じなことに気がつきます。つまり、駿河トラフのプレート滑り込みが鈍化していることとも考えられます。その反面、伊豆東側で地震が頻発しています。これらに注目するとフィリピン海プレート境界線は伊豆の東側に変わろうとしているのかもしれません。 |